【レビュー】カステリの撥水加工は本当に雨を弾くのか?Nano Flex PRO2ビブタイツを着て雨の中を走る
世に撥水加工を謳うウェアは多くありますが、果たして効果はいかほどなのか?先日購入したカステリの『Nano Flex PRO2 ビブタイツ』を着て実際に雨の中を走ってきました。
■カステリのNano Flex
撥水性の高性能生地
冬もそろそろ終わりと言う今年の3月に、カステリのNANO FLEX PRO 2 ビブタイツを買いました。
商品の購入はカステリ公式オンラインストアがお勧めです。本国の倉庫から出荷されるため、各カラー、サイズの在庫が豊富で納期も10日程度(税関含む)です。
※記事の最後に当ブログ専用クーポンコードの記載があります。ぜひ利用ください。

この製品を選んだ理由はふくらはぎ部分にある大きな反射素材ですが、メインの生地に『ナノフレックス』が使用されており、保温性と生地のしなやかさ、及び撥水性を兼ね備えていることが特徴です。保温性などは一度使えば体感できますが、撥水性についてはさすがに試せないままでいました。

カステリのウェアはレースで使う事を前提にしています。特に春先などは雪が降る場合もありますから、過酷な状況でも快適に走れるように高機能なウェアになっています。同じく春先のブルベも、夜間と昼とで気温が大きく変動しますから、ウェアの選択が難しい場面が多い。途中で雨の予報が出ていれば更にウェアの選択は悩ましいものになります。
カステリの謳い文句では防水では無く『撥水』となっています(一部に『防水』の記載もあるが、主に『撥水』が使われている)ので、小雨程度ならナノフレックスでしのげるようですが、どこまでの性能なのか体験してみないと判断出来ません。春先や秋口のブルベで荷物を減らしたいので、試してみることにしました。
■そもそもNano Flex(ナノフレックス)とは
カステリが開発した生地です。生地を数百万の小さなナノフィラメントでコーティングして、これまでで最も撥水性のある生地仕上げを作成したそうです。水滴は布の上に球形のボールとして留まるか、痕跡を残さずに布から跳ね返ります、とのこと。生地としては8年ほど前から登場しており、その後も機能のアップデートが何度か重ねられています。

■実際に試してみます
実験の概要
小雨の予報の中をあえて走りに行きます。本降りでやると非常に辛そうなので、まずは小雨で試します。また同じく撥水性のある『GORE-TEX INFINIUM』を使った『PERFETTO RS(ペルフェットRS)』(PERFETTO ROS LONG SLEEVEの前モデル)も着用しレインウェア無しにします。

当日の天候
4月末。関東地方は午前中から降ったり止んだりの微妙な天候です。前後マッドガードを装備して自転車の準備は万全。撥水性能を試したら、その後はレインウェアを着て走ろうという計画でした。しかし30kmほど走り休憩に立ち寄ったコンビニでサドルバッグを開けると輪行袋しか入っていません。レインウェアは、どうやら自宅に忘れてきたようです…。
道理でサドルバッグが軽いはずです。真面目にレビューしろという神のお告げなのか?これで強制的に雨の中を走るしかなくなりました。降水量の予報は1mm前後だったのが救いです。
ナノフレックスの効果はいかほど?
さて雨の中を2時間ほど走ってきた感想です。まずNano Flex ビブタイツのレビューからです。雨だったので、画像はありません…。
- 確かに雨を弾く。付着した雨は太ももの上で水滴になった。
- 手で払うと綺麗に水滴が落ちる。
- 小雨の中を2時間走ったが、浸水することは無かった。
カステリの謳い文句は本当でした。誇張でなく、雨は綺麗な水滴になり浸み込むことがありません。疑って申し訳ないのですが意外でした。当日の気温は15度前後でしたが、浸水しないので体が冷える事はありません。元々の保温性も高いので全く寒くありませんでした。
ただし、撥水性能は表面の特殊な加工によって成り立っています。そのため水滴がまとわりつくような小雨なら撥水効果を発揮するが、ある程度雨粒が大きくなると撥水が追い付かなくなるのでは?と感じました。
反射素材も兼ねるふくらはぎのスプラッシュガード部分は、マッドガードを付けていても、巻き上げた水により多量の汚れが付きました。しかし撥水性があるおかげで、水が浸透することなく非常に綺麗なままでした。
ジャケットの状況は?
ジャケットですが、こちらも2時間程度であれば快適な状態を保つことが出来ました。ただしこのジャケットは既に1シーズン使用しているものです。ほぼ新品のビブタイツと比べると、表面には多少の浸水がありました(生地はGORE-TEXなので、中までは浸水しない)。
ただし表面が湿ってしまうと、生地に浸透した水分によりGORE-TEXの通気性が損なわれます。2時程度であれば問題ありませんでしたが、これ以上の時間や降水量だと厳しい気がします。レインウェアと同じく、撥水性は徐々に低下するものですね。
■性能を維持するための洗濯について
実用的な撥水性が確認されましたが、この性能を維持するには日ごろの手入れも重要になります。具体的には、
- 洗濯時には液体洗剤を使用し、柔軟剤は使用しない。
- 定期的に乾燥機やアイロンにかけて撥水性を復活させる。
GORE-TEXを使用したレインウェアの手入れと同じですね。表面の撥水加工を損なわないために、液体洗剤のみを使用した洗濯と、加熱による性能の復元が推奨されています。また撥水性は微細な表面の加工によって成り立っているため、洗濯の回数を重ねると徐々にですが性能が低下するようです。カステリによると、適切に洗濯をしていれば40~50回程度は性能を維持出来るとのこと。これだけの耐久性があれば、撥水加工が完全にダメになる前にパッドの方がヘタりそうです。
■まとめ
それではまとめです。
- 小雨程度なら、確かに雨を弾く。2~3時間の小雨なら全く問題無い。
- 『荷物を減らしたい派』の人には有力な選択肢。
- 本降りになると浸水する可能性あり。
- 性能の維持には定期的な手入れが重要。
数時間の小雨程度なら問題無いことが分かりました。個人的には『浸水したらどうしよう…』という心配が先立っていたのですが(レインウェアを家に忘れてきたので)、それは杞憂に終わりました。
『小雨の中を2時間走る』という状況は、今までは確実にレインウェアを着ている場面でした。ところが上下ともカステリのウェアだけで乗り切ることが出来てしまいました。
しかし結果として終始小雨だったから良かったものの、途中から本降りになったら浸水していたかも知れません。こればかりは心配しても仕方ないのですが、もし予想外に天候が悪化した場合は浸水する覚悟もしておく必要があります(実は土砂降りでも意外と耐えられるのかもしれませんが)。
ただ予報の内容によってその辺は概ね予想がつきますから、それ程困らないと思っています。レインウェアを持たずにカステリ製品だけで雨がしのげるのは、例えばブルベのコース上で折り返し地点の付近だけ雨の予報とか、そういった場合です。この様な場合、その2時間程度のためにレインウェアを持っていくのか?非常に悩ましい場面だったのですが、これからは荷物を減らせそうです。予報にないにわか雨の場合も、濡れずに過ごせると思います。色々メリットがありますね。
シーズンは終わってしまいましたが、冬物は高価なのでセールがあるシーズンオフに買うのがお得です。秋になれば出番が来ます。

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今回紹介したのはタイツですが、ナノフレックスを使ったレーパンもあります。タイツは暑いけれど、夏用レーパンではペラペラなので寒い…という温度感で非常に重宝します。