【レビュー】ベストとジャージの『良いとこ取り』。カステリ PERFETTO RoS 2 VEST(ペルフェットロス2ベスト)

カステリの高機能ベスト『PERFETTO RoS2 VEST(ペルフェットロス2ベスト)』をカステリ社より提供いただきましたので、レビューします。

PERFETTOシリーズはカステリのGORE-TEX(以下、GORE)を使った製品群です。GOREを使ったジャケットを3つも使用している私としてはかなり気になっていた製品でしたが、きっかけが無く購入には至っていませんでした。今回はご縁があり、ようやく使うことが出来ました。

■総合評価

4.0

製品概要 

  • GORE-TEX INFINIUM WINDSTOPPER+Nano Flex Lightの組み合わせでハイスペック。PERFETTOシリーズのベスト(VEST)バージョン。
  • 単なる防風にとどまらず、ジャージ0.7枚分くらいの暖かさもある。ただしSサイズで143gと重い。
  • 対応温度帯:12-20度

カステリのオンラインストアで詳細な製品情報の確認と購入が可能です。

■入手経緯

通常であれば『購入動機』となるこのパートですが、今回はカステリ社のご厚意によりこちらのベストを提供いただきました。そのため『入手経緯』としています。

カステリ社としては、

・夏は『CLIMBER’S JERSEY』、冬は『ALPHA RoS』『PERFETTO』シリーズが代表的な商品として認知されている
・春/秋における代名詞的な製品が育っていない

と考えているとのこと。

そこで今回は優れた秋物製品を広めていきたいとの趣旨で、『PRO THERMAL MID LS JERSEY』を始めいくつかのジャケット、ジャージ類を提供いただきレビューすることとなりました。当ブログの趣旨は『良い製品が必要な人の手元に届くサポートをする』ですから、その様な良い製品(カステリの商品はどれも高性能なのですが)があるならば、微力ながら協力させていただくこととなった次第です。

今回レビューさせていただいた他の製品は『PRO THERMAL MID LS JERSEY』『BETA RoS JACKET』となります。

■製品概要

スペックについて

まず価格などの製品スペックを確認します。

  • 価格:20,900円
  • 重量:181g
  • カラー展開:ニッケルグレー、ライトブラック、エレクトリックライム、サヴィルブルー
  • サイズ展開:XS、S、M、L、XL、XXL、3XL
  • 生地:GORE-TEX INFINIUM WINDSTOPPER(前面)+Nano Flex Light(背面)
  • 対応温度帯:12-20度

WINDSTOPPERを使っているため高性能ですが、その分だけ高価。峠から下る時に寒いからちょっと買ってみようかな、という製品ではありません。他社の安価なペラペラのベストなら3,000円位で売っていますからね。しかしながらデザイン、カラーとサイズ展開、どれをとってもハマる人には価格以上の最高の製品となっています。

ベスト製品中でのポジショニング

カステリの製品はどれも高性能、高品質。価格も相応ですが、買って後悔したことは個人的に一度もありません。しかし難点を挙げるとすれば『アイテム数が多すぎて何を買えば良いのか分からない』ことだと感じています。

そこでまずはカステリのベスト製品を一覧表にして、製品ラインナップの中でのPERFETTO RoS 2 VESTの位置づけを確認することにします。肝心のPERFETTO RoS 2 VESTについては各項目の点数評価がカステリの製品ページには無いのですが、マイナーチェンジ前のPERFETTO RoS VESTの製品ページに点数が記載されていますので、その点数を使用しています。

名称 防水 断熱 防風 通気 重量 温度
PERFETTO RoS 2 VEST 3 2 4 4 181 12-20
ARIA VEST 86 12-20
SQUADRA STRETCH VEST 4 2 4 3 86 12-20
PRO THERMAL MID VEST 2 3 2 3 208 10-18
UNLIMITED PUFFY VEST 193 12-19

まずベストという製品の特性上、各製品の点数はバラつきが少ないです。そして重量は機能に優れる重い製品と防風に特化した軽い製品で二極化しています。

一覧に記載出来なかった各製品の特長ですが、ARIAは軽量、コンパクトに特化しています。素材はポリエステル。SQUADRAも同様のコンセプトですが、ナイロン製でオーソドックスな造りのベストです。

PRO THERMALは長袖ジャージのベストバージョン。ジャージ素材なので伸縮性に優れており、フィット感はピカイチです。UNLIMITEDはPolartecを使っており、断熱性に優れています。

PERFETTOは前面にGOREを使うことでしっかりとした防風防水を実現、背面は通気性と防水に優れるNano Flex Lightを使っています。高機能素材を使うことで、着心地と防風防水を両立しています。

細部の紹介

外観です。今回提供いただいたカラーは、『NICKEL GRAY』。サイズはSです。

前面はGORE-TEX INFINIUM WINDSTOPPER 203 Strechを使用。背面の素材と合わせて、PERFETTO RoS 2 WIND JERSEY(半袖)と同じ仕様です。ちなみに203 Strechは、他のPERFETTOシリーズでは背面に使われている素材となっています。

