ディスクブレーキ

【ディスクブレーキ】パッドの音鳴り/パッドの擦れを解消する

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この記事では、ローターとパッドが擦れて音がする場合の調整方法を紹介します。ディスクブレーキ全般の調整方法については下記の記事でまとめています(本記事の内容も含んでいます)ので、こちらのリンクから。

■ディスクブレーキの音鳴り発生

シナプスが納車された直後の話です。お店で自転車を受領し、車に載せて自宅に帰ります。前輪だけ外してあったので、自宅で前輪を装着。するといきなりブレーキキャリパーから『シュッ、シュッ』という擦れる様な音が…。お店と自宅の距離って、たったの2kmしかないんですけど一体何が。。。

ホイールの固定方法がスルーアクスルだと、クイックの時の様にホイールが傾いて装着されることは構造的にありえません。翌日、お店に持って行って調整してもらいましたが、直接の原因はパッドとディスクローターが擦れていたこと。擦れていた原因は、キャリパーの位置がほんのわずかですが、ずれていたことでした。調整後は、症状は収まっています。

この程度のトラブルだったら自分で解決出来るようになりたいと思い、調整方法を紹介します。

■原因

まずディスクブレーキのキャリパーから擦れるような音鳴りがする場合の原因ですが、いくつかあります。主なものは、下記の3つですかね。

  • ブレーキキャリパー自体の偏り
  • ローターの歪み
  • 熱によるローターの一時的な『反り』
  • パッドに付着した異物

1はキャリパーブレーキのロードで言うと、キャリパーが傾いて装着されているようなものですね。フレームの初期状態やそれを修正するショップの作業(台座のフェイシング・芯出し)が甘いため、傾いてキャリパーが装着されてしまう場合も含まれます。

2もホイールがフレていて、ブレーキシューに接触してしまうのと同じような現象ですね。ローターが振れる、とでも言いましょうか。何かに強くぶつかった等で、ローター自体が歪んでいるという状態です(※そんなに簡単には歪みません)。

3はシマノのローターが代表的なのですが、急激なブレーキングでローターが過熱された場合に、熱による反りが左右で不均等になるためにパッドとローターの接触が発生するケース。これは長くなるので、更に別記事で解説します。走行中に起こります。

合わせて読みたい
【ディスクロード】走行中のディスクブレーキの音鳴り・擦れの原因について
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4はシューに小石などの異物が付くのと同じです。もし異物が付着してしまっていたら、金属のディスクローターに傷がついたり、ブレーキタッチが異なるので分かります。分かりやすいので、ここでは解説しません。

となると後は1なのか2なのか?ですが、今回は目視でローターの歪みを確認したところ、判別出来るほどの歪みはありませんでした。一方、ディスクローターとパッドのクリアランスを見ると、明らかに左右で偏りがあります。

分かりますでしょうか?左側にはクリアランスがありますが、右側にはありません。これ、ほんと微妙なクリアランスでして、どう見てもコンマ何mmというシビアな幅。

よって、ブレーキキャリパーの位置を調整してブレーキパッドとディスクローターのクリアランスを適切な幅に調整し『シュッ、シュッ』という音鳴りを解消することにします。

ちなみに今回の症状はパッドとローターが接触しているということになりますが、特に走行に支障があるという程ではありません。本当に微妙なクリアランスなので、走っているといつの間にか音がするようになっていることもあります。今回のように調整をせずとも、ブレーキレバーを何度か強く握ると解消してしまうこともあります。

なので現時点では音が気になるから解消するという目的です。ただ、こういうのを放置しておくと走行に支障があるトラブルとして発展・顕在化することがありますので、早めに解消しておきます。

■解決方法

ディスクブレーキキャリパーの位置調整

このトラブルの場合、ブレーキキャリパーの位置を調整してクリアランスが左右均等になるようにします。キャリパーブレーキでもシューとリムのクリアランスを調整する場合がありますが、やり方はあれと同様です。 

  • キャリパーの固定を緩める
  • ブレーキレバーを握る(これでセンターが出るが、コツがある)
  • キャリパーを固定する

これからこの3行を10倍くらいに膨らませて書いていきます。

まずは道具

既にディスクロードに乗っているりゅうさんに聞いてみると『ディスクローターセンタリングツール』なるツールがあるらしい。

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これが何をする道具なのかも分からなかったので、まずはAmazonで見てみる。いくつかレビューがあるが、センタリングが簡単に出来るとえらい絶賛されている。この時は時間が無かったので、とりあえずポチってしまった。

到着。下の画像でビニールがかかっている部分をキャリパーに突っ込んでクリアランスを均等にする道具なのですが、キャリパーに突っ込む部分が汚れているとパッドやローターに油分が付着しかねないので、このようにビニールで保護されています。扱う時も要注意です。

センタリングツール

このうっすい金属部分を差し込みます。この商品は持ち手がついているので、類似商品と比べると非常に扱いやすいと思います。

センタリングツール

ブレーキキャリパーのネジを緩める

次にブレーキキャリパーのネジを緩めます。外す訳では無いので、固定する2本のネジを少し緩めれば十分。

締める

先程のツールを、ローターに沿わせてセット。そのまま回転させて、ブレーキキャリパーの中に挟みます。

センタリングツール

ブレーキをかける

ブレーキキャリパーがフリーな状態のままツールをキャリパーに挿入したら、ブレーキレバーをギュッと握り、キャリパーとツールを固定します。そしてそのままの状態で、先ほど緩めたキャリパーの固定ネジを『必要トルクの8割ほどで』締めます。2本のネジは一気に8割まで締めずに、交互に少しづつ締めましょう。

締める

位置調整した後に本締めします…が。

なぜ必要トルクの8割ほどでしか締めないのかと言うと、ブレーキレバーを全力で握った状態で固定したとしても『何も考えずに本締めするとキャリパーの位置がほんのわずかにズレる』からです。リムブレーキでも同様の作業をした方は多いと思いますが、やはりブレーキレバーを握ったまま本締めしても、ほんの僅かですがキャリパー自体が傾いていた経験があると思います。最後のトルクをかける場面で、わずかですがネジと一緒にキャリパー本体が回ってしまうんですね。リムブレーキとディスクブレーキでは調整幅のシビアが違うだけです。起きている現象は同じです。

回避方法

一般的に、ネジを締める時は時計回りにレンチを回します。そのため、キャリパー自体がわずかながら右にズレます。それを見越して、8割ほど締めたら、ツールを抜きます。そこからほんの少しだけ予め左にキャリパーをずらしておきます。これはもう、目視でやるしかありません。

センタリングツール

調整完了

そして本締めすると、無事に左右均等なクリアランスでキャリパーを固定することが出来ました。作業前は聞こえていた擦れによる音鳴りも、解消しています。また左右のパッドのローターへの『当たり』が均等だと、ブレーキをかけた時の『フォ~ン』という不快な鳴きも低減されます。

左右均等です

今回はディスクブレーキローターとパッドが擦れて、音鳴りが発生していた場合の対処方法でした。

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管理人は40代のロードバイク乗り。20年前にCannondaleのCAAD3を買って以来、Cannoncdaleばかり乗り継いでいます。 昔はメッセンジャーやレース、今はロングライドとブルベ中心。ブルべの主担当もやります。
年間走行距離は約10,000km。身長170cm、体重57kg。
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