EDGE540/Edge840発売!概要やEdge1040との違いについて
■Edge540/Edge840が発売
Edge1040に続き発売が期待されていた『Edge540』と『Edge840』。ついに発売となりました。予約開始は2023/04/13、発売は2023/04/20です。代理店のいいよねっとがガーミンジャパンになってからは、全世界で同時に発売されるようになったので助かりますね。
Edge530/Edge830の発売は2019年7月でしたので、実に4年弱ぶりのモデルチェンジとなります。
トピックスとしてはEdge1040と同様にソーラーモデルが登場し、パワーガイドなどの機能面もEdge1040と同様に実装されています。これで3機種は機能面において差はなく、『画面サイズ』と『タッチパネルの有無』、『ランタイム』で区別されることとなりました。
※現時点ではEdge1040にはない機能が一部にありますが、いずれファームアップデートで対応がなされると思われます。
Edge540/Edge840の単純なレビューは既に山ほどあります(そしてその内容はEdge1040の時とあまり変わらず、ソーラーすごい!というものが多い)ので、今回は私が使っているEdge1040も含めて『Edge540/Edge840はどうなのか』という切り口で見ていきます。
■Edge540/Edge840の概要とEdge1040との違いについて
主要スペックの比較
ここではEdge540/Edge840の購入を検討する人向けに、各モデルの主要スペック、またEdge1040との違いを整理します。また参考としてEdge530/Edge830も並べておきます。
細かい点はGarminのサイトを見ていただくとして、主要スペックの比較は以下の通り。
Edge540 | Edge540Solar | Edge840 | Edge840Solar | Edge1040 | Edge1040Solar | Edge530 | Edge830 | |
重量 | 80.3g | 84.9g | 84.8g | 88.9g | 126g | 133g | 75.8g | 79.1g |
ランタイム | 26h | 32h | 26h | 32h | 35h | 45h | 20h | 20h |
画面サイズ(inch) | 2.6 | 2.6 | 2.6 | 2.6 | 3.5 | 3.5 | 2.6 | 2.6 |
メモリ | 16GB | 16GB | 32GB | 32GB | 64GB | 64GB | 16GB | 32GB |
価格(本体のみ) | 54,800円 | 69,800円 | - | 74,800円 | - | 109,800円 | 52,800円 | - |
価格(セット) | 69,800円 | - | 74,800円 | - | 99,800円 | - | 64,780円 | 74,800円 |
※Edge530、Edge830のメモリはPCと接続した場合のファイル容量からの推定。
ラインナップについて
Edge1040と同様にEdge540/Edge840ともソーラーとノンソーラーモデルが発売されます。販売方法は、例によって本体のみ版とセンサーとのセット版の2通りがあります。
ソーラーモデルはどちらも本体のみでの購入が可能ですが、Edge840のノンソーラーはセット版のみとなります。私が購入したEdge1040ノンソーラーも同様にセットしかありません。Edge540は何故かノンソーラーでも本体のみの選択肢があります。
ランタイムについて
ランタイムについてはEdge530/Edge830時代の20hから進化して、ノンソーラーで26h。ソーラーでは32hとなっています。
Edge1040ではノンソーラーは35h、ソーラーは45hとなっていますが、ソーラーの45hというのは『35h使う間にソーラーで10h分の発電がなされる(※屋外にて75,000ルクスの条件下で使用した場合)』という条件がついています。
Edge540/Edge840のサイトを確認したところ同様の条件が付記されていましたので、ノンソーラーとソーラーの差である6hはある程度の発電がなされることが前提となっています。例えソーラーモデルだったとしても、夜間走行ばかりでソーラー発電が行われなければランタイムは26hになるということです。
また使い込むと電池は劣化してくるわけですが、それを加味しても300kmブルべ(制限時間20h)なら安心して使えるランタイムとなりました。
接続端子についてもUSB Type-Cになりましたので充電速度もアップ。短時間の充電でもそれなりにバッテリーを回復することが出来ますので、ランタイムの延長に貢献することになります。
付属品について
本体以外の付属品は以下の通り。Edge540とEdge840で共通です。
ハンドルステムマウントはゴムバンドでマウントを固定するタイプ。アウトフロントマウントは、拡張バッテリーに対応したアームタイプのマウントです。
- ハンドルステムマウント
- フラッシュアウトフロントマウント
- Type-Cケーブル
- ストラップ
- クイックスタートマニュアル
同じく本体のみ版として販売されているEdge1040ソーラーの場合、上記の5つに加えて『マウンテンバイクマウント』『シリコンケース』が付属しています。Edge540/Edge840にもシリコンケースも付属するのかと思いましたが、省略されてしまいましたね。不評だったのか?
