【レビュー/インプレ】高性能&超軽量ビブ カステリ SUPERLEGGERA ビブショーツ

カステリ(castelli)のビブショーツ『SUPERLEGGERA BIBSHORT(スーパーレッジェーラ ビブショーツ)』を買いましたので、レビュー/インプレします。たったの141gという軽量さが特徴ですが、イネオスも常用する完成度の高い製品です。

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■総合評価

4.5
  • 夏用の超軽量(141g)ビブショーツ。実際に涼しい。
  • ROSSO CORSAラインのため着用感はフィット感重視。生地は薄いがしっかりしておりペダリングしやすく、かつホールド感に優れる。
  • フィット感重視の着用感はロングライドでは好みが分かれる。

※ROSSO CORSA:レースフィットの製品ライン。フィット感重視のカットになっています。

■購入動機

・夏用のより涼しいビブショーツを求めて。クライマージャージとセットで着て、少しでも快適に走りたい。
・パッドずれの解消のため。先日購入した『UNLIMITEDビブショーツ』はパッドの体への固定が甘い感じでした。ダンシングや信号待ちでサドルから腰を離すたびにパッドが体から浮いてしまい、頻繁に位置調整を余儀なくされることに。SUPERLEGGERA ビブの商品説明には『シートパッドを正確な位置に保持』という一文があり、その解消を期待して購入。
・ペダリングのしやすさのため。生地が薄くてフィット感高めのタイトなビブならサドルとの干渉が減り、ペダリングもしやすそうなので。

■製品概要

製品ライン上の位置づけ

『SUPERLEGGERA BIB』はカステリの『ROSSO CORSA』ラインのビブショーツで、本製品は2019年夏のリリースとなっています。価格はカステリ直販で27,500円。ROSSO CORSAとは、フィット感がぴったり目のいわゆるレーシングフィットの製品です。

製品名の『SUPERLEGGERA』ですが『LEGGERA』はイタリア語。訳すと『軽い』。その名の通り軽量さが特徴です。

また同じくROSSO CORSAラインのビブショーツは、最上位モデルの『PREMIO BLACK(2021年5月発売)』と『FREE AERO RACE4』があります。最上位の『PREMIO BLACK』はゼロから新しく作られたわけではなく『SUPERLEGGERA』をベースに作られており、『SUPERLEGGERA』の上位版が『PREMIO BLACK』となります。ちなみにPREMIO BLACKも、重量は156gと軽量です。

パッド

パッドは『Progetto X2 Air』を使っています。カステリのパッドは2種類しかありません。『Progetto X2 Air』と『Kiss Air2』です。今回購入したビブには上位の『Progetto X2 Air』のパッドが使用されています。

生地

この製品は軽量化を実現するため、生地に特徴があります。商品説明によると、生地を薄くしつつ、ハードな使用に耐える耐久性も兼ね備えているとのこと。実際に触ってみると、ペラペラな上にカサカサしてドライ感が強く、いかにも汗を排出してくれそうな感触。チームイネオスの定番ビブとなっているだけあり、耐久性も高そうです。

生地のドライ感はソックスで有名なR×L(武田レッグウェアー)の和紙糸ソックス(WILD PAPER5)に近いものがあります。

パネルによって配合比率は異なりますが、生地の素材はポリアミドとエラスタン(ポリウレタン)が主に使用されています。これにより耐久性と柔軟性を両立させているようです。

次にこの製品の本体部分は、以下のように3つのパネルから構成されています(ちなみにPREMIO BLACKでは①と②が統合されて1枚になっている)。

①:サイドパネル
②:メインパネル
③:パッド

明るい場所で正面から見るとこんな感じの配置です。正面から見ると②の面積が意外と大きい。

特徴的なのは②のパネルです。1枚の生地の中で腰部分と脚周りで厚さが異なるという手の込んだ造りになっています。まず腰部分から見てみます。透けないギリギリの厚さが確保されています。

次に脚周り。ストライプが入り、軽量化がなされています。ややコンプレッション感あり。標準的な生地の半分以下の重量とのこと。

厚さが変化する部分はこのようになっています。

このような生地の使い分けにより、軽量さと耐久性、透けない見た目という相反する要素を成立させています。この厚さが変化する生地ですが、PREMIO BLACKでも同じものが使われています。

グリップ

人によっては気になるグリップ部分です。細かなシリコングリップが配置されており、肌への負荷が少なくなるようになっています。

ストラップ、バックパネル

ストラップは主流の幅広タイプで、タイトなフィット感ながら圧力を分散しています。バックパネルはメッシュになっており、かなりの軽量化になっています。また恐らく無線用のポケットが1つあるのですが、一般人には不要なので無くしても良いのでは。

