【レビュー】Ridefarr エアロボルトオン

Ridefarrブランドのクリップオンバー『エアロボルトオン(アルミ)』を買いましたのでレビューします。

■総合評価

4.0

ポイント

  • TTバー系の中では軽くてコンパクト
  • 安い
  • エアロ効果はそれなりにある
  • ライトやサイコンの再配置が大変

久々にTTバー系の商品を使いました。お手軽なうえに、エアロ効果も確実にあります。しかし、ハンドル上のスペースを取るためにライトとサイコンの配置が完全にやり直しになります(TTバー系は全部そうですが)。昼間しか使わないとか、ブルべでは使わないと割り切れば特に問題は無いでしょう。あとTTバー系の製品は、走行中に不安定なのでそもそも使う人を選びます。万人向けではありません。

■製品概要

Ridefarrとは

こちらのブランドは『Ridefarr』というあまり聞きなれないブランドです。購入先はAlternative Bicyclesさん。ウルフトゥースやアピデュラ、レベレイトデザインを扱っている会社です。

Ridefarrもこちらで扱っています。ブランドの紹介文は以下の通り。

自転車乗り集団による、ウルトラディスタンス(超長距離)、アドベンチャーレース等に特化したパーツブランド。オーストラリアを拠点に活動。

色々と長距離ライドに使える商品を開発しています。

コンパクトなクリップオンバー

この製品自体は、コンパクトないわゆるクリップオンバーです。この手の製品は今までも多数ありました。古くはチネリのスピナッチですね。1995年のツールドフランスで禁止になりましたので、効果はあるのです。スピナッチも一度買ったことがあるのですが、非常に邪魔くさいのでヤフオク行きでした…。

手をハンドルの前で揃えて突き出すというフォームは、それだけでエアロ的に非常に効果があります。そのためTTバーまではいかなくとも定期的に新製品が出てくるジャンルであります。

またこの製品には、上位版のカーボン製のものもあります。但し価格が23,490円しますので、『ちょっと使ってみようかな?』という気持ちでは買えない製品です。

■購入動機

とあるTTイベント対策

11月にとある一人で行うTTイベントらしきものを走ったところ、単独TTなので『いかに楽に速く走るか』ということが重要であることを改めて感じました。下ハンを持って無心にペダリングする区間も多くありましたので、この手の製品の有用性を感じた次第です。

荒川峠にも使いたい

またこれからの季節、埼玉県では荒川CRに『荒川峠』という群馬からの北風が吹き荒れます。ひどいと200Wの出力で15km/hしか出なかったりします。筋トレには最適なのですが、時には筋トレしたくない事もあります。そんな時の対策として導入しました。

■製品詳細

それでは製品の詳細を見ていきます。

外観

まず外観です。箱に入っているのは、バー本体とネジのみのシンプルなパッケージです。クリップオンバーなので、持ちやすいように上向きに湾曲しています。この絶妙に複雑な形に曲げるのは大変だと思います。いかにも歩留まりが悪そうです。

ちなみに本製品の固定用のネジですが、穴の大きさを見て4mmのアーレンキーが使えると思いきや、トルクスのT25でしたので、注意が必要です。

重量

続いて実測重量です。サイトには133gとありますが、140gでした。恐らくですが、ネジの重量を含んでいないと思われます。

重量に関しては『自分の自転車に必要な工具はなるべく持つ』の原則からすると、トルクスT25の1本分なりビット1個分の重量が増える人もいるでしょう。私は普段から携行していたので、この製品による携行工具の重量はありませんでしたが。

この製品を使う際に、新たにトルクスT25がサドルバッグに加わる人もいることと思います。ブルベでは大量のライトやら荷物を運んでいますから、工具のせいで10g程度の重量が増えたからと言って特に影響は無いと思いますが。

■使用感

それでは肝心の使用感です。

エアロ効果

12月のとある日に荒川峠の吹きすさぶ中、荒川CRを北上してきました。

この日の風の強さは、ブラケットのポジションだと200wでちょうど20km/hというところ。まだマシな方です。その状況で、この『エアロボルトオン』を持つと同じ出力で22〜23kmは出るようになります。なんと速度1割アップです。道具だけで速度が1割アップはありえませんね、非常に楽です。

