2024.06.09 2024.06.10

【レビュー】ハイドレーションポケットは真夏の最強装備となるか？　カステリ UNLIMITED PRO JERSEY

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カステリの半袖ジャージ『UNLIMITED PRO JERSEY（アンリミテッドプロジャージ）』のレビューです。

こちらのジャージはグラベル向けコレクション『Unlimited』の製品です。Unlimitedコレクションはグラベル向けとして、様々なジャージやベスト、ビブショーツ、ソックスやグローブなどが展開されています。

商品の購入は、カステリ公式オンラインストアがお勧めです。本国の倉庫から出荷されるため、各サイズ／各色の在庫が揃っておりお勧めです（記事の最後に常時使えるクーポンコードの記載があります）。
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UNLIMITED PRO JERSEY

Contents

■総合評価
■入手経緯
■製品概要
■レビュー
■まとめ

■総合評価

エアロ性能や通気性をしっかりと追求した高性能なジャージです。それに加えて背中にハイドレーションポケットを装備しており、グラベルレースや補給困難区間で活用することを想定しています。個人的にはこのポケットに氷を直接入れて、真夏のトレーニングに活用する予定です。

Air_O Stretchという新たな生地を使用し、伸縮性を活かした高いフィット感を誇る
高いフィット感がありながら圧迫感を一切感じない
ジャージやソックスも同じコンセプトで展開される
背中のハイドレーションポケットが多用途に使え、非常に便利

■入手経緯

いつもは『購入動機』となるこのパートですが、今回はカステリ社のご厚意によりこちらのジャージを提供いただきました。そのため『入手経緯』としています。

また今回の『UNLIMITED PRO JERSEY』と合わせて、同じくグラベルを想定した『FREE UNLIMITED BIBSHORT』も提供いただいています。こちらも追ってレビュー記事をアップ予定です。

■製品概要

製品概要

まずはwebサイトに載っている情報を以下にまとめます。

サイズ展開：XS、S、M、L、XL、XXL、3XL
カラー展開：３色
生地：Air_O Stretch
対応温度帯：18～35度
フィット：エアロフィット
価格：21,450円

スペック上の特徴としては『エアロフィット』であること。これまでは『タイトフィット』と『レギュラーフィット』の２つのカッティングでした。ところが『AERO RACE 7.0 JERSEY』に代表されるエアロを追求したウェアが登場しています。

『UNLIMITED PRO JERSEY』もグラベル向けであるにも関わらず『AERO RACE 7.0 JERSEY』と同じ『Air_O Stretch』生地を用いており、完全にグラベルレースを想定した製品であることが伺えます。

日本にいると分かりませんが、北米では完全にグラベルレースが主流ですからね。

細部の紹介

まずは全景です。今回のカラーは『SILVER MOON』。グラベル向けとは思えない非常に上品なカラーです。落ち着いたシルバーという印象で、他の製品にもこのカラーを展開して欲しいのですが。同じ生地を使っているAERO RACE7.0にもこのカラーはありません。

この製品の最大の特徴である背面です。大きなハイドレーションポケットが目を引きます。このポケットが存在を主張する以外は、普通の高性能ジャージです。

バックポケットは３＋１。右ポケットにはジッパー付きのセキュリティポケットを装備しています。その真上にはハイドレーション用のホースループ（反射材付き）を装備。ちなみにジッパーは全て信頼のYKK製で、グラベルを考慮してかスライダーも大きくなっています。肝心のカステリロゴは中央のポケットにプリントされています。

ホースループは右の肩口にも装備されています。同じく反射材付きで芸が細かい。

袖の生地は、空気抵抗を低減するためのディンプル加工がなされています。袖口は切りっぱなしで、腕を動かしやすいです。

裾は大きなシリコングリップが全周にわたり配されており、がっちりとグリップします。

ハイドレーションポケットの大きさです。入口は約12cmですが、引っ張ると20cmくらいまでは伸びます。

幅は約19cm、深さは約32cm。

生地

この製品は新たに開発されたAir_O Stretchという生地を使っています。細かい穴があり、透湿性にも優れています。

生地の素材はポリエステル93％、ポリウレタン7％となっています。ポリエステルは速乾性が高いなどの特徴を持つ非常に一般的な素材ですが、それをベースにポリウレタンを混紡しています。ポリウレタンは伸縮性が高いことが特徴で、これによって快適な伸縮性を実現していると思われます。

■レビュー

サイズ感＆フィット感

今回はＳサイズを着用。私は身長170cm、体重は58kgです。割とやせ型の体型ですがぴったりで非常に快適。最近はどのブランドのジャージの生地も進化しているのですが、カステリの生地は伸縮性が高く、サラっとした着心地です。

またサイズを実寸したところ、着丈：57cm、肩幅：36cmでした。

生地はエアロを考慮して薄く、かつシワが出来ないよう伸縮性が高くなっていますが、これがまた快適な着用感なのです。

伸縮性が高いという特徴は他のメリットもあります。他のジャージではサイズ選択を誤ると窮屈だったり肩が引っかかったりしてストレスを感じるのですが（ブルべの様なロングライドでは非常に重要）、伸縮性が高いため許容範囲が非常に広いのです。