■レビュー

サイズ感

今回はMサイズを購入。私は身長170cm、体重は58kg。割とやせ型の体型です。2ヶ月ほど前に購入したサイドポケット付きのunlimitedビブがMサイズでちょうど良かったため、今回もMサイズを購入。

unlimitedビブはROSSO CORSAラインではないのでコンフォートのラインなのですが、SUPERLEGGERAもMサイズでジャストフィットでした。ちなみにサイズ展開は6種類あり、S・M・L・XL・XXL・3XLとなります。

フィット感

レースフィットでタイト目の着用感。生地の伸縮性はあまり高くありませんが、サイズ選択を誤らなければ適度なコンプレッション感が心地よいです。コンプレッション感が嫌だという場合は、ワンサイズ上のサイズを選ぶか、本製品を含むROSSO CORSAのビブは避けた方が無難です。

ペダリング

生地が薄いためサドル先端と干渉せず、ペダリングが非常にスムースです。高ケイデンスをストレスなく維持出来ます。

また購入動機として挙げた『シートパッドを正確な位置に保持する』という謳い文句ですが、これが中々良い感じです。信号停止などでサドルから立ち上がると、多くのレーパンでは体からパッドが離れます。

そして再度サドルに座ると、パッドの位置がずれるのです。それを修正するために、発進後はもぞもぞっとやったりするのですが(笑)、この製品はそれがほぼありません。サドルから腰を上げてもパッドが動かないので、位置修正する必要がありません(男性には特に恩恵が大きいのでは)。

ただし200kmを超えるようなロングライドでこの特徴がどう影響を及ぼすか、試してみる必要があると感じています。パッドが皮膚と離れることで一定の通気性を確保していた、血流が確保されていた、など今まで気が付かなかったメリットがあるかもしれません。

涼しさについて

生地が薄いので保水せず、水分がどんどん生地の外に排出されます。そのためそもそもの薄さと相まって、それなりに涼しいです。それなりと書いたのは前傾姿勢を取った場合の上半身との風を受ける面積の違いで、どうしても上半身の方が涼しく感じるためです。

テストで走った当日も蒸し暑かったためにかけ水をしてしのごうとしましたが、サイドパネル部分はなんと撥水します。面積の大きい大腿部をかけ水で冷却出来ないと少し困りますが、動脈が走る鼠径部のパネルは撥水しません。その周辺を濡らすことで、ある程度は下半身の冷却も可能です。

ちなみにPREMIO BLACKは全面(パッド以外)がこの撥水する生地になります。もともと夏場に活躍するビブショーツですから、突然の雨から守ってくれる有難い機能だと思います。

生地の薄さによる保水量の少なさですが、信号待ちなどで停車して汗が蒸発しなくなると表面が汗でびしょびしょになります。私は峠を登った直後に2~3分休憩してからサドルにまたがると、汗のせいでサドルからスリップしてしまったので驚きました(走りだすとすぐに乾きます)。

気になったポイントがもう1つ。上記と同様の理由からか、またはドライな質感の生地のせいか、サドルのホールド感が少し甘く腰が落ち着きません。これはほんの少しだけサドルを前上がりにすることで対処しました。

涼しさと引き換えになるもの

またこれらの軽量ウェアですが、カステリの製品に限らず当然ながら防寒性能は非常に低いです。従ってヒルクライム時には快適ですが、下山時には標高によって装備に注意する必要があるでしょう。例えば群馬/長野の渋峠(標高2,172m)に上ったとします。普通のジャージでも下りは寒いですから、ウィンドブレーカーあたりを1枚は携行しますよね。クライマージャージ+SUPERLEGGERAの組み合わせだと更に体が冷えますから、より標高の低い峠に上る場合でも装備に注意が必要です。

■まとめ

カステリの軽量ビブショーツです。そもそもROSSO CORSAラインなので、ウェアとしての基本性能と完成度が非常に高いです。ビブショーツとしては薄く軽量な生地で作られていますので、夏場に真価を発揮します(もちろん冬以外なら普通に使えます)。上下を軽量ウェアで揃えると、真夏のヒルクラでもより心拍数を上げられます。

また薄いことに加えて、パッドのホールド性が非常に高いというもう1つの特徴があります。そのためペダリングもしやすいので、高ケイデンス派の人や股の間が気になる人は1枚あって良いと思います。このスムースさをぜひ体験して欲しい。

どうしても軽い、薄いという特徴が強調されがちですが、ROSSO CORSAラインなので基本的なクオリティが非常に高いです。アソスは高すぎるが、良いものが欲しい…という場合には十分に選択肢になると思います。

カステリの直販はこちらから。上位のPREMIO BLACKと価格差があまりないので、どちらを買うか悩ましいところです。

海外通販などであれば多少安く購入することが出来ますね。