【レビュー】極太ベルクロストラップが超有能だった。フィジーク(fi’zi:k) TEMPO POWERSTRAP R5

フィジーク(fi’zi:k)のロード用シューズ『TEMPO POWERSTRAP R5』を買いましたのでレビューします。

created by Rinker
フィジーク(FIZIK)
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■総合評価

4.5
  • ロングライド用としてコストパフォーマンスが非常に高い
  • アッパー全体に『面』でしっかりテンションをかけられる構造
  • ベルクロなので寿命が比較的早い


極太なベルクロストラップが特徴のシューズです。定価18,800円(実売15,000円くらい)の割にフィット感が良く性能が高いです。良く考えられている構造です。リリースから既に3年ほど経っていますが、これは名作と呼ばれるのでは。

■購入動機

2023年のPBPで使用する想定のシューズとして購入しました。あと2ヶ月で2022年ですから、PBPは1年8ヶ月後くらいです。のんびりしている場合じゃないです。今回はスペシャライズドのシューズ『S-Works 7』も購入したので、1200kmを走る必要のあるPBPにはどちらが適しているのか使いながら確かめる予定です。

このシューズを選定した理由は以下の通り。

  • ホールド性能の高さ
  • 締め付けテンションの調整しやすさ
  • 樹脂ソールであること

重量については、特に軽量シューズというわけではありません。それは一緒に買ったS-Works 7さんに担当してもらおうと思っています。

このシューズは極太のストラップが特徴です。いかにもアッパー全体を均一に締め付けてくれて、ホールド性能が高そうな感じがします。太いベルクロをグイっと引っ張れるので、テンション調整もやりやすそう。

ちなみにこちらがこれまで履いていたシューズです。スペシャライズドのCOMP ROAD。3本のうち2本がベルクロタイプのストラップですが、このタイプは意外と微調整が効きません。特に1番下のストラップ。

ストラップにクセがついてしまって、微調整が出来ないのです。また締め付けも部分的で、全体的な締め付けテンションの調整が非常に面倒でした。

■製品概要

製品カテゴリーについて

『TEMPO POWERSTRAP R5』はフィジークのエンデュランスカテゴリーに属するシューズです。フィジークのシューズは、以下の5カテゴリーに分かれています。

  • VENTO(ROAD&OFF ROADRACING)
  • TERRA(OFF ROAD)
  • TEMPO(ROAD ENDURANCE)
  • GRAVITA(DH&URBAN)
  • TRANSIRO(TRIATHLON)

今回のシューズの商品名は『TEMPO POWERSTRAP R5』。TEMPOが商品名に入っているので、ROAD ENDURANCEに属する製品です。

重量について

こちらのシューズの公称重量は42.5サイズで250gとなっています。私が購入したのは42サイズ。実測すると右が255g、左が256gでした(インソールは抜いています)。小さいサイズですが、+5~6g。約2%の差ですが、こんなものでしょう。

ちなみにインソールの重量は24gです。

250g台の重量ですが、構造がシンプルなので割と軽量と思います。フィジークの『TERRA』シリーズに、同じPOWERSTRAPを使った『X4』というMTB用シューズがありますが、こちらは42サイズで292gとなっています。

また、これまで私が履いていたスペシャライズドのCOMP ROADは269gです。同じ価格帯のシューズですが、15gも重量が違います。

各部の素材について

インソールに素材についての情報が記載されています。

ソールは『R5ナイロンコンポジットアウトソール』。ナイロンとポリエチレンのコンポジットソールと思われます。アッパーは80%がポリウレタン、20%がポリエステルのようです。

ソールについて

実はこのシューズ、ソール側には通気用の穴が開いていません。クリート固定用の穴のみ。多少の雨なら下からの浸水を防げそうです。アッパーの浸水は薄いレインシューズカバーで防げるので、そこそこの防水性能がありそうです。

ヒール側も同様です。ヒールは高めで歩きやすい。ソールと一体になっているので、交換は不可。

ヒールについて

シューズで重要なヒールですが、アッパーと同じ素材で作られています。特にヒール部分が別素材ということはなく、この辺りは価格相応という作りです。ただし厚みはかなりあるので、通常程度の剛性はあります。

ヒールの内側には滑り止め加工があり、コストをかけない工夫がなされています。

POWERSTRAPについて

この製品の最大の特徴である極太ベルクロストラップの『POWERSTRAP』です。アッパーの半分以上を覆っており、シンプルな仕組みで均等な締め付けと全体のホールド感向上を実現しています。またデザイン上のアクセントにもなっていて、ホワイトやピンク、コーラルだととても映えます。このシューズはネイビーなので地味ですが(笑)

