【レインウェアの性能を維持】雨の日に使った後は、洗濯してます?
ブルベ雨装備の紹介がまだ終わっていないのですが、番外編。GWの前半は天気も良かったので、先日の奥久慈400で使ったモンベルレインウェアの洗濯をしました。
■レインウェアに洗濯は必要なのか
結論から言いますと、レインウェアにも洗濯は必要です。出来れば毎回。高価なレインウェアほど、1回の洗濯にかかるコストは相対的に低くなります。性能維持のために毎回洗濯しましょう。
私は当初、レインウェアは洗濯しない方が良いのではないか…と勝手に思っていました。ところがそれは大間違いで、モンベルのサイトを見ると『洗濯のダメージは、使用後そのまま保管することによるダメージに比べたらたいしたものではない』という事が書いてあります。要するに毎回洗濯しろ、ということですね。
ゴアテックスの透湿の仕組み
ここではゴアテックスのウェアを前提に話を進めます。ゴアテックスのような防水・透湿の素材は、表面の撥水の生地と組合せて製品になります。ゴアテックスはペラペラのフィルムなので、生地と組み合わせて初めてレインウェアになるんですね。ただし最近は、シェイクドライというゴアテックス生地むき出しの常識を覆すレインウェアが出てきましたが。
ゴアテックスには『水は通さないが水蒸気は通す』という微細な穴が空いており、ここを水蒸気が通過することで透湿が行われます。
気圧の差で透湿する
人間がレインウェアの中で汗をかくと、ウェア内の空気が暖まりその分だけ気圧が高まります。外気よりも気圧が高まった状態が発生しますので、気圧を平衡にしようとしてウェアの内側から外側へ水蒸気が移動するという仕組みです。
撥水の重要さ
ところが水蒸気がウェアの外側へ出ていこうとする時に、ウェアの表面が水分に覆われていると、水蒸気が通過することが出来なくなってしまいます。撥水がしっかり機能しているとウェアの表面は常にドライになりますので、透湿を妨げることがありません。逆にウェアの表面に水分がべちゃっと付着してしまっていたら、その部分は透湿が機能していないことになります。
ところがこの撥水機能は、摩擦などで徐々に低下していきます(傘なんかも同じです)。この撥水と透湿の機能を維持するために、定期的なお手入れが必要となってきます。
■洗濯の方法
中性洗剤を用意
レインウェアの洗濯の方法についてはモンベルのサイトを見たら全て書いてあるのですが、改めて紹介します。まずは中性洗剤を用意します。一般の衣料用洗剤は弱アルカリなので、素直にモンベルの専用クリーナーを買うのが良いです。1本1000円で400ml。20回以上使えるらしいので、1回あたりだと50円未満です。
すすぎは入念に
ジッパーやベルクロなどは全て閉めておき、洗濯機で洗います。その後、通常の2倍程度の時間をかけてすすぎをします。レインウェアは生地が水を通さないので、すすぎもしづらいですですし、洗剤成分が残っていると撥水機能が低下する原因となります。ちなみに同様の理由で洗濯機による脱水は行ってはいけません。過大な遠心力が働いて、洗濯機が故障する可能性があります。
乾燥させます
すすぎが終わったら適当に水気を切ります。乾燥機がある人は乾燥を行います。近所にコインランドリーがあれば、乾燥機にかけるのが良いです。私もすぐ近くにコインランドリーがあるので、乾燥機にかけました。どちらも難しい場合は、乾燥後(もちろん影干し)に
・当て布をしてアイロン
・ドライヤー
を行います。
この工程が非常に重要で、熱を加えることで撥水性が回復します。摩擦などによって低下した撥水加工が、熱を加えることで本来の状態に戻ります。前回の奥久慈400で使用したレインパンツを乾燥機にかけたのですが、バッチリ撥水するようになりました。全く撥水していなかったので防水の役目しかなく透湿性はゼロ。内側は結露して大変だったんです…。乾燥機でしっかり加熱して乾燥させると、こんなにも撥水性が回復するとは。コインランドリーに行きましたが、100円でこれだけ機能回復するなら安いものです。
撥水加工
何度も使用していると、徐々に撥水加工のコーティング自体が無くなってきます。その場合は撥水加工をしてあげると撥水性が復活します。
一番確実なのは、漬け置きタイプの撥水剤ですね。モンベルのウォッシュインなら9着分だです。
撥水加工は毎回やる訳ではありませんから、こちらもかなりリーズナブル。ウォッシュインタイプはモンベルの直販webでしか売っていませんがAmazonでも販売するようになりました、スプレータイプもAmazonにあります。
液ダレしないように、全体にまんべんなく吹き付けます。その後、乾燥させて再度吹き付け。これを4~5回繰り返します。使用量の目安はレインウェア上下で330mlを1本使って下さいとのこと。
ということで、これで一連のお手入れの流れになります。マメにお手入れをして、雨の日でも少しでも快適に走りたいものです。
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