左右の出力差(違い)は改善出来るか?ペダリングモニターの右脚とアルテグラクランク(FC-R8000)を導入しました
パイオニアのペダリングモニター『SGY-PM930HR』を購入しました。久しぶりの高い買い物です。
■パイオニアが両脚になりました
さいたまサイクルエキスポで試乗した時の結果に衝撃を受けて、この記事を書いたのが今年の3月のこと。
それ以来、構成も含めてどうしようか悩んでいましたが、1か月半ほど前に発注。3週間ほどかかって納品され、それから何度か乗る機会があってようやく記事に出来るようになりました。
導入目的
私が初めてのパワーメーター(左脚のみ・105L)を導入したのが2017年の1月のこと。
それから2年かかってようやく両脚装備に。私としては両脚にする気は全く無かったのですが…。今でも左脚のみというのに不満は無いのです。不満は無いのですが、左右でこれだけ出力に差があることが分かってしまうと…。この左右の脚の出力差というものは、改善出来るものなのでしょうか?右に比較すると異様に低い左脚の出力が、もし右脚と同程度まで引き上げる事が出来たとしたら、かなり速くなれそうではあります。
他にもこうして機材を少しづつ更新することに意味があるのです。来年にはデュラエースも12速になるでしょうから、11速というだけで過去の機材になってしまうのでしょうが…(泣
ともかく、これで左右ともリアルな数値を拾えるようになりました。左右差がどの程度なのかをまずは把握して、どうするかはそれから考えたいと思っています。私はブルベばかり走っているタイプのサイクリストですが、ブルベ以外の時はなるべく速く走ろうと心がけています。
齢と共に伸び代は少なくなってきていますが、今でもその結果に一喜一憂したい訳です。少ない練習時間の中で速くなるのを諦めたら、まっしぐらに弱くなるのは分かっています(笑) 趣味で自転車を乗っているレベルのサイクリストだと、速さを上げるにはパワーを向上させるのが一番手っ取り早く、その把握に最も役立つのがパワーメーターというのは否定のしようが無いことだと思います。
現在の構成
右クランクが『R8000+SGY-PM930HR』、左クランクが『5800+SGY-PK91S5870GL』という怪しいMIX構成です。左右で異なるグレードのクランクを使っている人は、果たして何人いるのだろうか…。左の105のみの製品ですけれど、なぜこんなに型番が長いの?
現行の製品が『930系』、初代が『910系』となりますが、その違いは大きな点で言うと
- Bluetoothに対応
- 左送信機が薄型化して干渉するフレームが減った
くらいですかね?しかしどちらも大きなアップデートで、特にBluetooth対応は完全に世の中の流れ。ZwiftもANT+のドングル無しで直接接続が可能になります。
取付
箱はFC-R8000の箱に入ってきました。
鎮座するペダリングモニター。
チェーンリングの歯先も綺麗なので、使いたくないですね。
一説ではペダリングモニターの価値の8割を占めると言われているこの『おにぎりカバー』。今回は当然『グリーン』に交換です。このペラいカバーが2,400円もするのですが、ケチってはいけません。カラーが完璧に調色されており、これでドヤれるのですから安いものです。
ペダルとクランクを外して、BB周りもついでに清掃します。以前も書きましたが、BB30Aからシマノクランクに変換するアダプターまでもがグリーンなのはなぜ?ビアンキのチェレステ商法を笑えません。
右送信機用のマグネットの位置決めをします。クリアランスがかなりシビアで、画像のチェーンステー根元には付ける事が出来ず。BBの上側、シートチューブの根元に貼り付けました。
他は普通のクランク脱着と変わりません。マグネットが付いたら、取付完了です。
後はスマホとBluetoothでペアリングします。アプリの画面に従って、マグネット校正とゼロ点校正を実施すると(非常に簡単です)使えるようになります。
完成した図。おにぎりがかっこいい…。
実走での測定結果