こちらはセット版の付属品です。センサーが3つ付いてきます。これらのセンサーですが定価ベースでは21,450円します。
- ハンドルステムマウント
- フラッシュアウトフロントマウント
- Type-Cケーブル
- ストラップ
- クイックスタートマニュアル
- スピードセンサーDual
- ケイデンスセンサーDual
- HRM-Dual
こちらの8点セットはEdge1040も同様です。マウンテンバイクマウントとシリコンケースはEdge1040のセット版には付属しないという、良く分からない仕様になっています。
価格について
まずはEdge540の各モデルの価格を紹介します。530も含めて並べてみます。
- ノンソーラー(本体のみ版):54,800円
- ノンソーラー(セット版):69,800円
- ソーラー(本体のみ版):69,800円
- 530(本体のみ版):52,800円
Edge530とEdge540のノンソーラーを比較すると、性能が向上しているのに2,000円しか値上がりしていません。これはかなりのお買い得感です。
これにソーラーを追加すると15,000円アップとなります。セット版は21,450円分のセンサーが追加されて同じく15,000円の価格アップです。
ちなみにEdge1040では、ノンソーラー(セット版)とソーラー(本体のみ版)には10,000円の価格差があります。Edge540では、この点については価格差がありませんので良心的…なのか?
次に840です。
- ノンソーラー(セット版):74,800円
- ソーラー(本体のみ版):74,800円
- 830(セット版):74,800円
どちらのモデルも見事に同じ価格です。Edge540に5,000円を追加するとタッチパネル機能が手に入ることになります。Edge830からは値上がりしていないので魅力的に見えてきますが、74,800円は中々のお値段ですよね。Edge1040を使っている立場から言うと、タッチパネルの動作はEdge1040になってかなり改善されており、5,000円の価格差というのは安いと感じます。
またノンソーラー(セット版)を買うと付いてくるセンサー類を新品のままメルカリやヤフオクなどで売ってしまえば、その分だけソーラーよりも安く買えることになります。定価ベースで21,450円ですから、手数料などを考慮しても10,000円くらいは回収できそうです(最初から本体だけ売ってくれと思いますが)。
ちなみにEdge1040は、ソーラー(本体のみ版)で109,800円。Edge840とは35,000円も違います。主なスペックの差異は画面サイズとランタイム、メモリです。しかし画面サイズが大きいとソーラー発電量も多くなるはずですから、ソーラー発電に期待する人はEdge1040を買うという選択肢もアリだと思います。
機能の違い
Edge540とEdge840において、主な機能面は共通しています。Edge840は端末のみでコース作成を完結することができるのですが、Edge540では非対応。大きな違いとしてはこのあたりでしょうか。
またハード的な面では、Edge840にも物理ボタンが装備されたことが大きな変化です。タッチパネルの操作がしづらい冬(フルフィンガーのグローブを着用するので)や雨でも物理ボタンによる操作が可能になり、タッチパネルのデメリットが減りました。これはEdge1040にもない特徴なので、Edge840を選択する大きな理由になりそうです。
先行して使用している人のレビューを見ると単にボタンが付いただけでなく、ボタン操作を併用しやすくなるようなUIがEdge840には実装されており、好感が持てる部分です。
Edge1040に実装されていたパワーガイドやリアルタイムスタミナなどの新機能は、もれなくEdge540/Edge840にも実装されています。
統合トレーニングステータスについて
そして先日のアップデート(v16.13)でEdge1040に実装された『統合トレーニングステータス』機能ですが、これは複数デバイス間でデータを共有できる(このデータ共有機能は『Physio TrueUp』という機能)だけでなく、対応するデバイスを主要なデータソース(優先トレーニングデバイスと呼ぶ)として設定することが可能な機能です。
