ENVEのフックレス『ENVE45』を購入!フックレスリムの詳細はこうなっている

先日紹介した通り、ENVEの『ENVE45』が届きました。届いたというか、お店にはバラの状態で届きます。その後にお店で組んで完成となるので、組み上がったものを引き取ってきました。

この後の話はこちら。

インプレはこちらです。

■納品まで

9月の下旬にショップにオーダーして、ショップに到着⇒組み上げて納輪までおよそ一ヶ月かかりました。スポークの長さが異なるものが混じっていたとのことで、組み上げが中断したことも影響しています。

認定ホイールビルダー

ENVEのホイールはバラの状態でショップに納品されます。そしてショップで手組みされて、納輪です。ENVEは手組のホイールなんですね(完組でも程度の差はあれ人が組んでいますが)。そこがENVEの魅力でもあるのですが、製品としてはショップごとにクオリティにバラつきが出てしまっては問題です。

そこでENVEは、国内のショップに『認定ホイールビルダー』という制度を作り、認定を受けたショップでのみ販売が可能な仕組みとしています。ショップに商品が到着したからと言って、すぐに引き渡せる訳ではありません。

■ENVE45のスペックを確認

従来のSES(Smart ENVE System)シリーズのホイールと比べて約半額で手に入るFoundatin シリーズ。そのENVE45のスペックは以下の通りです。まず前提として、このシリーズはディスクブレーキ用しかありません。

ENVE45のスペック

  • リムハイト:45mm
  • 重量:1,561g(フロント:725g、リア:836g。シマノフリーの場合)
  • リム内幅:21mm
  • リム外幅:28mm
  • スポーク数:24H
  • ハブ:ENVE Foundation Road Alloy ID360 40t ラチェット
  • スポーク:Sapim CX Sprint
  • アクスル規格:フロント 12×100、リア 12×142
  • フックレスビード

私が最大の特徴と考えているのは『ディスクブレーキ用で、かつチューブレス専用』ということです。ついに『ディスクかつチューブレスが前提』というホイールが出てきました。フックありにしたらもっと売れるのに…と思いますが、それでもフックレスで出してきたENVE社です。ZIPPの303FC、303Sも同じですね。チューブレスを使えないと、新しいホイールが使えない時代になってしまいました。

価格的にはこれで178,000円(税別)であれば安過ぎますが、ENVEの従来のシリーズであるSESと比較するとリムの製法や構造は同様で、材料でコストダウンが図られている様子です。具体的にはリム、ハブ、スポークですね。

■実際の重量など

それでは、実際の重量やリム幅などを測定していきたいと思います。

実測重量

まずは実測重量です。ENVEは手組のホイール一式を提供しているメーカーであり、なぜその様なやり方なのか?と言うとリム屋さんだからです。そのため、ENVEのサイトを見るとリム単体の重量が普通に載っています。

ENVE45のリム重量は前後とも455gです。SESシリーズは前後でリム形状を変えていることがセールスポイントですが、Foundatinシリーズは前後同じであることでコストダウンを図っています。

そのためSESシリーズに全く同じリムハイト・リム幅のホイールが無いので重量の比較がしづらいのですが、最も近いSES3.4DISCのリアリムは393gしかありません(リムハイト:42mm、内幅:21mm、外幅:27.5mm)。恐らく使用するカーボンのグレードが異なるため、SESは薄く軽量に作ることが可能なのだと思います。

話が逸れましたが、実測の重量はこの通り。まず公称のホイール重量は、フロント725g、リア836gの合計1,561g(1,541gというのはSRAMのXDRフリーの場合)。それに対して実測は707g。チューブレステープは未施工の状態です。

次にリアですが、公称の重量は836g。実測は829gです。

ENVEは絶対的な軽さをPRしませんが、公称よりも軽いことをPRしている不思議なメーカーでして(公称重量を重くすれば良いだけの気がしますが、公差の中での最大値を記載しているのでしょう)、その通りの結果となりました。前後セットで1,561gから-25gの1,536gでした。

リム幅

続いてこちらも特徴の1つであるリム幅です。内幅が21mmあり、25~28Cのタイヤを装着した場合に空力が最適化される様にデザインされています。外幅は28mmありますから、28Cを付けた時にツライチになります。

ノギスで計測すると、内側はほぼ21mm。

外側は28mmです。

スポーク

スポークはサピムのCX-SPRINT Jベントです。スポーク数は24本で2クロス。

CX-SPRINTはバデッドスポークで、中央の厚さは1.25mmあります。SESシリーズが使っているのはサピムのCX-RAYですがこちらは厚さが0.9mmです。SPRINTとRAYでは、価格が倍ほども違います(もちろんRAYの方が高い)。

ハブ

ハブはFoundation Road Hubという名称です。構造はインスタントドライブ360です。これってMAVICにお金払ったりするんですかね?今更ですが。

フランジの加工がSESのような花形ではなく、省略されて円形になっています。ベアリングは信頼のNTN。完璧に与圧調整をしているとのことです。

またフランジ自体は垂直ではなく、組んだ時のスポークの角度に沿うように全体的に絶妙な角度が付いています。このように設計でカバーが可能な部分は妥協していない点が良いところです。

■外観や付属品など

リム形状

肝心のリムの形状です。フックレスなので見事にストレートなリムウォールです。中央にはタイヤを落とすためのチューブレスリム特有の溝であるセンターグルーヴがあります。そしてその両脇には、ビードを押さえるハンプが成形されています。タイヤのビードはこのハンプとリムウォールの間に固定されます。

