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【レビュー】ソフトシェルレインウェアの到達点。 カステリ『ULTRA RAIN CAPE』

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カステリのジャケット『ULTRA RAIN CAPE』を購入しましたので、レビューします。

商品の購入は、カステリ公式オンラインストアがお勧めです。本国の倉庫から出荷されるため、各サイズ/各色の在庫が揃っておりお勧めです(記事の最後に、当ブログ専用に発行されたクーポンコードの記載があります。常時使用可能です)。
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ULTRA RAIN CAPE
ULTRA RAIN CAPE

■総合評価

ここがポイント
  • 高い防水性と軽量さを両立
  • PFASフリー
  • 薄く軽量かつエアロ
こんな場合におすすめ
  • 晴れの日に上から羽織る『もう1枚』として
  • エアロなレインウェアが欲しい人

■購入経緯

雨のブルべで少しでも楽に走るべく導入しました。先日レビューした『GABBA R』と同じ購入経緯です。どちらが自分に合っているか分からなかったので、両方購入した次第です。

これまでは、レインジャケットといえば、モンベルの『サイクルレインジャケット』を使ってきました。ブルべでは24時間、雨が降り続くというハードな状況もありますから、ヘビーデューティーなモンベルのレインジャケットはマストアイテム。

せっかく買ったのだから…と、小雨の予報でも常に携行していたのですが、そもそも重いのと、エアロ的によろしくないシルエットが気になっていました。

特に雨が降ったり止んだり…という局面で、ジャケットを都度着脱するのは非効率的です。そのため雨が降っていなくてもサイクルレインジャケットを着続ける場面が発生するのですが、雨の心配が無くなり、いざレインジャケットを脱ぐと、いきなり速度が向上して驚くのですよね。

これを何度か経験して『レインジャケットによる空気抵抗の悪化は意外と侮れない』という認識に至り、なるべくエアロなレインジャケットは無いものか…と思案していたところ、本製品がリリースされたのでした。

もちろん、前述のような『400kmブルべのスタートからゴールまで(だいたい24時間程度)全て雨予報』の様な状況ではモンベルのサイクルレインジャケットを使います。本製品は、数時間の降雨に対応する目的で使用する予定です。

■製品概要

製品スペック

  • 価格:35,750円(税込)
  • サイズ展開:XS、S、M、L、XL、XXL、3XL
  • 対応温度帯:4~18度
  • カラー展開:2色
  • フィット:レギュラーフィット
  • 公称重量:199g(恐らくLサイズの場合)
  • 実測重量:141g(Sサイズ)

実測重量141gと非常に軽量です。サイズは7サイズ、カラーも2色あるなど、ラインナップが意外と充実しています。

製品ポジショニング

カステリの他のレインジャケットとの比較です。

名称断熱防水防風通気軽量温度帯重量価格
ULTRA RAIN CAPE355354-1819935,750
GABBA R3554410-1821542,350
SQUALL SHELL JACKET355354-1814319,250
EMERGENCY 3 RAIN JACKET155245-1821526,950

こうして並べてみると、『ULTRA RAIN CAPE』と『SQUALL SHELL JACKET』のスコアは同じですね。同じ性能なのに『ULTRA RAIN CAPE』は重量が重く、価格が約2倍という、メリットの薄い製品に見えてしまいます。

両製品を使用した経験からすると『SQUALL SHELL JACKET』はウィンドブレーカーがベースです。止水ジッパーなど雨を防ぐ性能を持ちつつ、フィット感も高めているという高性能な製品です。

一方『ULTRA RAIN CAPE』はソフトシェルジャケット。ポーラテックの『POWER SHIELD』という防水透湿素材を使っていますので、断熱性も通気性も『SQUALL SHELL JACKET』よりも完全にワンランク上です。

恐らくは『GABBA R』との兼ね合いでこのようなスコアリングになっていると思われますが、ここはもう少し違いが分かるようにして欲しかった点ですね。

『EMERGENCY 3 RAIN JACKET』は『ULTRA RAIN CAPE』と『SQUALL SHELL JACKET』の中間です。雨でも全く問題なく使えるようにしたヘビーデューティーなウィンドブレーカー、と言えば良いでしょうか。

『GABBA R』と『SQUALL SHELL JACKET』はレビューしています。記事はこちらから。

細部の紹介

全景です。

悪天候時の使用を想定して、両腕に反射素材が大きくプリントされています。ここまで大きな反射素材が配置されていることは珍しく、ブルべ的には雨の日以外でも積極的に利用したい理由の1つ。

左肩にカステリロゴが配されていて目立つ!

POLARTECのPOWER SHIELDを使っていることを示すタグ。POWER SHIELDはフィルム系の防水透湿で、PFASフリーの新世代素材です。

本製品の生地は、サイトに『Polartec® Power Shield™ RPM』を使っているとあります。表地は耐久撥水加工がなされており、裏地は防水透湿機能を持ったフィルムとなっています。これらの2層の生地を1セットとして総合的に開発されたものが『Polartec® Power Shield™ RPM』です。

