【レビュー】カステリのマイナス気温対応タイツ ENTRATA WIND BIBTIGHT(エントラータウインドビブタイツ)

カステリのマイナス気温に対応する防風ビブタイツ『ENTRATA WIND BIBTIGHT』を買いましたのでレビューします。

■総合評価

4.5
  • 安定の高性能生地『Nano Flex』で暖かくしなやか
  • 防風の前面パネルが意外と風を防ぐ
  • 価格はカステリ防風タイツの中で最も安く、低~中強度向け

■購入動機

2着目の冬用タイツとして購入。2021年3月にカステリの『NANO FLEX PRO2ビブタイツ』を買ったのですが、1着しかないと2日連続で乗れないためです。

そこで2着目の物色に着手。NANO FLEX PRO2の対応温度帯は『-2~10度』とかなり暖かいのですが、GORE-TEXのような防風機能が無いため風が強いと少し寒い(保温性が高いので、少々の風なら問題無い)。ブルベでの使用が前提なのでマイナス気温に対応しているものが良いのですが、どうせならしっかり防風機能を謳っているタイツを買ってみることにします。

カステリのサイトを見ていると、防風機能のあるタイツとしては以下の3つ。

  • SORPASSO ROS WIND BIBTIGHT
  • ENTRATA WIND BIBTIGHT
  • POLARE 3 BIBTIGHT

商品名に『WIND』が入っているのが2つ。POLARE 3 BIBTIGHTはWINDの名称がありませんが、SORPASSO ROS WIND BIBTIGHTと生地が同じGORE-TEXです。

SORPASSO ROS WIND BIBTIGHT と悩んだのですが、今回は在庫の関係で『ENTRATA WIND BIBTIGHT』を購入。『ENTRATA』の名称通りエントリーモデルという位置づけですが、カステリの防風機能がどのようなものかまずは体験してみようと思った次第。カステリのビブタイツで防風タイプはあまり見かけませんので、買ってみるしかない。

ちなみにNANO FLEX PRO2を買う前はパールイズミの『ウィンドブレークビブタイツ(T6000-3DR)』を3年ほど使っていました。しかしこの商品はオーバーオールタイプなので、強度を上げると上半身が暑すぎるのです。

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■製品概要

ENTRATAの位置づけ

マイナス気温に対応するタイツが欲しいといいつつ、先程は『防風機能』という切り口でタイツを3つ紹介しました。これは私が既に『Nano Flex PRO2』を持っているためです。確認のために、改めて 『Nano Flex PRO2』 も含めたカステリの商品の中で『マイナス気温に対応するタイツ』を一覧にします。

名称 価格 対応温度帯 前面素材 背面素材
SORPASSO ROS WIND BIBTIGHT 30,000 -5~8 GORE-TEX INFINIUM WINDSTOPPERR X-Fast Nano Flex G3
ENTRATA WIND BIBTIGHT 22,500 -2~6 AirFlex Thermo Nano Flex G3
NANO FLEX PRO 2 BIBTIGHT 30,000 -2~10 Nano Flex Xtra Dry
POLARE 3 BIBTIGHT 27,000 -5~5 GORE-TEX INFINIUM WINDSTOPPERR X-Fast Nano Flex G3

まず前述のように、NANO FLEX PRO2以外は何らかの防風機能があります。こうしてスペックだけ見るとPOLARE 3 BIBTIGHTが最も暖かそうです。

調べるとSORPASSOと同じくGOREを使っていながら、腿裏に更にThermoflexが追加されており暖かさに特化したモデルとのこと。意外と高性能ですが、強度を上げると暑くなりそうです。対応気温の上限は5度になっていますね。

SORPASSOとENTRATAの違いは、前面の生地とパッド。SORPASSOは高価なGOREのINFINIUMを使っています。こちらの方が透湿性が高く、高強度に対応しています。対応温度帯が幅広いのは、この透湿性のおかげですね。パッドはレーシーなPROGETTO X2です。またカッティングもタイト目になっています。

ENTRATAに使われているAirFlex Thermoは生地の表面にポリウレタンのコーティングをした生地です。そのためGOREよりも伸縮性が高くしなやかです。その代わり防水性がありません。ENTRATAはエントリーモデルという位置づけのため『普通の人は冬に雨の中を走らない』という理由で、防水性が重視されていないそうです。ごもっともですね、ランドヌールは色々と前提がおかしい。

こちらのパッドはKISS AIR2。厚みがありロングライド向けです。ちなみにカステリのパッドは、全てのモデルでPROGETTO X2とKISS AIR2の2種類しかありません。

NANO FLEX PRO2は防風素材こそ使っていませんが、保温性と撥水性を両立させた生地を使っています。
SORPASSOと同じくROSSO CORSAラインなのでカッティングがタイト目で、パッドもPROGETTO X2です。

各製品はこのような違いがあります。

パッドについて

ENTRATAのパッドは『KISS AIR2』を使っています。上位モデルのPROGETTOよりも厚みがある印象で、こちらの方が圧迫も少なく、ロングライド向けだと思います。

