多すぎて良く分からないカステリの商品ラインナップを解説してみる ジャケット編①
さて衣替えの季節になりました。冬物は高価なので早めに買いましょう。今回は商品が多すぎて違いが良く分からない、カステリの商品ラインナップを整理してみたいと思います。
お店に在庫があればまだ昨年のモデルが買えたりしますが、現行モデルを対象に少しづつ整理します。まずはジャケット類のその1です。
※その2まで公開しました。その2はこちらから。
■用語の解説
ラインナップを説明する前に、まず用語・機能の解説が必要です。
RoSシリーズ
数年前から出始めた機能性の生地を採用したシリーズです。RoSは『Rain or Shine』の略で、撥水性の生地を使用して雨の日でも晴れの日でも着用可能ですという触れ込みのウェアです。
最近は従来の防風性+通気性だけでなく、更に撥水性をも兼ね備えた生地を使ったウェアが出回っていますね。ちょっとした雨なら雨具が不要なので、ウィンドブレーカーは徐々に過去のものになると思います。防風性もしっかり備えていますし。
PERFETTOシリーズ
『RoS』とほぼ同義なのですが、防風性・通気性+撥水性ジャケットのシリーズ。メインの生地に『GORE-TEX INFINIUM』というものを使用しています。このGORE INFINIUMには防風性と保温性に優れた『205』と伸縮性に優れた『203』があるのですが、商品によって使用部位を使い分けています。ちなみに『PERFETTO』はイタリア語ですが、日本語訳は『完璧』です。
ALPHAシリーズ
インナーとアウターが合体した機能性の高いシリーズ。RoSシリーズの一員でもあります。昨年あたりまではジャージもあったのですが、今はジャケットに統合されてしまいました。
用語の解説はここまでです。それでは商品の紹介に入ります。
■ジャケットのラインナップ
ここからも機能別に紹介します。
PERFETTOシリーズ
まずは今年の主力のPERFETTOシリーズです(価格は税込)。
商品名 | 価格(円) | 重量(g) | 対応温度(℃) |
PERFETTO ROS LONGSLEEVE | 29,500 | 305 | 4-14 |
GABBA ROS | 24,500 | 255 | 9-16 |
PERFETTO ROS LIGHT | 21,500 | 199 | 12-20 |
PERFETTO ROS VEST | 18,500 | 175 | 14-20 |
PERFETTO ROS CONVERTIBLE | 36,000 | 322 | 4-16 |
上の方が対応温度が低く、防寒性能が高くなります。まずこれらは全て、先ほど紹介したように防風・透湿(通気)に加えて撥水性も兼ね備えています。そのためちょっとした雨ならレインウェア無しで走れてしまいます。春先や秋口の降水確率40%みたいな場合にレインウェアやウィンドブレーカーを持参するか悩む訳ですが、これを着ておけば2~3時間の雨ならそれらの荷物が不要になります。
私も自分で体験しましたが、小雨なら本当に3時間程度は全然平気。もちろん、止まっていたら寒いですよ。走っていて、ある程度心拍数を上げている事が前提です。レインウェアでは無いので1時間もすると多少は生地表面に浸みてきますが、多少浸みる程度。9割の水分は撥水して流れていきます。ゴアテックスのフィルムがあるので、構造的に内側まで浸水しません。
それぞれの概要を説明します。
- LONGSLEEVE:長袖。前面にGOREの205、背面にGOREの203を使っています。肩口の縫い目はシームテープで防水。
- GABBA:半袖。商品名が似ていませんが上記ロングスリーブの半袖版だと思って下さい。袖が4分丈というか、ひじのすぐ上まで来ているのが特徴。
- LIGHT:半袖。こちらは前面にGOREの203、背面にはより薄手のNano Flex Lightを使用して軽量に仕上げています。肩口のシームテープはありませんので、LONGSLEEVEの半袖版では無いんですよね。
- VEST:LIGHTの袖なし版です。
- CONVERTIBLE:基本はLONGSLEEVEですが、袖を取るとGABBAになります。LONGSLEEVEとGABBAを両方買うのと同じで大変お得です。朝は5度、昼は20度という日に非常に役立ちます。
お値段は国内とは割と価格差があるブランドの1つですね。まずPERFETTO ROS LONGSLEEVE。真冬の早朝(私は埼玉県民なので、0度程度を想定しています)でもインナーを暖かいものにすれば対応出来ると思います。カステリのウェアは多くがそうですが、心拍を上げることが前提ですが。
※以下、PERFETTOシリーズは2022~2023シーズンにリファインされ、『RoS2』となりダブルジッパーになりました。
次にGABBA ROSです。これとアームウォーマーを組み合わせると、長いシーズン使えそうですね。
PERFETTO ROS LIGHTです。GABBAの薄手バージョンなので、より高強度に対応出来ます。GABBAでは背面に使用されていたGORE-TEXの203を、こちらは前面に使っています。インナーを工夫すると寒さにも対応出来ますから、人によってはこちらの方が便利かもしれません。
ベストです。生地の使い方はLIGHTと同じです。ジャージの重ね着は不要だけど追加で防風性だけが欲しいという場合に重宝します。ペラペラのベストとの違いは、ゴアテックスのためかなり防風性に優れており、ジャージ0.5枚を追加したような性能です。また生地が厚いのでそれなりに暖かくなります。
最後にコンバーチブルです。GABBAとロングスリーブの両方がまかなえます。ブルベで朝から晩まで走るようなシチュエーション(夜中は気温が3度だが昼間は20度になるような場合)で非常に有用です。私はこれを買ってしまいました。
ALPHAシリーズ
次はアルファシリーズです。2018まではALPHA RoSの『ジャケット』と『ジャージ』という展開だったのですが、2019からは『ジャケット』と『ライトジャケット』になりました。また2020モデルから細部に微妙な変更が加えられ、2にアップデートしています。
商品名 | 価格(円) | 重量(g) | 対応温度(℃) |
ALPHA ROS 2 JACKET | 45,000 | 525 | -5-10 |
ALPHA ROS 2 LIGHT JACKET | 36,000 | 421 | 7-15 |
ALPHA RoS2 Jacket です。私はこのジャケットを持っていますが、2重構造になるだけで生地の過剰な厚さが無くなって、かつ暖かくなっています。しっかりと空気の層が出来るためだと思います。全体がGOREのWindstopper 150という生地で出来ていますが、これまでよりも薄くてしなやか、動きやすいです。
次にALPHA RoS2 LIGHT Jacket です。こちらはWindstopper 150の生地を前面と袖に使用しています。背面はNanoFlex Xtra Dryを使っており、通気性と動きやすさを向上させています(ただし防水性は少し劣る)。またジャケットでは装備されていた貴重品ポケット及びフロントジップフラップが省略されています。これだけの違いで対応する最低気温が13度も変わります(『-5度』⇒『8度』)。
今回はPERFETTOシリーズとALPHAシリーズを紹介しました。これらのモデルは撥水性があってブルべには最適ですよね。『数時間だけ降るかもしれない…雨具を持つべきか?』というあの悩みを解消してくれます。これを着ていれば荷物が減らせるということですね。
カステリはデザインだけでなく品質も良いので、検討している人はサイズのある今のうちに買っておきましょう。その2はこちらから。