ハンプが割と大きめなのでタイヤがしっかり固定されるのですが、チューブレステープを貼る時はとんでもなく苦労しました。こんな形状の場所にテープを貼るのがそもそも間違っています。

リムの形状ですが、外幅は28mmもありますがどちらかと言うとV字に近い印象です。今まで使っていたDTswissのERC1400も外幅27mmありますが、こちらのリムの方がU字形をしています。

https://www.enve.com/

こちらがDTswissのリム形状です。全く異なりますね。

断面

https://www.dtswiss.com/

ENVEのSESシリーズは、リムハイトや形状が前後で最適化さているために前後のリムが異なっていましたが、このENVE45/65は前後で同じリムを使用しています。しかしCFD解析や風洞実験はしっかり行っているとのこと。

フックレスリム

ここでフックレスリムについておさらいです。

まずENVEがフックレスのリムを作り始めてから、もう何年も経っています。当初はMTBからスタートしました。当然、段差や岩などにヒットしますから、タイヤが外れるトラブルがあったとのこと。そこでENVEはタイヤビードが乗る部分(ビードシート)をより精密に設計、製作することで、こういったトラブルに対処してきました。

そしてフックレスリムのメリットですが、

フックレスリムのメリット

  • タイヤのサイドウォールがフックにより内側に押し込められないため、変形が抑えられる。
  • リム内幅の拡大=タイヤの幅も広がるので、ワンサイズ下のタイヤでも同じエアボリュームとなり軽量化が可能。同サイズのタイヤなら空気圧を落とせるため、転がり抵抗が低下。
  • 構造がシンプルなので、より合理的なカーボンの積層になり耐久性が上がる。
  • タイヤとリムがツライチになり空力が向上する。
  • 製造コストが安い。

というのが代表的なものです。3番目についてはGIANTのサイトに積層のイラスト付きの解説があり、分かりやすいです。ここで気になるのは『フックが無くなるので、その分軽くなる』とはどのメーカーも言っていない事です。ZIPPなどは、低価格なのにありえない程の軽量化を実現しているのですが。

ニップルホールのモールド成型

またENVEはニップルホール、バルブホールについて最初から穴の開いた状態で成型する技術を持っていることで有名です。後からドリルで穴を開けないため、強度が高くなり軽量に出来ます。その上ニップルホールは円錐形に成型されており、より高いスポークテンションをかけられる構造になっています。

ディスクブレーキではリムのこの部分を頑丈に作っておかないと、ブレーキングの際の強烈なねじれに耐えられないそうです。ちなみにニップルはインナーニップルです。

リムのブラダ穴

リムは内圧成型で成型されます。そのため、ブラダーという圧力をかけるためのエアバッグのようなものを内部から膨らませて、外と内から圧力をかけます。そのブラダーを抜くための穴がありますが、綺麗に塞がれています。

リムには、このリムの製造を手掛けたスタッフの名前が。こちらはクリスさん。もう一本はセルゲイさんでした。

付属品

付属品です。前後セットでこれらが付属しています。

  • 説明書
  • チューブレスバルブ(プレッシャーリリーフナット付き)
  • バルブコア回し
  • チューブレステープ(約3本分)
  • アルコールクロス
  • ステッカー(1枚)

ちゃんとアルコールクロスが2枚付いているのが嬉しい。チューブレステープは3本分付いているので、失敗しても大丈夫。ステッカーは1枚しか無かったら意味がありません。プレッシャーリリーフナットを使用するとOリングが不要になるはずなのですが、説明書には『Oリングを使え』と書いてあります。どちらなの?ということで、島忠で買ってきてしまいました。

ということで、まずは実際のフックレスリムの紹介でした。フックレスの情報が少ないので、興味がある人の手助けになると良いと思います。

コメント(4件)

  • 読者 より:

    今回はENVE(ショップで組む)ということもあって正規店で購入されたかと思いますが、その他のメーカー(例えばZIPP等)だとしても海外通販や並行輸入ではなくたとえ定価販売でも正規店で購入されましたか?
    保証面の事もありますが、ホイールは繊細な部類のパーツだと思いますので海外から来たものをそのまま使用するというわけにはいかないのかなと思いました。(個人的な憶測です)
    いずれ購入する際は高い買い物なのでどうしようか迷っています。

    • morou2 より:

      そこは悩みどころですよね。
      最近のフックレスなど:比較的安いので、わざわざ海外通販で買うメリットが無くなってきています。国内の正規店で買った方が良いと思います。
      30万以上するようなもの:高いものなので、保証やメンテも考えて国内正規店で国内価格で買う。または、自己責任で海外通販などで買う。最近は何でも持ち込みOKのお店も増えていますよね。そういったお店を見つけられれば大丈夫だと思います。海外通販だと半額になっているようなホイールは、判断が悩ましいですよね。私は、出来れば国内で買いたいと考えている派です。お店とは、1つ買って終わりのつきあいをしたくないからです。

  • 読者 より:

    そうですね。とくにフックレスはお店によってはまだ扱ったことがないということもあり得ると思いますので、ビード上げやメンテナンスで困ったときは購入店を頼りにして一緒に勉強するのも趣味のうちですよね。
    引続き「フックレスレビュー」楽しみにしております。

    • morou2 より:

      そうなんです。私もカンパのWTO33を海外から買おうか…と本気で悩んでいました。結局、いつものお店で買うかどうかも含めて、ENVEにしました。
      今回はビード上げは楽だったのですが、チューブレステープ貼りで苦戦しました。その際に色々相談もしたので、良かったと思っています。

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