2023.07.03 2024.03.24

【レビュー】これぞビブショーツの最高峰　カステリ PREMIO BLACK BIBSHORT

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カステリのビブショーツ『PREMIO BLACK BIBSHORT（プレミオブラックビブショーツ）』をカステリ社から提供いただきましたので、レビューします。

カステリ製品ラインの中で最高峰に位置する『PREMIO』シリーズの製品であり、看板に偽りなく最高の履き心地です。カステリテクノロジーの集大成といえます。

詳細の確認は、カステリ公式オンラインストアの商品ページから。本国の倉庫から出荷されるため、各サイズ／各色の在庫が揃っておりお勧めです（記事の最後に常時使えるクーポンコードの記載があります）。
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カステリ公式オンラインストアはこちら

PREMIO BLACK BIBSHORT

Contents

■総合評価
■入手経緯
■製品概要
■レビュー
■まとめ

■総合評価

カステリ製品の中で最高の履き心地と完成度
春秋に使える汎用性と真夏に使える速乾性を両立しながら、最高レベルの履き心地も実現しているというカステリ渾身の一着
ストレス（着用感）が無いのでロングライドになればなるほど真価を発揮する（もちろんレースでも）

カステリのビブショーツ、ニッカー、タイツはこれまで一通り着用してきましたが、その中でも最も完成度の高い製品と断言できます。最初に着用して走り出した時は、５分後に『あれ、レーパン履いていたっけ…？』とあり得ない事を思ってしまったほど（決して忖度ではなく、本当にそう思って焦りました。仮に履いていなかったら別の意味で焦らなくてはいけませんが）。

むしろレーパンは履いているからこそ、ロードバイクが快適なのであり、本当にレーパンを履かずにサドルに跨るとまともに走れないというのがホントのところでしょう。自宅内であっても全裸でサドルに跨ったことは無いので分かりませんが…。
※ちなみに昔のレーパンのパッドは単なるタオル地でした。タオル地レーパンは使ったことがありますが、その頃から比べるとパッドは格段に進歩しています。

しかしそれを踏まえてもなお、レーパンを履いているにも関わらず『もしかして俺はレーパンを履き忘れているのか？』と思ってしまう快適さです。

価格もプレミアム（37,950円）ですが、費用対効果の高さは保証しますので一度は使って欲しい。某Ａ社よりははるかに安いですし、性能を考慮するとカステリは非常にリーズナブルだと思っています。

■入手経緯

いつもは『購入動機』となるこのパートですが、今回はカステリ社のご厚意によりこちらのビブショーツを提供いただきました。そのため『入手経緯』としています。

カステリは今年に入ってから、製品をグレード別に『PREMIO』『PRO』『ENDURANCE』『ELEMENTS』の４ランクに分けてプロモーションしています。

従来は『ROSSO CORSA』をレーシングラインと位置付けて高性能かつタイトフィットというカテゴライズをしていました。しかしROSSO CORSAの中でも『高機能』だけでなく『高官能性（着用感の良さなど）』を備えた製品があることから、そういった製品をより訴求すべく、上記の４ライン制の導入に至ったと推察しています。

『機能の高さ』は数値化が可能な部分があるので価値を訴求しやすい（その代わり競争も激しい）ですが、『官能性能の高さ』は価値が訴求しづらい（ブランド力による）部分です。

しかしカステリほど知名度のあるブランドはないうえ、PREMIO BLACK BIBSHORTの機能、着用感はかなりのもの。高価格でも納得の完成度。同じPREMIOラインである『PREMIO BLACK JERSEY』『ESSENZA JERSEY』も揃えたい…。

■製品概要

製品概要

まずはwebサイトに載っている情報を以下にまとめます。

サイズ展開：XS、S、M、L、XL、XXL、3XL
バージョン展開：ノーマルおよびLTD EDITION
カラー展開：６色
価格：39,600円（LTD EDITION）

製品ライン上の位置づけ

改めて製品概要です。カステリは主要な製品を以下の４ラインに分けています。

PREMIO：製品ランクの頂点。最高ランクの快適さ。
PRO：トッププロが使用。快適さとエアロ性能を兼ね備える。
ENDURANCE：ライドに没頭できる快適さと長く着用できる耐久性が備わる。
ELEMENTS：サイクリング経験が浅い人に向けて驚きと感動を。

