【レビュー】完成された新世代の高強度対応ジャケット カステリ『DO.DI.CI. JACKET』
カステリの2025秋冬の新製品ジャケット『DO.DI.CI. JACKET(ドディッチ ジャケット)』を購入しましたので、レビューします。(以下『DODICI』と称します)

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■総合評価
- 非常に優れた通気性と防風性を両立
- フィット感と空力が最高
- 完全防水ではない軽量なPerfettoジャケットというイメージ
- 春秋の中~高強度用ジャケットが欲しい人
- エアロやタイトフィットな薄手ジャケットが欲しい人
■購入動機
購入した最大の動機は名前が変わっているからでした(笑)
というのは半分冗談で半分本当なのですが、非常に通気性に優れた春秋用ジャケットということで購入しました。
2024~2025年にかけて、サイクリング業界に限らずアウトドア業界なども含めてPFASフリーの新製品を競うようにリリースしています。カステリもPAFSフリーの製品をリリースしていますが、単に『PFASを使っていませんよ』という製品を安直に出していない点も購入したポイントです。
『ユーザーは本当にGOREのような完全防水を求めているのか?』という原点に立ち返ってコンセプトを練り直すところから製品開発を始めており、単にPFASフリーの代替製品というだけではなく、完全な新製品となっています。新製品への期待感から、カステリファンとしては購入せざるを得ませんでした。
■製品概要
製品スペック
- 価格:37,950円(税込)
- サイズ展開:XS、S、M、L、XL、XXL、3XL
- 対応温度帯:8~15度
- カラー展開:4色
- フィット:エアロフィット
- 公称重量:212g(恐らくLサイズの場合)
- 実測重量:213g(Sサイズ)
価格だけを見ると、春秋用のジャケットとして相応の価値があるのか…?と思ってしまいますが、その心配は不要です。本記事では、それをこれから説明します。
製品ポジショニング
カステリは非常に多様な製品を販売しています。同様の温度帯の主な製品と比較して、本製品のポジショニングを整理します。
| 名称 | 断熱 | 防水 | 防風 | 通気 | 軽量 | 温度帯 | 重量 | 価格 |
| DO.DI.CI. JACKET | 2 | 2 | 3 | 5 | 5 | 8-15 | 212 | 37,950 |
| DO.DI.CI. SHORT SLEEVE JACKET | 2 | 2 | 3 | 5 | 5 | 8-15 | 195 | 32,450 |
| ENTRATA 2 JACKET | 3 | 2 | 4 | 4 | 3 | 6-15 | 403 | 31,350 |
| Beta RoS JACKET | 3 | 4 | 4 | 4 | 5 | 8-18 | 246 | 30,800 |
まずDODICIは、長袖と半袖があります。重量と価格は異なりますが、対応温度帯と性能スコアは同じです。半袖はNANO FLEXのアームウォーマーとの併用が前提と思われますが、着脱が面倒でなければ半袖の方が汎用性が高いです。
ENTRATA2は同様の温度帯の製品ですが、GOREに変わる新素材の『AirCore』を前面と袖に使い、防風と通気性を両立しています。
ロングセラー製品であるBETA RoSですが、DODICIと最も近いキャラクターの製品です。薄手の春秋用ジャケットで、通気性は若干低いですが、対候性はBETA RoSの方が高いです。
カステリの新製品に共通するコンセプトですが、『ユーザーは、完全防水をそれほど求めていないのでは』という前提に立っています。防水性は適度に抑えつつ、通気性をより重視してパフォーマンスを最大限発揮することを主眼にしています。
私のようなランドヌールに関していえば、GOREのような完全防水の薄手ジャケットがあれば喜んで買うのですが、そんな人はサイクリストのほんの一部に過ぎませんからね…。カステリのポッドキャストでは『普通のサイクリストは、雨の日は走らないか、zwiftをやる』と言っており、それはもうその通り過ぎるなと…。
細部の紹介
まずは全景です。
見た目はシンプルなジャケットですが、胸元や裾に製品名や製品コンセプトがレタリングされています。カステリのデザイン的には新しいですね。こちらのカラーは『MOCHA』です。

裾のシリコングリップは控えめ。タイトフィットのップは控えめ(『CASTELLI』という部分がシリコン)です。エアロフィットなのでそれなりにタイトな設計であるため、シリコングリップが控えめでもズレることはありません。

春秋用のジャケットですので、襟はしっかりした高さがあります。気温10度のダウンヒルでも全く問題ありませんでした。

裏側です。製造国はルーマニア、Sサイズです。

裏地ですが、裏起毛…というには厳しい感じです。起毛は無くはないのですが、実走した感想では静止状態での暖かさは無く、あくまでも高強度での快適さにターゲットを置いた製品です。背中側のパネリングは1枚で非常にシンプル。生地の伸縮性が高いのでパネルが1枚でも問題ありません。

背面は3ポケット。ジッパー付きのシークレットポケットはありません。下部には反射素材が備わっています。

右側ポケット下部には製品コンセプトを表現する文章があり、『FOR COOL&DRY CONDITIONS、ENGINEERED AIR PERMEABILITY、ZERO WIND CHILL』となっています。またレースラインの製品に付される『ROSSO CORSA』であることも示されています。

