ブルベ中のおしり問題…おしり・股の痛みを回避するには?私が実践していること
今回はおしりの話です。ロングライドでは、おしりや股の痛みは切っても切れない話です。私も気が付けばブルベを始めて8年目。色々トラブルも経験して来ましたが、今ではselle SMPで1000kmブルベも走れるようになりました。
■ロングライドのおしり問題
今回は臀部や股の痺れに関して話を勧めたいと思います。特にブルベやロングライドを始めたばかりの頃は…いきなりの長距離で、おしりや股が痺れて痛みが出たり、感覚が無くなったりということが起きます。要するに長時間サドルの上に座り過ぎて血流が悪くなっている状態です。
私の経験:初の200km
私も最初に走った200kmブルベである、2012年のA埼玉のアタック安中で、終盤の50kmは股が痺れて大変な苦行だったことを今でも覚えています。その時のサドルはサンマルコのコンコールライトでした。当時のアームストロングも使っていて、細身でペダリングが非常にしやすいのが特徴です。
しかし単純に座る面積が少なくなる分、その少ない面積にかかる荷重は増えてしまいます。せいぜい100km走る分には大丈夫だったのですが、さすがに150kmを越えると股が痺れてどうにもならなくなってしまいました。
それからは色々と試行錯誤を繰り返し、『サドル選びと座り方』と『走行中の工夫』の2つで大抵の長距離は乗り切れるようになりました。
■その1:座り方とサドル
まずはサドルと座り方。コンコールライトで懲りた私が次に選んだのがselle SMP。いきなりそこに行くかという感じですが、私なりに熟慮しての結果でした。
このサドルのコンセプトは『面で体重を受け止める』です。
・サドルの後部の幅広い部分に乗っかる座骨(2点)
・サドルの中央に乗る尿道(男性で言うとブツの根元くらい)付近(1点)
この3点に体重を分散させて乗りましょう、ということです。画像の赤丸の付近ですね。サドル自体が異様に後ろに固定されているのは、3Tのヤグラと相性が悪くてすぐにずれてしまっていたからです…。
ママチャリに乗る時のように上体が垂直に近いアップライトな姿勢でサドルに『ドカっ』と座ってしまうと、左右の座骨を結ぶ1本の線上に上半身の体重全てがかかります。
そこに尿道付近も体重を支える要素として追加すると、左右の座骨と尿道付近の3点で三角形が出来ます。そうすると一気に『面』で支えることが出来るようになりますので、体重を分散させる効果は非常に高くなります。
この面で上手く体重を分散させる姿勢は、ある程度の体幹の筋力が必要です。ですので最初の内は、パッドの厚いサドルを選び、座骨に体重がかかる問題はパッドで対処します。selle SMPで言うとエクストラあたりでしょうか。
しっかり前傾が出来て、体重を股全体に分散させることが出来るようになれば、おしりの痛みも徐々に解消しますので、厚めパッドのサドルのうちから前傾姿勢を意識しましょう。
SMPには色々な種類のサドルがあるので、乗れるようになってきたらパッドが薄めのエヴォリューションなどに変更すると良いです。
■その2:各種対策
次は今日から出来る色々な対策です。漫然とサドルに乗るのをやめて、少し意識するだけでかなり防ぐことが出来ます。
信号待ち
まずは信号待ち。赤信号の時に、縁石に脚を付いて休む人が多いと思いますが、必ずサドルから降りましょう。両脚のクリートを外す必要は無く、腰を前にずらしてフレームにまたがるあの姿勢でOKです。都市部のブルベだと、信号待ちの時間も合計すると1時間近くになったりすることがあります。
段差・荒れた舗装
段差や荒れた舗装を通過する時は、ほんの少しで良いので必ずサドルから腰を浮かすようにしましょう。ペダルの上に立つイメージですね。サドルとお尻を離してしまえばベストですが、そこまでせずとも少し荷重を減らすだけでも効果があります。あの衝撃が良いはずがありません。
太目のタイヤ
タイヤもかなり衝撃を吸収します。23Cを使っていたら25C、25Cなら28C。地面と接している唯一のパーツですから、タイヤを変えるのはかなり効果があります。私なんて今は28Cです。バランスが取れているのは25Cと思いますが、レースしないのであれば28Cもロングライド向きだと思います。
休憩
1分~2分で良いので、例えば1時間おきに自転車から降りて休憩をする。ストレッチや体操をして血流を良くするだけでもそれなりに効果があります。私は大きな交差点で長い信号待ちをする時は、自転車から降りて体操したりします。
ダンシング
余裕がある内に、ちょっとした坂などでなるべくダンシングをします。短時間であろうと血流の回復は、痛み・痺れ防止に効果があります。後半に余裕が無くなると出来なくなってくるので、元気のある内にやる。使う筋肉も変わるので、疲労防止にもなります。
最後は走り込み
これは今日から出来る対策ではないですが、トレーニングして体幹の筋力がついてくると、ある程度の前傾姿勢が取れるようになってきます。するとハンドル・サドル・ペダルに上手に体重を分散することが出来るようになってきます。意識すらしないといつまで経っても前傾出来るようにはなりませんので、上記と組み合わせて少しづつ練習しましょう。お尻の痛みも、乗り込む内に自然と無くなっている場合も多いです。
ここまで読めばお分かりと思いますが、これら(最後以外)は全て『サドルの上にいる時間を減らす』ということです。それも痛くなってからやるのでは遅いので、ライド中に『定期的に』『機会があるたびに』実行することで、最後まで痺れることなく走り切れる可能性がアップすると思います。ロングライドは細かい事の積み重ねです。色々試して、自分に合う方法を見つけましょう。