PREMIO BLACK BIBSHORTは、商品名のとおり『PREMIO』ラインに属する製品です。他のPREMIOラインには主ににジャージ製品である『PREMIO BLACK JERSEY』『ESSENZA JERSEY』の２つがあります（他にキャップ、グローブ、ソックスもあります）。

後ほど詳しく紹介しますが、PREMIO BLACK BIBSHORTは『PRO』ラインに属する『SUPERLEGGERA BIBSHORT』の流れをくむ製品です。

【レビュー／インプレ】高性能＆超軽量ビブ　カステリ SUPERLEGGERA ビブショーツ

またPREMIO BLACK BIBSHORTには別バージョンがあり、今回提供いただいたのは『LTD EDITION』です。CASTELLIロゴが大きく入る仕様になっており、これは『DEEP GREEN/ELECTRIC LIME』というカラー。BLACKという製品名ながら、カラーバリエーションが豊富なのでぜひ気に入ったカラーを試してほしいところ。
※2024年からノーマルとLTDは統合され、ノーマル版で多色展開されるようになりました。

PREMIOラインの製品は、箱も特別製です。高級感のあるマットな黒い箱に入って届きます。もったいなくて捨てられません。

『COMFORT HAS NEVER BEEN SO FAST』の文字が、この製品のコンセプトをアピールします。

中にはタグとカードが同封されています。

カードの中はビブショーツを構成する生地パーツと、

製品説明が記載されています。

パッド

パッドは『Progetto X2 Air』を使っています。カステリのパッドは２種類しかありません。『Progetto X2 Air』と『Kiss Air2』です。PREMIO BLACK BIBSHORTには上位の『Progetto X2 Air』のパッドが使用されています。

重量

先ほど超軽量ビブである『SUPERLEGGERAの流れをくむ』と書きましたが、重量的には正にその通りになっています。ノーマルの公称重量は152g、LTDの公称重量は155gです。そしてLTDの実測重量はわずか147gと、かなり軽量（重量はいずれもＭサイズ）です。

ちなみに超軽量が売りのSUPERLEGGERAは140gです（同じくＭサイズ）。

生地

この製品の特長は生地にあります。

まずSUPERLEGGERAに迫る軽量さを実現しているのは、大腿部分のサラっとした生地。画像では下側の横ラインが入っている部分です。この部分は、裏返すと向こうが少し透けて見えるほどの薄さ。しかしハードな使用に耐えうる耐久性も備えています。

感触は非常にドライ感が強く、いかにも汗を排出してくれそうな印象です。厚さは非常に薄く、ペダリングを妨げることのない造り。

そして最大の特徴は、メイン生地の織り方を変えて１枚の中に３つの機能を持たせていること。

まず腰回りのメイン部分。SUPERLEGGERAとは異なる絶妙なしなやかさのある生地で、大殿筋の動きをサポートします。非常にほど良い着圧で、着ていることを忘れます。

この生地がPREMIO BLACKの白眉でして、
　・薄すぎないので春秋も使える、肌も透けない
　・非常にしなやかで着用感が無い
　・速乾性と撥水性も持つ

という優れた生地。

大腿筋部分は先ほど紹介した通り非常に薄くなっており、ペダリングの軽さと速乾性を実現。

裾部分にはシリコングリップのような特性を持つ繊維が織り込まれており、肌へのストレスを減らしながら確実な固定力があります。製品説明には余分なシリコングリップを無くしたとありますが、必要十分な固定力を必要最小限の素材で実現しています。

このように１枚の生地に３つの機能があり、着圧も段階的に変化するようになっています。これはSUPERLEGGERAでも７割くらい実現されていたのですが、更にバランス良く進化しています。何もここまでやらなくても…という印象です。

ちなみに生地の素材はナイロンとポリウレタンです。配合比率は場所により変化しますが、概ねナイロン２：ポリウレタン１という比率です。

ストラップ、バックパネル

ストラップはこの製品のために開発された生地が使われています。裏面を見ると分かりますが、繊維の方向性が非常にはっきりとした生地です。

FREE AERO RC BIBSHORTでは同じく『きし麺』タイプの幅広ストラップでしたが、伸縮力がやや強くレースでの前傾姿勢に最適化されていました。しかしPREMIO BLACKでは同じくきし麵タイプですがそこまでの伸縮性の強さは無く、適度な強さ。

