フックレスリム『ENVE45』にチューブレステープを貼るのが予想外に大変だった話 その2
その1からの続きです。今回もENVEのフックレスリム、Foundationシリーズ『ENVE45』にテープを貼っていきます。その1と3はこちらから。
■スタンズ チューブレステープに頼る
さてショップと相談して、3つ目のチューブレステープとしてスタンズを試してみる事に。これで駄目だったら、どうすりゃいいの?という気持ちです。
商品名としては『RIM TAPE』なんですね。知らなかった。
貼り付け開始
テープの感触としては、ENVE純正テープ以上、仮固定テープ以下という厚み。もっとしなやかなものを想像していましたが、意外と普通のテープでした。
準備を完璧に
載せるのを忘れていましたが、脱脂したリムに手で触らないように手袋もしています。ちなみにENVEのテープの時からやってます。
それと、ワイプオールですね。アルコールで脱脂するなら不織布が必須。50枚で800円程度。何にでも使えて、一枚16円くらい。以前紹介した通り、アルコール含侵の不織布は付属品としてデフォルトで付いていたんですけど、とっくに使ってしまいました。安いですし、色々使えますから買っておく事にします。
無事に貼り付け完了
途中経過が無くてすみませんが、
- 程よい厚み
- 多少蛇行してもOKな25mm幅
により無事に貼り付けが完了しました。重要な貼り終わりもこの通り。さすがスタンズ!
貼り終わったら、タイヤレバーを使ってリムにテープの端を密着させます。
■無事に完成
バルブ装着
次は忘れずにチューブレスバルブの装着です。バルブホールもテープで見えなくなるので、たまにバルブを付けないままタイヤを付けてしまい、『あら?』となる時があります…。
適当に画鋲で1mmくらいの穴を開けて、バルブを挿します。一気に挿すとテープが必要以上に破けてしまい、シーラント侵入の原因になることがあるのでご注意(経験者は語る)。
根元のゴム部分を上から全力で押し付けつつ、ナットを限界まで締めて完了。バルブの装着が甘いと、必ずここからエアが漏れます。
タイヤ装着
ではここからタイヤ装着作業に移ります。ここもハードルが高いパートです。
使用するタイヤはシュワルベのワン28C(もちろんチューブレスイージー)です。
プロワンにしようかとも思いましたが、1つ下のワンでも1本で8,000円しましたよ…。十分高級タイヤです。ちなみにシュワルベのワンは、ENVEの『TIRE COMPATIBILITY LIST』に載っている『フックレスリムで使用可能』な銘柄の1つ。
まずはバルブ周辺を残してタイヤを装着します。
シュワルベのレバーとIRCのレバーを併用します。
最後はIRCのレバーで強引に嵌めます。装着完了。
ビード上げ
ここからビードを上げていきます。まずはなるべく石鹸水を使わずに、そのままエアを入れます。使うのはフロアポンプのみ。
今回はエアコンプレッサーは使いませんでした。
タイヤがすごい固さで密着しているので、フロアポンプだけでも順調に空気圧が上がります。リムの上限空気圧である6.0barまで入れた時、『パキン!』と音がしてビードが上がりました。ちなみに今回は、チューブレステープは1周巻きで大丈夫でした。
これで気密は問題なさそうに見えるのですが、このまま放置しておくと10分程度で1.0barほど空気圧が低下していきます。やはりシーラントを入れる必要がありますね。
ちなみにちゃんと『TLE』のロゴも揃えていますよ。
シーラント注入
余っていたスタンズのシーラントを入れます。
ホイールをぐるぐるさせてシーラントを行き渡らせ、再度エアを入れると気密の甘い部分からシーラントの泡が出てきます。こういう箇所をシーラントで塞ぐ必要があるんですね。
これで終了!と思いきや…。何故か更にエア漏れが加速する事態に。そうです、チューブレステープに隙間があったりすると、シーラントを入れるとその隙間からシーラントが入り逆にエア漏れが加速することがあります。
タイヤの中は非常に高圧なため、ほんのわずかでも入れる場所があると液体はその場所に入っていくんですね~。
今回は正にそのパターンぽい。せっかくここまで作業したのに心が折れそうになりましたが、とにかくまずはタイヤを外してみないと分かりません。
諦めてタイヤを外し、チューブレステープを観察します。すると…
IRCのレバーで最後のビードを押し込む際、勢い余ってレバーの先端でチューブレステープを傷つけてしまっていたようです…。貼り付けは完璧だったのに…。
まさかのチューブレステープ施工からやり直し。シーラントも入れてしまったので、テープを剥がしてリムを水で洗います。ちなみにシーラントは水ですぐに流れてくれます。
心が折れそうでしたが、乾拭きして乾かした後、脱脂⇒テープ貼り⇒バルブ、タイヤ装着⇒シーラント注入まで根性で持っていき、無事に完成しました。画像は使いまわしです(笑)
この状態で1時間様子を見ましたがエア漏れはほとんどありません。ひとまず成功と言えるでしょう。苦労させやがって…。
シュワルベのプロワンは装着が簡単とサイスポで見た気がしたのですが、ワンは固くて非常に苦労しました。もちろんリムとの相性もあるのですが、プロワンなら簡単なのだろうか…?でもENVE45はフックレスリムなので、簡単にタイヤが外れたら困ります。そのため固めの嵌め合いであろうことは想像出来ます。そういうもんだと思う事にします。
※2021/03/05追記:結局プロワンも買いました。プロワンとワンの両方のレビュー記事です。
このあたりは規格が定まっていないために、ブランドごとにタイヤの大きさが微妙に異なるというのが現状ですね。ISO化される動きがあるようなので、早く決めて欲しいです。
とりあえずもう疲れたので、この日はリアのみタイヤを付けてまた来週。チューブレスは施工が大変ですが、一度装着すると基本的にタイヤを外すことはないシステムなのだと思っています。パンクもシーラントが塞いでくれますし、チューブレスの高性能さはこの『しっかりリムに装着する事』の上に成り立っていると言えます。
それでは3回目はフロント編です。
ご無沙汰しております。
私の予想ですが、たぶんSTAN’S(私は同等品のTESAですが)や3MだとENVEの想定より厚すぎるので、嵌合が固いのだと思います。
ただ薄いテープって破れやすいんですよね…
あと、これは私はやったことがないのですが、終端のみ粘着力の強いテープ(ゴリラテープなど)を使う、というテクニックもあるそうです。
私の場合、とにかく貼り始めは粘着部に触らないように、必ずいったん端を切り取ることにします。そして、終端はかなり強く引っ張って、リムテープの「輪」がリム内周に対して大きくならないように気をつけています。
厚みがあると嵌め合いが固くなるのはその通りだと思います。しかし私には薄いテープを綺麗に貼るスキルが無かったです…。私も最初は少し切り取るようにしています。剥がす時に、どうしても指で触ってしまいますからね。
それと最後だけダクトテープを貼るという発想は無かったですね、これは有効かも知れません。頑張って1周巻いて、最後だけ失敗するのって精神的なダメージが大きいですからね。