【フルクラム】ディスク用ホイールのまとめ。2023年度版
フルクラムのディスクロード用ホイール2023年度版のまとめです。2019年から更新しています。
■サマリー
まずラインナップ全体のまとめです。モデル数は、記事執筆時点でのカワシマサイクルサプライのwebサイトのモデル数を基準にしています。
2019:ディスク用が15、リムブレーキ用はカウントしていなかったので不明です。
2020:ディスク用が13。リムブレーキ用が12です(チューブラーのSpeed55T含む)。
2021:ディスク用が20。リムブレーキ用が9です。
2022:ディスク用が27。リムブレーキ用が9です。
2023:ディスク用が23。リムブレーキ用が9です。
2019年あたりは『ロードにディスクブレーキなど不要』という方が大勢いたのですが、もはや懐かしさすら感じるような時代の流れの速さです。不要かどうかとは関係なく、メーカーの開発費とマーケティングのリソースがディスクブレーキに一本化されたため、新たに発表される商品はディスクブレーキが前提となってしまいました。
リムブレーキとディスクブレーキは構造が全く異なるため、例えば『レーゼロのリムブレーキモデルとディスクブレーキモデル』の両方を作るとなると製造ラインが2つ必要ですし、在庫もそれぞれ必要です。そのような2重の投資をしても2倍売れるわけではありませんから、メーカーとしてはディスクブレーキモデルに1本化してくるのは良く理解できます。ユーザーとしては納得できませんけども…。
またフルクラムは早くからワイドリム化を推進しているブランドでもあります。同じく5年くらい前は15Cから17Cに移行する時期で大騒ぎをしていたのですが、もはや17Cがナローリムという扱いで、19Cがスタンダードになってしまいました。シマノですら内幅21mmとなっており、ZIPPは23mmが普通です。
そして2023年の新モデルでは、ついに内幅23mmとなりました。カーボンリムの製造技術の向上で、ワイドリムをより軽く作れるようになったので、ディスク化とセットでワイド化が進んでいるのではないかと考えています。
2022年は、アルミリムのRacingシリーズ(4、5、6)がリニューアルされました。こちらもリム内幅が19mm及び20mmと拡大されています。今回の記事では、リニューアルされた『SPEED42』と『SPEED57』の登場がメインです。
それでは早速見ていきましょう。
■ラインナップ
WIND/SPEED系
主にディープリムのWIND/SPEED系です。
立て続けに新製品が出て、フルクラムとしても力の入れようが見て取れます。2023年5月にSPEED42およびSPEED57が発表されました。
※2019/11にSPEED55T DBが追加されました
※2022/06にSPEED25が追加されました
※2022/08に価格改定が行われました
※2022/05にSPEED42およびSPEED57が追加されました
名称 | リム高 | 内幅 | 外幅 | 重量 | 価格(税込) |
WIND40 DB(2WAYFIT) | 40 | 19 | 27 | 1,620 | 218,900 |
WIND55 DB(2WAYFIT) | 55 | 19 | 27 | 1,680 | 222,200 |
WIND75 DB(2WAYFIT) | 75 | 19 | 27 | 1,820 | 226,600 |
SPEED25(2WAYFIT) | 25 | 21 | 24.6 | 1,285 | 380,600 |
SPEED 42(2WAYFIT) | 42 | 23 | 29.3 | 1,410 | 420,200 |
SPEED 57 (2WAYFIT) | 57 | 23 | 29.3 | 1,495 | 420,200 |
SPEED40 DB(2WAYFIT) | 40 | 19 | 26.5 | 1,470 | 371,800 |
SPEED55 DB(2WAYFIT) | 55 | 19 | 26.5 | 1,580 | 371,800 |
SPEED40T DB(チューブラ) | 40 | - | 26.5 | 1,320 | 473,000 |
SPEED55T DB(チューブラ) | 55 | - | 26.5 | 1,3950 | 473,000 |
SPEED40 CMPTZN DB(2WAYFIT) | 40 | 19 | 26.5 | 1,460 | 418,000 |
SPEED55 CMPTZN DB(2WAYFIT) | 55 | 19 | 26.5 | 1,570 | 418,000 |
今回のトピックはSPEEDシリーズのリニューアル。SPEED42とSPEED57が登場しました。この時点では旧モデルとなるSPEED40とSPEED55もまだフルクラムwebサイトに載っていますが、SPEED42および57ではリム、ハブ、スポークなど全てが新しくなっており、リム内幅は遂に23mmに。合わせるタイヤも28mmが前提です。
またちなみにfulcrumの本国サイトには『Speed combo 42/57』というフロント42、リア:57というセット商品も載っているのですが、SPEED40/55のComboも輸入されていないことから、42/57のComboも輸入されないようです。
2022年6月にリリースされたSPEED25ですが、SPEEDファミリーにもついにローハイトのモデルが出てきました。そのせいでレーゼロカーボンの存在意義が危うくなっています。SPEED25は、重量わずか1,285gと非常に軽量です。
フルクラムのサイトにはまだSPEED40、SPEED55が掲載されていますが、在庫が無くなり次第販売終了になると思われます。既にチューブラーモデルであるSPEED40T DB、SPEED55T DBはサイトから消えています(在庫があるためか、カワシマサイクルサプライのサイトにはまだ載っている)。
