【レビュー】冬の朝から昼までカバーするコスパ最強グローブ。シマノ INFINIUM インサレーテッドグローブ
シマノの冬用グローブ『INFINIUM インサレーテッドグローブ』を買いました。シマノのアパレルはマイナーなのですが、なかなかコスパが良かったのでレビューします。
※旧モデルは『WINDSTOPPER インサレーテッドグローブ』という名称でした。
■評価
ポイント
- 性能の割に価格が安い。
- 裏起毛でそこそこ暖かい。
- 信頼のWINDSTOPPER使用でしっかり防風。
■製品概要
シマノから出ているグローブで、秋冬用として7つある内の上から2番目のポジショニングです。対応気温は0~5度となっており、内側は薄めの裏起毛生地でほんのり暖かい。特徴は防風素材としてWINDSTOPPERを使っている事です。シマノは、以前からWINDSTOPPERを使っているんですよね。
※GORE社の製品名が変更され、防風性を重視したものは『INFINIUM』と呼ばれるようになりました。WINDSTOPPERは、INFINIUMが実現する機能の1つという位置づけです。
GORE-TEXを始めとするGORE社の素材大好きな私としては、良く分からないメーカー独自開発の防風透湿素材は外れがあるので好きではありません。ほら、あれです。雨具を買う時に最初は安いのを買ってしまうけど、結局は『高くてもGORE-TEXが最強じゃねーか!』となるあれです。
なので多少高価になろうともWINDSTOPPERを使った製品があれば、そちらを買います。シマノアパレルはWINDSTOPPERを使っていても安いのが魅力です。『多少高価になろうとも』と書きましたけど、高性能なのに(シマノだから安売りされて)高価にならないというところが魅力なのです。
■購入動機
分厚いグローブと薄いグローブしかない
気づけば冬。埼玉平野部の朝は6時台だと、気温3度程度です。正午に近くなると10度前後まで気温が上がります。朝から昼過ぎまでロードで走ろうと思うと、5度未満から10度前後の気温まで対応出来るグローブが必要になります。
しかし私が持っているのは、秋用として薄手のグローブ、BBBの『レースシールド』。気温3度に耐えるには気合が無いと無理です。
それとシールスキンズの超厚手のグローブの2つのみ。こちらは完全にマイナス気温用です。真冬の深夜も走るブルベ用に買いました。陽が出てくると暑くて使えないので、これを使う時は昼間用として先ほどのレースシールドも持って走ります。
それでは、『あなたは昨年までシールスキンズを使うほどではないが、レースシールドでは寒い時間帯(早朝など)はどうしていたの?』となりますよね。
そこはですね、昔にシマノから販売されていた『WINDSTOPPERの機能しかない』というペラペラのグローブを重ねて使っていました。レースシールドは防風性は皆無ですがある程度は暖かいので、防風性だけをこのペラペラのグローブで補うという使い方です。しかし、2枚重ねはグローブの脱着が非常に面倒なんです。この面倒さに耐えられなくなり、買い替えを決意した次第。
求める条件
求める条件は以下の通り。
- 1つのグローブで過ごしたい。時間は7時~16時くらいまで、気温にすると3~10度くらい。
- 防風素材を使用している。
- 裏起毛を使って、構造が2層以上になっている。
- あまり分厚くならないこと。
パールイズミは高い
まず探したのがパールイズミ。5度くらいの温度帯だと、このウィンドブレークウィンターグローブという商品が対応します。
しかし価格を見ると、定価で9,350円(税込)とかするんですよ。ちょっと高い気がしますよね…。ちなみにこの時はちょうど正月でした。ショップは全部閉まっていますけど、アマゾンなら正月でも翌日に配送してくれますので、引き続きアマゾンで購入可能なブランドから物色します。
すると目に留まったのがシマノ。私は今までもシマノのグローブを使っていましたから、もう一度買ってみようかという気になりました。在庫があるので翌日に到着するし。シマノはアパレルの分野ではマイナーですけど、一通りラインナップがあるし、品質も良いのです。『釣り』のシマノサイトを見ると分かりますけど、グローブだけで何十種類も作っているんですよ、実は。
そこでWEBカタログを調べてみると、5度対応のグローブは以下の『インサレーテッド グローブ』が該当します。これなら見事に条件を満たしている上に、価格も安い。アマゾンのレビューを見ると何だか微妙なのですが、品質が悪いというのは運悪くハズレを引いているだけだと思いますので気にせずに買ってみる事にします。先ほども言いましたがシマノは釣りでも色々なグローブを販売していますから、『シマノだから品質が悪い』とか、特にそんな事は無い思うのですよね。
■製品詳細
ポチると、正月にも関わらず翌日に到着。有難いですが、申し訳ない気持ちになりますね…。
機能概要
パッケージに記載されている機能の概要を示すアイコンです。左からGORE-TEX INFINIUM、PORON XRD、裏起毛、タッチパネル対応、保温層付きとなっています。対応気温も0~5度となっていますね。
タグも沢山付いています。すぐに捨ててしまうのですが。
タッチパネル対応
