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【レビュー】高い透湿性で高強度に対応するトレーニング用ジャケット カステリ BETA RoS JACKET(ベータロスジャケット)

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カステリの春秋用ジャケット『BETA RoS JACKET』をカステリ社より提供いただきましたので、レビューします。個人的に非常に気になっていた製品なので大変嬉しいです。

■総合評価

  • 透湿性の高い『Polartec NeoShell』をメイン生地に使用した高強度向けジャケット。
  • 生地が薄くしなやかで動きやすい。防風断熱性能も備えている。
  • 対応温度帯:8~18度

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BETA RoS JACKET
BETA RoS JACKET

■入手経緯

いつもは『購入動機』となるこのパートですが、今回はカステリ社のご厚意によりこちらのジャケットを提供いただきました。そのため『入手経緯』としています。

カステリ社としては、

・夏は『CLIMBER’S JERSEY』、冬は『ALPHA RoS』『PERFETTO』シリーズが代表的な商品として認知されている
・春/秋における代名詞的な製品が育っていない

と考えているとのこと。

そこで今回は優れた秋物製品を広めていきたいとの趣旨で、『BETA RoS JACKET』を始めいくつかのジャケット、ジャージを提供いただきレビューすることとなりました。当ブログの趣旨は『良い製品が必要な人の手元に届くサポートをする』ですから、その様な良い製品(カステリの製品はどれも高性能なのですが)があるならば、微力ながら協力させていただくこととなった次第です。

他に、今回レビューした製品の1つ『PRO THERMAL MID LS JERSEY』の記事は以下より。

■製品概要

スペックについて

まず価格などの製品スペックを確認します。

  • 価格:30,000円(税込)
  • 重量:212g
  • カラー展開:レッド、ミリタリーグリーン、ライトブラック、オリーブグリーン、ブルー、シルバーグレー
  • サイズ展開:XS、S、M、L、XL、XXL、3XL(※カラーによりXSが無いので注意)
  • メイン生地:Polartec NeoShell+NanoFlex Light
  • 対応温度帯:8~18度

この製品の最大の特徴は、メイン生地に『Polartec NeoShell』を使っていること。それにより212gという軽さとストレッチ性、ある程度の透湿性/防風性を実現しています。

カステリジャケット製品の中でのポジショニング

カステリの製品はどれも高性能、高品質です。当然ながら価格も相応ですが、買って後悔したことは一度もありません。しかし難点を挙げるとすれば『アイテム数が多すぎて何を買えば良いのか分からない』ことだと感じています。

そこでまず、カステリの主要なジャケット製品を一覧表にすることで、製品ラインナップの中でのBETA RoS JACKETの位置づけを確認することにします。非常に多数の製品があるのですが、今回は製品ページにスペック点数が記載されているものを対象とします。

名称防水断熱防風通気重量温度
Alpha RoS 2 JACKET4554618-5-10
Alpha RoS 2 Light JACKET44444187-15
BETA RoS 2 JACKET43442128-18
RADDOPPIA 3 JACKET3553385-3-10
GO JACKET34543024-14
TRANSITION 2 JACKET23443678-16

この中で、BETA RoS 2 JACKETとキャラクターが近いのはAlpha RoS 2 Light JACKETです。違いは断熱性と重量で、BETAがLightの約半分の重量ですが、断熱性が少し劣るだけという位置づけになっています。他のジャケットはマイナス気温まで対応するもの(Alpha RoSとRADDOPPIA)、BETA RoSよりは若干低温まで対応するもの(GO)、BETAの廉価版(TRANSITION)となっています。

BETAの対応温度帯である8-18度は、関東ではおおむね10月~11月あたりの日中かつ平地の気温です。ちなみに1月あたりの真冬でも、昼間には10度前後まで気温が上昇しますので問題なく使用出来ます。

BETAもLightも正にこれからの秋シーズンをターゲットにしたジャケットですが、BETAの方が重量が軽いという点において、高強度の使用状況を想定しているように思われます。果たしてこの仮説は正しいのでしょうか?これから見ていきましょう。

ちなみにAlpha RoS Lightについてはこちらの記事でレビューしています。

細部の紹介

まずは外観です。今回、提供いただいたカラーは『OLIVE GREEN』、Sサイズです。右胸にはハイスペック製品に与えられる『ROSSO CORSA』のロゴが入ります。生地についてはオリーブ色の部分が『Polartec NeoShell』、黒い部分が『NanoFlex Light』となっています。それぞれの生地の特徴は後ほど紹介しますが、どちらの生地も非常に薄いです。これほど薄いとは思いませんでした。

