【2023PBP走行記 その8】PC4:LOUDEAC~補給ポイント:Saint-Nicolas-du-Pélem(482km)まで
PBPの走行記録その8です。今回はPC4のルデアックを出て、補給ポイントのサンニコラまで。ようやくまとまった仮眠ができます。前回(その7)はこちらから。
■補給ポイント:Saint-Nicolas-du-Pélem(482km)まで
次は47km先のサン=ニコラ=デュ=ペルム(以下、サンニコラ)を目指します。ルデアックの出発は19:20。暗くなるのは21:30あたりですし、2時間半もあれば到着できそうです。到着予想は22時。
コースプロファイルは以下の通り。サンニコラは補給ポイントなので、PC5であるカレーまでのルートになります。13kmあたりに丘があり、その後は下り。再び丘を登るという相変わらず平坦が一切ないコースプロファイルです。
ルデアックを過ぎて、2日目の夜。私は遅い時間スタート(グループQ)だったため初日の昼間は睡眠十分。初日の夜はヴィレンヌで1.5時間の仮眠で済ませています。
そうは言えどもサンニコラまでの480kmにおいて1.5時間の仮眠しか取っていない状況です。サンニコラに順調にたどり着いて仮眠時間を確保、3時間程度の睡眠を取れるかどうかで、以降の走行において眠気に支配されないかどうかが変わってくると考えています。
とにかくブレストまでは15km/hという(私にとっては)ハイペースで走る必要がありますので、3日目に眠気を残さないことが最重要。
そしてサンニコラに向けて走り出しますが、細かいことは覚えていません…。先ほど書いた『丘』も覚えていません。PBPのコースはとにかくひたすらなだらかなアップダウンが続くので、印象に残らない。しかし夕暮れ前に15さんと一緒になったことは鮮明に覚えている。フランスで会うたまがわジャージ(実はたまがわジャージでは無かったらしい…記憶障害ですね)…なんと心強いことか。
会話の内容は『常に誰かとパックで走れるから、PBPってめちゃくちゃ楽だね!』というイキった内容でした。完走できて良かった…(笑)
これは21:30に撮影した夕陽の様子。
シークレットに到着
そしてこの写真を撮った3分後、唐突にコントロールが現れます。距離的にサンニコラに到着したのか?と思いましたが、サイコンの距離と合いません。施設の様子もシンプルで、どう見てもレストランなどは無い。
とにかく入口にいるスタッフに誘導されるまま敷地中に入り『ここはサンニコラか?』と尋ねると『違う、xxxだ』との回答。地名を言われても分からん(笑) とにかくシークレットということは分かる。とにかく導かれるまま駐輪してコントロールへ。ブルべカードを出してスタンプをもらいます。
これまでの開催ではサンニコラがシークレットも兼ねていたそうでしたが、今回はどうやら機能が分離した模様です。
このサンニコラのたった5kmほど手前にある街がどこなのか分かりませんでしたが、帰国後に『Canihuel(カニユエル)』ということを理解しました。
ちなみにこのカニユエル到着は21:20。ここではバントゥさんに会いました。この施設は本当にコントロールのみが設置されており(トイレくらいはあると思うが)、他にやることは無いので手短に離脱。道中で他の日本人の方と何度かサンニコラについて会話が出ましたが、サンニコラと距離が近すぎるたことと、事前情報が全くなかったため(シークレットなので当然ですが)、サンニコラとは別の街ということが理解できていない方が何人かおられました(復路のプレバンも同様)。
理解出来ていなくても、トラッキングを済ませブルべカードにスタンプがあればそれで良いのですが。
サンニコラに到着
その20分後、無事に21:40に482km地点のサンニコラに到着です。何とか薄明るい時間に到着!これでまとまった仮眠ができます。計画比で2時間、クローズタイムまでには6時間の貯金があります。
まずは仮眠