裾と裏地。裾にも反射素材が加工されています。見づらいですがシリコングリップも備わっており、裏地はフィルムがむき出しになっています。

この構造は軽量化と透湿性の向上に貢献していますが、少し汗ばんだ時に腕が露出した状態で着用しようとすると、生地が肌に貼り付いてしまい着用が困難でした。

そもそも透湿するには、汗が水蒸気の状態になる必要がありますから、いずれにしても長袖のベースレイヤーやアームカバー(と半袖ベースレイヤー)などが必須です。

ジッパーは信頼のYKKです。防水のため襟はやや高め。ちなみに雨の直撃を減らすため、ジッパーは中心からややオフセットされています。

内側です。首元に謎の生地が追加されていますが、これはポケットです。

こんな場所に補給食を隠す…わけではなく、本体を畳んでコンパクトに収納可能です。これならバックポケットにも入ります。

実測重量

実測重量はSサイズで141gでした。ソフトシェルにしては軽いです。公称199gですが、Sサイズであることを考慮しても良い方向に誤差があり過ぎでは…。

生地

生地はポリエステル100%です。原料に再生繊維を使用しているとありますので、その関係と思われます。

防水性

防水性です。いつものごとく実際に水をかけて試してみました。シャワーで至近距離から強めに水をかけていますが、ジッパーも含めて内側への浸水はありません。

https://youtu.be/PA-R8_8RHXc
内側への浸水はない

さすがにこの勢いで水をかけると、撥水が追いつかず表面は水を含んでしまっています(注:2回選洗濯の後)。

実際に小雨の中を走りましたが、小雨程度であれば十分に水を弾きます。

■レビュー

サイズ感

まずはサイズ感です。私の体形は身長170cm、体重58kgで今回はSサイズをオーダーしています。長袖ジャケットについては袖の長さが余るため、私の体形ではXSをオーダーすることが多いです。

ということで今回も当初はXSをオーダーしたのですが、あまりにタイトだったためSサイズを買い直し、これでジャストフィット。本製品はワンサイズ上を想定すると良さそうです。

ちなみに浸水を避けるため、ジッパーは右側にオフセットされています。

実走レビュー

本製品を購入したのは、2025年の4月。残念ながら2025年のブルべでは雨の予報だったことが無く、ブルべでは使えていません。2024年のブルべは雨に降られまくったのですが、中々うまくいきませんね。

5月に走った会津若松600では猪苗代湖で雨に降られましたが、予報は全道中が晴れでしたからそもそもレインウェアを携行しなかったですし…。

ということで10月中旬、曇天の肌寒い朝方に荒川CRまで走りに行きました。気温は18度前後で局地的に小雨がパラつくという、これ以上ない都合の良い天候です。

先ほどと同じ画像で恐縮ですが、荒川まで向かう間に早くも雨に降られますが、しっかりと雨を弾いており防水性能は(当然ながら)問題なし。

荒川CRに到着すると雨は上がり、35km/h前後、心拍数150程度で30分ほど巡行します。時間の経過と共に雨も上がり、短時間で気温も上昇。最初は気温17度程度でしたので快適でしたが、雨が上がると明るくなり普通に汗ばむシチュエーション。

10分前まで雨が降っていました…

しかしそのようなシチュエーションでも汗だくになることはなく、かなりの透湿性を発揮していると感じます。さすが2レイヤーファブリック。

上の画像の通りかなりタイトなシルエットなので速度を上げてもバタつきはなく、レインウェアとは思えない走りの快適さです。レインウェアとしてはエアロ的にもかなり優れています。

対応温度帯は4~18度とかなり広いのですが、その範囲であれば透湿性の高さを活かして雨でなくても普通に使える製品ですね、これは。それでいて約140gと軽量ですし。

ちなみにリアからの水の巻き上げを防ぐために裾の長いドロップテール仕様になっているのですが、レーパン上部までしっかりとガードしてくれます。

唯一の欠点は、前述の通り内側はフィルムが露出しているので長袖ベースレイヤーを着ていても肌への突っ張りがあり、着用感にややストレスがある点です。

ただしこの点については生地の伸縮性が高い(生地も薄手ですしね)のでそれなりに許容できるのと、透湿性と軽量性、エアロ性能の獲得のためには止む無し…という事項と考えます。このレビューを見て、そういう製品なのだと把握したうえでの使用をお勧めします。

■まとめ

薄手で伸縮性が高く、それ故に高い透湿性を実現し、かつ防水性と軽量さを備えているという万能な製品です。

レインウェアに35,000円…というのは高く感じるかもしれませんが、それは雨でしか使わないからです。

本製品は朝晩の肌寒い時間帯やダウンヒルに使える高性能軽量ソフトシェルジャケットとして考えるべきで、更に高性能な防水透湿性も兼ね備えているという、かつてないポジションの製品です。

タイトフィットなのでエアロですから、出し入れの激しい高強度のレースや、アップダウンの激しいコースをそれなりのペースで走りたい、でも小雨が降ったり止んだりするというシチュエーションに最適です。本製品があれば、いちいち脱着することなく着用したまま通しで走れます。

初期投資はかかりますが、Sサイズで140gという軽量さを活かして晴れの日でも十分に活用できるはずです。ウィンドブレーカーのようにバタつかないほか、それなりの断熱性もありますので、日が暮れてからのダウンヒルで『もう一枚』という時に最適と思います。

レインウェアの範疇に収まらないかなり万能に使えるジャケットですので、気になっている方はぜひ。

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ABOUT ME
@morou2
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当サイトは自転車関連のパーツレビュー、ブルべの走行記録を中心としたブログです。
管理人は40代のロードバイク乗り。20年前にCannondaleのCAAD3を買って以来、Cannoncdaleばかり乗り継いでいます。 昔はメッセンジャーやレース、今はロングライドとブルベ中心。2022年エベレスティング達成、2023年PBP認定、2024年キャノボ達成。ブルべの主担当もやります。
年間走行距離は約10,000km。身長170cm、体重57kg。
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