【レビュー】長袖ジャージの新たな定番　カステリ ESPRESSO THERMAL JERSEY

カステリの2024年秋冬モデル新製品『ESPRESSO THERMAL JERSEY（エスプレッソサーマルジャージ）』のレビューです。

2024年に登場した『ESPRESSO』シリーズ。当初は半袖ジャージ（と夏用長袖）、ビブショーツのみでしたが、秋冬モデルではベスト、タイツ、サーマルジャージ、ジャケットなどラインナップを拡大しており一大勢力となっています。

今回は春秋向けの裏起毛長袖ジャージである『ESPRESSO THERMAL JERSEY』をレビューします。

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ESPRESSO THERMAL JERSEY

■総合評価

2024年の３月に発売された、ESPRESSOシリーズの先駆けである『ESPRESSO JERSEY』もレビュー記事を書いています。その記事では、タイトルに『着心地が良すぎて何色も揃えたくなる』というキャッチコピーを付けました。

今回のサーマルジャージも同じフィット感を実現していますので、感想も同様。しっかりと暖かいうえに着心地が良すぎて『別カラーも買ってみたい』と思ってしまいます。ビブタイツでも同じことを書きましたが『フィット感が統一されているので感想も同じになる』のですね。

『何色も揃えたくなる』という点についても、本製品はカラフルな７色が展開されています。各色ごとに７サイズが展開されていますから、在庫も相当な量です。この物量は全世界に販売しているカステリならではですね。

別にレビューしている『ESPRESSO BIBTIGHT』も７色ありますから、複数揃えるとコーディネートが捗りそうです。

■入手経緯

いつもは『購入動機』となるこのパートですが、今回はカステリ社のご厚意によりこちらのジャージを提供いただきました。そのため『入手経緯』としています。

前述の通りESPRESSOラインは2024年春から追加されたラインナップです。当初はジャージとビブショーツのみでしたが、2024秋冬モデルからビブタイツ、サーマルジャージ、ジャケット、ベスト、グローブと大幅に拡大されている人気商品です。

■製品概要

製品スペック

まずは製品スペックの紹介です。

価格は2万円強と、秋冬物としては手頃な価格。『morou20』クーポンを使うと20％OFFになりますから、実質17,000円ほど。

対応温度帯は10度台に設定されています。『１桁気温には対応しないのか…』と思われるかもしれませんが、長袖ジャージは重ね着可能なことが特徴。上に『PERFETTO ROS２ VEST』などを合わせると、より低温から活躍します。

保温力の高いアンダー（同じく2024新製品の『MERINO SEAMLESS BASELAYER』など）を合わせるのも有効です。またレギュラーフィットなので『タイト感が無い』ことも特徴ですね。

昨シーズンまでは裏起毛長袖ジャージとして『PRO THERMAL MID LS』という製品がありました。本製品と同じく裏起毛の長袖ジャージですが、こちらは薄手なのでESPRESSO THERMAL JERSEYほどの保温性能はありません。

製品ポジショニング

代表的な春秋用長袖ジャージとの比較です。
※表はスクロールします

まず感じるのが、長袖ジャージに機能性の差はあまり無いということ。断熱性は全て３、防水性はTUTTO NANO以外は全て１、防風はこちらもTUTTO NANOを除いて全て２など。

そのような中で、ESPRESSO THERMAL JERSEYは既存製品の性能を踏襲しつつ、フィット感の高さを実現したことが特徴。ENTRATAは価格以外は全て同じスペックですが、旧製品という位置づけであり、フィット感でESPRESSOに劣ります。

FLY LSは他のFLYシリーズの特徴である襟なしジャージ。首から熱が逃げるので強度を上げたいライドに有効です。AERO RACE LSはNANO FLEX LIGHTを使うことで裏起毛なしの軽量ジャージ。高額ですが、性能面ではこれ一択。

TUTTO NANOはNANO FLEXを使った防水性に優れるジャージ。PRO THERMAL MID LSは私が昨シーズンまで愛用していたジャージですが、ディスコンとなりました。製品の進化を確認するため、参考までに掲載しています。

細部の紹介

細部の紹介です。

まず全景です。脇が別パネルになっていることが特徴で、左上にカステリロゴを配置。今回のカラーはLIGHT BLACKです。冬は黒を着て、効率よく太陽熱を吸収したいところ(笑)

製造国は、まさかのイタリア。クロアチア、モルドバ、ボスニア、ハンガリーなど（ワインが美味しそうな）東ヨーロッパ各国に工場を持つカステリですが、イタリアという表記は初めて見ました。イタリアにも工場があったのですね…。レア製品です。

