【レビュー】カワイイけどあなどれない保温力。カステリのトゥカバー『TOE THINGY 2(トゥシンギー)』
カステリのトゥカバー『TOE THINGY 2(トゥシンギー)』のレビューです。ネオプレン製のトゥカバーですが、カステリのネオプレンは厚みがあり保温力が高く、低温までしっかりと対応してくれます。
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■総合評価
シンプルなネオプレン製のトゥカバーです。
- シンプルで使いやすいロングセラー商品
- 厚みがあるため見た目以上に暖かく、真冬以外の幅広い季節で活躍する
- ネオプレンの柔軟性が高く、脱着しやすい
- カステリロゴの位置が良い
■入手経緯
通常は『購入動機』となるこのパートですが、今回はカステリ社のご厚意によりこちらのトゥカバーを提供いただきました。そのため『入手経緯』としています。いつもありがとうございます。
他に『FLY JACK-SEY』『PERFETTO LIGHT GLOVE』も提供いただきました。
レビュー記事はこちらです。いずれもカステリならではの『キャラが立っている』秀逸な製品です。
■製品概要
製品スペック
webサイトに載っている情報を以下にまとめます。
- 価格:3,630円
- 対応温度帯:10~18度
- 重量:62g
- サイズ:ワンサイズ
1万円前後のアイテムが多いカステリのシューズカバーの中では圧倒的に価格が安く、手軽に買えるアイテムの1つです。
重量
公称62gですが、実測59gでした。常に回転するシューズに装着するものは軽いに越したことはありません。たったの3gですが、公称重量よりも軽いのは有難いですね。
外観
摩耗しやすいつま先部分の縫製は2重ステッチになっており、コストのかかった造りになっています。また中央にはカステリロゴが配置されています。最近のカステリウェアはロゴの配置が控え目なのですが、カステリ好きとしてはこれくらい欲しいところ。
裏面です。耐摩耗性を向上する目的で、シリコンプリント加工がなされています。プリントは赤色です。中央のクリート用穴から赤い裏地が見えますが、(装着すると分からないのに)わざわざ裏を赤くして統一するというカステリらしいこだわり。
こういった細かいデザインの遊びが、ライドへのテンションを上げてくれますよね。
こちらはつま先部分裏側の縫製です。表から見る以上にしっかりとした縫製がなされていることが分かります。そもそも、パネルが3枚(甲&足裏&つま先)という構造がコストがかかっていおり、密着度が上がるため保温力も高まります。他社はほとんど2枚で構成されています。
製品表示タグも裏側にプリントされています。カステリの製造国表示は東欧が多いのですが、こちらは珍しく中国となっています。
■レビュー
サイズ感
厚みがある割に柔軟性の高い生地です。『DILUVIO C GLOVE』もそうでしたが、カステリのネオプレン製品は分厚い(=保温力が高い)のにしなやかで、大変脱着しやすいです。
他社では2サイズ用意しているところもありますが、カステリはワンサイズのみ。私の足のサイズは26cmですが、問題なく装着可能です。もっと大きくても、逆に小さくても、問題ないでしょう。
着脱について
構造がシンプルなので、ガバっと装着するだけです。生地の柔軟性が高いため、クリート用の穴も良く伸びます。私はクリートの大きなスピードプレイを使っていますが、特に問題ありません。
↑の穴がここまで大きくなります。何度か使用しましたが、破けそうな気配は一切ありません。裏面が補強されている製品も多いですが、補強の必要は無いと感じます。
横から見たクリートの露出度合いです。スピードプレイの場合になりますが、歩行の際もトゥカバーが接地することが無く、カバーに傷がつくことがありません。
暖かさについて
この製品はシューズカバーではなくトゥカバーです。シューズカバーとトゥカバーの使い分けの関係から、トゥカバーは『風さえ防げれば良い』という考えの方も多いでしょう。
しかし『TOE THINGY2』は違います。1桁後半の気温くらいであれば、シューズカバーを使う必要が無いほど暖かい。この製品の対応温度帯は『10~18度』ですが、『7~18度』くらいの性能はあると思っています。
カステリのシューズカバー製品の多くは『2~14度』あたりの対応温度帯なので、シューズカバーの守備範囲を浸食するほどの性能です。
※足先のような末端での気温の感じ方には個人差があります
この暖かさは『シューズに密着する柔軟性』と『生地の厚さ』にあると感じましたので、生地の厚さを実際に計測しました。今回は比較として他社製品も2つ計測します。たまたま我が家にあた他社製品は、パールイズミの『ウィンドブレーク ライト トゥカバー』とGORIXの『シューズカバー』です。
まずはパールイズミ。対応温度帯は15度とありまずが、見てわかる薄さです。『風を防くことが目的』という製品ですね。厚さは約1.7mm。
次にGORIXです。対応温度帯は不明ですが、商品説明ページには生地の厚さは約2.5mmとあります。計測すると約3mmでした。底面がケブラーで補強されており、耐久性は高いが密着度は高くありません。
最後にTOE THINGY2。こちらの厚さは約3.7mm。赤いシリコンプリントの厚みを考慮すると3.5mmといったところでしょうか。
計測するとTOE THINGY2の生地は実際に他社と比較しても厚めであり、保温力の高さは生地の厚さによるところが大きいことが分かりました。
■まとめ
シンプルですが保温力の高いトゥカバーです。価格も約3,600円と性能を考えると安価に感じます。生地が柔らかく、ベルクロなどもないため着脱も楽。
柔軟性が高いので、暑くなって外してもジャケットのポケットやサドルバッグに丸めて入れておけます。その逆に、春/秋の夕方からの気温低下に備えて、折り畳んでサドルバッグなどに忍ばせておくのも楽。
冬も早朝から走るという人は足首も覆うシューズカバーが必要と思いますが『冬は寒いから昼間だけ走る』という人なら、これ1つで済む場面も多いでしょう。
シンプルな見た目に反して、1つあると非常に便利に使える製品です。カステリの北海道の稚内とよりも緯度が高いイタリア『トゥカバーなんてどれも同じ』という人は是非試してみてください。
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