左脇には『RoS』の正式名称である『Rain or Shine』のロゴ。晴れはもちろんのこと、雨でもOKという意味です。

裾には細めのシリコングリップ。ジャケットにしては控えめな太さです。

ジッパーはもちろん信頼のYKK。

Polartec部分のジッパーにはフラップを装備。これがあると無いとでは、防風性が大違いなのです。

襟は高く、フラップも最上部まで装備。首部分は内側にもフラップを備え、気密性を高めています。

袖部分は肘の先からNanoFlexに切り替わっており、通気性を重視。

背面。ポケットは3つ、下部にリフレクターを装備します。

袖の裏側です。前面はPolartec、裏面はNanoFlexという手の込んだ造り。

背面は全面的にNanoFlex Lightとなっており、より通気性を重視した構造になっています。Polartecよりも更に薄い。しかしNanoFlex特有のきめの細かさで、それなりの防風断熱性があることが分かります。

首裏のタグ。サイズと製造国が記載されていますが、一枚の生地として縫い付けられており、擦れが無くノーストレスです。細かい点が使いやすさにつながっています。

重量

実測重量です。公称は212gですが、こちらはLサイズ基準の重量です。Sサイズでは何と184g。

全体的に非常に薄手の生地で『こんなに薄くて寒くないのか…?』というのが第一印象です。

生地

このBETA RoS JACKETは『Polartec NeoShell』と『NanoFlex Light』の2種類の生地で構成されています。どちらも防風性と撥水性を備えながらも伸縮性に富む生地で、いわゆるソフトシェルです。

中でもメイン生地である『Polartec NeoShell』ですが、前述の特徴に加えて透湿性にも非常に優れている素材です。GORE-TEXのようにフィルムをはさんだ生地のため、防水性もあります。生地自体は薄いため非常にしなやかで、優れた伸縮性と透湿性はこの薄さにより実現している面が大きいと思われます。

NanoFlex LightはNanoFlexの軽量版の生地だと思われます。NanoFlex自体は少なくとも8年ほど前から使用されている生地です。表面を小さなナノフィラメントでコーティングして、撥水性のある生地仕上げとなっています。Polartecのようにフィルムを使っていないため更に通気性が良く、Lightというだけあってかなり薄くなっています。

Nano Flexについては、こちらの記事でレビューしています。

■実走レビュー

それでは実際に使用したレビューです。場所は埼玉県、当日の天候は晴れ、気温の予報は18~29度でした。BETA RoS JACKETの対応温度帯は8-18度のため、気温の上昇を避け6時に麓の小川町をスタート、定峰峠を経由し白石峠(標高約760m)を目指します。

サイズ感

私の体型は身長170cm、体重57kgです。今回はSサイズを着用。他のカステリのジャージ/ジャケット類も全てSサイズですが、今回もぴったりでした(ぴったりと言いつつ画像ではしわが寄っていますが、カステリのウェアは前傾姿勢時に最適化されているので、直立すると肩回りにしわが出来ます)。

ただし海外ブランドの常で、袖口が余ります。後1cmほど短ければジャストフィットでした。

生地は伸縮性が高いので、サイズで悩んだら小さいサイズを購入しても問題無いはずです。ただし『ROSSO CORSA』ラインの製品につき、空気抵抗低減のためカッティングがレースフィットです。強度を上げてトレーニングすることを想定しているので、ぴったり目に着た方が本来の性能を体感出来るでしょう。

実走レビュー

この日のスタート時点の気温は19度。まだ朝の6時なので日が昇りきっておらず空気が冷たい。BETA RoS JACKETの対応温度帯『8-18度』を超えていますが、非常に快適。この日のアンダーウェアはミレーの半袖、レーパンにはカステリのアンリミテッドビブを着ています。

10kmほど走ると街を抜けて登りが開始。気温は峠の入り口でも17度ですが、強度を上げても意外なほど汗だくにならない。ジッパーは1/3ほど下げているだけです。ここの標高は約350m。

その後は定峰峠を経由して、そのまま白石峠のピークまで一気に登りました。標高約760mまで登っても気温は17度。期待したほど気温が下がっていないですが、麓は20度を超えているはずです。

定峰峠へ登る道中で追いついてきたサイクリストがおり、お互い緊張感をもって前を引いたり引かれたりしましたが、そのような心拍数が上限に貼りつくような状況でもじんわり汗をかく程度。着ているのはジャージではなく防水性もあるジャケットです。

すれ違うサイクリストは半袖がメインで2割ほど長袖ジャージ(又はアームカバー)という状況。ウェアが正確に分かるわけではありませんが、少なくとも私のようなジャケットを着ている人は皆無。

登っている時に1つ感じた残念な点は、背中側のシリコングリップの効果が弱いこと。ウェアが上がってきて腰周辺でしわになっていますし、前傾姿勢を取るとこのようにめくれ上がってしまう事もありました(背中側も同じようにめくれている)。

Alpha RoS 2 Lightにはかなりしっかりしたシリコングリップが備わっており、前傾姿勢をとっても裾の位置がキープされるのです。コストと重量の問題かと思いますが、改善して欲しい点です(私の胴が短いという説もある)。

さて白石峠まで登りましたので、今度はダウンヒルです。定峰峠は見通しが良いのでそれなりの速度を出しましたが、体幹部分は全く寒くない。ベストなどレイヤリング不要なのがジャケットのメリット。

しかし、あえて『体幹部分』と書いたのは、腕が寒かったからです。前方に突き出した腕は最初に空気が当たる部分ですが、非常に寒い。腕の裏側~脇に配置されているNanoFlexの通気性が良すぎるためと思われます。ここの面積をもう少し小さくするか、通常のNanoFlexにするなどで改善して欲しいところ。今回は半袖のアンダーを着用していましたので長袖アンダーを着れば暖かくなるはずですが、それを考慮しても寒かった。

体幹部分はガッチリとPolartecがガードしていますので、少し我慢しながら麓に帰還しました。

またこのジャケットは防風機能がありながら薄手で大変動きやすいため、真冬の昼間だけ走る状況でも活躍しています。PERFETTO RoS2 VESTで体幹の保温力を上げてあげると、5度位までは問題なく対応可能です。

※2023/03/12追記:3月に行われたブルべ『BRM311たまがわ200 NT mountain』にこのジャケットを使いました。朝の気温は5度。昼間は23度まで上がりました。ブルべなのでサドルバッグを付けていたため、インナーを交換する運用に。午前中はこのジャケット+厚手の長袖インナーの組み合わせ、昼以降は薄手の長袖インナーにチェンジ。インナーとの組み合わせで幅広い気温に対応可能です。

■まとめ

天候の不安定な春先、晩秋などに使える薄手のジャケットです。カステリのこの手のジャケットは単体で防風防水性能を持ち合わせていますので、峠に行くなど気温差の激しい状況で真価を発揮します。

感想としては、防風断熱性(それとある程度の透湿)は前面のPolartecが完璧な仕事をしています。一方、心拍数の上限に達するような状況でも汗だくにならなかったのは、背中に使われているNanoFlexの効果が大きく、とにかく熱がこもらない。汗冷えを気にせずに思う存分に踏めるのは素晴らしい。

ただしコンセプトとしては『軽くて薄くしなやか、通気性が良い』という製品ですから、ある程度の強度で走ることを前提としています。そのためコンビニ休憩中やのんびり走るシチュエーションでは寒さを感じることになると思います(暑がりの人には適しているかも)。

長袖ジャージ+ベスト or ウィンドブレーカーでも同様の対応力があると思いますが、荷物を減らしたい、ノンストップで走るので脱着の余裕が無いなどの場合には全てをカバー出来るこのジャケットが非常に重宝するはずです。

同じくカステリのAlpha RoS 2 Jacketなどマイナス気温に対応した製品を持っている人は、守備範囲が重複せずに便利だと思います。早めに入手すれば、今シーズンもしっかり使えると思います。カラーとサイズに余裕があるうちに入手しておきましょう。

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BETA RoS JACKET
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ABOUT ME
@morou2
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当サイトは自転車関連のパーツレビュー、ブルべの走行記録を中心としたブログです。
管理人は40代のロードバイク乗り。20年前にCannondaleのCAAD3を買って以来、Cannoncdaleばかり乗り継いでいます。 昔はメッセンジャーやレース、今はロングライドとブルベ中心。2022年エベレスティング達成、2023年PBP認定、2024年キャノボ達成。ブルべの主担当もやります。
年間走行距離は約10,000km。身長170cm、体重57kg。
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