ジッパーの内側、上部には定番の防風フラップが装備。ジッパーは意外と通気性が良いので、これがあると無いとでは大違いなのです。

襟はそれなりの高さがあります。

脇です。ここだけ別パネルになっています。伸縮性と通気性を高める目的かな？と推察しますが、目視および手で触っただけでは、明らかな違いは感じられず。

背中です。バックポケット３＋セキュリティポケット１の構成です。下には反射素材と大きめのシリコングリップ。

裏側です。全体がしっかりと裏起毛になっており、ジャージの割に保温性が高いです。

裾は全体にしっかりとしたシリコングリップが備わっています。全くズレず、シルエットが決まるので非常に快適。

生地について

生地はナイロン52％、ポリエステル32％、ポリウレタン16％の混紡です。

ポリウレタンは主に伸縮性を出す目的で使用されます。ESPRESSO BIBTIGHTもメインファブリックはポリウレタンを15％使用していました。

ナイロンの他にポリエステルを混ぜているのは、ポリエステルの速乾性と強度を期待してのことかと思われます。

防水性について

PERFETTOシリーズではありませんので、防水性は『１』になっている本製品。しかし生地の感触は防水性の高いNANO FLEXと同様の感触なので、生地表面にはそれなりの防水性があるように感じます。

そこで実際に水をかけて防水性を確認しました。確かにPERFETTOシリーズほどではありませんが、思ったよりも水を弾いています。小雨程度であれば十分に対応できると思います。

■実走レビュー

それでは実走レビューです。

サイズ感について

今回のサイズはＳサイズ。カステリさんは私のサイズを把握しているので、毎回ぴったりのサイズを送ってきてくれます。おかげ様で太れません。ちなみに私の身長／体重は170cm／58kg。

ESPRESSOシリーズの生地は伸縮性が高いので、迷ったらワンサイズ小さ目が良いでしょう。またカステリは全体的に袖が長いので、日本人には小さ目が良いという理由もあります。

着用感について

着用したところです。裾のシリコングリップがしっかり仕事をしているので、このようにシワなく着ることができます。

昨年までラインナップされていた同じく長袖裏起毛ジャージのPRO THERMAL MID LSと比べると、生地が若干厚くなっており、断熱性を高めています。しかしESPRESSOシリーズならではのもちっとした伸縮性の高さでピッタリフィット。

この『生地が厚くて暖かいのに、しなやかでフィット感が高い』という点がこのジャージの最大のポイント。

生地は吸水性が低いのであまり厚手にすると内側に汗がこもりますが、通気性も実現するギリギリの厚さを確保しています。

実走

この日のコースは埼玉の小川町周辺。朝９時に越生に集合して約80kmほどの予定。気温は概ね８度⇒15度⇒５度という推移でした。

『ESPRESSO THERMAL JERSEY』の対応温度帯は12-18度。さすがに本製品だけではダウンヒルで死んでしまうので、GOREを使ったベストである『PERFETTO ROS２ VEST』を合わせます。ベースレイヤーに新製品『MERINO SEAMLESS BASELAYER（-4-10度）』の力も借りつつ、タイツは『ESPRESSO BIBTIGHT』というセットアップ。

まず１日中、山を走り回った感想としては『着ていることを忘れる』ジャージ。裾がずり上がってくるので直すとか、袖の長さを調節したりとか、そういった細かいストレスが全くない。

襟の長さも適切で、強度の高いヒルクライムもありましたが全く気にならない。肩回りも引っかからないし、バックポケットもアクセスしやすい。ダンシングもめちゃくちゃやりやすい。

肝心の暖かさですが、朝方の８度～昼間の15度～夕方の５度まで、高強度のヒルクライムから日陰のダウンヒル（これは流石にちょっぴり寒かった）まで暖かく過ごせました。これはベースレイヤーの『MERINO SEAMLESS BASELAYER』の恩恵もあったと思いますが、ベースレイヤーやベストを適切に選択すると１桁前半から20度近くまで対応可能ということです。

『ベースの１着』として幅広く使える使える裏起毛長袖ジャージだと思います。ストレス無く着用できる快適なフィット感って、大事なんですねぇ…。

■まとめ

春秋対応の裏起毛長袖ジャージです。

ESPRESSOシリーズらしい非常に快適なフィット感と、中厚手で暖かいのに適度な通気性を兼ね備えた高機能なジャージです。カラーバリエーションが７色あることも特徴。

伸縮性が高い生地なのでシワが寄りづらく、空気抵抗的にもメリットがあります。襟の高さやパネリング、裾のシリコングリップなど細部も作り込まれており、良く出来たジャージだと思います。

『ただの裏起毛長袖ジャージ』だと思っていたのですが、大間違いでした。申し訳ありません。とりあえず１枚買っておきましょう。

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当サイトは自転車関連のパーツレビュー、ブルべの走行記録を中心としたブログです。
管理人は40代のロードバイク乗り。20年前にCannondaleのCAAD3を買って以来、Cannoncdaleばかり乗り継いでいます。 昔はメッセンジャーやレース、今はロングライドとブルベ中心。2022年エベレスティング達成、2023年PBP認定、2024年キャノボ達成。ブルべの主担当もやります。
年間走行距離は約10,000km。身長170cm、体重57kg。