【e-Bike】スペシャライズドのe-ロードバイク『Turbo CREO』の試乗会に行ってきた(前編)
■スペシャライズドのe-ロードバイク(e-bike)、クレオに乗ってきました
スペシャライズドから満を持してリリースされたe-ロードバイク(e-bike)の『Turbo CREO』に乗ってきました。恐らく多くのロード乗りの方が『e-bikeなんて…子供の乗り物でしょ!』と思っているのではないでしょうか。ところが実際に乗ってみると『やっぱりロードバイクって楽しい!』と感じてしまう程の完成度でした。
試乗会の概要と、試乗の感想・インプレを2回に分けて紹介します。
■会場はオーパークおごせ
試乗会は日曜日。前日は雪まで降った悪天候でしたが、一転して晴れ間が覗く好天に。A埼玉のブルベスタート地点としても有名な『ゆうパークおごせ』が改修され、『オーパークおごせ』として運営主体が町営から企業にチェンジしています。
こんなかわいいドームキャビンも設置されていたりします。今度泊まってみたい。
オーパークの一角にテントを設置して、試乗会の受付が行われています。
用意されている試乗車の台数はかなり多いのですが、今回はコロナウイルスの影響で1時間ごとの予約制となってしまいました。その代わりに参加者がうまく分散したので、混雑もなくじっくり乗ることが出来ました。しかも今回は自分のシューズを持参すると、クリートに合ったペダルを付けてくれるという充実ぶり。
■スペシャのe-bikeのラインナップ
インプレの前に、スペシャライズドのe-Bikeのラインナップを確認します。まずスペシャが販売しているe-Bike全般のブランド名が『Turbo』となります。その次に商品名がくるのですが、現在は下記のCREO(ロード)とLEVO(MTB)の2つです。
ロードバイク(CREO:クレオ)
ロードについては、グレードは以下の4つ。
- S-WORKS CREO SL CARBONE
- CREO SL EXPERT CARBONE
- CREO SL COMP CARBONE
- CREO SL E5 COMP
E5がアルミフレーム、それ以外のフレームはカーボンです。お値段はS-WORKSの1,485,000円からE5の550,000円まで(いずれも税込)。
マウンテンバイク(LEVO:レボ)
- S-WORKS LEVO SL CARBONE
- LEVO SL EXPERT CARBONE
- LEVO SL COMP CARBONE
- LEVO SL COMP
ロードの150万円にも驚きましたが、こちらのLEVOのS-WORKSリミテッドエディションは1,870,000円(ノーマルS-WORKSは1,320,000円)。アルミのSL COMPは572,000円です(いずれも税込)。
S-WORKSは別として、ミドルグレード以下はノーマルロードのハイエンド、S-WORKS VENGEよりははるかに安い。e-Bikeに関して言えば自社開発のアシストユニットはどれも同じなので、一番安いアルミモデルを買っても十分遊べるのではないか?と思います。
ちなみにアシストユニットにはANT+のパワメ内蔵が内蔵されており、パワメとしても機能します。ヘッド部分にはFuture Shockが仕込まれており、重い車体でも衝撃を吸収して快適に走れます。重いと言っても自社開発のアシストユニットのおかげで完成車重量は12.2kgに抑えられており(S-WORKSの場合。アルミのE5で13.7kg)、320Whもの大容量バッテリーを搭載しているにも関わらず十分に軽いです。バッテリーの航続距離は最長130km、ボトルケージに積載可能なエクステンダーバッテリーを追加すると65kmプラスされます。
またMission Controlというアプリがリリースされており、乗っている内にモーターがチューニングされるそうです。アプリの機能として、希望の距離を入力するとバッテリーが切れないようにアシスト力を制御してくれるとのこと(600kmとかは無理だと思いますけど…)。
※CREOに関する詳細は、こちらのリンク先の『Turbo Creo SL に関するFAQ』が非常に詳しいです。
という様に今までに無い機能が盛り込まれており、単なるロードバイクの形をした『電動アシスト自転車』をイメージしていると裏切られることになります。
ご存じのように、日本の場合は速度が24km/hに達するとアシスト力がカットされるという規制があります。この規制も『ママチャリタイプの電動アシストならともかく、ロードバイクで24km/hでアシストカットされてもね…そんな乗り物のどこが楽しいの?』というイメージがありました。
しかし実際に乗ってみるとこれが実に楽しい。ロードバイクのネガティブな部分が見事に解消されており、楽しい乗り物になっていました。これは是非色んな人に体感して欲しいと思いますし、ヨーロッパで大人気になるのも良く分かりました。5年もしたら、日本でも普通に走っていることでしょう。今のディスクロードのように。
もちろんロードに乗る人の全員が買うものではないでしょう。当然ながらレースをやる人には無用の長物です。しかしレースを走る人がロードバイクマーケットに何割いるのか?走らない人の方が圧倒的に割合は高いでしょう。自転車の楽しみ方において、レースはほんの一部に過ぎません(イメージ作りにおいては非常に重要ですが)。
次回は実際に乗ってみた感想を書いてみます。アシストが非常に自然だったのですが、このフィーリングにチューニングするのは大変だったと思います。
スペシャのユニットは自社開発なので異なりますが、シマノでもパイオニアの技術をユニット開発に生かして欲しいですね。後半の記事に続く。