さてTraceとか近所を走り回ってみた結果です。これはもう個人によって全く状況が異なりますので参考になるか分かりませんが、左右差については下記の様な傾向が見られます。まず私のプロフィールは体重58kg、FTPは200W程度です。その代わりケイデンスは100回転程度が快適。
- 軽い負荷やローラーで回して(120W程度)いると、左:右=42:58くらいになる。
- FTP付近に近づくにつれ(180W以上)、左右差が減る。48:52~51:49あたりをウロウロするので、平均すると概ね50:50になっていると言ってよい。
- 逆にペダリング効率は左の方が数%ほど良い事が多い。
負荷が高まってくると左右差が減ってくることから、要するに左は『サボっている』ことが多いらしい…ということが言えるのでしょうか?もっと走ってみないと分からないかも知れませんが、果たしてこれからどうすれば良いのか分かりませんね…。
ともかくこれを矯正すれば良い事が起こるのかも分かりませんし、矯正するにしてもいきなりやったらバランスが崩れて故障してしまいそうなので、数年がかりになるでしょう。3年後くらいにこの記事を見返して、『あの時はこんな事で悩んでいたのか』と思えるようになりたいものです。でも、仮に左右差が少なくなって左も常にパワーを出せるようになったら、速くなりそうではあります。
現状で起こっていることと言えば、表示される左右合計のパワーが10~15W程度高く表示されるようになりました。例えば以前は160wと思っていたパワーが実は175wでしたということですね。右脚の出力は左よりも常に10~15%程高いので、想定していた通りの事象が起こっています。Zwiftで180wあたりで巡行するのが非常に楽です。
パワーメーターはロングライドで使えるのか?
そもそも、パワーメーター自体がロングライドにはいらん!という方も多いと思います。果たしてそうでしょうか?『ロングライドには要らない』のではなくて、『今の価格ではロングライドで使うには費用対効果が見合わない』というのがそういった方の本当に思っている事ではないでしょうか?
仮にパワーメーターの価格が10,000円まで下がれば、かなりの方が『とりあえず付けてみるか』となると思います。本当に不要なら、10,000円は安くは無いですから買わないはずですが、潜在的に興味のある方は『ロングライドにパワメは不要』論者の方にも多いと思っています(と、私が思っているだけです)。それ位パワーメーターは役に立ちます。
ではパワーメーターは一体何の役に立つのか?それは自分の『体力無駄の可視化』だと思います。淡々と走っている(と思っている)ロングライドやブルベでも、想像以上にパワーにムラがあります。私はFTP(1時間出し続けられる出力)が200W前後ですが、ちょっとした信号スタートで280W、ちょっとした100mくらいの登りで350W、向かい風ならずっと250Wなど。
FTPですら1時間連続で運動を継続出来るギリギリのパワー値なのですから、それを越えた数値を出すと将来の自分から借金をしてパワーを出していることになります。要は継続出来る運動の強度も時間も、一時の高出力と引き換えに失っているというのが私の実感です。
その代わり、ひたすらサイコンのパワーの値とにらめっこしながら、徹底してFTPの値を越えない様に走ると、終盤まで驚くほど脚が残ります。このような『走りをマネジメントする』ことは賛否両論あると思いますが、少なくとも私は終盤になって『全く脚が回らない』『単なる我慢大会で辛いだけ』というのは面白くも何ともありません。むしろ最後まで楽しく走れますし、完走時間も短縮されて良い事づくめです。
最後まで脚が残らない事に心当たりがある方は、食わず嫌いせずに一度使ってみてから判断すると良いと思います。不要だったらすぐにヤフオクで売れば良いのです(笑)
ということで、右脚を導入した自分への言い訳でした。それでもパワーメーターは本当に役に立つと思います。皆さんも一度使ってみることをお勧めします。ペダリングモニターのベクトル表示までは不要ですが、パワー値だけでも世界が変わります。