【レビュー】ステム上面をツライチにしたい…ワンバイエスのスージーステムを購入
東京サンエスがワンバイエスのブランドで販売している『スージーステム』を買いました。特に新しい商品では無いですが、レビュー/インプレです。
■総合評価
- アングルが77度という絶妙さ
- とにかくカッコ良い
- 上面がツライチになる
■購入動機
ステム上に場所を確保
何年も前から販売されているこの『スージーステム』ですが、重くなることを承知で買いました。今まで使用していたステムは、3Tの『ARX TEAM』。長さは90mmで重量は122g。スージーステムの同じ90mmは144gで、20g以上重くなります。それでも購入した理由はステムの上面がツライチになるからです。
スージーステムの特徴は、あの独特なオフセットにより『ハンドルポジションを下げられる』こと。しかも、愛車の見た目を損なわずに、です。
今回に関してはその点はどうでも良くて、ステムに付ける『ナビ用のEdge530の場所を確保する』という目的がメインです。従来もステム上にEdge530を装着出来てはいたのですが、90mmという短い長さが災いしてステムのフェイスボルトと干渉する寸前でした。ステムが短いと色々不便なのです…。
見た目
次に見た目。1年くらい前はあれだけ軽量化すると騒いでいたのですが、実際には出来る事も限られており、コスパの良い軽量化はあらかた実行してしまいました。また以前からスージーステムのあのスマートな見た目は気になっていたのですが、(数十グラムですが)重量化するために諦めていました。
最近はコロナで明らかに練習不足になり『数十グラムくらい良いか…』という気分のため(この妥協が重くなる原因なんですが)、見た目重視に切り替えて欲しいステムを買う事に。でも、一般のステムのデザインは武骨なんですよ、特にこのフェイスプレート。合理的な形状なのは分かりますが…Edgeと干渉しますしね。
逆に、スージーステムの形状は合理的ではありません。だから重くなってしまうのですが、それでも欲しくさせる魅力的な形状なのですよね。
■現状
スージーステムに交換前の状況です。3Tの『ARX TEAM』の17度を使用していました。スペーサーは5mmが2枚で10mm。キャノンデールのシナプスはエンデュランスモデルなのでヘッドチューブが長く、これでやっとSuper Sixと同じハンドル高さという感じです。トップキャップも薄いものに交換しています。コラムが長いのは『いつか切ろう』と思っていたら、2年経っていた…それだけです。
それが、単純に交換するだけでこのようになります。ハンドルの位置が全然違いますね。何より上面から繋がるラインが美しい。3Tはアングルが17度なのでほぼ水平でしたが、スージーステムは13度。4度上向きになって少しだけ角度が付いたのも、トップチューブのスローピングの角度を殺さなくて良い感じ。
■ハンドルの高さについて
さてここで気になるのがハンドルの高さです。スペーサーはそのままでスージーステムに交換すると、角度は4度上向きになりますが、先ほどの様に7.5mmのオフセットによりハンドル位置は確実に低くなります。ただし今回は、ハンドルの上面をツライチにしてEdge530をスムーズに取り付けようというのが目的なので、ポジションは変えたくありません。
さて面倒くさくなってきました。ポジションを変更したくない場合、どのようにするのが良いのでしょうか。色々な要素がありますので、1つづつ考えていきます。
ステムの角度
まずはステムの角度です。3Tのステムは17度でした。どこがどの様に17度なのか?というと、ここです。フォークのコラムから伸びた垂直の線から、どの程度下に向いているかです。
これがスージーステムになると、13度になります。4度上向きになりますね。ステムの長さは90mmで変更なし。その場合にステムの中心がどの程度、上に移動するのか?は三角関数を使って計算出来ます。直角三角形の斜辺と角度が分かっているパターンですが、計算結果では約6mmハンドルが高くなります。
クランプ位置のオフセット
さてスージーステムの特徴であるクランプ位置のオフセットです。これは東京サンエスのカタログにも書いてある通り、7.5mm下にオフセットされています。これで差し引き1.5mmハンドルが低くなります。
コラムハイト
次にコラムハイトです。コラムハイトとは、この部分の高さ。
一般的なステムは40mmが多いのですが、スージーステムは見た目重視なので35mmしかありません。ということは、ステムのセンター自体が2.5mm低くなります。一般的なステムでは、センターが上の画像の下の赤線から20mmの位置。スージーステムでは17.5mmの位置になるからです。これで先ほどの1.5mmと合わせて4mm低くなる計算です。
コラムスペーサーで調整
今回はハンドルポジションを変えたくないので、ここに5mmのスペーサーを積み増します。すると合計では1mmだけハンドルが高くなる計算になります。1mm程度なら許容範囲です。最初は『あ、高くなったな』と感じると思うのですが、1mm程度ならすぐに気にならなくなると思います。
ヘッドチューブとステムの間のスペースは、トップチューブバッグの固定用ベルトを巻くスペースでもあります。ここがあまり狭すぎるとベルトが上手く巻けなくなってしまうので、ある程度はスペースがあった方が都合が良いのです。
■交換が完了
作業自体は難しくはありませんので、特にイベントも無く交換が完了。ついでに余っていたコラムも切ってしまいました。見よ、このフラットなステム上面を。これがやりたかったのです。
Edge530を付ける
それでは、目的であるEdge530を取付してみましょう。思惑通りボルトとの干渉を気にせず装着が可能になりました。着脱もスムーズ。ステムが短いとスペースが厳しいのが良く分かりますね…。
しかしこの画像を見ていて気付いたのは、スペースの拡大にはスージーステムの採用も貢献していますが、コラムをカットした事の方が貢献度が大きそうです。
まぁコラムをカットするということ自体を完全に忘れてしまっていたことも事実。昨年はブルベもロクに走らなかったので、あまり困らなかったのですよね。ステム交換のついでにようやくコラムカットをしようという気になったので、スペース拡大はスージーステムへの交換によるものなのです。
■まとめ
今回はステムをスージーステムに交換して、ステム上面のEdge530用スペースを拡大しました。ステムが短くてスペースに困っている方は、このような活用方法もありだと思います。
eTrexなんかはEdge530よりも全長がありますから、向いているのではないでしょうか。実際、私もeTrexを使っていた時はマウントを付けるのに苦労していましたし…。ロードバイクのスマートな見た目にも貢献しますし、ステムによりハンドル位置を下げることにも使えます。様々な用途がありますので、とりあえず1本買っておきましょう。最近はシルバーも出ましたね。新色が出るという事は、未だに売れているんですね。
スージーステムにはカーボンもあります。長さが100mmからとなりますが、100mmで116gとかなり軽量になります。カーボンの質感でこのフォルムは反則ですね…。