MENU
DTswiss カーボンホイール

【レビュー】DTswiss ERC1400SPLINE 47DB(カーボンホイール)

2018年の年末に買った『DTswiss ERC1400spline47DB』を2年近く経ってようやくレビューします。

■製品概要

まず概要については、買った当時に以下の記事で紹介しています。

swissside
ディスクロードこそカーボンホイール。隠れた秀作DTswiss(DTスイス)のカーボンホイール『ERC1400 spline 47 DB』を買いました その2勢いで買ったDTswissの『ERC1400SPLINE47』が届きました。早速箱から出してセットアップしてみます。 DT...
リアハブ
ディスクロードこそカーボンホイール。隠れた秀作DTswiss(DTスイス)のカーボンホイール『ERC1400 spline 47 DB』を買いました その3それではその3です。 リム幅 リムの幅はかなり広いです。内寸、外寸とも仕様通りの19mm/27mm。 これだ...

『2つも読むのは面倒だ』という方向けに、スペックをかいつまんで紹介します。

製品カテゴリー

ERC1400SPLINE 47DBは、DTswissのエンデュランスカテゴリーのホイールです。DTswissにおけるエンデュランスの定義は『途中で何が起こっても目標を追求する事』だそうです。いかにもブルベらしいですね。

エンデュランスカテゴリーはディスクブレーキモデルのみのラインナップとなります。規格はいずれも一般的な12mmスルーアクスル、ローター固定方式はセンターロックです。

こちらのモデルは、エンデュランスカテゴリーでは上から2番目のモデルとなります。最上級モデルは『ERC1100DICUT』です。主な違いはハブです。

重量

カタログ重量は前後で1,538gですが、実測すると1,508gでした。チューブレステープが貼ってある状態です。チューブレスバルブや各種アダプターは、もちろんなし。リムハイト47mmで1,508gなら軽い部類であると言えます。カンパのBORA WTO45が1,520gですからね。

リム

リムの内幅は19mm。2年前は広い部類でしたが、ZIPPが内幅23mmのリムを出してくるこのご時世、19mmも珍しくなくなりました。17mmが『ワイドリム』と呼ばれていたのもつい4年くらい前のことなんですが…。外幅も27mmありワイドなのですが、すっかり見慣れました。推奨タイヤサイズは25~30Cとなっています。

断面 リム

スポーク

スポークはフロント:DTエアロライト、リア:DTエアロコンペのストレートプルが使われています。どちらもダブルバデッドのエアロスポークです。エアロコンペでも十分エアロなのですが、フロントに使われているエアロライトは扁平部分が更に薄くなり(0.9mm)軽量になっています。リアのエアロコンペは厚さ1.2mmです。トルクのかかるリアの方は剛性重視ということですね。本数はどちらも24本(2:1)のクロス組です。

ニップルはインナーニップルです。

ハブ

ハブは240Sをベースにしたオリジナルのもの。DTswissのフリーボディのラチェットはスターラチェットと呼ばれていますが、爪の数が18/36/54と3種類あります。ミドルグレードは18T、ハイグレードには36Tがインストールされていることが一般的です。このERC1400は36Tです。Amazonなどで54Tのラチェットが売っていますので、交換することも可能です。

リアハブ

■DTswissのラインナップについて

DTswissですが、ロード用の場合は以下の5つの製品カテゴリーに分かれています。2年前は上から3つのカテゴリーだけだったのですが、最近になってシクロとグラベルが増えました。

  • A:エアロ
  • P:パフォーマンス
  • E:エンデュランス
  • C:シクロクロス
  • G:グラベル

商品名はそれぞれのカテゴリの頭文字の後にスターラチェット使用ハブなら『R』がつき、カーボンリムなら更に『C』がつきます。エアロカテゴリのカーボンリムなら『ARC』と言った具合です(カーボンリムなら、スターラチェットを必ず使っています)。

■レビュー

これだけカテゴリーが細かく分かれていますので、ホイールのタイプもそれぞれ異なっています。私はこのERC1400しか使ったことがありませんが、一言でいうと『エンデュランスモデルなのだな』という感想に落ち着きます。

まずエンデュランスと言いながらスポークが細いので、そこまで剛性はありません。グラベルモデルなどでも同じスポークを使っていますので、これはDTswissのホイール全般に言えることだと推測出来るのですが。むしろ適度な固さなので、ブルべでも脚に来ることがありません。このあたりの適度な快適性と剛性感が私の使い方とは合っているので気に入っているのですが、かかりの良さとかレスポンスを求める人がこのモデルを買うのは、製品選びを間違っていると言えます。

19mmというリムの太さのお陰で、28Cという太いタイヤでも違和感なく装着が可能。タイヤは25Cと28Cを両方使いました。空力重視なら25C、転がり抵抗と快適性重視なら28Cというチョイスになります。28Cでもサイドが腰砕けになることなく、下りも攻められます。

28Cのタイヤを履くと、25Cと比べてヒステリシスロスとインピーダンス損失(荒れた路面でタイヤが跳ねて、トルク伝達効率が悪化すること)の両方が低減します(路面追従性が良くなる、とも表現出来ます)。ブルべでは長い距離を走る間に色々な路面が登場しますから、28Cのタイヤとは相性が良いです。

タイヤは高圧が良い?最適な空気圧を求めて転がり抵抗とインピーダンス損失について考える一般道をより効率良く(=少ないパワーで平均速度を上げる)走るためにはタイヤの転がり抵抗に加えて路面追従性を良くすることが重要です。23C...