カステリのパッドはパッドに縫い目が無いのが良い点です。以前のパールイズミは複数のパネルを縫い合わせているので、縫い目の部分で擦れるという欠点がありました。今では一体成型で性能が良さそうなので、どこかのタイミングで使ってみたいとは思っています。ただ一度鞍替えしてしまうと、そう簡単には戻れないのですよね…。

生地について

ENTRATAですが、前面にはAirFlex Thermo、背面はNanoFlex 3Gが使われています。こちらの画像だと、右側が AirFlex Thermo(前面)です。

別の角度から。光を当てる角度の違いで前面の AirFlex Thermo は白く映ります。先ほどの画像と色合いが全く違います。これはポリウレタンコートにより表面がキメ細かく、平滑なためと思われます。手触りもかなりサラっとしています。

生地の裏側は、もちろん裏起毛です。裾はシリコングリップ付き。

ストラップについて

肩のストラップはこちらの細いタイプ。カステリの場合、廉価モデルにはこのタイプが採用されています。

上位モデル(ROSSO CORSAはほぼこのタイプ)はこのようなバンドタイプとなり、強めのテンションがかかっても肩への圧迫が少ない構造になっています。

反射素材について

日が短い冬に必須の反射素材。裾のファスナー部分にフラップ状の反射素材が付いています。無いよりマシ、という面積です。

ファスナーはYKK製です。

■レビュー

サイズ感

今回はカステリ直販で試着した上で、Mサイズを購入。カステリ直販は販売価格こそ定価ですが、18,000円以上で送料無料。そして試着だけなら返品可能、返品送料も無料なので、複数のサイズをまとめてオーダーすることが出来るため重宝しています。送料無料ラインが18,000円なのでここだけ見るとハードルが高めですが、私は必ず複数サイズをオーダーするので送料が発生したことはありません。

私の体格は身長170cm、体重58kgです。NANO FLEX PRO2ではSサイズだったのですが、このモデルにはレーシーなタイト目の着用感は求めていないため、着用感に余裕のあるMにしました。既に何度か使っていますが、Mで全く問題なし。NANO FLEX PRO2の方もMで良かったかもと思いますが、特にキツさは無いのですよね…。

この辺の境界線で『どちらのサイズを選ぶか?』というのは価値観も入る部分なので試着して決めるしかありませんが、初めてカステリを買う方の参考にはなるかと思います。

防寒性能

肝心の防寒性能です。先ほど紹介した通り、前面の生地はコーティングにより非常にきめ細かく出来ています。そのため防風性については、NANO FLEX PRO2よりも若干高いです。NANO FLEX PRO2 で不満だった『風が通る感じ』はENTRATAでは感じることがありません。

この2つのタイツについては、対応温度帯の最低が-2度というのは一緒です。しかし両方所有した感想としては、想定されるシチュエーションが異なっておりENTRATAの方が『強風にさらされた結果、体感温度が-2度になる』という状況に対応出来ます。

無風の状態で単純に外気温が-2度になっただけであれば、どちらのタイツでも寒さを感じずに凌げると思います。しかし真冬に強い北風が吹いていて体温が奪われる状況であれば、防風機能のあるENTRATAの方が保温性が高いです。

しかしNANO FLEX PRO2には『動きのあるふくらはぎにデカい反射素材が付いている』という唯一無二の特徴があります。防風機能と大きな反射素材を備えたタイツを作って欲しいのですが…。カステリさん、どうですかね。

またENTRATAの対応温度帯の上限は6度になっているのですが、10度近くになっても暑いということはありませんでした(北から吹く向かい風の中を心拍数170程度で真面目に走りました)。

動きやすさ

Thermoflexは伸縮性が高いとのことでしたが、実際に着用してみると謳い文句の通りと感じます。以前使っていたパールイズミのウィンドブレークタイツは、カステリと比べると生地がゴワついており、肌とのフィット感も少ないものでした。パールイズミを使っていた時は特に不便を感じていなかったのですが、こうしてカステリを使ってみると生地にも差があるのだと感じます。

もしかするとパールイズミも今は改善しているのかもしれませんが、カステリで満足しているので今のところパールイズミに戻る理由がありません。

また上位モデルの SORPASSOで使われているGOREは、基本的な構造として『表面の生地+GORE+裏地』という3層構造になります。一方、ENTRATAで使われている表面のポリウレタンコートという手法であれば、GOREの生地よりも厚みがいくらか抑えられるのだと思われます。

ただしここは SORPASSOやPOLAREの実物を未確認なので、今後確認してみたいと思っています。

■まとめ

カステリのマイナス気温に対応するタイツの中で、防風機能を謳っているタイツです。価格は安く、GOREほどの透湿性はありませんが、低~中強度向けには十分な保温性能を持っています。更なる暖かさが欲しい人はPOLARE3が適していると思いますが、多くの人はこのENTRATAで十分なのではと感じます。

そもそも氷点下の気温で走る人がどれだけいるのか…と思うのですが、そのようなモデルですら4種類もラインナップされているカステリの商品力が素晴らしいですね。ちなみに私はブルベ以外では、冬は早朝から走ったりしません(笑)

心拍を上げてハードに走る人向け、寒がりな人向けと色々揃っていますので、最適な1着を見つけて欲しいと思います。