このストラップの根元は母指球あたりに固定されており、これがたった2本のストラップで優れたホールド感を実現する理由です。強いテンションをかけることが出来るのですが、ベルトが適度に伸びるので『ホールドはするが締め付け過ぎにはならない』という絶妙なホールド性能を実現しています。

この『POWERSTRAP』は当初はこのモデルに使用されていた仕組みでした。その後、評価が高かったためか逆に上位モデルに採用されるという出世を果たしています。

またタン部分には小さなベルクロが付いており、ズレを防いでくれます。

インソールについて

インソールは足裏部分にクッションが1枚ついています。形状は普通ですが、コストがかけられています。

先ほど紹介した通り、重量は24g。

カラー展開について

このモデルは売れているからか、カラー展開が6色(ブラック、ホワイト、ピンク、コーラル、ネイビー、ブルー)もあったりします。更にリフレクティブという全面が反射材になったタイプまであります。

価格について

国内の価格は税込18,800円。フィジークの代理店はカワシマサイクルサプライです。ちなみにフィジークの本国サイトを見ると、約130ユーロほどで販売されています。私は海外通販のCRCで買いました。クーポンが適用されるので、11,000円程でした。

■レビュー

ペダリングについて

まずソールに若干厚みを感じるのですが、逆にしっかりとした踏みごたえを感じます。樹脂ソールなので適度にしなりますが、厚みのおかげで変形は少ない印象です。

同時期に購入したS-Works 7 (約230g)と比べると重さは感じますが、ホールド性能が非常に高いのでしっかり回せます。足と一体になってます。

ソールとアッパーに厚みがあるためダイレクト感にはやや欠けるが、POWERSTRAPによる一体感のメリットが上回るという印象です。ヒールのホールド感は普通です。

サイズ感について

全体的に余裕を持たせたサイズ感となっています。ただしベルクロでしっかり固定出来るため、適合する足の範囲が広いです。

クリートの取り付けについて

私はスピードプレイ(今はWahoo)のペダルを使っています。このクリートは、まず3穴から4穴に変換するためと、取付け面を平らにするためにベースプレートを取付けます。

ソールは湾曲していますので、その湾曲具体に応じて隙間を埋めるシムを装着するのですが、湾曲が強いと『追加シム』を使う場合があります。今回はその追加シムが必要でした。画像で、少しはみ出ているのが追加シムです。クリートによっては、取り付けが難しい場合もあるかもしれません。

追加シムは固定が甘くなりがちで、徐々に動いてしまう場合があります。上の画像の状態も、既にシムが動いてしまっています。シムが全部隠れるように固定したのですが、、、

ブルベでの使用について

そもそも『PBPで使う』ことを念頭に購入したこのシューズ。先日の鬼怒川600で早速使いました。使用した感想は以下の通り。

  • ベルクロなので、休憩時にテンションの解放が楽。ベリっとはがすだけ。
  • 開口部も大きく開くので、脱がないまでも足を休ませることが出来る。
  • タンがベルクロで留まっているので、足の脱着は少しだけ面倒。
  • リスタート時も適当にグイっと引っ張って固定するだけで、だいたい好みのテンションで固定される。

600km走って足の疲労は全く無し。樹脂ソールですが登りでもしっかり踏めます。とにかくホールド性能が高いので、ペダリングしやすいです。また休憩時に足を休ませるのが簡単に出来ます。スタート時に再度固定する時も、割と簡単に元の状態に戻せました。

ペダリングの性能は合格点ですし、履いていて楽、PCごとに足を休ませるのも楽、と期待通りの性能でした。もう少し軽いと更に良いのですが、それは求めすぎだと思います。600kmをもう一度走るとPBPと同じ1200kmですが、もう一度走っても大丈夫だったのではと思います。

ちなみにFizikのラインナップには、TEMPOではないレース向けの『VENTO』に『POWERSTRAP R2 AEROWEAVE』という超軽量(205g)なPOWERSTRAPを使ったモデルがあります。でもこのモデルはアッパーがスッカスカのメッシュなので、ちょっとブルベには向かなそうです(価格も51,000円となかなか)。

R5の方は1万円ちょっとで買えますから、ブルベで雑に扱っても全く気になりません。

■まとめ

高いフィット感とホールド性能を安価な方法で実現した良く出来たシューズです。高価な材料は使っていないので、薄くて軽くて剛性があるとまではいきませんが、とにかく全体的なホールド性能に優れています。予算1万円台でこの性能のシューズが買えてしまうので結構すごいのでは?と思います。

カラーバリエーションが6色もあるのは売れている証ですし、全体が反射材になったリフレクティブモデルまであり、ランドヌール的でもあります。

ロングライド用としてお気軽に買える価格ですので、私のように気になっていた人は買ってみる事をお勧めします。

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