WINDもそうなのですが、ハイト違いの重量差が小さいのがポイントですね。Speed42とSpeed55の重量差は85g。55でも1,500gを切っているので十分軽いです。
WIND40とWIND55でも60gしか変わらない。価格差も3,000円ですし…。でもWIND55になると1,700g近くになってしまいますので、悩ましいところではあります。相次ぐ値上がりにより他ブランドでこの価格帯の商品があまり無いのですが、シマノがアルテ~105のホイールをリニューアルしたことでWINDの強力なライバルとなっています。
円安、送料の高騰が反映され、日本での販売価格がどんどん高くなっています。一方海外では価格据え置き。例えばPBKではSPEED40 DBが20万円以下で販売されています。
レーゼロ系
次にレーゼロ系です。記載はありませんが、全て2WAY-FIT(チューブレス対応)です。
名称 | リム高 | 内幅 | 外幅 | 重量 | 価格(税込) |
Racing Zero DB | 30 | 19 | 23.8 | 1,590 | 176,000 |
Racing Zero CMPTZN DB | 30 | 19 | 23.8 | 1,570 | 221,100 |
Racing Zero Carbone DB | 30 | 19 | 26.5 | 1,450 | 370,700 |
Racing Zero Carbone CMPTZN DB | 30 | 19 | 26.5 | 1,440 | 407,000 |
レーゼロのディスク版は2019/11にデザインが変更され、それに伴い大幅に値下げされました(旧価格:177,000円)。併売されていた6穴は廃止。また2019/12にベアリングにCULTセラミックを採用した待望の『コンペッティツィオーネ』が追加されています。
レーゼロは今や貴重となったアルミリムの高スペックモデルです。価格も抑えられており、2本目にちょうど良いと思います。ただしSPEED25の登場により、レーゼロカーボンの立ち位置が危うくなってしまったのが少々残念なところです。いずれ消えてしまうのでしょうか。
レーシング3以降
お手頃価格の金属系リムのファミリーです。この辺は数字が小さいほうが値段も高く高性能というヒエラルキーがはっきりしていて、分かりやすくて良いですよね。その頂点がレーゼロなのですが。価格については、2021年のリニューアル時に5%ほど値下げされたのですが、2022年の価格改定で値上がりしました。
※2021/11/13追記:2022モデルとしてリニューアルされたRacing4、5、6が発表されました。
名称 | リム高 | 内幅 | 外幅 | 重量 | 価格(税込) |
Racing3 DB 2WAY-FIT | 28 | 19 | 23.8 | 1,660 | 116,600 |
Racing4 DB 2WAY-FIT | 34 | 19 | 24 | 1,710 | 80,300 |
Racing5 DB 2WAY-FIT | 24 | 20 | 25 | 1,660 | 70,400 |
Racing6 DB 2WAY-FIT | 24 | 20 | 25 | 1,780 | 59,400 |
2019年3月にレーシング3が追加されました。リリースを見るとオールラウンド性が高まっていると訴求されています。リニューアル後のレーシング5と似たようなスペックですが、レーシング3はスポークがダブルバテッドだったり細かい点で性能が高いです。リムハイトが増えて幅がほぼ同じでも、重量も同じというのも頑張っています。レーシング3~5の中で、どれを選択するか非常に悩ましいですね。
また2021年11月にレーシング4~6がリニューアルされました。基本的にはリムのワイド化で、内幅が19~20mmとなりました。そのせいで旧モデルより若干の重量増となっており、その影響を小さくするためにリムハイトも1mm程度低くなっています。6は5の廉価版で、ロゴやニップルの仕様が異なるなど、コストダウンが図られています。
同じくPBKなら、レーシング5も4万円以下で販売されています。
グラベル系
ここ数年でモデル数が増えているグラベル系です。4モデルですが2モデルがカーボンリムで、価格帯も幅広く、力の入れようが伺えます。
名称 | リム高 | 内幅 | 外幅 | 重量 | 価格(税込) |
RAPID RED CARBONE DB | 30 | 25 | 30.6 | 1,490 | 277,200 |
AIRBEAT 400DB 2WAY-R | 40 | 21 | 28 | 1,640 | 154,700 |
RAPID RED 3 DB | 24 | 24 | 29 | 1,710 | 113,300 |
RAPID RED 5 DB 2WAY-R | 24 | 23 | 28 | 1,700 | 70,400 |
上の2つがカーボンリムです。RAPID REDの3と5はアルミリムですが、こちらは650Bもラインナップされています。載せている重量などは700Cのものです。
ということで、ディスクロードで安価にホイールを交換する際にはとりあえずレーシング3以降から選んでおけば良いと思います。私も旧モデルのレーシング5を使っていましたが、非常に扱いやすいホイールでした。
一度は高級ホイールを使いたいと思い、奮発してDTswissやENVE45、今はMAVICのSLR32を使っていますが、価格差が6倍あるのでレーシング5の6倍も速くなるのかと言われるとそうでは無いですからね(どのハイエンドホイールもそうですけど)。
フルクラムの中だけでも十分に上から下まで揃っています。デザインも良いですし、私は非常に好みです。レーシング3なら割とお手頃価格です。
他ブランドのエントリは、こちらです。