新型シナプスのリアフェンダーブリッジが3サイズのうち2サイズで装着不可な件

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2022年1月、新型シナプスが発売されました。しかし従来は全モデルで装着可能だったリアフェンダー用のブリッジが、日本に入ってくるサイズの大部分(3つの内の2つ)で装着出来なくなっていることをご存じでしょうか。シナプスはフルのリアフェンダーがしっかり装着出来ることが売りの1つですが、それが出来ないとはランドヌールにとって見逃せません。

■新型シナプス発売

2022年1月、キャノンデールのシナプスがフルモデルチェンジしました。


詳細はキャノンデールのWebサイト、各種メディアに詳しいです。キャノンデールを『CAAD3』⇒『Supersix』⇒『Synapse』と乗り継いできた身としては、非常に気になるところです。フレーム単体売りがあったら、即買っていました。新型アルテグラを買ったばかりなのに…。

元々情報は2021年の夏くらいから入ってきていて、パーツの供給不足がなければ2021年のうちに…という話だったのです。シマノの新型デュラも発表はされたものの、デリバリーはいつになるのか?全く不明な状況だったので、新型シナプスが先にデリバリーされるなら買うつもりでいました。

ところが実際には新型デュラエース/アルテグラが先にデリバリーされ、新型シナプスの販売は2022年になりました。分からないものです。

新型シナプスはフレームが改善された他、『Smart Sense』という、前後ライトとレーダーのインテグレーテッドシステムを搭載しました。ランドヌール的にはライトは好きなものを使う事になるのでSmart Senseはあまり魅力が無くて、トップチューブ/ダウンチューブにダボ穴が増えたこと、フレームの走行性能が向上したこと、BBやシートポストクランプが汎用的になったことがポイントです。

■日本には3サイズしか入荷しない

ところが、です。シナプスの日本語サイトを見ると、何と全モデルで『48/51/54』の3サイズしか入荷しません。以前(私も乗っている旧モデル)は『44/48/51/54/56/58』の全サイズが入ってきていたのにです。
※モデルによっては5サイズのモデルもありました

新型シナプスは、海外では『48/51/54/56/58/61』の6サイズが展開されています。キャノンデールジャパンがたったの3モデルしか展開しないということは、前モデルは大きなサイズが余程売れなかったのでしょう。いずれにしても、サイズが3つしかないというのは割り切った商品展開であり、身長の高い人は適合するフレームサイズがないということになります。

ただし小さい3サイズしか入荷しないとはいえ、54サイズの適応身長は『170~180cm』。未入荷の56サイズは『175~185cm』。日本人であれば、身長180cmまでカバーすれば問題無いという判断は一定の合理性があると思います。なにせ残りの58、61はそれぞれ『182~193cm』、『190~203cm』です。輸入しないという判断も納得です。

しかし、この事は装備にも大きな影響を及ぼしているのです。

■3つの内の2つのサイズでリアフェンダーのブリッジが無い

3つのうち、2つでブリッジが付かない

その影響と言うのは、シナプスのセールスポイントでもある『リアフェンダー用ブリッジ』のこと。赤丸で囲んだパーツですね。フルのリアフェンダーを固定するには必須のパーツです。サイトでは『フルフェンダーは綺麗に装着可能』『梅雨の時期はフルフェンダーの装着も可能』とあります。

https://www.cannondale.com/ja-jp/bikes/road/endurance/synapse-carbon/synapse-carbon-3-lより

しかしこのパーツ、48サイズと51サイズには付属しません。シートステーにある取り付け用のダボ穴が無いのです。キャノンデールのサイトにはサイズにより付属しないという記載は無く、前モデルと同様にいかにも全サイズに取り付け可能と受け取るはずです。記載が無いのですから。

ちなみに私が乗っている旧となってしまったシナプス(51サイズ)ですが、このようにブリッジが付いています。

シナプスを買ったのは、エンデュランス系のモデルの中でBBまでカバーするフルのリアフェンダーが装着可能だからです。これが無ければ買っていない。ママチャリを見れば分かるように、リアフェンダーはBBまでしっかり覆う事が必要なのです。

では48と51サイズは見捨てられているのかというと、代替措置が取られています。画像の赤丸の部分に追加でダボ穴があり、BB部分と、このBBのすぐ上の箇所でフェンダーを固定することを想定しているようです。

しかしこの個所では、フェンダーの固定力が不足する気がしてなりません。フェンダーにかかる負荷は意外と大きくて、ブルベ中にフェンダーを固定するネジを何度も締め直したことがあります。特に赤丸の位置のネジが緩むとタイヤを外さなくてはならないため、非常に面倒です。この対応策はいかがなものかと思います。

