【レビュー】カステリの冬用最強ジャケット ALPHA ROS 2 JACKET(アルファロス2ジャケット)

カステリの冬用ジャケット『ALPHA ROS 2 JACKET(以下、アルファロス2ジャケット)』を買いましたのでレビューします。旧モデルから『2』にアップデートされ、より低温に対応するようになりました。1⇒2への変更点も併せて紹介します。

■総合評価

4.0
  • アルファ構造と呼ぶ2層構造を採用しており、-5~10度という幅広い気温に対応する
  • リニューアルしてより更に暖かくなった
  • 機能的には満足だが、価格が少々高い

カステリが販売するジャケットの中で、最も低温に対応する商品です。単に暖かいだけでなく、アウターとインナーの使い方により気温の上昇にも対応できる事がポイントです。

■購入動機

既にアルファロスジャケットを使っていたのですが、2020年に『アルファロス2ジャケット』にリニューアルしました。その使い易さから旧モデルを気に入って使っていましたが、リニューアル後の更なる機能向上に期待して購入。

そもそも最初にアルファロスジャケットを買った動機は、2018年末に走った『北関東400』の試走。ここで-7.7度の中を走った後、『もっと高性能な(薄くて暖かい)ジャケットは無いのか』と探して買ったものです。

このジャケットはアウターとインナーの2層構造になっており、ジャケット単体でかなりの保温性能があります。またその2層構造の使い方を工夫することで、幅広い温度帯に対応出来ます。低温に特化して日中は暑すぎる…という事が無いのです。

ブルベを走っていると大きな気温差に対応する必要がありますので、こういう『2着が1着になる』ウェアは荷物が減るので重宝します。ただし価格が5万円近くしますので、試しに買ってみるという金額ではありません。そこでレビューを書くことにした次第です。

■製品概要

スペックについて

まず価格その他のスペックです。

・価格:47,500円
・重量:525g
・カラー展開:オレンジ、グリーン、ブラック、ブルー、レッド
・サイズ展開:S、M、L、XL、XXL、3XL
・メイン生地:GORE-TEX INFINIUM WINDSTOPPER150
・対応温度帯:-5~10度

最大のポイントは5万円弱というその価格(実売価格はもう少し安いですが)。これからレビューしていきますが、果たしてそれだけの価値のある唯一無二の製品なのか。

またカラーについては、実際は『MILITARY GREEN』などの正式名称があります。

生地について

アウターの生地はGORE-TEX INFINIUM WINDSTOPPER です。商品名の『ROS』という製品ラインは、雨の日は防水性、晴れの日は透湿性を発揮してどんな天候でも使えることを示しています。この売り文句は、GORE-TEXによって実現されています。

また肩口にはシームテープ処理がなされています。水の浸水を防ぐという謳い文句ですが、肩からの冷気の侵入を防ぐ役割もあります。ここは旧モデルからテープ処理の範囲が広がり、保温性が向上しています。

こちらは旧モデル

2層構造について

この商品の特徴であるアウターとインナーの2重構造についてです。カステリはこれを『アルファ構造』と呼んでいます。まず生地の種類は以下の通り。

  • アウター:ポリエステル
  • インナー:ポリエステル、エラスティン(ポリウレタン)

アウターはPERFETTO(GABBA)シリーズの生地そのものです。裏起毛はありません。薄手のGORE-TEXのINFINIUM WINDSTOPPERで、防風性と生地の柔軟さを兼ね備えています。そのため2重構造になっている割に動きやすいです。

インナーはポリエステルをフリース状に加工しています。全体の形状はベストだと思って下さい。また生地は立体的なワッフル状になっており、保温性を向上させています。こちらも薄手なのですが、アウターより更に伸縮性があり、体幹にフィットする伸縮性を備えています。

このインナーがアウターに何か所かで縫い付けられています。この半フローティング構造によりジャケット内の空気が最適に保温されて『薄手のウェア2枚』で『厚手のウェア1枚』を上回る保温性と動きやすさを実現しています。

背中側のアウターとインナーの間は、背面のベンチレーションへ繋がっています。

また気温や体温の上昇に合わせて、インナーのジッパーのみ開ける、アウターのジッパーのみ開けるという使い方が可能です。

袖について

袖の構造について。インナーと同じ生地が、裏地として手首近くまで覆うようになっています。

旧モデルはこのようになっています。

また袖のアウター部分が延長され、インナースリーブを完全に覆う2重構造になりました。

旧モデルはこのようになっています。

ジッパーについて

ジッパーはYKK製です。アウタージッパーのフラップが7割ほどしか覆っていなかったところ、全て覆うようになりました。またアウタージッパーのスライダーは大振りなものになっており掴みやすいです。

ベンチレーションについて

背中側のベンチレーションです。先ほどのアウターとインナーの間はここに繋がっています。旧モデルでは直線だったのですが、2からは斜めになり、ベンチレーションの開口部が少しだけ拡大しました。 