またストラップと同じ生地が腰上にも横方向に使われています。そして背中側では幅広さが特徴的なバックパネルと接続しています。適度なテンションのストラップを肩から腰、背中まで１周させることで全体の絶妙なホールド力を実現しているのです。

■レビュー

サイズ感

今回はＭサイズを使用。私は身長170cm、体重は58kg。割とやせ型の体型ですが、ぴったりです。カステリのビブは概ねＭサイズが合っているようです（カステリ製品は複数サイズを取り寄せて試着が可能なので、試着推奨）。

このシワの無い状態を見ていただきたい。サドルに座ると脚の付け根のシワも無くなります。

製造国はモルドバです。

フィット感

控えめな『ROSSO CORSA』のレーザー刻印ロゴが腰部分に入ります。

ROSSO CORSAなのでレースフィット／タイト目の着用感ですが、前述の通り着圧が段階的に変化する造りになっています。腰回りのパネルはタイトフィットでありながら、しなやかであるという矛盾する性能を実現しています。

ここが本当にストレスフリーで、非常に気に入っているポイントです。これでPBPを走りたいですね（夜間は５度まで低下するのでちょっと厳しいのですが）。タイトなのにしなやか…本当に良く出来ています。SUPERLEGGERAほど薄くは無く、透けすぎるということもありません。

また裾部分は非常に細かなグリップが備わっていますが、十分な固定力がありながらも肌に跡が付くようなことは一切ありませんでした。広い範囲で固定力を実現しているためでしょう。レッグウォーマーにも導入して欲しい。

ペダリング

大腿筋～裾部分の生地が薄いためサドル先端と干渉せず、また大腿部に吸い付くようにフィットするのでペダリングが非常にスムースです。高ケイデンスもストレスなく維持出来て、ダンシングも楽。

腰回りのパネルもしなやかなので、ペダリング時に存在感が無く非常にスムーズ。SUPERLEGGERAでは、わずかな『ペダリングのたびに臀部の生地を引っ張る感触』があるのですが、PREMIO BLACKでは全く感じません。

薄いながらも耐久性に優れる生地が、適度な着圧でピタッとフィットする。一方で動きの多い臀部は非常にしなやかで動きを妨げず、フィット感と動きやすさが見事に両立されています。

もうあからさまなプロモーション記事の様になっているのですが、本当にネガティブな面が無いのです。『良い製品は、良い』と正直に書いていますのでどうかご理解を。

涼しさについて

生地が薄いので保水せず、汗は生地の外にすぐ排出されどんどん乾いていきます。SUPERLEGGERAと同様なハイレベルの速乾性です。

ただし全体的に極薄にこだわったSUPERLEGGERAの方が、単純な涼しさという点では若干優れています。

また大腿部の生地は、SUPERLEGGERA同様に撥水します。真夏の埼玉は非常に暑くなりますので体温を下げるためにかけ水をすることがあるのですが、撥水されてしまうとそれができません。しかし前述の通り、速乾性が高いので特にネガティブには感じません。

こちらの画像はSUPERLEGGERAですが、PREMIO BLACKでも同様の状態になります。

またSUPERLEGGERAでは生地の薄さにこだわったせいか、生地の保水力（保汗力と呼ぶべきか）が少ないです。そのため走行風が無くなる信号待ちなどでは、汗でサドルからスリップするような感触がありました。

PREMIO BLACKでは腰回りのメイン生地を若干厚めにすることで、その点を見事に解消しています。春秋はもちろん、真夏でも十分に使える機能性を有しています。

■まとめ

カステリの製品ラインで最上位になるPREMIOシリーズのビブショーツです。軽量さ、速乾性という機能面に加えて、ストレスの無い着心地と、それによってもたらされるペダリングのしやすさを実現しています。

元々ROSSO CORSAのラインはレース向けということで性能が高いのですが、その中でもPREMIO BLACK BIBSHORTは明らかにコストがかかっており、更にワンランク上の性能を目指して開発されたことが分かります。

PROラインのSUPERLEGGERAやFREE AERO RCも、明確なセールスポイントのある非常に優れた製品です。PREMIO BLACKはそれらを足して割ったような製品ではなく、PROライン製品の機能を実現しつつ『圧倒的なストレスの無さ』という別の付加価値がプラスされています。

特にロングライドを走る人にはストレスが無いことが重要ですから、ぜひ一度使ってみて欲しいと思います。ライトやバッグも重要ですが、ウェアへの投資も費用対効果が非常に高いですよ。

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