それまでは上半身にもろに風が当たり押し返される感覚があったのですが、それが無くなります。いかに普段のブラケットポジションが空力的には良く無いか、ということですね。

ひどい向かい風の時は、下ハン持って頭を低くするよりも上ハンを持った方が速くなる時があります。TTバーを使った空力的な優位性は、前に出した手が風を裂いて上半身に当たらない様にしてくれることにあります。こんなちっちゃいボルトオンバーでも、その感覚は確かにあります。

その事は理解した上で使った方がより良い結果を得られると思います。両手を揃えて前に出すのが大事です。

ただし、パッドが無いためひじに体重を預けられないこと、リーチが短い(ブラケットより内側に収まる)ので、深い前傾は厳しいです。上ハンのポジションのままで更に空力を良くするようなイメージが良いと思います。こんな可愛いボルトオンバーに全てを求めてはいけませんからね。

デメリット

この製品だけの話では無いのですが、TTバー、DHバーに共通する宿命としていくつかのデメリットがあります。

まずブラケットを持つ場合と比べると、安定感が激減します。実は自転車は、常に細かな蛇行を繰り返しながらでないと真っ直ぐ(に見えるように)進めない乗り物です。バーを持っている間はそのバランス取りが一気に難しくなります。

ハンドル操作に頼らずとも体幹だけでそれなりのバランスを保つことが要求されます。両手放しとか、3本ローラーを乗るようなイメージでしょうか。

次にブラケットを握れないということは、ブレーキも変速も出来ません。交通量の少ない見通しの良い直線でしか使うべきではないでしょうし、多少の斜度の変化は変速せずにケイデンスを変えて乗り切るスキルも要求されます。

そのためある程度ロードバイクに慣れた人でないとお勧めしません。ある程度慣れた人でなければ、この手の製品に1万円も出さないと思いますが(笑)

ライト、サイコンの配置問題

これもまたこの製品に限った話では無いですが、ライトとサイコンを配置する場所が無くなります。

まずこのバーを使った場合、私の場合ではステムの両側に3mm程度のスペースが出来ています。この3mmが非常にもったいないのですが、私はマウントの幅が細いKNOGのライトを使っていますので、この間に装着することが出来ました。
※Amazonの価格は参考にならないのでご注意

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私のステムは3Tです。両側の3mmづつもバッファがあるのは、幅が広いステムにも対応するためと推察します。ロードだと細いステムが一般的ですが、グラベル系だと太いのもありますからね。

ただしこのバーはパッドが無いので、外側にもライトのマウントを何とか設置可能です。私はバーの左にはキャットアイのマウントを設置してライト2灯を確保しています。右側はDi2のサテライトスイッチがあるので、スペースがあるように見えますがありません。

サイコンはステム上に設置。しかしこれだとナビを設置する場所が無い。どう考えても無い。

定番の先端部分にも設置は出来ますが、ここにサイコンを設置するとさすがに邪魔です。見やすさは抜群なのですが、バーの握りに影響が出ます。

この辺は、レックマウントでも買ってステムのフェイスプレートからマウントを生やすのが解決法かと思っています。

そして、結局レックマウントを買いました。ステムのネジから生やすタイプです。ちょっとだけ見づらくなりましたが、十分に許容範囲です。

ブルベでの使用

最後にブルベでの使用ですが、主催団体によって使用不可なところがありますので注意が必要です。私がスタッフとして参加しているたまがわは、使用NGとなっています。首都圏ですと、他にも神奈川や千葉、日本橋などもNGです。各団体のサイトをよく読んで確認しましょう。

■まとめ

小型軽量のクリップオンバーです。パッドの付いたDHバーまでは不要だが、単独走を楽にしたいという場合に使えます。クランプ部も比較的スリムなので、工夫すればライト2つ、サイコン+GPSも装着可能です。

クリップオンバー特有のメリット、デメリットをしっかり理解した上で使用して欲しいと思います。気になる場合はとにかく一度買ってみることがお勧めですね。実際に使用しないと分からないです、DHバー系は。

ちなみに注文する場合は、webサイトに記載のオルタナティブバイシクルズさんの特約店さんに依頼する、もしくはオルタナティブバイシクルズさんに直接オーダーも可能です。