【レビュー】加湿器の最適解、ダイキン『MCK70Y(MCK70Z)』
ダイキンの加湿器『MCK70Y』を買いましたのでレビューします。MCK70Yは2022モデルです。2023モデルはMCK70Zとなります。違いは電源プラグの形状程度となっており、ほぼ同じモデルです。
※ダイキンの分類では『加湿機能が付いた空気清浄機』です。
MCK70Yは2022モデル、MCK70Zは2023モデルです。主な違いは電源プラグがL字になっているかどうか程度で、ほぼ同一モデルです。
■総合評価
- 空気清浄機と一体になったことで、様々なメリットを生み出している
- 電気代以外のランニングコストがほぼかからず、手入れも楽
- 価格は高いが、2~3年で確実に元が取れる
ダイキンが販売する空気清浄機に加湿機能がついた製品です。私は加湿器として購入しました。空気清浄機能はおまけと考えていたのですが、加湿器と合体してスペースが削減出来るだけでなく、手入れが楽などの『一体化』ならではの色々なメリットを生み出している優れた製品です。
■購入動機
加湿性能と電気代の安さ、手入れの簡単さを求めてたどり着きました。空気清浄機もセットになっているため価格は高いですが『リビングで使える加湿性能・電気代の安さ・手入れの簡単さ』の全てを満たしているため、コストパフォーマンスの良さでは大変満足しています。
冬場は湿度が低いと寒く感じるため、加湿器も重要です。我が家は現在住んでいる家を新築で建ててからの15年間で以下のような加湿器遍歴をたどってきました。主に電気代の安さと、ある程度の空気清浄も出来るという点から気化式が多かったです。
- 1台目:ボネコの気化式。大きなディスクが21枚付いており、気化式としては加湿能力が高い。デザインも良い。21枚のディスクの掃除が恐ろしく大変だった。
- 2台目:ボルネードの気化式。使い捨てのフィルターを使うタイプでした。掃除は簡単で加湿能力も不満は無かったのですが、やはりフィルターのランニングコストが年間で1万円ほどかかるのがネックだった。
- 3台目:象印のスチーム式(電気で強制的に水を沸かして加湿する)。気化式の手入れの面倒さとフィルターのランニングコストに嫌気がさして導入。気化式では、原理からしてある程度の湿度(50%位)に達すると加湿能力が弱まる。スチーム式は水を沸騰させるので湿度に関係なく強制的に加湿する(ただし電気代がかかる)。湿度が高くなれば体感温度は高まる(同じ室温でも暖かく感じる)ため暖房代を減らせると思ったこと、フィルター代がかからない、掃除が楽な点がメリット。フル稼働させて湿度を60%に保つと非常に暖かかく、手入れも楽で快適だったが、気化式のフィルター代よりも電気代がかかった(笑)
そして4台目となるダイキンの加湿器ですが、気化式のデメリットだった『手入れが面倒』『ランニングコストがかかる』を克服している大変優秀な製品です。
■製品概要
『MCK70Y(MCK70Z)』の製品概要を紹介します。
スペック
まずはスペックです。
- 適用床面積の目安:31畳
- 風量:7.0㎡/分
- 加湿能力:700ml/時
- 寸法:幅315mm×奥行315mm×高さ760mm
- 重量:12.5kg
- タンク容量:3.4L
- カラー:ホワイト、ブラウン
- 電気代の目安:1日あたり約9円(加湿空気清浄モードで弱運転の場合)
適用床面積が31畳と非常に広いことが特徴。また設置面積は約30cmの正方形なので、場所をとらないこともポイント。縦に長い構造なので体積は大きいですが、縦方向に大きい分には(リビングや寝室に置くのであれば)特にデメリットは無いと思います。
また気化式に共通の特徴として1日あたりの電気代が低いことが挙げられます。ダイキンのカタログには上記の通り1日あたりの電気代は約9円と謳っていますが、これは弱運転の場合であり、ターボにすると1日あたり約62円かかる計算です。
※地域によって電力の単価が異なるため金額は目安です。ダイキンのカタログでは『電力料金目安単価31円/kWh』となっています。
外観
外観です。カラーはブラウンにしましたが、どう見ても黒っぽいグレーです。高さは76cmありますので結構な存在感ですが、突起物などは一切なく非常にスリムです。
上部には操作パネルと風向きを調節するためのフラップがあります。
下側にはフィルターを装備。下から吸って上から加湿した空気を出す構造です。
サイドにはお手入れの目安を示すガイドつき。助かりますね。
中の構造
続いて中を見ていきます。まず水を貯めるタンク部分です。パッと見はタンクと分からないデザインになっています。ただし水の減り具合が見えないという欠点もあります。
一番上の取手部分にボタンがありますので、押しながら手前に引くとタンクが出てきます。この状態で直接水を注いで補給することも可能ですし、取り外してキッチンのシンクなどで一気に補給することも出来ます。
タンクは1箇所のフックで固定されています。
外す場合は指でフックを下げてあげると簡単にタンクが外れます。
タンクを外すと、水トレーと加湿フィルターが現れます。加湿フィルターは通常の使い方なら10シーズン交換不要となっています。
水トレーは、少し持ち上げて手前に引くと簡単に外れます。手入れも楽です。気化式では水トレーの掃除が大変でしたが、この製品はほとんど汚れません。理由は後ほど。
