さてブルベで使うライトについて、その2です。
今回は何のひねりも無く、キャットアイのライト編です。最初に買うライトを間違えて、後から更に高いライトを買い足した!という事にならないようにして下さい(笑)
■キャットアイの製品ラインナップ
ブルベで使えるであろう製品を紹介します。対象はこの5つです。
VOLT1700
まずはハイパワー・大容量モデルのVOLT1700です。当初は1200でしたが、その後1600になり、2017年8月に1700になりました。
まず200lmのローモードで15時間持続しますので、1晩であればランタイムの心配はありません。ダウンヒルの時など、必要に応じてミドルに切り替えることも可能です。500lmもあれば十分過ぎます。スペック的には全く問題ありませんが、重量が256gと重いことと本体が大きいという物理的なデメリットがあります。ハンドルバーのセッティングに余裕が無い人は辛いかも。あと、高い(笑)
VOLT800
一番バランスの取れたライトでは無いでしょうか。実勢価格10,000円ちょっと、重量も軽め。ローで8時間とありますが、実際はもう少し持続すると思っています。これを2つつけて、予備バッテリーを持つ。これで200lmで約18時間持続する計算になります。VOLT1700よりも持続時間は長いですし、VOLT800+予備バッテリー(約70g)の合計重量の方が軽くなります。
その上、スリムなので取り付け場にはあまり悩まずに装着出来ます。同じライトを2つ運用すると、ランタイムも同程度になるので管理が楽です。
予備バッテリーについては、通勤用などでVOLT400や300を使っている場合はバッテリーがVOLT800用として共用出来るので大変便利です。追加で買わずに済みます(ただしVOLT400用の予備バッテリーは容量が少ないので注意)。私はこのVOLT800の2灯体制にしています。
VOLT400・400DUPLEX(デュプレックス)
その名の通りVOLT800の明るさ半分のモデル…と言いたいところですが、ミドルとローモードでは明るさ1/4になっています。VOLT800で200lm・8時間持続するのに慣れてしまうと、同じく8時間もつとは言え、ミドルモードの100lmはちょっと物足りない明るさ。
DUPLEX(デュプレックス)は後端に赤いテールライトがついておりヘルメットに装着することを想定している製品です。ですが良く見ると、400よりも微妙にスペックが高いです。前後ライトを両方点灯することを想定してバッテリーの容量が2割ほど増えた仕様になっているためですね。同じミドルモード・100lmでも、こちらの持続時間は10時間。一晩いけるスペックですが、やはり100lmなので状況によっては明るさ不足の場合があります。
しかしノーマルVOLT400とDUPLEX(デュプレックス)との価格差はわずか500円。VOLT400を買うのであれば、テールライト機能を使わなくてもとりあえずDUPLEXを買っておいた方が良いのでは…?ちなみにDUPLEXには通常のライトマウント(フレックスタイト)は付属せず、ヘルメットマウントのみが入っていますのでご注意。
GVOLT70
2019年に出た新たなモデルです。対向車を幻惑させないように、配光に規制のあるドイツで販売されているモデルが逆輸入されました。GはGermanyのGです。VOLTという名称が入っていますが従来のVOLTとはかなり路線が異なります。
- 下吊りモデル
- バッテリー交換不可
- レンズにより配光が工夫
バッテリーがカートリッジ交換式でなくなりましたが、VOLT800と同じ200ルーメンのミドルモードの場合にVOLT800よりも持続時間が1.5時間長くなっています。600kmブルべで早速テストしましたが、徹夜で走るには持続時間が足りませんが宿に数時間滞在する前提であれば9.5時間で十分足りました。バッテリーの容量はVOLT800と同じ3,400mAhなのに持続時間が長いのは、LEDや回路の性能向上によるものなのでしょうか。
また配光ですが、上下がカットされて中心部分だけが幅広く、かつ(200lmの割には)明るく照射されるのは本当でした。上下カットされた分が中央に集まっている感じです。かつての名機HL-EL540を髣髴とさせます。明るさの性質としては非常に優秀で、街頭なぞ皆無の夜中の峠道を明るく照らしてくれました。個人的にはVOLT800よりも気に入りました。
唯一の難点はバッテリーがカートリッジ交換式では無いこと。しかしVOLT800よりも圧倒的に価格が安いので、2個持つという選択肢も十分アリでしょう。ぶっちゃけ2個持つ運用にすれば、ハイモード(260lm・7時間)で運用が出来てしまいます。
ということで、まずブルべ向きのミドルモード(200lm)で9.5時間持続するというのは、看板に偽りなしです。ただし当然バッテリーは劣化しますので、1年後は9.5時間の持続時間は期待出来ないでしょう。また200kmや300kmで使う分には問題ありませんが、400km・600kmの場合に徹夜で走る、道の駅で30分しか仮眠しないという人には持続時間が足りません。
この場合、諦めてカートリッジ交換式のVOLT800あたりを採用するか、2個持ちということになりそうです。モバイルバッテリーから給電しても良いですが、雨の日には出来ない方法です。この辺りを考慮して、VOLT800でいくかGVOLT70でいくか大いに悩んで下さい。
まとめ
ざっくりと紹介しましたが、最初はとりあえずVOLT800×2を選んでおけば良いと思います。キャットアイの製品であれば、どれも防水に関する信頼性も高く、(ブルベ的な)少々の雨では問題ないことは幾多のランドヌールによって実証済みです(ただし逆さ吊りして使用すると水没リスクは高まると思います)。またバッテリーカートリッジも800と400で共用(バッテリー容量は異なりますが)出来るのが便利です。交換も簡単ですし。
ちなみに800+400という組み合わせも、あまり山奥に行かなければ問題ないかもしれませんが、いずれ800が欲しくなる可能性が大ということを覚えておきましょう(笑)
以前はそもそもVOLTシリーズが無かったので、100lmくらいでも『明るい!』と喜んでいましたが、一度200lmを経験してしまうと100lmでは物足りなくなってしまうものなのです…。