ディスクロードは本当に普及するのか?主要メーカーのディスクロード一覧2019【cannondale(キャノンデール)編】
各メーカーの2019モデルのディスクブレーキの推移を確認するエントリの3弾。キャノンデールです。
■SystemSix(システムシックス)はディスクブレーキのみ
ここもアメリカ3大メーカーの1角ですが、トレック・スペシャライズドと比べると少々規模に劣ります。そのキャノンデールの今年の目玉は、ようやくエアロロードの『SystemSix』を出してきたところです。このSystemSixって、以前もあったモデル名なのでもうちょっと何とかならんのか…と思ったのは私だけでは無いはず。この辺りをしれっと無かったことにしてくるのがアメリカメーカーなのか。
これでキャノンデールにも、エアロロードの『SystemSix』、オールラウンドの『SuperSix EVO』、エンデュランスモデルの『Synapse』と揃ったことになります。そしてSystemSixは例によってディスクブレーキのみの展開となります。
■2019モデル一覧
キャノンデールはそもそものモデル数が少ないので、単純にトレックなどとは比較出来ませんが、ディスクブレーキのモデル数は12。
あまり総花的でないラインナップなので、金額順ではなくモデル別に並べました。
・SystemSix、Synpse ⇒ ディスクブレーキ
・SUPERSIX EVO、CAAD ⇒ リムブレーキ
という棲み分けになっています。
Supersix EVOも脇役に?
昨年まではSuperSix EVOが看板モデルでしたので、EVOにもディスクブレーキモデルがあったり、デュラエースの完成車がありました。ところが今年からはディスクブレーキの設定が無くなるばかりか、デュラエースの設定すら無くなってしまい、完成車ではアルテグラから。2軍落ち感が激しいです。ただしSuperSix EVOには『カスタムラボ』というカスタムオーダーの仕組みがあるので、そこでデュラのモデルだろうが何だろうが好き放題に組み合わせることが可能です。
またシナプスについては、昨年はリムブレーキのモデルがあったのですが、今年からは完全にディスクブレーキのみ。SystemSixがリリースされて棲み分けが出来るようになったからでしょうね。やはり1つのモデルでディスクもリムブレーキも開発するのは負担が大きいのか。後は太いタイヤを履くのであればディスクブレーキということになってしまいますので、シナプスの方向性ともマッチしているのでしょう。
これからは油圧ディスク+電動シフト
各社(と言ってもアメリカの3社)を見ても分かるように、ハンドルからフレームまでのデザインを統合して、トータルでデザインして空力を向上させる取り組みが当然となってきました。
一般ユーザーからすると他社のハンドルが選べないとか、気軽にポジションを変えたくてもやりづらいとか色々デメリットもあります。しかしシフトの電動化と油圧ディスクブレーキ化によってケーブルのフル内装が容易になり、デザインの自由度もあがりました。今後は更に洗練された形状になっていくと思われますし、最上位モデル以外にもノウハウを展開して、どうセールスしていくか?という戦いになっていくのではないでしょうか。ポジションの定まっていないユーザーにはステム一体型のハンドルは敬遠されるでしょうから、この辺をどうアレンジするかですね。
レースの現場でどのようになっていくかはまだ分かりませんし、コルナゴやピナレロ他のメーカーの考えもあります。
ちなみにキャノンデールによると、エアロの効果で5%前後(ライダーの脚力による)の登りであれば、SystemSixの方が速度が出せるそうです。またホイールもかなり幅広なのが特徴。スペックを見ると内幅はなんと『21mm』。何とこれに23Cのタイヤを履かせて26mmにすると書いてあります。これで乱流の発生が抑制され、空力が向上するんですね。
単純にワイドリムだったりフレームのエアロ化が進むと、多少ではありますが重量増になります。結果的には空力の向上で速く走れるという事なのですが、巡航速度が30km/hそこそこの一般人には恩恵が少なさそうです。何時間でも40km/hで巡航出来ますという人はぜひとも買うべきと思いますが、そうでなければ重量増の方がデメリットになりそう。
ただ、MadoneにしてもSystemSixにしても見た目は非常にカッコ良いのは間違いありませんので、買いたい人は買うと宜しいかと思います(笑)