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【2023PBP走行記 その9】補給ポイント:Saint-Nicolas-du-Pélem~PC6:BREST(604km)まで

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PBPの走行記録その9です。今回は補給ポイントのサンニコラを出発し、604km地点のPC6、ブレストまで。いよいよ折り返しです。前回(その8)はこちらから。

■PC5:CARHAIX(515km)まで

さて3時近くまでサンニコラに滞在し、ようやくカレに向かって出発。区間距離は33km。計画では5:20(クローズタイムは6:18)に到着することになっていますので、計画比で1時間程度の貯金ができそうです。

この区間は夜中でしたので写真はなし。1人で走っていましたが、後ろから大柄な人が良いペースで追い抜いてきます。『少しオーバーペースかも』と思いましたが、後ろに付かせていただくことにしました。

そのまま数キロをハイペースで一緒に走らせていただき、途中で先頭交代。これまでほどのハイペースでは走れませんが、カレまでは残り数キロといったところだったので真面目に踏んで前を引かせていただく。

カレに到着

そして無事にパックのままカレに到着。てっきり海外の方かと思っていた(暗くて顔は良く見えず、体格も非常に立派な方だった)のですが、会話をしたら実は日本人だったというオチで、沖縄から参加されているとのこと。大変失礼いたしました…。

PBPの準備編記事で何度も書いていますが、PBPでは夜間の気温が5度まで下がることがあるため、冬用ウェアを準備する必要がありました。ところが沖縄では冬でもタイツなどは使わないそうで、PBPのためだけに防寒装備を通販で購入したとのことでした。東南アジアやインドからの参加者と同じ苦労をされていますね…。

カレの到着は4:25。予定通り1時間半での到着で、計画比で1時間、クローズタイムまでにに2時間の貯金です。

食事

ここは駐輪場の中央に大きな照明が設置されており、ちょうどその真下に自転車を停めることが出来ました。明るいと荷物の出し入れが楽です。

コントロールでチェックを受けたら、まずは食事。サンニコラでも食べたばかりですが、ここでも食べます。なぜなら次のブレストまでの区間距離は89kmもあるためです。

なぜか食事の写真が無いのですが、ここカレでは各テーブルに調味料が設置されており非常に助かります。夜中でも気温が15度くらいあるため、塩分補給が非常に重要です。塩タブレットも携行してマメに摂取していますが、とりあえず食事にも塩をかけておきます。

明け方のため、レストラン周辺の床は死屍累々。特にカレの仮眠所は妙に離れた場所にあるため、30分程度の仮眠で良いのであればそこらの床で寝た方が効率が良いのでしょう。

■PC6:BREST(604km)まで

いよいよ折り返しのブレストへ向けて出発です。カレの出発は5:30、1時間滞在したもよう。当初の計画ではPCの滞在を40分と見積もっていましたが、これはカフェでバゲットだけ食べるという前提での見積でした。レストランで食事をすると当然ながら40分では無理ですが、レストランで食べて1時間なら妥当だと思います。

その代わりにPC間では補給が不要になる程度のカロリーを摂取する必要があるのですが、ここは自分はどんなスタイルで走るのかという判断になってくると思います。

私はマクドナルドがどこにあるとか、パン屋がどこにあるとか細かいことは考えず、PCでの食事が合っていたためPCのレストランでの食事がメイン。道中はトレインに乗って速度を向上させるという走り方に収束していきました。

いよいよブレストへ

カレを5:30に出ましたが、フランスに朝が訪れるのは7時くらい。6時に撮影したブレブレの写真を載せておきますが、真っ暗です。

コースプロファイル

話が前後しますが、カレ-ブレスト間のコースプロファイルは以下の通り。この区間はPBPで最大の峠っぽい登りがあります。標高はたったの350m程度ですが、Roc’h Trevezelと言う山を越えます。

250m程度の標高を、登りも下りも20kmくらいかけて通過するというマイルドな山です。斜度1~2%程度の登りだとアウターで登っていくため意外と辛かったりするのですが、下りは非常に良心的。日本の峠のように『1時間かけて登ったのに下りは10分』ということがありません。

下りでも信号も無く道は直線で見晴らしがよく、信号も無いためブレーキも使わず、位置エネルギーを無駄にすることなく、PBPの良心を感じることができます。

最高標高地点への登り

さてカレから約40kmの地点のある最高標高地点を目指してひたすら登っていきます。ここでも脚の合う海外勢と適当にパックになって進んでいきます。一旦パックになって調子よく進んでも、斜度の変化する地点で脱落する人が出たり、むしろ加速する人がいたり、補給のために停止する人がいたりで、そこまで安定したものではありません。

とにかく登りが長いので、皆さん抑え気味に進んでいきます。私もあまりの登りの長さに、あと1kmで最高標高地点という場所で疲労に耐えかね、自転車を降りてストレッチをしてしまいました。

そしてカレを出て2時間後、ようやく最高標高地点に立つという電波塔の見えるところまでやってきました。この辺りが峠のピークです。撮影時刻は7:31。ほぼ登りの40kmを2時間で走ったら上出来ではないでしょうか。

ピークには噂に聞いていたキャンピングカーの私設エイドが出店していましたが、補給という気分でも無かったのでスルーしてそのまま下りへ突入。この辺りは日本で言うと森林限界を超えた景色のようで高木が生えておらず、非常に見晴らしが良い。しかしダウンヒル中に走りながら写真を撮るわけにもいかず、効率を優先して『停車してまで写真を撮らない』という縛りも課していたので、ここでの景色は記憶にとどめるのみとします。

ここからの下りは前述の通り非常に位置エネルギーを無駄にしない非常に良心的な下りであるので、アベレージがどんどん回復します。標高なんてたったの350mしか無いのに、下りの距離が20kmもあるなんて。この様な良心的な地形が日本にあるだろうか。

カフェで休憩

さてブレーキを使わないと言いつつ、この峠からの下りは寒かった。重力に任せて下ると寒いので、調節しながら下っていく。たったの標高350mなのですが、湿度の低さゆえなのでしょうか。

しばらくすると緊張感の低下からか、眠くて仕方がない。サンニコラで3時間も寝たはずなのに…。

カレを出てから54kmあたりにあるシジュンという街に早朝から営業しているカフェがあり、次々にランドヌールが吸い込まれていくため私も停車。画像のカフェは自転車ファンにはお馴染みの『フランセーズ・デ・ジュー(FDJ)』のロゴがあってポイントが高い。『フランセーズ・デ・ジュー』はフランスの宝くじ販売の企業で、ベルギーのロットと同じです。カフェで宝くじが売っているのか。

絵になる海外のオジさま

コーヒーを飲みたかったので『cafe』と看板を出しているお店に入ると『コーヒーは品切れだ、クレープしかない』と言われたので諦めて道路を挟んで向かいの店へ。品切れなら看板を片付けてくれ。クレープも食べたかったけど、オーダーを受けてから焼くスタイルなので諦めました。

向かいのBarに入り、ようやくコーヒーをオーダーして生き返ります。美味しかった。

ランドヌールが続々とやってきて、コーヒーの他にショコラも食べたいとかワガママと言いまくるのに、更に毎日来ているのであろう地元のおっちゃんの相手もせねばならず、カウンター内のおばちゃんは非常に忙しそうでした。Merci beaucoup!

休憩中にも続々とランドヌールが通過していく。

街のはずれにあったブレスト行きの看板。停車して撮るほどでもないので、撮影する機会が中々ありませんでした。ブレストを過ぎると『Paris』に変わります。

シジュンを過ぎて、恐らくランデルノーという街。ブレストに近づくにつれ、街が大きくなってきます。

そしてこの区間でぜっとさんに会いました。久々にたまがわメンバーと会えて嬉しいですね、15さん以来です。しかし時間的に余裕が無いらしく、しばし並走するも、私に出来ることがあるわけでもなく。私も余裕があるわけではないので、先を急がせていただくこととしました…。申し訳ない。

実際に走ってから分かりましたが、ブレストの市街地は特に急峻な地形なうえ信号も多く、数キロとはいえ非常に速度が落ちる区間でした。ブレストの市域に入ったからと言っても、急ごうにも急げないのでこの区間はある程度のマージンを持って走る必要があります。

ブレストに到着

そして10:05、無事にブレストに到着!時刻は10:05。計画比で30分、クローズタイムまで約2時間の貯金です。この区間のアベレージはちょうど15km/hで、区間距離が90kmもあったのに貯金が増えていない。このグロスアベレージにはカレでの滞在時間も含まれているため、あれだけの登りがあっても貯金が減らなかっただけ良かったというべきか。

食事

まずは適当な場所に自転車を停めてコントロールへ向かいチェックを受けます。すぐ後からやってきたぜっとさんと合流してレストランで10分ほど並んで食事。ここでトリさんと会ったような記憶があります。

またカレに90km走って戻らねばならないために、私はガッツリ食べたかったのですが、レストランのA4手書きメモみたいなメニューが良く分からない。とりあえず最も高価(確か5ユーロくらい)なメニューをオーダーしておけば良かろうと思ったら、それはバゲットとバナナ、ヨーグルト+コーヒーというモーニング的なメニューでした。

これではカロリーが全然足りないのでどうしたものかと思っていると、ちょうどyoshiさんがやってくる。yoshiさんはいつものパスタ+肉というプレートを持っており、どうやってオーダーしたのか?と聞くと、あのメニューの一番上に小さな文字でプレートと記載されていたとのこと。

結局、改めて並び直してプレートを注文し直すことに。20分ほど消費してようやく食事にありつきます。ぜっとさんを付き合わせてしまって本当に申し訳なかった。ありがとうございました。

食後はぜっとさんとお別れし、歯磨きとトイレを済ませ、サプリを飲んで水を補給。忘れずにアルコールシートで股を拭きプロテクトJ1を塗り直しておきます。600km走りましたが、今のところ股の不調の気配はなくこの方法は有効のようです。

カレへ向けて出発

ブレストには都合2時間も滞在してしまい、12時前にようやくリスタート。朝までいたカレにまた戻るわけですが『朝にいた場所にまた行くの?』という気分で、テンションが低い。気温も既に25度を超えていて暑いし。

しかし復路はコースが異なっており、海が見える(ブレストは、大西洋からはブレスト海峡によって隔てられている湾(Rade de Brest:ラド・デ・ブレスト)に面しているので、見えるのは恐らく大西洋とは呼ばれない海)のと有名なプルガステル橋を渡ることが若干のモチベーション。

本日の予定は、180km先…782km地点のルデアックに日付が変わる前にたどり着いて仮眠をすること。まずは697km地点のカレまで戻ります。貯金を減らしてしまいましたが、ここからは要求されるアベレージが緩和されるのでクローズタイムに間に合わないということは無いでしょう。

その10へ続きます。

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当サイトは自転車関連のパーツレビュー、ブルべの走行記録を中心としたブログです。
管理人は40代のロードバイク乗り。20年前にCannondaleのCAAD3を買って以来、Cannoncdaleばかり乗り継いでいます。 昔はメッセンジャーやレース、今はロングライドとブルベ中心。ブルべの主担当もやります。
年間走行距離は約10,000km。身長170cm、体重57kg。
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