【レビュー】組み合わせ自由の『暖かいビブショーツ』。カステリ NANO FLEX PRO RACE BIBSHORT

カステリの秋用ビブショーツ『NANO FLEX PRO RACE BIBSHORT(ナノフレックスプロレースビブショーツ)』を買いましたのでレビューします。

■総合評価

3.5
  • 裏起毛のビブショーツ
  • タイツやニッカーでは暑いが、夏用ビブショーツでは寒いという場合に重宝する
  • レッグウォーマーやニーカバーと組み合わせると非常に気温の守備範囲が広くなる

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■購入動機

2023年に開催されるPBP(Paris-Brest-Paris)用として購入しました。PBPは8月に開催されますが、北海道より緯度が高いため天候によって気温がかなり変動します。制限時間も90時間(約4日間)ですからどこかで雨も降るでしょうし、夜中も走り続けます。そのため幅広い気温に対応可能なビブショーツとして購入しました。

この『裏起毛のビブショーツ』という製品はカステリを始めとするヨーロッパのウェアブランドにはニッカーと共に割と普通にラインナップされているのですが、どんなニーズがある人が買うのか分かりませんでした。

ところがPBPを走りに行く前提でウェアを選定するとこの商品が選択肢に上がってくるのです。ヨーロッパのような涼しい地域では必要なのでしょう。日本でも北海道や東北なら活躍すると思います。

■製品概要

スペック

まずはスペックを紹介します。

  • 価格:24,200円(税込)
  • 重量:198g
  • サイズ展開:XS、S、M、L、XL、XXL、3XL
  • 生地:Nano Flex 3G
  • フィット:レースフィット(ROSSO CORSAライン)
  • パッド:Progetto X2 Air
  • 対応温度帯:12~20度

ビブショーツとしては高額ですが、パッドは上位の製品が使われています。生地は撥水性を備えるニットのNano Flexを使っています。Nano Flexの撥水性は中々のもので、秋や春先の不安定な天候でもレインウェアを持つことなく荷物を減らしてくれます。

ディテール

細部の紹介です。まずは全景。生地は裏起毛のNano Flexが使われています。防風フィルムなどは無く、タイツよりは若干薄めの生地となっています。

左右にブラックのカステリロゴ入り。ビブショーツとしては丈が10cm長く作られているとのこと。

シリコングリップなどは無く、いわゆる切りっぱなしの状態です。

パネルの数も最小限で縫い目が少ない構造です。

パッドは上位モデルのProgetto X2 Airが使われています。

ROSSO CORSAラインです。レースフィットなのでタイト目の造りですが、Nano Flexは柔軟性の高い生地なので圧迫感は少ないです。ショルダーストラップはベーシックなタイプが備わっています。

ちなみに、同様の製品として『TUTTO NANO BIBSHORT』、女性用に『OMLOOP NANO W BIBSHORT』があります。OMLOOPは今回の製品と同様のものですが、TUTTO NANO BIBSHORTはパッドのグレードやグリッパーの有無など、細かい点で異なっています。

■実走レビュー

10/8に開催された、たまがわのブルべ『BRM1008内浦400』にて使用。その後も今年は秋にしては暖かい日が多かったため、ニッカーに移行せずにメインで使っています。

対応温度について

この製品の最大の特徴は、対応温度帯の広さ。ビブショーツなのに裏起毛、そして10cm長い丈。10月上旬の内浦400では、昼間には20度を超える気温でしたが膝から下が露出しているおかげで暑いということはありません。2週間後の鬼怒川600の試走でも昼間の気温は24度になりましたが、下半身は暑いと感じることはありませんでした。

一方、内浦400の夜間は都内で10度程度まで気温が低下しましたが、カステリの夏用ニーカバー(とても薄いです)との併用で問題ありませんでした。このあたりは個人差が大きい部分とは思いますが、体幹をガードする効果は大きいと感じます。また丈が10cm長いという点が、大腿筋を全部カバーするため地味に高い効果があります。

夜間に雨が降ると気温1桁になるPBPですが、これに同じくNano Flexのレッグウォーマーを組み合わせると、かなり広い温度帯に対応可能と感じました。

雨、低温への対応

内浦400では、コース上で最も標高の高い籠坂峠(約1,100m)から山中湖(約980m)への下りで雨が降っており、その時の気温は13度。体感気温は約10度ほどでしょうか。下りは10分ほどでしたので、ニーカバーとの組み合わせで寒さは感じず。Nano Flexが雨をしっかり弾くので浸水もありません。

この標高1,100m+下り+雨という組み合わせがこのブルべで最も辛いシチュエーションでしたが、下りが短時間だったこともあり無事に乗り切れました。特に、雨を弾くという特性が冷えを招かず優れていると感じます。

着用感

また特筆すべきはNano Flexの着用感。裾のグリッパーがなく切りっぱなしであること、縫い目が少なく最小限の生地から構成されていることから、脚が包まれるような感触で圧迫感が全くありません。非常にペダリングがしやすいです。

その割にそれなりの固定力があり、ずり上がったりしないのですが、これはNano Flexの生地の伸縮性の高さと裏起毛の適度な摩擦力が実現していることだと思われます。このフィット感は素晴らしい。

■まとめ

適度な厚さのNano Flex生地と他のビブショーツより10cm長い丈により、暑くもなく寒くもないという幅広い温度帯への対応力を実現しています。

その日の気温や標高差によって、ニーカーバーやニーウォーマー、レッグウォーマーと組み合わせることで更に厳しい条件に対応が可能です。夜間のヒルクライムやダウンヒル、雨雲レーダーに映らない小雨などで大変重宝すると思います。

またシリコングリッパーが無いことでペダリングを妨げず、着用感が非常に軽いことも特徴。グリッパーが気になっている人には、お試しする価値は十分にあるのではないでしょうか。

私の中では春、秋のマストアイテムになりつつありますのでPBPでも活用します。皆さんもぜひ。