単純に空気圧は高ければ良い、タイヤは細ければ良い、という時代は、データが取れるようになって変化しつつあります(高圧の23Cの方が好みだ!というのは否定しません。むしろ、私もそれがロードバイクだという感覚の持ち主です)。状況や目的に応じて、適切な太さのタイヤを選ぶのが良いと思います。

太いタイヤを履くデメリットは、重量が増加する事ですね。25Cと28Cを比較するとだいたい30g程度重くなりますが、その重量をデメリットと捉えるかどうかです。

このように長距離を安定して走るには、

  • リムが広くて太いタイヤに最適化されている
  • 剛性が高過ぎず、適度である

という点で非常に向いていると思います。

しかし一方で、エンデュランスモデルには向いていないことがあります。それはダウンヒルの時。せいぜい40~45km/hくらいまでが守備範囲で、それ以上の速度を出すのは得意ではない印象です。昨年の12月にもダウンヒル中にシミー現象が発生して、一歩間違えば50km/hで下っている時にあわや落車という場面がありました。

【あわや落車】下りでシミー現象が発生。シミー現象とは?対策はあるの?先日、ロードバイクで下りを走行中にシミー現象が発生。一歩間違えるとダウンヒル中に落車という事態になりかねませんでした。『この様な現象が起...

そもそも、私が乗っているバイクがキャノンデールのエンデュランスモデル、シナプスです。別にエンデュランスモデルにこだわっている事は全く無いのですが、シナプスを選んだのはマッドガードが付くからでした。

フレームがエンデュランスモデルなので、フォークの剛性も高い訳ではありません。そこに同じく『適度な剛性』のERC1400というホイールを組み合わせると、どうやら下りで飛ばすというのは相性が悪いらしい、という事が分かりました。

もちろん毎回シミーが出る訳では無いのですが、ホイールを信用して下れるのと、心のどこかでシミーを心配しているのとでは、安心感が全く違います。最近は『どこでシミーが起きるか?』ということを観察しながら下っていますので、挙動が不安定になったら速度を抑制したりするようにして対処しています。もちろん、そんな面倒なことはやりたくありません。下りで用もないのにブレーキングをするとかあり得ません。

これについては恐らくですが、ホイールかフレームの剛性を高くすれば解消出来そうな気がしています。シミーが発生するのはホイールのせい、の様な書き方をしましたが、先ほども書いたようにホイールとフォーク(フレーム)の相性によるものと思っています。しかしフレームは変えたくないので、私の場合は交換するならホイールという選択肢になります。

47mmというリムハイトについてですが、これについてはブルべでも特に問題はありません。横風が心配だったのですが、体重の軽い私でも風に煽られたことはほとんど無いです。これはむしろ意外でした。恐らくフロントバッグを付けていた方が、横風にハンドルがとられます。

メーカーはU字形のリム形状は斜めからの風に強くなったと盛んにアピールしています。所詮メーカーの言う事だし、話半分で聞いておかないと痛い目に遭うと思っていましたが、10年前よりは確実に良くなっていると思います。

総合的な感想は、平均点が高い優秀なホイールです。長い距離を一定ペースで走るには良い。リムハイトが47mmあることを始めハブ、スポークなどもグレードが高く軽量で、楽に速度が出せる。一方でクリテリウムみたいな出し入れの激しいレースには不向き、全開のダウンヒルにも不向き。という特に自分で書いていても意外性のない結論ですが、2年弱使って感じる正直なところです。

■個人的な追記

このホイールを買った2年前と比較すると、ディスクブレーキがやっと一般的になってきました。『ディスクブレーキなんてロードバイクには不要。一時の流行り。』と言っていた人の中にも、ディスクブレーキのロードバイクを買った人が出てきていると思います。

メーカーもビジネスですし、競争がありますからね。時にはユーザーが置いていかれる(と感じる)こともあるのです。

ホイールも同様で、2年の間に高性能なディスク用ホイールがぽつぽつと出てきました。というか、もはや新製品はディスクブレーキモデルが前提です。リムブレーキモデルがあると『リムブレーキモデルも併売される』とか紹介されていたりします。

私はリムブレーキが嫌いではないですし(今でもCAAD3+7700系デュラエースのバイクをちゃんとメンテして乗っています)、むしろディスクと両方乗っていたいですが、時代の流れとしてはディスクブレーキになっていくよね、と思っていただけです。

それはさておき、私もこのDTswissのホイールで色々遊びました。最初は大人しくブチルチューブを使っていましたが、ディスクブレーキならカーボンリムでもラテックスチューブが遠慮なく使えるということでラテックスを使ったり、その後はチューブレスを試しました。

また色々と新しいホイールが出てきていますので、そろそろ別のホイールも使ってみたいと思っています。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください