チューブレス用のプラグ系 パンク修理キットは、ロードバイクに使えるのか?その2:スタンズ ダートツール

■今回の主旨

今回は、チューブレスタイヤ用のパンク修理キットについて。その2、スタンズのダートツール編です。その1はこちらから。

『チューブレスタイヤは使いたいけれど、パンクしたらどうするのか?問題』は何年経っても永遠のテーマ的な問題となっています。パンクした際の対応策を調べると、色々なショップのブログや動画が見つかります。パンク時の対処方法自体が特に進化していないので、同じような内容のブログや動画を違うショップが定期的に投稿しているという状況ですね。

そこで、よく見かける『プラグで穴をふさぐ系』の修理キットについてロードバイクのタイヤに使える実用性があるのか?を確認します。チューブレスのパンク修理キットとして、プラグ系キットのシェアは知名度の割に低いという印象です。単なる食わず嫌いで実は非常に実用的なものなのか、それとも本当に使いづらいのか。実際に使ってみます。

ちなみに前回からの学びとして、少なくとも6mm程度以上の穴が開いていないとこの手の製品が使えないのでは?ということが分かりました。
たまにネジ(コーススレッドみたいなもの)を踏んだ画像を見かけますが、あの程度の大きさのパンク穴だとシーラントで塞ぐということです。

今回のスタンズはレザインよりはニードル部分が小さいのですが、果たして使えるのか。

■今回使う製品

今回はスタンズの『ダートツール』を使用します。本体とプラグが2つ入って約3,000円です。

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■製品概要

部品構成と使い方

この製品も、収納部を兼ねたグリップとプラグから構成されています。矢じりのようになっている先端をパンク部分に突き刺してプラグ(ダートと呼びます)を挿入。

先端の返しにより、このように本体から抜けてパンク穴にダートが残るというものです。

更にこの製品の特長として、スタンズ製のシーラントとセットで使う事が前提となっています。スタンズのシーラントと反応して硬化を起こすようになっており、シーラントと一体となって大きなゴムの塊を生成することで穴を塞ぎます。スタンズのシーラントを使う必要がありますが、単にプラグを穴に刺すだけの製品と比べると付加価値は高そうです。前回のレザインで起こったような、プラグの隙間からエアが漏れる現象を防いでくれると思われます。

■実際にパンク修理してみます

それでは実際にパンク修理を行ってみましょう。

パンクの概要

今回のパンクの概要です。

  • 使用タイヤ:IRC フォーミュラプロ S-LIGHT 28C(リア)
  • 使用シーラント:スタンズ(ノーマル)
  • タイヤ消耗度:1,500km使用で8割ほどトレッドを消耗。
  • パンクの状態:トレッド部に穴。3.8bar程度まで空気圧を上げるとシーラントが噴出する。

IRCのS-LIGHT 28Cを使っていてパンクしたのですが、約1,500km使ってここまでトレッドが減ります。軽量さに特化したヒルクラ用タイヤなので元々トレッドが薄いためです(性能は非常に良い)。※ちなみにタイヤが逆向きに装着されてます、、、

この状態で週末にグラベル要素のあるライドをしたところ、見事にパンク。その当日は全く気付かずにライド終了。翌日のライド前にタイヤの空気圧をチェックすると、明らかにリアだけ低い。『これは怪しい』と思いつつエアを入れて走り出します。

50kmほど走ってカフェによると、白い飛沫が大量に付いています。これはシーラントですね…。これでようやくパンクが確定。

チューブレスだと元々の空気圧が低いので、走っていてもパンクに全然気が付きません。その程度のエア抜けなのですが、50km走ってもシーラントで塞げていないことを見ると、それなりに大きめの穴のようです。しかし目視でタイヤをチェックするも、穴が開いている箇所は全然分かりません。

帰宅してフロアポンプでエアを補充すると、4bar弱まで入れた時点でシーラントが漏れてくる箇所を発見。ここがパンク箇所ですね。縦溝の中が切れているので、目視では分かりませんでした。

シーラントが穴を塞ぐのに時間がかかっていたことに加え、あのまま飛び散り続けていると穴を塞ぐ前にシーラントが無くなってしまう気もします。それならプラグを使って、早めに穴を塞いだ方が良いと思うのです。こんな感じの『4mm程度の微妙な大きさの穴』を塞ぐことは出来るのか?というのが今回の実験テーマです。

前回のレザインでは、それなりに大きな穴が開いていないとツールが全く刺さらないということが分かりましたが、今回のスタンズはどうでしょうか。先端の太さは約4mmと小さいので、6mmもあったレザインよりは小さな穴に対応しそうです。

チャレンジ1回目

それでは早速ダートツールを使って穴を塞いでみます。

前回の教訓があるので、今回は4mmほどの太さのドライバーを穴に刺して事前に拡げておきます。実際の現場でも、先の尖った携帯ツールで穴を拡げておいた方が良いです。

グリグリやったおかげで、パンク箇所が認識出来るように。

ここにダートツールを刺しますが、やはり穴が小さかったようで全く刺さりません。ぐりぐり刺している内にようやく穴に入ったので、ダートを穴に残しつつ引き抜きます。すると先端の矢じりの部分だけがタイヤの内側に残り、ダートは穴に残らずに出てきてしまいました。矢じりとプラグが分離するとはちょっと想定外。こんなに簡単に取れたら困るんですが…。

ダート部分も含めて穴に刺したのですけど、分離するとは想定外

ちなみに、今回はいくつかショップの動画を見た上でチャレンジしました。動画を見た第一印象は『ダートツールって簡単だな?』です。しかし初見では上手くいきませんでした。

私の推測ですが、ショップの動画は何度か練習した上で撮影していると思います。販促のための商品の紹介ですし、『何度も失敗したうえに出来ませんでした』ではわざわざ動画を上げる意味が無いですからね。私が逆の立場でも同じことをすると思います。

2回目

ダートは2つありますので、もう1度チャレンジです。1回目は失敗しましたが、2回目はさすがに上手く出来るでしょう。

…と思ったのですが、1回目の感触を考慮するとやはり穴が小さかった印象があります。パンクの穴は小さい方が良いに決まっているのですが、プラグ系ツールで修理するにはある程度の大きさが必要なようです。

そこで今度はレザインのニードル(先端の太さが6mmある)を使ってぐりぐりと穴を拡げた上でダートツールを挿入することにします。ダートツール以外の道具を使っていますから、テストの意味が薄れてきていますが、、、

とにかくレザインのニードルで穴をぐりぐり整形して、再度ダートツールを挿入。

結果は1回目と変わりませんでした。穴は拡大したはずなのですが、全く刺さらず。苦労して何とか刺しましたが、また先端だけ取れて中に残ってしまいました。

虚しく残ったプラグ達

修理に失敗してしまったので、IRC S-LIGHTはタイヤ交換となりました。タイヤを外して中を見ると、外れた先端が出てきました(笑)

■まとめ

まとめます。やはりプラグを挿して穴を塞ぐ系のツールは、1cm程度のサイドカットなどの場合に使うのが良さそうです。実際に1cmのサイドカットが発生したらシーラントなんて役に立ちませんから、プラグ系ツールの出番があるということですね。

しかし現実には舗装路を走っている限り、ロードバイクではそのようなパンクは発生する可能性は非常に低いのではないでしょうか。基本的にはシーラントが塞いでくれることを待つのがベターと言えますが、今回の様に2mm程度の穴でもシーラントが飛散し続ける事態もありえます。

パンクに気づいたら、パンク箇所を特定してその部分を下にしておきます。するとシーラントがパンク箇所に溜まりますので、その状態で10分ほど放置しておけばシーラントが飛散し続けることなく穴を塞いでくれると思います。パンク箇所の特定は、シーラントが出てくるまでポンプで空気を入れましょう。

中程度のパンクの場合は?

私はスタンズのノーマルシーラントを使っていますが、より確実に穴を塞ぎたい場合は粒子の大きなシーラントを使用することになります。例えばパナレーサーのシールスマートなど。これはクルミの殻を混ぜる事で6mm程度の穴を塞ぐと謳っています。ただし粒子が大きい分、バルブコアを外した状態でもバルブからの注入が推奨されておらず、タイヤをはめる前に注ぐ方式になります。

またシーラントが塞いでくれるのをひたすら待つ以外で、他に選択肢になりそうな方法は以下の2つでしょうか?

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  • チューブを入れてクリンチャー化する。ただしタイヤを外すこと、再装着することが非常に大変。シーラントで手やホイールがとても汚れる。
  • パンク修理剤を使用する。IRCのファストリスポーンなど。

クリンチャー化は最も確実ではありますが、少々面倒です。何とかコンビニまで走行して、シーラントを洗うための水を入手した方が良いでしょうね。2番目のファストリスポーンはこれから試してみたいところです。携行するにはかさばるし(重量は約60g)、コストもかかりますが、圧倒的な手軽さとある程度の確実さを兼ね備えていそうです。

ただし仕組みとしては天然ゴムを注入する仕組みなので、チューブレスが前提のようです。また1mm程度のパンク穴に対応すると謳っています。既にシーラントが入っている場合に、混ぜても使えるのか?など試してみたいところです。Amazonのレビューを見ると1mm以上でも塞いでくれるようですから(2~3mm位なら普通にいけると思います、1mmも3mmも変わりません、メーカーとしては保守的な表記にせざるを得ないでしょう)シーラントが枯渇した場合にも使えそう。

ということで、チューブを交換したりタイヤを交換したりしないチューブレスの場合、パンクの状態に応じて対応方法を変える必要があるということが分かってきました。プラグ系の修理キットは本当にざっくりと(1cm以上)サイドカットした場合に適しているということが言えそうです。舗装路しか走らないのであれば、不要そうですね。

実は更に別のプラグ系の修理キットをオーダーしているので、その製品のテストで最終としようと思います。それでは。