襟について

このジャケットはハイネックになっており、ネックウォーマーが不要なのもメリットの1つ。うなじ部分は更に生地が追加されています。

■レビュー

サイズ感について

私は身長170cm、体重58kgです。今回はSサイズを購入。他にもカステリのジャケット、ジャージを持っていますが、全てSサイズで問題ありません。

モデルによってはXSの設定がありますが、このジャケットはSが一番小さいサイズの設定です。しかし身長170cmで最も小さいサイズが適しているということは、やはりXSサイズが必要なのではないでしょうか。

また気になる点として、旧モデルと比べると袖が少し長い様に感じます。これは前述のように、アウターが袖口ギリギリまでを覆っているため邪魔に感じるためです(念のため肩から袖口までの長さを測定したところ、旧モデルと寸法は同じでした)。

ここは難しいところで、寒い時には袖のアウターの長さのおかげで抜群の保温性なのですが、気温が上がった状況ではこの長さが鬱陶しく感じることがあります。昼間は旧モデルくらいの長さがちょうど良いです。

2層構造について

このジャケットの2層構造ですが、インナーは保温、アウターは防風・防水の役割を担っています。薄手のジャケットと薄手のジャージが合体したようなものですが、『ウェアを2枚着ても同じことでは?』と思う人もいると思います。かつては私もそうしていました。

しかし防風のアウターと保温のインナーを最初からセットにして、更に一部を縫い付けて半フローティング構造にすることでそれぞれの形状を最適化したうえ、最小限の生地の厚さで最大の保温性を実現しています。

それぞれの生地が薄いですから、厚手のジャケット1枚分と同じ動きやすさです。それでいて、今までで一番暖かい。2枚を重ね着していた時(アンダーも含めると3枚)は、いかにも着ぶくれしている感じで動き辛かったのは良く覚えています。

重ね着をする場合、2枚のアウターはそれぞれ単独で別の製品として設計されています。そのためどうしても機能が重複したり、着ぶくれしてしまいますよね。脱着も面倒でしたし、脱いだジャケットをしまうサドルバッグも必要になります。

また先ほど『暖かいけど邪魔』と言った袖のアウターですが、前回レビューしたカステリのフルジップタイプのグローブと相性が良いです。このタイプのグローブなら、薄くてめくれてしまいがちなインナーの上から綺麗にカバーすることが可能です。

インナーはこのように結構な長さがあるので、普通に上からかぶせるとめくれてしまいます。

カステリのフルジップタイプのグローブなら、めくれる事なく綺麗に装着することが可能です。

そしてグローブの上からアウターをかぶせてあげると完成。気密性が高く、めちゃくちゃ暖かい。ここから体温が逃げていたのか…という事が改めて分かりました。手首は重要なんですな…。

対応温度帯について

メーカーの設定している温度帯は旧モデルと同じ-5~10度となっています。しかし前述の細かな改良(袖の裏地、ジップフラップ、袖口の2重化、シームテープ)により、実際は下に2度ほどずれて-7~10度くらいなのでは?と感じます。

-5度くらいまでは、このアルファロス2ジャケットとドライ系の長袖アンダー(私はCRAFTのCOOLMAXを使ったモデルを着ています)で全く問題ありません。

それ以下の気温でも、保温性の高いインナーを着れば問題無いと思います。そもそも日本において-10度近い気温で走る状況がどれだけあるのかと思いますが…。

保温性、気密性が向上している反面、10度近くなると旧モデルよりも暑いです。気温の上昇にはこのジャケット独特の対応方法があり、2つのモードを使って対応します。

  • 5度位まで:インナージッパー全開、アウタージッパーは閉じる。平坦を走る時はこれ。
  • 5度以上:インナージッパーを閉じて、アウタージッパーを全開。ヒルクラの時はこの状態。

よくジレのジッパーを全開にしてヒラヒラさせながら走っている人を見かけますが、アウタージッパーを開いて走ると同じ感じになります。

■まとめ

カステリのジャケットの中で、最も低温に対応するジャケットです。独自のアルファ構造により-5~10度という幅広い温度に対応可能ですが、得意な守備範囲は氷点下~気温1桁前半までと思った方が良いです。

製造工数が非常にかかっているであろう構造のため、製造する工場からは嫌がられそうですが、しっかりと製品にしているところ(しかも品質も高い)、そしてその複雑な構造でスマートさと実用性を両立しているのは素晴らしいと思います。ランドヌール的には荷物が減るのも大きなメリットです。

価格が高価な点はやむを得ないと思いますが、サイズがSまでしかないことは対応して欲しい点です。冬の朝やブルべを走る人には、買えるなら1着持っておいて損しないジャケットと思います。

同じアルファシリーズで軽量版の『ALPHA ROS 2 LIGHT JACKET』も買いました。レビューはこちらから。