少々の誤差はジャージが吸収して柔らかくフィットしてくれますので、そういった点も含めてとても優秀です。

実走

さてUNLIMITED PRO JERSEYを着用して走りに出ます。

この日の埼玉県は、５月にも関わらず気温が30度まで上昇する真夏日。もはや５月に真夏日が観測されても、何も感じませんね。

このような暑い日はこのジャージの出番となるのですが、まずはジャージとして非常に高性能です。

以前レビューしたESPRESSO JERSEYとUNLIMITED PRO JERSEYは対応温度帯が同じなのですが、UNLIMITTED PRO JERSEYの方が涼しく感じます。これはUNLIMITTED PRO JERSEYの方が生地が若干薄いであろうこと、生地に開けられた微細な穴の違いによるものと思われます。

また走行中は、切りっぱなしの袖と生地の絶妙な伸縮性により非常に楽。肩回りとか本当にストレスレス。快適性の高さがウリのESPRESSO JERSEYでも同じようなレビューを書いたのですが、このUNLIMITED PRO JERSEYでも同様です。

切りっぱなしの袖は摩擦が無いですし、ハンドルのポジションを変えても一切引っかかることなく、体の動きに合わせてくれます。サイコンの表示を切り替えるとか、サングラスの位置を調節するとか、ハイドレーションに手を伸ばすとかも同様。良い意味で存在感がありません。

グラベル向けだからと快適性を妥協しているようなことは一切無く、このような高性能ジャージをグラベル向けとしてカテゴライズしてしまうのは、ちょっと勿体ないと感じました。オンロードでも使って欲しいですね。

ハイドレーションポケットについて

さて、このジャージの本題であるハイドレーションポケットです。カステリのサイトでは、1.5Lのハイドレーションを収納可能と謳っています。前述の通り、ポケットのサイズは19×32cm程度。

実際にハイドレーションバッグを背負ってみよう！ということで、1.5Lのハイドレーションをいくつか物色してみましたが、何故か高さが35cmという製品が多い。ポケットに収まるか不安でしたが、実際はポケットに伸縮性があるので問題なく収納できました。

上の画像では、水を1.2Lほど入れています。重量も1.2kg以上ありますから、直立していると重さでジャージが引っ張られますね。走り出せば前傾姿勢を取りますから、特に問題ありません。

こちらは容量が1Lのハイドレーションバッグ。余裕で収まりますね。

今回使用したハイドレーションバッグはこちら。1Lサイズというのが中々ありませんでした。

給水袋ハイドレーションパックハイドレーションボトルウォーターバッグランニング水筒ウォーターキャリー 1L 1.5L 2L 3L マラソン登山ジョギングトレランサイクリング（1.5L）

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また日本ならではの使用方法として、このポケットに氷を入れるというものがあります。

８月の気温が40度を超える日本では、如何に体を冷却して熱中症にならないかが非常に重要です（そもそも体温を超える気温の中で、ハードな運動をすることがNGですけれども）。

これまで私は反射ベストのポケットに氷を入れたり、ハイドレーションベストに氷を入れたりして、高温多湿環境下で熱中症リスクを下げつつ活動する方法を模索してきました。

それらの方法では、どうしても『ジャージ＋氷を入れる別の衣類』という組み合わせになってしまうため、皮膚と氷との間に介在する衣類が増える分だけ熱伝導率が下がり、あまり実用的ではなかったというのが正直なところでした。

ところがUNLIMITED PRO JERSEYを使えば氷をダイレクトに背負えるようになるわけで、私にとって革命的な出来事です。ということで、実際にロックアイスを購入して背負ってみました。

まずはコンビニで適当なロックアイスを調達。容量は1.1kgとのこと。

一見するとポケットに収まらなそうでしたが、入りました。

そのままジャージを着用して氷を背負います。やはり氷の重量でジャージが後ろに引っ張られますが、前傾姿勢を取れば問題ありません。

実際に走ってみると、しっかりと冷たく、中々の冷却性能です。むしろ背中の感覚が無くなりそうなほど冷えます。氷を直接背負っているのですから当然ですね。

これは早く40度の気温で試してみたいですね。ロックアイス自体もボトルに入れたりして、色々な使い道がありそうです。

ハイドレーションバッグは誰でも所有しているアイテムでは無いと思いますが、ロックアイスであればどこのコンビニでも購入可能なこともポイント。

もしハイドレーションバッグを持っていれば、中に氷を入れて背負うとか、ハイドレーションそのものを事前に凍らせておき背負う、などの方法もありますね。

■まとめ

主にグラベルレースを想定し、エアロ性能を高めながらもハイドレーションポケットも装備した高性能ジャージです。

どうしても背中のポケットに目が行ってしまいますが、レビュワーとしてはジャージとして高性能である、という点を強調したいです。

伸縮性が高く体にフィットし、シワが出ないという事はそれだけでエアロ。更に袖にはディンプル加工までなされています。またジッパーのスライダーも大きなものがチョイスされており、走行中でも開閉しやすい。

おまけに背中のポケットにハイドレーションや氷を入れれば、夏場でもパフォーマンスを維持したまま長時間のトレーニングが可能です。

夏場はどうしても熱中症のリスクがありますから、脳が体に対してリミッターをかけてくるので、心拍を上げづらくなりますよね。そのような状況もこのポケットがあれば改善できるのでは、と思います。使い方は皆さん次第。

夏場も走る皆さんは、とりあえず１着持っておいて間違いはないでしょう。

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