ここは補給ポイントなので、停車せずスルーする人も明らかに多い。次のカレーまでは33kmしか無いですしね。逆にその過疎ぶりが快適だという事前情報でしたので、私はここで大休止をします。『普段の生活リズムを守って、0時までには寝る!』という私と、『走れる時に走っておく!』という15さんとは残念ながらここでお別れしてしまいました。どちらもブルベの走り方として正しいと思います。
自転車をラックに停めて、サコッシュに必要なものを詰めて仮眠所へ…と言いたいところですが、仮眠所の位置が分からない。印刷して携行しているbaruさんのPC配置図を見ると、何やら入口付近に仮眠所はある…と記載されています。ちなみにここは中学校を利用した施設となっています。
しばしウロウロすると、仮眠所(体育館が使われていた)は駐輪場やレストランなどがあるメインの敷地(校舎の前庭のような場所)の手前にありました。そのため、私は体育館の存在を認識できていなかったのでした。
改めて体育館に行くと、入り口にある小さなスペースにテーブルが2つ。ここで仮眠希望者の受付を順に行っています。小さな街なのでルデアックのようにオペレーションがこなれていない様子ですが、並んでいる人も5人程度。大人しく並んで受付の順番を待ちます。
ここでは体育館にシャワーも併設されており、同様の他の仮眠所同様に『シャワーのみ』『仮眠のみ』『シャワーと仮眠』の選択肢を受付で伝えます。
もちろん価格はそれぞれ異なっており、シャワーと仮眠をセットにすると1ユーロ程度安くなった記憶があります。私は両方希望でしたので、確か7ユーロ程度だった気が。受付で時計の針を動かす例のアレを使って意思疎通、3時間後に起こしてくれとオーダーします。もっと寝たいのが正直なところですが、私は起きた後に少しだけゆっくり食事もしたいし、トイレも済ませたいのです…。
ちなみにシャワーは『douche』、仮眠は『couchage』というフランス語で通じます。『shower』や『Bed』も高確率で通じません。
費用を払うと担当者がアテンドされ、割り当てられたコットに案内されます。コットを確保すると次はシャワー。体育館の中にあるので移動が便利です。聞いていた通り人が少ないのでシャワールームも空いています。お湯が出るシャワーが1つだけだったのですが、たまたま空いていたので使わせていただく。残念ながらソープの類は無かったので、念のため携行していたこれを満を持して使用。
ボトルがやたら大きいので、本体は日本に置いてあります。中身をジップロックに小分けにしていたものを携行していますので、そちらを使用します。洗髪できるほどの量は持っていませんでしたが、体を洗うには十分。
使っていると、隣にいたアメリカ人が『なぜお前はソープを使っているのだ?』という顔をしていたので、残りを分けてあげました。
シャワーが終わると例の不織布の様なタオルで適当に拭く。シャワールームから10秒歩けばコットに着くので非常に効率が良い。ちなみに仮眠所はこのようなところ。
体育館をフルに使ってコットが多数並べられているのですが、4割程度しか埋まっていない。ルデアックは収容人数を増やすために2つのコットを隣接させて設置しているのですが、こちらはスペースに余裕があるので快適です。それではおやすみなさい。
食事
そして3時間後。元気になった気がするのでまずは食事。深夜1:30という時間ですが、カフェとレストランはどちらも普通に稼働しています。レストランもカフェもガラガラでしたが、それならばレストランを選択。チキンとパスタ、定番の人参サラダ。
食べ終わった後、トイレや歯磨きを済ませているとbaruさんと遭遇。どうやら胃の調子が悪いらしく、『胃薬を持っていないですか?』とのこと。どうやら手持ちの胃薬では対応できないタイプの症状のようです。残念ながら私は胃薬を飲んだことがほとんど無いため、そもそも携行していません。残念ながら力にはなれず。。。
そしてレストランで食事をしたにも関わらず小腹が空いて、ミネラルウォーターを買うついでにカフェでバナナも購入。それと何故かノンアルコールビールを飲んだ記憶があります(笑)
ノンアルコールと言いつつ、表示を見るとアルコールは1%という何とも絶妙な度数だったのですが。そこそこ美味しかった。隣にいた日本人の方から『それはビールですか??』と聞かれてしまいました。
その9へ続く。