例えば心拍ベルトで取得した心拍数データをEdge1040に送りつつ、ウォッチでも心拍を計測しているような場合、どちらのデータを優先するのか決めておいてねということです。
2023年4月現在では、統合トレーニングステータスに対応するサイコンはEdge1040のみ。対応端末の多くはForerunner やfenixなどのウォッチとなっており、ウォッチをコアとしてユーザーを囲い込みたいgarminの戦略が感じ取れます。
Edge540/Edge840はまだ対応デバイスとして登録されておらず未対応ですが、Edge1040が対応していますからいずれ対応するものと思われます。
■まとめ
Edge540/Edge840の特徴とラインナップをEdge1040も交えて紹介しました。
お勧めモデルを整理する
Edge530/Edge830から4年も経っていますので買い替えを検討する人も多いと思いますが、一体どのモデルを買うのが良いのか整理してみます。
まずとにかく安く買いたいのであれば、Edge540のノンソーラー一択です。これならEdge530からわずか2,000円アップの54,800円で済みます。
ここからが悩ましいところですが、Edge540ノンソーラー以外のモデルは一気に価格が高くなり『69,800円』と『74,800円』の2択なのです。『69,800円』はEdge540で『74,800円』はEdge840なのですが、Edge540に5,000円を追加するとタッチパネルと物理ボタンの両方を備えたEdge840が手に入ります。
Edge540を高く設定しているのか、Edge840を安く設定しているのか…それは分かりませんが、機能を考慮すると価格差が5,000円というのは明らかに安い。売価に対する原価率では、どう見てもEdge840の方が原価率が高いのではないでしょうか。
ということで、買うなら『Edge540ノンソーラー』もしくは『Edge840ソーラー』のどちらかがお勧めです。
ここにEdge1040を加えるとややこしくなるのですが、私のようにナビがメインで買うならEdge1040は超おすすめ。Edge1040はEdge840のようにセット版と本体のみ版が同じ価格ではなく、ノンソーラーが10,000円安いうえに、センサー類を売却すれば更に10,000円程度を回収可能です。メモリも64GBありますから動作にも余裕があります。
ブルべを走るなら11万円だしてEdge1040ソーラーを買うのも良いです。太陽光パネルの面積が大きいですから発電量も多く、ソーラーモデルの恩恵をより多く受けることが出来ます。
ラインナップが整理された
ということでEdge1040を既に使用している立場からすると、6年くらいかかってようやく5xx系、8xx系、10xx系のソフトウェアがほぼ統一され、違いは『物理ボタンのみの5xx』『タッチパネル+物理ボタンの8xx』『タッチパネル&大画面の10xx』という分かりやすいラインナップに整理されました。
しばらくはフルモデルチェンジは無いと思いますが、次回もこの方針を維持して欲しいものです(Edge1040は物理ボタンが装備されるかもしれませんが)。
私はしばらくはEdge540/Edge840を買うことはせず、PBPには年末に買ったEdge1040ノンソーラーを持っていく予定です。GarminのEdge系端末は発売から1年はベータテスターとして不具合だらけの端末と付き合っていくことが宿命なので(Edge530でも色々ありました)、さすがにPBPに持っていこうとは思えません。
PBPが無ければ即買いして『こんな不具合があります!』と喜んでブログにするところですが、今回に限っては我慢します。ちなみに下の画像は発売から1年後のアップデートで実装されたEdge530の不具合。標高プロファイルの描画ロジックがおかしくなっています。
ただしEdge1040には非常に満足していますし、Edge540/Edge840のスペックも非常に良いものですから、気になっている方は購入されることをお勧めします。
最後にEdge1040のレビュー記事へのリンクを貼っておきます。こちらの記事の最後にEdge1040の全メニュー項目を一覧にしたPDFファイルが置いてあります。Edge540/Edge840もほぼ同じメニュー構成になると思われますので、購入前/購入後の参考にしてください。