水トレーを外すと、その下には脱臭フィルター。このフィルターは交換不要となっています。恐らく活性炭ですね。
脱臭フィルターの下は、TAFUフィルターが鎮座。こちらも10シーズン交換不要とのこと。
上記2種類のフィルターや加湿フィルターは、それぞれ袋に入った状態で届きます。使用開始前にはそれらをセットする必要がありますが、順番に置くだけなので難しくはありません。
TAFUフィルターの更にその下には、ファンが吸い込んだ空気の吹き出し口があります。
■レビュー
購入は2022年12月。約2ヶ月ほど使用しましたのでレビューです。
空気清浄機との一体化
最大の特徴として、空気清浄機と加湿器が一体化している点が挙げられます。加湿だけでなく、花粉、ウイルス、カビ、ホコリなども除去します。両方を買う必要が無いのでコストが削減でき、スペースも節約出来る点は非常に嬉しいポイントです。
また単に一体になっているだけでなく、次に挙げるように相乗効果もあります。
手入れの頻度が低い
気化式にも関わらず手入れの頻度が非常に低いです。他の気化式加湿器を使えば分かりますが、気化式の製品は『MCK70Y(MCK70Z)』でいうところの『水トレー』が非常に汚れます。ところがこの製品は意外なほど汚れるのが遅いのです。これは空気清浄機と一体になっていることによる大きなメリットです。
通常の気化式では、ファンが吸い込んだ空気やほこりなどはフィルターやディスクに付着し、それらを経由して水トレーに汚れが移ります。むしろそれが目的なのですが、その汚れを元に細菌が繁殖して、ちょっと掃除をさぼるとにおいを発するようになったりします。
ところがこの製品は、吸い込んだ空気が水トレーに届くまでの間に実に3つのフィルターを通過しています。『空気清浄機で徹底的に綺麗になった空気』で加湿するため、水トレーが全くと言っていいほど汚れません。汚れようがない。
ちなみにマニュアルでは、水トレーは1ヶ月に1度の水洗いとなっています。一応マニュアル通りに洗っていますが、これまでの気化式の製品とは次元の違う汚れなさです。2ヶ月に一度で良いのでは?と思うほど。
水道水に含まれる不純物の蓄積は防ぎようがないので、面倒でなければ2ヶ月に1度程度はクエン酸に漬けた方が良いとは思います。
この点は本当に買って良かったと思う点です。気化式の弱点を克服した商品です。
加湿力が高い
1時間あたり700mlという加湿力です。ファンのパワーが強く、背が高いため効率よく加湿出来ることと相まって、一定の湿度キープがしやすいです。料理で換気扇を使っても一定の湿度キープが容易です。
ランニングコストが安い
初期投資はかさみますが、ランニングコストがかかりません。
私の場合、気化式の1台目はボネコを使いましたが手入れの面倒さに3年で挫折。次はフィルター式のボルネードにしましたが、1セット3千円のフィルターを1シーズンに2~3回交換せねばならず、コストの高さに挫折。象印は電気代がかかることを覚悟の上で買いましたが、電気代の急激な高騰により挫折。
ダイキン『MCK70Y(MCK70Z)』の場合は手間もコストも不要です。3千円のフィルターを(汚れを我慢して)シーズンに2回交換したとしても6千円。3年で2万円ですから、MCK70Yを長く使った方が間違いなく安いです。もちろん気化式なので、電気代も1日数十円。
サーキュレーターとしても使える
背が高く、風量も強くすることが可能なのでサーキュレーターとしても使えます。むしろ空気を積極的に攪拌した方が、空気清浄機のフィルターが効率的に汚れをキャッチ出来るとも言えます。
スマホから操作可能
wifiで通信する機能を備えており、ダイキンのアプリを入れるとスマホから操作したり、部屋の状態を確認することが可能になります。水タンクが空になった場合もアプリに表示が出ます。
風量や運転モードは頻繁に変更するものではないと思いますが、水タンクが空かどうかが分かるのは便利です。
■まとめ
最初は『加湿器に空気清浄機をくっつけてみました』程度の商品と思っていましたが、3重のフィルターを通った後の空気で加湿するため加湿フィルターや水タンクが全く汚れないという素晴らしいメリットを備えた製品でした。
『水タンクの清掃は月1回』『加湿フィルターは気になった時だけクエン酸で洗浄』などメンテの手間が少ないことをアピールしてはいますが、メーカーの宣伝するうたい文句ですから話半分で捉えていました。ところがこれらはあながち間違いではなく、本当に手入れの頻度が少ないのです(パーツの中には『10年交換不要』というものもあるので、本当に10年も大丈夫なのかは10年経たないと分からないのですが…)。
もちろん色々な理由で埃が多い(家の広さやペットの有無など)などの環境ではメンテの頻度が高まるケースもあると思いますが、我が家も家族が多い(6人)家ですので、参考にはなるのではないでしょうか。
ダイキンの製品にはいくつか種類がありますので、気になる方はニーズに合わせてぜひ試してみてください。
・除湿もついた最上位機種『MCZ70Z』
・今回紹介した『MCK70Y(MCK70Z)』※MCK70Zは電源プラグがL字の2023モデル
・加湿能力が少し弱めの『MCK55Z』