【レビュー】どこがプレミアムなのか、徹底検証!カステリ最高峰ジャージ『PREMIO EVO JERSEY』
カステリのプレミアムジャージ『PREMIO EVO JERSEY』のレビューです。
フィット感の良さと軽量さ、空力性能を兼ね備えているカステリ最高峰の高性能ジャージ。前作『PREMIO BLACK JERSEY』から進化して『EVO』となりました。果たしてどこがプレミアムなのか、どこがEVOなのか、確認していきたいと思います。

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■総合評価
- 全ての要素が最高レベルでまとまっている
- 快適性を犠牲にせずに薄さと軽さ、高い通気性を実現
- 高いフィット感でエアロ性能も備える
- 最高性能のジャージが欲しければこれ一択
- 夏用の快適ジャージとして
前作の『PREMIO BLACK JERSEY』のレビューはこちらです。
■入手経緯
通常は『購入動機』となるこのパートですが、今回はカステリ社のご厚意によりこちらのジャージを提供いただきました。いつもありがとうございます。そのため『入手経緯』としています。
■紹介動画
今回はレビュー動画も撮影しています。生地の質感などは、動画の方が良く分かりますので、良かったらどうぞ。
■製品概要
製品スペック
まずはWebサイトに載っている情報を以下にまとめます。
- 価格:31,350円(税込)
- カラー展開:3色(2025年5月時点)
- サイズ展開:XS、S、M、L、XL、XXL、3XL
- フィット:タイトフィット
- 対応温度帯:18~35度
- 公称重量:136g(恐らくLサイズの場合)
- 実測重量:112g(Sサイズ)
- 紫外線防止指数:UPF50+
仮に性能レーダーチャートがあったならば、全項目が高得点となるようなイメージの製品です。
価格もプレミアムですが、デザインも含めて機能に見合った価格と感じます。『どの辺りがプレミアムなの?』という点を、これから紹介していきます。
細部の紹介
まずは箱からです。PREMIOシリーズはカステリ製品の中でも扱いが別格で、このような箱に入って届きます。コストかかってますね。いつもの袋をイメージしていると、思わず『おおっ?』と声が出ます。

実は↑の画像はスリーブで、中に箱が入っています。これが本体です。心拍数が上がりますね。

箱を開けるとようやくジャージが出てきます。このようなパッケージはPREMIO EVOシリーズのみ。カステリの本気度合いが伺えます、心拍数も上がりそうです。

箱から取り出してようやくジャージとご対面です。これが3万円以上するジャージか…!

価格だけでいうならば『ジャージの中心価格帯が3万円台』というブランドは珍しくありません。最近(2025年現在)では円安傾向ですから、なおさらです。
もちろんカステリも値上がりしているわけですが、他のプレミアムブランドはどちらかというと『デザイン』が高価格の主な要因という印象があります(もちろん機能も良い)。一方、カステリの高価格は『高機能』によるものなので、個人的には納得感が高いです。
首周りは襟なし仕様。前身頃の折り返し部は圧着で仕上げられており、少しでも縫い目を削減しようという執念を感じます。ジッパープルは最近主流である持ちやすいU字タイプで、温度調節を前提として設計されています。

ジッパーを下ろすとしっかりとフラップが装備されており、ダウンヒルなどを想定した仕様です。『PREMIO EVO』のロゴ入り。

袖は前作と同様に、中央部は横リブが入り空力を向上させます。末端は切りっぱなしで装着感を感じさせません。よく見ると付け根・中央部・末端で3つのパターンとなっており、1枚の生地を段階的に変化させるという手の込みようです。

生地は非常に薄いので、袖の末端に細かなシリコングリップが織り込まれています。シリコングリップなのに存在感が無く、かつしっかりグリップする。このような細かい部分にコストがかかっています。

裾のシリコングリップは8割程度をカバーして、動きの自由度と快適性を向上させています。

全周をシリコングリップとする方が縫製は楽で、コストは減るはずですが、あえてコストをかけていることが分かります。グリップ力は若干弱めで動きやすさを重視。グリップの無いジッパー周辺の箇所は圧着で仕上げられており縫い目が削減されています。
ジッパーの末端部。前作には無かったジッパーガードが設けられています。カステリのジャージでジッパーガードは珍しく、ビブショーツへのダメージを減らす意図と思われます。

背面です。バックポケットは3+1でセキュリティーポケット付き。中央ポケットおよび各ポケットの底には反射素材もプリントされています。

ポケット裏側には、生地が薄すぎるためか当て布による補強がなされています。前作にはありませんでしたので、EVOとなって生地が薄くなっていることが分かります。色々と細かい箇所にこだわりの工数がかかっています。これは価格も高くなりますよね…納得。

生地
生地の素材です。ポリエステル67%、ポリウレタン33%の混紡比率です。袖はポリエステルの比率が2%下がり、代わりにナイロンが追加されています。

ポリウレタンは伸縮性が高いのでフィット感を高めるために使用されます。前作ではポリウレタンの比率は25%でしたが、本製品では33%に高まっています。これがフィット感の高さの秘訣ですね。
そしてPREMIO EVOをEVOたらしめているのは、この生地。細かい格子状の模様となっていますが、これは単なるデザインではなく、細かなメッシュになっているのです。

