【2023PBP走行記 その16】PC12:MORTAGNE-AU-PERCHE~GOAL:RAMBOUILLET(1,219km)まで
PBPの走行記録その16です。今回は1,099km地点のモルターニュ=オ=ペルシュを出発し、1,219km地点のランブイエのゴールまで。とうとうブログもPBPのゴールまできました。前回(その15)はこちらから。
■PC13:DREUX(1,177km)まで
モルターニュで1時間の仮眠を取って、78km先のドルーに向かいます。DAY4はヴィレンヌと合わせて2時間の仮眠となってしまったのですが、さほど疲労感も無いため体が睡眠を要求してくる感覚も無く、残り距離も120kmですから何とかなるでしょう。
計画上のドルー到着時刻は9:10。モルターニュの出発時刻は4:00ですから、8:00には到着出来る見込みです。クローズタイムは10:32なので十分に余裕はあります。
ドルーまでのコースプロファイルは以下の通り。前半はややアップダウンがありますが、いつもの通りという感じ。後半は下り基調でドルーに向かうという内容。
約80kmありますが、途中にエイドやBARがあるでしょうから特に補給は持たずに出発。
ヌイイ=シュル=ユールのBARへ
前半はアップダウンをこなしながら暗闇の中を進んでいく。深夜ですが、周囲には他のライダーがそれなりに走っていて孤独感はあまりありません。そのため相変わらずライトは1灯で十分。なるべく夜中はPCで寝るようにしているので、そもそも夜間走行も少ない。VOLT800NEOは2つ装備しているため、交代で使用することで充電が1回で済んでしまっています。
途中の街で深夜にも関わらずエイドを設けてくれているところがあったので、立ち寄ってバナナやクレープ、コーヒーをいただく。
2時間ほど走り、31km地点あたりの街『ヌイイ=シュル=ユール(Neuilly-sur-Eure)』に到着。BARが営業していたので、コーラとパンを買って休憩。砂漠のオアシスみたいなもので、非常に賑わっていますね。時刻はちょうど6:00。
6:30、徐々に夜が明けてくる。このあたりで、巡回するバイクに遭遇した気がします。車など1台も来ないので反対車線まで広がって走っている人も多いのですが、バイクに注意されていました。
連なるテールライト。
ペースの良い列車が来たので付いていく。空が朝日と共に染まっていきます。
最後の朝日
55km地点の街『マイユボワ(Maillebois)』に入ると長い城壁が続く。調べたところ、マイユボワ城の城壁…っぽい。
美しい空のグラデーションを楽しみながら進んでいく。異国の地でこの景色を楽しめる余裕があることが何より嬉しい。
地平線の向こうから、日が昇ってきた。気温も清々しく(朝は20度前後)、感動的な景色。最後の最後でこの景色を見ることが出来て良かった。ちなみに時刻は7:05。心なしか、周りのライダーの表情にも余裕があるように見えてきます。
最後の広域農道みたいな道で、yoshiさんと遭遇。序盤から道中で何度もお会いしたお1人。順調そうで何よりです。ちなみにyoshiさんはグループUなので、私よりもスタート時刻が1時間遅い。
yoshiさんはA埼玉ジャージ(2019青ver)を着ていますが、私もA埼玉ジャージ(2015緑ver)を着ています。
PCでもアドバイスをいただいたり、色々お世話になりました。2023年のSRを取得するために走ったアタック老越路(yoshiさんがコース担当)は400km全てが雨で、2回もパンクしたり、チューブを買いに行くためにコースアウトして往復16kmも余計に走ったりと忘れられないブルべの1つ。
ようやくゴールが見えてきた?ということで、yoshiさんに撮っていただきました。
日が昇って明るくなってきました。相変わらず足の痺れが辛い。踏む場所を母指球から変えたりしていますが、たまに針で挿したような痛みが走る。強く踏み込まないようにして乗り切る。
ドルーに到着
7:54、無事にドルー(1,177km地点)のコントロールに到着。ついに最後のコントロールまで来ました。尻と足以外の不調もなく、さすがにここまで来たら完走が見えてきました。
計画比で約1時間、クローズタイム比では2時間半の貯金です。後は42kmを6時間以内(14時まで)に走れば認定が出ます。
コーントロールでチェックを受けていると、すぐにyoshiさんもやってきました。ここではヴァントゥさんともお会いしました。カニユエルのシークレット以来ですね!
