夏休みの宗谷岬ツーリング day1
2024年の夏休みは、母の帰省を兼ねて北海道は宗谷岬までのツーリングをしました。細かな経緯は前回の記事にまとめました。
メインテーマは、母にとっては帰省、私にとっては親戚(叔父や叔母、いとこ)訪問。それに絡めて自転車にも乗る算段をつけました。仕事を調整すると3日ほど自転車に乗る日が取れそうでしたので、以前から行きたかった宗谷岬に行き、四極踏破証明書を入手することが主目的。
叔父宅が都合よく宗谷岬600のスタート地点近くであるため、コースは宗谷岬600を参考にアレンジして引きました。
■前日まで
母と共に、無事に千歳空港に到着。
飛行機に載せる際はこのスタイル。ホイールを別にすると輪行袋の中はフレームだけですから、ホイールと接触して傷つくこともありません。エアラインは道民の翼、エアドゥですが実質ANAなので扱いも丁寧です。
その日は札幌駅前で叔父やいとこ達と飲み会。10年ぶりの再会です。
その後、砂川の叔父宅に移動して宿泊。翌日は自転車の開梱と準備をしてのんびり過ごします。
チェーンに注油が必要な状態だったのですが、飛行機輪行でオイルを携行するのは色々面倒なので、滝川で現地調達。滝川の自転車屋を2店舗回ったところ『神谷自転車商会』で懐かしのシマノオイルを入手。
このオイル、調べると意外と評価が良いのですが2019年あたりには既に廃番となっています。それが2024年に入手できるのが北海道。この神谷自転車商会も店主さんは既に年金暮らし。今さら商売する気もなく開店休業のような状態なのですが、叔父の顔が効いたので入手できたのでした。
後述しますが雨予報のためマッドガードも無事に装着して(マッドガードの装着が一番面倒)、自転車の準備が終わったところで祖母の墓参りへ。その後は滝川の魚べいに皆で繰り出して夕食。
■スタートまで
3日目。スタート当日ですが日本には超大型の台風10号が接近しており、その影響を受けて北海道も雨です。この時点で台風は九州南部にいるのですが、まぁそこそこ降っていますね…。
叔父は既に年金暮らしなので毎日が休日。そして雨の中を自転車で走るというのは一般の人には理解しがたい行為らしく、『(暇だから)途中まで送るよ。むしろ稚内まで送らせてくれ(俺も稚内に行きたい)』という叔父の言葉に甘えることに。
さすがに稚内までダイレクトに移動するのは北海道に来た意味が無いので(笑)、100kmほど車でワープして苫前から出発することにしました。当初の予定では初日に240kmを走行して稚内に宿泊(宗谷岬は翌日訪問)という割とハードな行程でしたが、おかげで初日に宗谷岬到達を狙えることに。
まぁ今回はブルべでもなんでもないので、明るい内だけ走って夜は居酒屋でのんびり飲むのが目的。雨も午後には止む予報となっているので、叔父の暇つぶしに付き合ってとにかく早めに北上し、雨の区間をやり過ごして飲む時間を確保することにします。
■day1
ということで、深川・留萌自動車道(国道だが自動車専用道)でサクッと苫前まで移動。叔父宅の出発は7時過ぎでしたが、9時前には苫前の道の駅に到着。
レインウェアを着るなど諸々の準備を整えて、叔父に見送られつつ出発したのが9時ちょうど。90分くらいで100kmを移動したのでやはり車は速いですねぇ。
さてこの日の当初の予定は、滝川から稚内市内までの240km。ところが車で100kmもワープしてしまったため、残りは140km。
順調に走行出来れば時間が余りそうですが、今回の主旨は明るい内から稚内の居酒屋に行き北の幸を楽しむのがテーマなので、早く到着する分にはウェルカム。
しかし翌日は宗谷岬往復(60kmある)を含む240kmを走る予定です。宗谷岬往復を今日のうちにこなせると明日がかなり楽になりますし、距離のアンバランスも解消されます。その辺りは稚内の到着時刻に左右されるため、とりあえず雨の中を稚内に向かって進みます。
羽幌まで
まずは10kmほど走って、羽幌のセコマで補給。スタートの道の駅で叔父を待たせつつ買い物するのは気が引けたので、水も持たずに出発したのですよね。改めてボトルに水を補給し、ついでにすじこおにぎりも食べておく。
初山別まで
次の目的地は、20km先の初山別のセコマです。北海道は町にしかコンビニが無いため、計画的に補給する必要があります。
羽幌の町を出ると、相変わらず雨が続く。
トリさんからオロロン鳥モニュメントの撮影を指定されたので、停車してパチリ。雨が小降りで良かった。この1体だけでなく、他にも仲間がいるらしい。
10:30、予定通りに初山別のセコマで補給。この先の町は遠別と天塩になりますが、今回のルート上では天塩が稚内までの最後の補給ポイント。天塩でしっかり補給することを考えて遠別はパスしましょう。
天塩まで
遠別では日本最北端の水田があります。
天塩に近づくと利尻山が見えてきました。標高1,721mありますので、多少の悪天候でも視認可能です。
12:30、約70km地点の天塩の道の駅に到着。雨もほぼ止んでいる状態だったのでレインウェアを脱ぎ、食堂へ。
セコマ以外の食事は貴重なので醤油チャーシュー麺大盛をオーダー。レインウェアを着ていると汗をかくのでラーメンが本当にうまい。
この道の駅には自販機用のゴミ箱が一切無かったので、向かいにあるセコマに移動してドリンクの補給。この先、稚内市街までの60km分の補給食も調達しておきます。
セコマを出ると道道106号、オロロンラインへ…入った途端、路面は乾いているじゃありませんか!
500mほど手前のセコマ周辺はウェットでしたから、かなり早めに雨が上がっていた様子。この先は完全ドライでアベレージも上がり、快適に走行出来ました。ほんとにもう、雨はいらないから。
天塩川にかかる天塩河口大橋に差し掛かると、オトンルイ風力発電所が見えてきました。
しばらく走るとようやく風車群に到達。数キロに亘り、約30基の風車が立ち並ぶ独特の風景です。これを見てみたかった。本州ではあり得ない風景です。
この風車群ですが、老朽化により2025年に建て替えられる予定だったところ、諸事情により2027年3月まで運転されることになったそうです。
発電所の少し北側には、北緯45度を示すモニュメントが。この近くで外国人サイクリストとすれ違いました。
更に20kmほど北上すると、ようやく稚内にIN。青看板の通り市街地までは更に30kmあります。稚内、でかいよ。
PBPのようななだらかな起伏が続く。信号ストップが一切なく心拍が上がった状態が維持され、適度にアドレナリンが出て最高に楽しい状態です。
スタートから116km、天塩から稚内市街までで唯一の自販機スポットである『こうほねの家』に到着。自販機、トイレの他、建物内で休憩も可能です。コーラを飲みましたが当然にゴミ箱は無いので、ホテルまで運びます。
時刻はちょうど15時。6時間で約120kmを移動しておりアベレージは20km/h。前半の雨や休憩を考慮すると上出来か。晴れてからのアベレージは25km/hくらいに改善しているので、20km先の稚内市街には恐らく16時には到着できます。
市街から宗谷岬までは、往復60km。25km/hの維持は難しくても20km/hが出れば3時間で往復が可能。暗くなる前の19時にはホテルにチェックインできそうです。ということで、トラブル無く無事に16時に市街に入ることが出来れば宗谷岬まで一気に行ってしまう事にします。
この日は幸いにして風もなく、順調に進みます。途中でチェーンから乾いた音がし始めたことに気付いたので、携行していたシマノオイルを注油。
そして16:05、無事に稚内市街地に到着。まだ脚も回るので、一気に宗谷岬を目指します。この先の補給は、20km先(宗谷岬まで10kmの地点)にセコマがありますのでまずはそこを目指してペダルを踏む。
宗谷岬までは平坦なのですが、さすがに疲れてきたのか0.5%くらいの地味な傾斜が辛い…。
やっとセコマに到着。『とみいそ店』というセコマですが、恐らくここが最北端のセコマのはず。補給すると復活したのでリスタートしますが、『宗谷丘陵はいっとけ』『白い道もいっとけ』という先人のアドバイスをいただいたので寄り道をすることに。こっちは早く酒を飲みたいのだから、そんなスポットがあるならもっと早く言ってよ!(笑)
まずは白い道。出口側から激坂を登ると到着。
ホタテの貝殻が敷き詰められている!こんな場所があるとは全く知りませんでした。なかなかにインスタ映えするであろう場所です(晴れていれば)。
来た道を引き返し、次は宗谷丘陵へ。海岸線から少し登ると、独特の地形が広がります。これは『周氷河地形』というらしい。雲がかかっているのが残念。晴れている時に、また来たいですね。白い道と宗谷丘陵を教えていただいたりゅうさん、じんじんさん、トリさんに感謝。
丘の上には、やはり風車。それと鹿。
丘陵に登ると、海岸沿いを走る国道に復帰せずとも宗谷岬まで行けるようなのでそのまま進みます。10分ほど進み、丘の上から一気に下ると宗谷岬に到着!やった!これが念願の最北端モニュメントです。
埼玉は大宮から来たというご夫婦に写真を撮ってもらいました。宗谷岬まで来たのに、何故さいたま市民同士で写真撮影しているのであろうか…(笑)
これで稚内の四極踏破証明書を入手できることになりますが、ここで現物をもらっても運べません。サドルバッグに無理やり突っ込むわけにもいかないですし。帰宅後、メールで申請することにします。
時刻は17:40。ホテルまでは30kmありますので、のんびりしていると暗くなってしまいます。岬周辺のお店も全て閉まっていますし、ホテルを目指すことに。
30分ほど走ると日没。美しい。日没や日の出を見られることは、夜間走行をものともしないランドヌールのメリットの1つ。
幸いにして風もなく、復路もセコマに寄ってコーラを飲んだおかげで快調に脚が回り、19:05にホテルに到着!
今回の宿はドーミーイン稚内。稚内の宿はどこも非常に高額で、ここは1泊18,000円。他のホテルも15,000円が相場で、札幌よりも高い…。それでも露天風呂があるとか、立地とかビジネスホテルはプロトコルが統一されており楽なことなど、諸々考慮してここにしました。
チェックインを済ませ、お風呂で汗を流して夕食へ向かいます。まだ20時なのですが、周辺の居酒屋はどこも早々に暖簾を下ろしており、常連らしき人が一人残って飲んでるとかそんなお店ばかり(google mapの情報ではどのお店も23時まで営業となっている)。
徒歩圏内で良さげなお店はここだけだったので、稚内まで来てジンギスカンを食べることになりました。魚が食べたかった…。
一人用の鉄板が出てくるのがポイント。意外にも非常に美味しかった。札幌ビール園や松尾ジンギスカンも美味しいけど、やはり大量の客をさばくビジネスモデル。肉が全然違いました。外国人観光客も大勢おり、非常に賑わっていました(ここしか営業していないということもあると思うけど)。
ホテルに戻り、いつもの夜鳴きラーメンを食べて23時には就寝。
本日の走行距離は、ぴったり200km。ブルべでもこうはいきません。明日は主に宗谷本線沿いに南下して、名寄を目指す180kmです。
day2へ続きます。