バージョンが『2』になってから、ジッパーがダブルジッパーになりました。コストはかかりますが、ベストは調節機能が重要なので良い変更です。

上側のスライダーは大きくなっており操作しやすい。

メーカーは、もちろん信頼のYKK。

裏側です。グレー部分のWINDSTOPPERは前面のみで、サイド~背面はNano Flexということが良く分かります。

ただし肩~首にはWINDSTOPPERが回り込んでいます。この機能性についてはレビューで触れたいと思います。ポケットは前作の2ポケットから3ポケットに増えました。

重量

公称重量は181g(Lサイズの場合)。実測は何と143g。Sサイズということを考慮しても、軽すぎませんかね…?例えば『ARIA VEST』は軽量さがウリで80g前後の重量ですが、WINDSTOPPERやダブルジッパーを備えたこのベストとの重量差が60g程度なら、こちらのベストを選ぶ人も増えるのではないでしょうか。

一般的には、ベストには軽量さを求める人が多いでしょうから、絶対的な重量では重い部類に入ります。重量だけで考えると、選択肢には入りづらい製品です。ではなぜ、この製品が存在するのか。実走して確認します。

■実走レビュー

それでは実際に使用したレビューです。場所は埼玉県の小川町および東秩父村。当日の天候は晴れ、気温の予報は17~29度でした。ベースには別記事でレビューしたPRO THERMAL MID LS JERSEY(対応温度帯は14-19度)を着用。アンダーはミレーの半袖です。気温の上昇を避け峠を目指し、ベストはダウンヒル時に着用する予定です。6時に麓の小川町をスタート、定峰峠と白石峠を経由して堂平天文台(標高876m)を目指します。

サイズ感

私の体型は身長は170cm、体重は57kgです。カステリの他のジャージやジャケットは全てSサイズですが、ベストもSでぴったりでした。ベストはジャージの上から着用することが前提のため、肩口は大きく、裾も長めに作られています。

実走レビュー

それでは実走レビューです。麓の小川町駅前を7時すぎに出発。定峰峠、白石峠を経て約25km走ると堂平天文台(標高約860m)に到着。時刻は8:40。標高は上がったのですが、気温も上がり20度前後。登頂直後は晴れ過ぎていることもあり、PRO THERMALを着ていても暑い。

さてここから下りですが、PRO THERMALのレビューでも書いた通りジャージの通気性が高いので今度はやや寒い。耐えられないほどでは無いのですが、いったん停止して素直にベストを着用します。

着用した第一印象は、思っていたよりも薄い。WNIDSTOPPERを使っているのでもう少し厚めかと想像していたのですが、きちんと畳めば背中のポケットに入ります。

ダウンヒルを再開すると、防風性能は非常に高い。それどころかもう1枚ジャージを着用した様な暖かさもあり、非常に快適です。ブルべなどのロングライドで、夜間や明け方のみ着用するという使い方も良いと思います(実際に週末のブルべでそのように使う予定)。単なる防風のみを目的とするベストではなく、PERFETTOシリーズの袖なし版という独特の性能を持っています。

ダブルジッパーも非常に使いやすい。上側のスライダーが大きく、襟もしっかりしているため走行中でも片手で確実に開閉が出来ます。一番上までジッパーを上げてしまうと片手ではジッパーを下ろせない製品が多いですが、そんなことは全くありません。下側のジッパーを上げれば、流入する風を抑えつつ通気性だけ高めることも出来ます。

風を受けた時のバタつきについて、WINDSTOPPERにしては薄手の生地に仕上がっているうえ、ストレッチ性が高くバタつくことはありません。ただし背中側の裾部分が上がってくると肩の周りで生地が余ってしまい、肩回りだけはバタつくことがあります。そのためダウンヒル中に何度か裾を下げ直しました。シリコングリップを強化するか、上がってくることを前提のカットにして欲しいところです。

また背中側の肩の部分までWINDSTOPPER生地が回り込んでいるため、ダウンヒル時に下ハンドルを持つような低い前傾姿勢でも肩部分をしっかり防風します。細かいところまで良く作り込まれています。

■まとめ

『優れた防風性能』『ジャージ0.7枚くらい追加したような暖かさ』『体にフィットしてバタつかない』『その代わりベストとしてはやや重くかさばる』という特徴を持つPERFETTOシリーズのベストです。ベストとジャケットを足して2で割ったような性能を持っており、『薄手の袖なしジャケット』と言えば良いでしょうか。

ダウンヒル時の防風だけでなく、朝や夕方の寒い時間帯だけちょっと1枚足したいけども、長袖のジャケットやウィンドブレーカーを持つには大げさだという場合に薄手のベストよりははるかに重宝します。

私も『朝の気温に合わせると昼に暑い』『昼の気温に合わせると朝が寒い』という経験を何度もしています。このベストがあれば『昼の気温に合わせたウェア+このベスト』という組み合わせで対応出来る場面が増えると思われます。

色々なウェアに合わせることが可能なので、人によっては長袖ジャージよりも着用機会が多いかもしれません。

シーズン初めはサイズも在庫がありますので、カラーに希望がある方は早めにオーダーしておきましょう。