自分の『被視認性』について考えたことはありますか?事故を減らすために出来ること
いよいよ12月になりました。日が落ちるのも早いです。先週末はどんより曇っていて昼間でも暗かったのですが、家に帰ってからあるものをポチりました。
蛍光色のベストです。ポチった理由は寒かったからではなく、この日の様な薄暗い日に車からの視認性を上げるためです。
■ウェアの色によって気づかれるまでの時間が異なる
ダークな色のウェアは気付かれづらい
この日の空は終日厚い雲に覆われており、昼でも薄暗かったです。いつもの様に荒川CRの田んぼの中を走っていると多数のサイクリストとすれ違いますが、この日は何故かダークな色のウェアを着ていた人が多かったのです。そしてダークな色のウェアを着ている人は、視界に入った時に『あれはサイクリストである』と認知するまでに、少し時間がかかっていることに気づきました。周囲の景色に溶け込んでいるんですね。
かく言う私も、着ていたウェアはこれなので人の事は言えません。。。
蛍光色はすぐに認知される
一方で、蛍光色のジレを着ている人が意外といるのです。単に色の好みで着用しているのか、目立つためなのかどうかは分かりません。しかし蛍光色(特にイエロー)のジレを着ている人は、視界に入った瞬間に『何か動くものが来た』と私の脳に認知されていました。
■車からいかに早く認知してもらうか?
『被視認性』という考え
自分が車からどの様に認識されているか、考えたことはありますか?まずは、このTREKのサイトにある動画を見てください。
車のドライバーからの視認性を上げることの重要性について訴求したサイトです。
『THE ABCs OF AWARENESS』と題して、
- A:ALWAYS ON(ライトの常時点灯)
- B:BIOMOTION(動くパーツを目立たせる)
- C:CONTRAST(背景との対比)
という概念を提唱しています。これは2016年末からトレックが提唱しているコンセプトで、当時のジャパンカップでもキャンペーンを行っていたのを覚えている方もいると思います。トレックがビジビリティイエローという蛍光イエローのウェアを着ていたあれです。
CONTRAST(背景との対比)
ここでは特にCについて取り上げますが、訴求しているのは昼間は蛍光色、夜間は反射素材を活用しましょうという事です。その理由として、
- 紫外線の下では、蛍光色は普通の色の2~3倍の光を放出する。
- 蛍光色は、夜間は黒などの他の色と同程度の視認性しかない。自動車のヘッドライトは紫外線を放出しないため。
- サイクリストは、自分がドライバーに視認されていると7倍も過信している。
- 蛍光色を着用すると、より視認されやすいと誤解しがちになる。
- 夜に走るなら反射素材が必要。よって昼間は蛍光色、夜間は反射素材が適している。
という根拠を挙げています。動画では、対照的な色のウェアを着た2人のライダーが並走するシーンがメインなのですが、これを見ると一目瞭然です。
全く視認性が違いますね。蛍光色の存在感が良く分かります。今までは私も蛍光色のウェアを好んで買うということは無かったのですが、改めてこれを思い出してその日の内にポチりました。ウェアで蛍光色は好みが分かれますが、このような重ね着前提のジレなら価格も5千円前後ですし選びやすいと思います。ブルベならイエローの反射ベストを着ていますので、心配する必要は無かったのですが。
BIOMOTION(動くパーツを目立たせる)
またBの『Biomotion』では、体の動く部分に蛍光色を取り入れることで、より認知度を向上させる効果があるとしています。
こちらも動画を見ていただきたいのですが、イエローのニーウォーマーをつけた膝の部分の視認性の高さは素晴らしいです。結果として、サイクリスト自体をより早く認知させることが出来ていると思います。これからの季節だと、シューズカバーも有効ですよね。このシマノのシューズカバーなんかは入手しやすいので良いですね。私も1つ持っています。後から見るとかなり目立ちますので、確実に認知度向上に役立っていると思います。
他には、こんなシューズカバーもあります。
2つ合わせると『動く部分に蛍光色』『上半身も蛍光色』になってしまい、結果として全身蛍光イエローにしなくてはいけなくなってしまうのですが…。その辺は個人の好みもあると思いますので、人それぞれで上手に取り入れていくのが良いと思います。
夜間は反射素材に頼る!
逆に、夜間になると蛍光色は役に立ちません。
紫外線が無くなってしまうからですね。自転車通勤やブルベでも無い限り、そもそも普通は夜間に走ることが無いと思いますが…夜間走行をする場合は、反射素材が頼りです。シューズカバーの多くは、かかと部分に反射素材が配置されている商品も多いです。
始めから夜間走行が分かっている場合は、反射ベストを携行するのがお勧めです。面積は大きければ大きいほど良いです。
反射素材やベストの話になると、またかなりの沼がありますので、この辺にしておきます。Amazonでお好みのものを探すのが一番良いと思います。
どんなに自分で気を付けていても、車のドライバーの行動までコントロールすることは出来ません。そのため、一定の確率で事故に巻き込まれると思っておいた方が良いです。その確率を限りなくゼロに近づけるための努力は自分で出来ます。『車から見られるウェア』を意識することで、日の短い冬の間も事故の無いサイクリングを楽しんで欲しいと思います。