これが通気性を高めるとともに、絶妙な伸縮性を生み出し、高いフィット感を実現しています。この生地が素晴らしく、正にEVOと呼ぶにふさわしい出来です。この生地を作っている工場を見学したいですね。
同じく通気性の良さに特化したジャージに『CLIMBER’S A/C JERSEY』がありますが、こちらはブロック状のメッシュ構造で、下がそれなりに透けるのですよね。PREMIO EVOは同等の通気性を実現しながらも、透け感が無いことが秀逸なポイントの1つ。
こちらは前作である『PREMIO BLACK JERSEY』です。格子状にはなっていないことが判ります。当時としても素晴らしい速乾性だったのですが、今作では更に進化しています。

寸法
実寸法は以下の通り。今回着用したのはSサイズです。
袖丈:25cm

身幅:44cm

着丈:58cm

袖丈は『CLIMBER’S A/C JERSEY』と同じでした。
実測重量
実測重量は112g。あのペラペラの『CLIMBER’S A/C JERSEY』が105gですから、これだけの機能性を備えていながらこの軽さは驚きです。

ちなみに前作は102gと『CLIMBER’S A/C JERSEY』と下回る軽さでした。生地はEVOの方が軽量化されていると思われますが、裾のグリップ部や微妙なサイズの違い(前作の方が同じサイズでもわずかに小さい)などではないか?と推察しています。

PREMIO EVOシリーズ
PREMIO EVOはビブショーツとグローブもあります。順次ブログで紹介しますが、いずれも素晴らしい完成度で、ぜひセットで使って欲しい。


■実走レビュー
サイズ感について
まずはサイズ感です。
今回はSサイズを着用しています。私の体格は身長170cm、体重58kgですが、ジャストサイズです。袖が微妙に長い点がポイントです。
※ビブショーツは『PREMIO EVO BIBSHORT』です

実走
実走レビューです。
前作も同様でしたが、カステリのPREMIOシリーズは『着ていることを忘れる』ほどの着用感の無さが特徴です。
これまで紹介してきたように、各部の細かな造りや性能の高さは素晴らしいものがあります。それだけでは『まぁ、価格相応だよね』となってしまうのですが、『PREMIO EVO JERSEY』は違います。
性能が高いだけではなく、とにかく着ていて快適なのです。レースでもどんどん使って欲しいですが、最も適しているのはロングライドだと思います。性能が良いうえに、着ていてとにかくストレスが無いのです。

どのジャージを着ていても、どこかしらに『ここはもう少しこうして欲しい』という点が1つくらいはあるのです。このジャージの場合はそれが無い。本当に無い。
フィット感や通気性、軽量さも全てが98点くらいでハイレベル。かつ快適性も非常に高い。何かを切り捨てているような点が一切ありません。私はこの製品をカステリジャパンから提供されていますから、ネガティブなコメントを書くわけにはいかない…と思うかもしれませんが、本当に非の打ち所がない。
実際に、私は2年前のPBP(Paris-Brest-Paris)という1,200kmブルべで着るビブに前作の『PREMIO BLACK BIBSHORT』を選びました。フランスは夏でも夜間は寒いので、残念ながらジャージはPREMIOではなかった(裏起毛のPRO THERMAL MIDを着ました)のですが、ビブショーツはPREMIOの一択でした。それほどに信頼しています。
この日は埼玉の白石峠を登りましたが、ダンシングもしやすく、走行中の不満は無し。ヒルクライム中の気温は25度前後まで上がりましたが、心拍を追い込んでも汗で貼り付くこともなく、サラッとしたまま快適そのもの。このような細かな点が本当に素晴らしい。
白石峠のピークに到着すると気温は18度まで下がりました。今度はダウンヒルですが、対応温度帯の下限である18度でダウンヒルしても特に問題なし。このあたりの汎用性の高さもありがたい。登った後は下りが待っていますからね。
↑の画像ではベスト(AIRA VEST)を着ていますが、『もし寒かったら嫌だな』と念のため携行したもの。せっかく携行したのに使わないのはもったいない!という良く分からない理由で着用しましたので、ジャージが寒かったわけではありません。
ということで、この日は終始快適に走ることが出来ました。このジャージを着るために走りに行っても良いと思えるほど。
まさに全てのカステリジャージの上位互換。何か1着をお勧めしてくれと言われたら、私は迷わず『PREMIO EVO JERSEY』を勧めます。
■まとめ
カステリジャージの頂点です。高いフィット感と快適性、エアロと通気性、デザインの良さを兼ね備えたジャージです。前作から生地が変わり、性能が向上してEVOとなりました。
Climber’sジャージと同等に真夏に使える通気性がありながら、通年使える汎用性も持っています。価格が少々高いことが唯一の欠点といえば欠点ですが、セールやクーポンを上手く使っていきたいところ。
同じPREMIO EVOシリーズのビブショーツやグローブとカラーコーディネートが可能な点も個人的にはポイントが高いので、ぜひ揃えてみて欲しいところです。ビブショーツ、グローブも本当に素晴らしい完成度なので、ぜひセットで使ってください。
『PREMIO EVO BIBSHORT』『PREMIO EVO GLOVE』のレビューはこちらです。
快適かつ高性能なジャージが欲しい、という場合はこの製品一択ですので、興味がある方はぜひ。

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