48と51サイズでブリッジが付属しない理由

小さいサイズではブリッジが何故付属しないかというと、クリアランスが不足しているためだと思われます。新型シナプスではトレンドを汲んで『ドロップドシートステー』となり、シートチューブとシートステーの接合部が下がっています。これにより、小さいサイズではブリッジを装着するスペースが無くなってしまったためではないでしょうか。

理由としてはそのあたりしか思い浮かばないのですが、現物を見るとそれなりにスペースがあります。

48と51サイズに関しては、性能を多少犠牲にしてもシートステーの接合部を上にして、ブリッジのスペースを確保して欲しかったと思います。かなりスローピングしているせいで、いずれにしてもドロップドシートステーの意味も無くなっている気がするのですが。

本当に不満なところ

そして私が本当に不満なのは、これをキャノンデールジャパンがしっかりアナウンスしない点。『スマートセンスはすごいですよ!』という前に、販売店に『旧モデルから性能ダウンしている点があります。』と伝えるべきではないでしょうか。

今回も、私がショップの店頭に並んでいる51サイズの完成車を見て『サイトにはブリッジが付くと載っていましたが、どう見てもブリッジを固定するダボ穴が無いです、どうやって付けるのでしょう?』と質問して初めてショップの方が気付いた位です。

ショップはすぐに確認を行ってくれまして、『ブリッジが付くのは54サイズだけです。マニュアルには載っていたがそこまでチェックしていなかった、申し訳ない。』と回答してくれました。

本来であれば、これはキャノンデールジャパンがしっかりアナウンスして販売店に周知すべき事項だと感じます。こういった点をしっかりアナウンスしないとユーザーの満足度が下がります。

■対応策

いずれにしても、日本で主流の48と51サイズにはブリッジが付きません。リアフェンダーを付けるにはどのような解決策があるのか考えました。

1.自分でブリッジを取り付ける

先ほどのツイートに書いてありましたが、野口商会からそのものズバリの『フェンダー取付用ブリッジ』なる商品が出ています。価格も1,000円程度。

ただしこれにも懸念があります。

  • 固定がタイラップだが、しっかり固定出来るのか
  • そもそもスペースが無いからブリッジが付かないのに、このパーツを取り付けることが可能なのか

の2点。一応、51サイズではこのパーツを取り付ける程度のスペースはあるように見えます(ならば最初からブリッジを付けてくれと思いますが)。固定はタイラップですから、固定力はシートステーの形状にも左右されそうですし、果たして上手く取り付けが出来るのか?要検証です。

2.フェンダーを加工して何とか取り付ける

一応、追加のダボ穴はあるにはあるので、固定力は不足すると思われるがその穴を活用して取り付けるという案。

しかし私が知る限り、あの位置に穴があるフェンダーはありません。どのフェンダーも、シートステーのブリッジに固定する方式になっています。

これが一般的。

仕方ありませんので、これらのフェンダーに穴を開けて固定することが考えられます。シートステーで固定する方式と比べると間違いなく固定力は不足すると思われますが、意外と問題無いかもしれません。

3.フルサイズのフェンダーは諦める

ダボ穴は無いものとして考えて、ハーフサイズのフェンダーを付けるという案。シナプスを買う理由が半分くらい無くなりますが、これなら取り付けに悩むことも特にありません。

■まとめ

新型シナプスで48もしくは51サイズを買おうとしている人は、フルサイズのリアフェンダーがスマートに付けられないと思っておいた方が良さそうです。

キャノンデールジャパンもサイトに記載するか販売店にアナウンスしてくれると良いのですが、特になし。サイトについてはワールドワイドで記載内容が決まっているためと思われますが、注釈くらいは付けられないのでしょうか。

3サイズのうち2サイズに対応していなかったら、影響は大きいと思います。購入予定の皆さんは、注意しましょう。

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ABOUT ME
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当サイトは自転車関連のパーツレビュー、ブルべの走行記録を中心としたブログです。
管理人は40代のロードバイク乗り。20年前にCannondaleのCAAD3を買って以来、Cannoncdaleばかり乗り継いでいます。 昔はメッセンジャーやレース、今はロングライドとブルベ中心。2022年エベレスティング達成、2023年PBP認定、2024年キャノボ達成。ブルべの主担当もやります。
年間走行距離は約10,000km。身長170cm、体重57kg。
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