【パワーメーター】FTPとLT値について。体の中で起こっていること

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さて皆様、いかがお過ごしでしょうか。

前回は、『FTPの計測方法』でした。
それでは今回は、FTPとLTについてです。

 

 

パワーメーター関連のエントリ一覧です。

1、FTPって何?編
2、FTPを測ってみよう編

3、FTPとLT値について編(このエントリです)
4、パワーウェイトレシオについて編

■LTとは?

LTという言葉、一度は耳にされたことがあると思います。

LTは『lactate threshold』(乳酸作業閾値)のことで、例の『乳酸』が出始めるポイントということです。乳酸とFTPがどのように関わっているのか?ということについては、以下のエネルギーの作られ方をお話する必要があります。

■3つのエネルギー生成のタイプ

人間が活動する際には、当然ながらエネルギーが必要です。そのエネルギーの生成には3つのタイプがあり、無酸素系と有酸素系の2種類に大別されます。
 -リン酸系(無酸素)
 -解糖系(無酸素)
 -酸化系(有酸素)
このうち、リン酸系と解糖系の回路が働くには酸素が必要ないため素早く発動するという特徴があります。解糖系のエネルギーの原材料はグリコーゲンで、グリコーゲンとは要するにブドウ糖です。糖を分解するから解糖系です。

しかし解糖系の場合は、最大限に回路が発動すると連続で稼働できるのは30秒程度と言われています(あくまでも、最大限に発動した場合です)。それは、解糖系の化学反応の中で乳酸が発生するからであり、発生した乳酸によって筋肉が酸性化して動けなくなってしまうためです。

一方、酸化系の回路はかいつまんで言うと脂肪を原料にしてエネルギーを産生することが出来ます。この化学反応には酸素が必要であり、過程も複雑なためすぐには発動しないが、長時間かつ大量にエネルギーを供給することが可能です。

■長時間運動を継続するには

自転車やランニングのような持久系の運動をする場合、なるべく有酸素系を働かせて、解糖系の出番がないようにしないといけません。有酸素系だけでイケるギリギリの強度で運動し続けることが重要なわけですね。
運動の強度があるポイントを超えると、有酸素系だけではエネルギーの供給が追い付かなくなったり、遅筋の発生するパワーだけでは足りずに速筋を使うようになってきて、解糖系の回路が発動するようになります。
(実際には、こんなに綺麗に『あるポイント』を境にして分かれている訳ではありません。安静時でも糖は使われているし、かなりの高強度まで脂肪からのエネルギー産生も併用されます)
どの程度『あるポイント』を超えるかにもよりますが、仮に貯蔵されているエネルギーが『100』だったとして、1分間で『20』ずつエネルギーを消費するとするとその強度では5分しかもたないことになります。
ちなみにそのポイントというのは、『ここを超えると急速に血中乳酸濃度が高まる』というラインであり、そのラインとLT値と呼びます。

なので、このライン(LT値)を越えて運動しているとどんどん筋肉に乳酸がたまって酸化して、いずれ筋肉のパフォーマンスが大幅に低下してしまうのです。また体内に貯蔵されているグリコーゲンを使ってしまうため、早い段階で枯渇してしまうと最後のスプリントに絡めない、などといったことが起こります。

昨今の自転車のパワートレーニングでは、このLT値に近似したものをFTPと呼んでいるということですね。実際にLT値を測定するとなると血液を採取する必要がありますから、他の指標で代用しているというところでしょうか。

■発生した乳酸の行方

乳酸は上記の通り筋肉を酸性化させてパフォーマンスを妨げる要因ではありますが、裏側では同時に速筋から遅筋に乳酸が移動しており、遅筋にとっては有用なエネルギー源にもなっています。

脂肪や乳酸からエネルギーを発生させる化学反応は細胞内のミトコンドリアで行われていますが、ミトコンドリアは遅筋に多いのです。またこの『運動中に乳酸をエネルギーとして活用する能力』は、要するに乳酸分解能力のことですが、これはトレーニングによってある程度は高めることが出来ます。

トップレベルの選手になると『LT値を越えているのに乳酸によるダメージが少ない』という人も多い。これはこの『乳酸の借金返済能力』とでも言うべき分解能力が高いからです。しかし乳酸の蓄積は少ないですが、グリコーゲンは確実に消費しています。

そのため残りのグリコーゲンと相談しながら、乳酸分解能力の低い選手を振り落とすためにあえてLT値を越えた高強度のアタックを何度かかける、という戦術も選択することが出来るようになってきたりします。

人によって『この強度以上になると、急速に乳酸の発生が大きくなり始める』ポイントと、『発生した乳酸を分解する能力』に強い・弱いがあります。レースで『強く』なるためには『乳酸がなるべく発生しない』ことと『乳酸が発生しても分解する』能力の両方を鍛える必要がある、ということです。

ちなみに今回の記事は、この本を参考にまとめました。かなり昔に買って放置していたのですが、ようやく興味が湧いて読了です。意外と読みやすかったのでお勧めです。

次回はパワーウェイトレシオについて。

※パワーメーター編の記事一覧
1、FTPって何?
2、FTPを測ってみよう
3、FTPとLT値について
4、パワーウェイトレシオについて

 

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