新旧A埼玉ジャージということで、ヴァントゥさんにお願いしてyoshiさんと並びの写真を撮っていただきました。ここまで来たら記念撮影的なものをしても大丈夫でしょう(笑)
食事
さて残り42kmですがPCに来たら食事。ここのレストランの食事は美味しいらしい。
ちなみにここのレストランはカフェと一体になっているようで、少し列が長かったですがyoshiさんと一緒に並ぶも…何とメインディッシュが品切れ。奥の方で何やら必死に作業していますので、出てくるまで待つことに。
少し前に並んでいたbaruさんは牛肉の煮込みがあったとのことでしたが、しばらく待ってオーブンから出てきたのはラザニア。見た目は美味しそうなのでこちらをピックアップ(そもそもこれしか無い)。
yoshiさんと一緒に着席。オーブンから出してきたので温かいのかと思っていたのですが、テーブルについて口に運ぶと何と冷たかった…。オーブンにしか見えなかったけどあれは冷蔵庫だったのか?
気を取り直して食事を終えて、yoshiさんとお別れ。トイレに行って出発の準備をします。一応ここまでの全てのPCは、クローズタイム前にサインをもらっています。残り42km。落車やパンクの無いように緊張を保って走れば完走できるでしょう。
■Goal:RAMBOUILLET(1,219km)まで
長かったこのブログもいよいよ最終章。42km先のゴール、ランブイエを目指します。
ドルーの出発時刻は8:50。1時間ほど滞在しました。私がエントリーしているグループQのクローズタイムは14:00ですが、到着予定時刻は2時間後の11:00になりそうです。
最後のコースプロファイルは以下の通り。これまで通り、なだらかな起伏とたまにアップダウン。
ドルーを出発
ドルーの出発直前に、空から何やらパラパラと雨粒が…。空にはあからさまに怪しい雲が広がっていますが、進行方向の東側は明るい。一応雨雲レーダーをチェックすると、1つ前のPCであるモルターニュあたりはひどい雨に打たれている様子。紙一重でした。
しばらく走ると晴れてきました。サドルバッグには雨具一式が入っていましたが、幸いにも今回のPBPでは出番がありませんでした。天候には非常に恵まれた開催だったと思います。
最後になると集団もペースアップしていたり、中々のカオス状態。往路で通った道を通りますが、残り距離を示す看板が設置されており、カウントダウンが始まります。
ついにこの旅が終わってしまうのかという感情と、早くゴールして完走を確定させたいという感情が入り混じり、それでもペダルを回して先へ進む。
そしてあのゲートが見えてきました。ゲートにはセンサーが設置されており、そこを通過すると完走は確定。しかし実際のゴールは、その先の石畳を抜けたところ。長年の目標だった1,219kmの旅が終わります。
ついにゴール
そして10:54、無事にゴール!完走タイムは86h50mでした。
参加すること自体のハードルも非常に高かったけれども、実際の完走のハードルも高かった。幾多のハードルを乗り越えて無事に完走することが出来て本当に嬉しい。やりました!このゴールに立つまで、本当に長かったよ…。
ゴールするとGranさんが待ち構えてくれており、写真を撮ってもらいました。安堵感と、完走の事実を受け入れられていない感情が混じっており、何とも言えない表情です。
ゴールは完走者でごった返しており、スタッフが『邪魔だから早く駐輪場に移動して!』と完走者を捌いています。素直に従ってしまうとゴールで写真を撮る暇などありません。ACPは本当に妙なところだけ手際が良い。
Granさんは20分ほど前にゴールしていたのですが、ゴールする知り合いのために待っていてくれたとのこと。本当に感謝です。
Granさんがいなかったら、訳の分からないまま駐輪場に移動させられるところでした。そして駐輪場は何故か通路に木材が置いてあったりして非常に移動しづらく、後から『ゴールで自転車と共に写真を撮ろう』と思っても、ゴールまで自転車を動かす気には絶対になりません(笑)
コントロールへ
さてGranさんにお礼を伝え、完走者でカオス状態の駐輪場にどうにかして自転車を停める。隣に大きなテントがあり、その中がコントロールになっています。ブルべカードにサインをもらい、PBPメダルとミールクーポンを受け取ります。憧れのPBPメダルです。
というか、ブルべカードが返ってきてしまったのだけど良いの?薄々感づいていましたけれど、トラッキングが正で、ブルべカードは形式的なものになってしまった様子。各PCの通過時刻のチェックも無し。途中のPCでタイムアウトしていても全く問題なさそう(将来、トラッキングデータを元に足切りされるとかはありそう)。
ちなみにトラッキングがエラーで正しく行われておらず、しっかり完走しているのにDNF扱いとなってしまった人もいます。その場合はブルべカードが必要になりますので、トラッキング履歴を確認して異議があれば申し出をすることになります。決して捨てたりしないようにしましょう(そんな人はいないと思いますが)。
ようやく気持ちも落ち着いてきて、スマホを見ると同宿のべいさんも1時間半ほど前に無事にゴールしている様子。お互いに完走できて本当に良かった。
その17へ続きます。