最近のグローブはタッチパネル対応を謳うものが多いです。シマノのグローブも、7アイテムの全てがタッチパネルに対応しています。このグローブの場合は全ての指が導電性の生地となっているのですが、人差し指については爪側までぐるっと覆うように導電性生地となっています。そのため指先で割と細かなタッチをすることも可能でした。アプリのアイコンをツンツンする程度なら、全く問題ありません。
掌部分に配置されているこのパッドが、衝撃吸収フォームの『PORON XRD』です。あまり聞きなれない素材ですが、実は有名な製品でして、世の中の色々な製品に使われています。シマノは変に独自素材を開発しないで、素直に他社から買ってくるところが好感が持てます。シマノのネームバリューがあれば、調達も安く可能でしょう。独自素材を開発するにしても、先行特許を避けつつ性能面で上回るなんて至難の業ですから『安いけど性能もそれなり』ってものしか出来ないのですよ、残念ながら。
生地
生地の詳細です。手の甲、手のひらの他に裏地があることが分かります。3層構造ですね。裏起毛の裏地(ポリエステル100%)は、これが良い感じに暖かいです。この裏地が分厚いと昼間に暑くなり過ぎるのですが、これが適度な厚さとなっています。まさしく『0~5度対応』だと思います。厚みも3層構造の割に薄手で、変速やブレーキ操作もやり易いです。
親指側は大きなパイル地となっています。
指の間には滑り止め。
カフ部分にも滑り止めが付いています。芸が細かい。
重要なWINDSOPEERですが、手首部分にしっかりと印字されています。表示義務があるのでしょうね。GORE製品なら間違いない。
ベルクロストラップですが、端はベルクロが無くグローブをした指でつまみやすいように前作から改良されています。
■使用感
着用して、実際に300kmほど走ってみました。
対応する気温について
対応気温『0~5度』というのは、謳い文句の通りだと思います。実際に、気温が0度以上であれば手がかじかむことはありませんでした。とある日は気温0度くらい(AM5時)からスタートして、10時前後でようやく5度まで上昇したのですが、特に寒さで手が痛くなることも無く快適でした。このグローブは3層構造の割には薄手なのですが、ちょっと意外でした。素材も進歩するんですね。
一方、気温が10度程度に上昇すると暑さを感じるようになります。WINDSTOPPERは透湿性も兼ね備えているとはいえ、限界があります。日中の気温が高めの日には、もう1組の薄手の予備グローブを背中にしまっておくと良いと思います。
余談ですが、ランドヌールの発想からすると『0度が10時間続くような状況でも、このグローブは大丈夫なんだろうな?』という人が出てきそうです。対応温度に収まっているとはいえ、さすがにそのような過酷な状況で使いたいならもっと上のグレードの製品を買うべきでしょう(シマノならゴアテックスウィンターグローブとか)。
操作感について
先にも書きましたが、3層構造で断熱がしっかりしている割には薄手に作られていると思います。縫製もしっかりしており、グローブが型崩れしません。そのため変速操作もやり易かったです。
サイズについて
今回はMサイズを購入しました。シマノのPDFカタログにあるウェアのサイズガイドによると、手のひら周りの長さで判断することになっています。自分の手を測定すると20cmでした。ガイドの通りに判断すると見事にSサイズとMサイズの境目です。しかしこの手の3層構造の断熱グローブは、あまりジャストフィット過ぎると着脱の際に内側の層がズレてしまうことがあります。
そのため着脱のスムーズさを優先して、今回はMサイズを購入しました。結果としてジャストフィットです。ガイドによると、Mサイズは22.9cmまでカバーするとあります。しかし20cmの私がMサイズで問題無かったのですから、22cmあたりからLサイズにしても問題無さそうな感じです。もちろん求めるフィット感によりますから、タイト目が好みなのかどうか等、最終的には自分で判断するようにしましょう。
■まとめ
値引き率が高くアマゾンで実売5,000円弱という価格の割に、高性能のグローブです。値引き率が高い理由は、シマノブランドの人気の無さでしょうか。少なくともジャージに関しては、胸に『SHIMANO』とデカデカと書いてあるものは、関係者だったとしても着るのに勇気が要りますよね(笑)
アマゾンレビューに記載のある縫製のほつれなどはこれからある程度の期間を使用してみないと分かりませんが観察する限り当面は問題が無さそうに見えます(※1年使いましたが、特に問題ありません)。
対応する気温が低くなるほどウェアも高額になりますが、0~5度対応でこの価格と謳い文句通りの性能というのはなかなか無いと思われます。
アパレルに求められるおしゃれさは皆無ですが、性能と価格を求める方にはお勧めできるブランドだと思います(質実剛健のシマノですしね)。この価格なら、1つ上の『INFINIUM PRIMALOFT グローブ』がアマゾンで実売6,000円前後(サイズによっては5,000円以下)なので、追加で買ってしまいたくなります。カステリなんて平気で10,000円以上しますからね。GORE-TEXとPRIMALOFTの両方が使われているなんて、かなり贅沢なグローブです。カステリなら16,500円します。
こちらは上記プリマロフトの旧モデル。投げ売りしていますので、早めにどうぞ。