涼しい気候の中で高強度ライドをするため設計された通気性と、防風性および防寒性能を備えている…といったところでしょうか。カステリwebサイトでの紹介文の通りになっています。
ちなみに『12x』というロゴは袖先にもプリントされており、デザイン上のアクセントにもなっています。これはGABBAの12倍の通気性があることを示しており、製品名の『DODICI』もイタリア語の『12』(英語ではTwelve)を意味するところからきています。

生地について
生地は昨年から採用されているPFASフリーの新素材、リストレットです。

こちらがリストレットの解説。外側から微量の乾燥した空気を取り込み、ジャケット内側の汗を取り込んで外側に蒸散させるメカニズムとのこと。

アウター生地は、ナイロンが約9割。残りはポリウレタンという構成です。ナイロンメインということは、耐摩耗性とある程度の伸縮性を狙っているのでしょうか。

インナー生地はポリエステルが70%、ポリウレタンが30%。伸縮性の高いポリウレタンが30%に増えています。内側に速乾性の高いポリエステルを使っていますね。

実測重量
実測重量はSサイズで213gでした。公称212g(恐らくLサイズ)ですが、公称重量よりも重いのは初めてのことです。213gでも、ジャケットの中では十分に軽量な部類に入ります。

サイズ
Sサイズを採寸しました。袖丈:62cm。

着丈:60cm。

身幅:40cm。

■レビュー
実走レビューです。
サイズ感
実際に着用するとこちら。いきなりカラーが変わっていますがご容赦を。当初はMOCHAが在庫切れだったのでブラックを買ったのです。私の体格は、身長170cm/体重58kg。こちらもSサイズですがぴったりです。


ただし、袖が余ります。海外ウェアの宿命みたいなものですね…。フィットはエアロフィットなのでピチピチに着用すると考えてください。そのため伸縮性はかなり高いです。
実走レビュー
2025年の11月2日。ランドヌ東京が開催するブルべ『BRM1102朝霧高原300』に昨年に続き出走。東京の世田谷を出発し、富士山の西側に広がる朝霧高原を通り、富士山を3/4周ほどして戻るコースです。
当日の気温は8~15度でしたが、山中湖を始めとする富士山周辺は標高1,000m地帯なので肌寒かったです。また道志みちのようなロングヒルクライムもあればダウンヒルもあるという、DODICIにはうってつけのコース。
まずスタート地点の気温は10度前後。DODICIの対応温度帯は8~15度ですから、全く問題なし。ベースレイヤーは『CORE SEAMLESS BASE LAYER SS(半袖)』を合わせています。対応温度帯は8~20度。
このコース、予報に反して気温が20度近くになることもあるので、この他に『PRO MESH 2.0 SLEEVELESS』という夏用ベースレイヤーもサドルバッグに入れています。
その後、道志みちはジッパーを7割ほど下げた状態で上りましたがオーバーヒートすることなく快適でした。ただPerfettoの12倍の通気性といえど、心拍が180を超える状況ではジッパーを上げたままではさすがに無理でしたね…。
その後、道の駅朝霧高原に到着すると気温は11度。この日は曇天で日が差さず、肌寒かったですが、それなりに防風性もあるので前述の組み合わせで問題なし。ただし止まると寒いので、心拍数を維持することが前提のジャケットです。

時刻は14時。この後、もう一度約10kmのヒルクライムがあるので『PRO MESH 2.0 SLEEVELESS』に着替え。
ヒルクラ中の気温は12度前後でしたが、こちら(富士山の南側)は日差しがあったので、ノースリーブのベースレイヤーを着ていても排熱がやや追いつかない。心拍は170後半を維持して良いペースで上りましたので、ジッパーを8割ほど開けて走りました。
その後、御殿場を経由し小田原まで降りると気温は15度に上昇。大きなヒルクライムも無いので、エアロフィットなおかげもあり、300kmを快適に走ることができました。
ロングヒルクライムで負荷をかけるとさすがに汗ばみますが、総じてジャケットが水分を含むこともなく、通気自体はしっかり行われていた印象です(カステリいわく、ジャケットで最も通気性に優れているとのこと)。ターゲットとなる気温は11度前後でしょうか、アップダウンが連続するコースを高強度で走るのに最適な製品でした。
FLANDERS2などの高性能ベースレイヤーを使えば5度くらいまで対応すると思いますが、ピチピチのフィット感なので上手く着るのが大変だと思います。『ARIA VEST』などの薄手ベストをポケットに忍ばせておくと汎用性が高まりますね。
■まとめ
薄手で高いフィット感と通気性を備えながらも、中程度の防風性も備え、中~高強度に対応した春秋用ジャケットです。
この『通気性が高いのに防風性もある』という相反する要素を両立している点が非常に優れており、ガシガシ走りたい人は1枚持っておくと良いと思います。
通気性ばかり強調してしまいましたが、軽量、エアロに設計されている点も良く、伸縮性も高いので着用しているのが非常に快適な1枚でした。カラーも色々ありますので、在庫のあるうちに買っておきましょう。

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