【レビュー】軽さと快適性を両立したOGKのヘルメット『FLEX-AIR』
2023年10月に発売されたOGKのヘルメット『FLEX-AIR』を買いましたのでレビューします。前作の『FLAIR』よりも重量は増えましたが、IZANAGIと同じ調節機構を備えつつ、かなりの軽量化を果たしています。
■総合評価
- FLAIRの後継モデル、軽さはそのままで調節機構が充実
- 持った瞬間に分かる軽さ、首への負担が少ない
- 独特の見た目は好みが分かれる
- パッドの無い独自の構造
2017年に発売された軽量モデル『FLAIR』の後継モデルです(FLAIRは2022年1月に廃番)。前作のFLAIRは軽量化にステータスを全振りしており、調節機構などが省略されていました。今回はしっかりと調節機構を備えながらも軽量化を果たしており、快適性と軽量さが両立されています。
■購入動機
現在使用しているヘルメットは、同じくOGKの『IZANAGI』です。2020年の夏に購入して、3年以上使用しました。
ヘルメットは紫外線などの影響で劣化するため、3年程度での買い替えが推奨されています。PBPも終わったし、新機材に手を出しても良いかと思ったことが1つ。また、IZANAGIの見た目もかなり劣化しており、かなりみすぼらしくなってしまったことが理由です。
例えば、この部分には『Kabuto』のロゴがあったはずなのですが…。初見ではロゴがあったとは分からないほどステッカーが剥落してしまっています。
そこで買い替えを検討したのですが、私の頭はOGKでないとフィットしないため、OGKのラインナップから選ぶことに。ちょうど新モデルとして『FLEX-AIR』がリリースされたので製品概要を確認すると、軽量モデルとのこと。長時間走り続けるブルべでは首への負担を減らすため軽さが重要ですから、購入することにしたのでした。
■製品概要
スペック
まずはスペックです。
- 重量:XS/S 185g、S/M 195g、L/XL 215g
- 価格:29,700円(税込)
- カラー展開:6色(2023年12月現在)
最小サイズのXS/Sで185gとかなりの軽量さです。今回は高級感のあるカラーや、上位モデルと同じ調節機構を備えており、価格も3万円弱となっています。立派な上位モデルの1つという位置づけです。
OGKの軽量ヘルメットの系譜
OGKには昔から軽量ヘルメットのラインナップがありました。1つ前は、2022年までラインナップされていた『FLAIR』。『FLEX-AIR』も同様のデザインを踏襲しています。更にその前は、2007年に発売された『MOSTRO』という軽量化ヘルメットの先鞭をつけたモデルがありました。
MOSTROは何回か改良されながらロングセラーモデルとなり、軽量モデルはOGKの得意カテゴリーの1つと言えるまでになっています。
ちなみにFLAIRはあごひもの調節機構を無くしたり、後部のアジャスターを簡略化したりと、軽量化に全振りしたモデルでした。参考までに、FLAIRとFLEX-AIRの重量は以下の通りです。
- FLAIR:S/M 170g、L/XL 185g
- FLEX-AIR:XS/S 185g、S/M 195g、L/XL 215g
サイズの基準が異なっていますが、最小サイズで15gほど重量が増加しています。FLEX-AIRでは各種調節機構が復活していますので、そこまで極端な軽量化に走らなくても…という判断なのでしょうか。
入手経路
こちらのヘルメットは、2023年12月現在では破損交換登録店でのみ購入が可能です。ネットでは購入が出来ません。
付属品
付属品の一覧です。定番のウルトラスウェットパッド、A.I.ネット、ウィンターインナーパッド、ノンスリップラバーが入っています。
ノンスリップラバーは、ヒルクラの際などにサングラスをヘルメットにかけることがありますが、固定力をアップするために使います。
細部の紹介
IZANAGIと同じ調節機構を備えながらも、細かな軽量化の工夫がなされています。
アウターシェルの肉抜き
このモデルのデザイン的な特徴でもあります。FLAIRと同じくアウターシェルに肉抜きがなされており、インナーシェルが見えています。
果たしてこれで何g軽量化されるのか明らかにはされていませんが、前作のFLAIRでは、約3gの軽量化に貢献すると記述しているブログがあります。
このデザインは好みが分かれるところかと思います。今回はダーク系のカラーが多くラインナップされているのは、目立たないようにする工夫でしょうか。私もIZANAGIではホワイトを買いましたが、今回は画像の通り『マットアクア』を買いました。
AIR FLOW PAD
もう1つの特徴でもある『AIR FLOW PAD』です。内部のパッドが軽量化のために省略されており、代わりにY字型のフレームが装着されています。
この機構の採用により、約2.5gの軽量化とヘルメット上部の気流確保がなされています。実際にかぶりましたが、このフレームがあるおかげでシェルに直接頭が触れることはなく、パッド無しの違和感は特に感じません。
ちなみにIZANAGIではしっかりとパッドが入っています。
各部の調節機構
ヘッドレストも、IZANAGIと同じものが装備されています。アジャスターもBOAダイヤルとなっています。
FLAIRでは廃止されていたあごの調節機構も復活しています。ちなみにあごひもの生地は、IZANAGIと比較すると薄いものが使われています。
■レビュー
実測重量
実測重量です。今回購入したのはS/Mサイズ。購入直後の状態で、公称195gのところ190gでした。
着用感
今回購入したS/Mは3つあるうちの中間のサイズです。私は割と頭が大きめなので大きなサイズを買うことが多かったのですが、今回はS/Mがジャストでした。L/XLは明らかに大きく、XS/Sは小さくて入りませんでした。
軽さを追求するなら横への張り出しを抑えたりして、コンパクトに作る必要がありますよね。IZANAGIもそうだったのですが、そのため気持ちタイトに作られているのではという気がしています。
重量については持った瞬間に分かるレベルで軽い。かぶっても本当に軽い。
私は冬場にキャップを被る人なのですが、もはやキャップと一体化して存在を感じないレベルです。ロングライドでは数日間に亘り乗車姿勢を取り続けることもありますから、シャーマーズネック防止のためにもヘルメットの軽さは重要です。首が疲れる自覚のある人は、ぜひ使ってみて欲しい。
私が使っていたIZANAGIのS/Mサイズの重量は225g。約30gの軽量化ですが、10%以上軽量になっているのですからそりゃ軽く感じるというもの。
あごひもやアジャスターをしっかり調整するとかぶり心地も快適です。この辺の調整は、体感的な重さに影響するので、面倒でもしっかり調整しましょう。
『至極のフィーリングを実現する』がキャッチコピーのIZANAGIからの移行ですが、軽量モデルだからといって特に違和感はありません。
ノンスリップラバー
最近のOGKヘルメットで、特にありがたいオプションがこれ。サングラス用のノンスリップラバーです。
ヒルクラなどで強度を上げると額から汗が目に入るほどしたたり落ちます。そのため拭う必要がありますが、サングラスが邪魔です。
そのためサングラスをヘルメット挿す人も多いと思います。しっかり挿しておけば落ちることはそうそう無いと思いますが、やはり心のどこかで落ちないか気になっていました。
これを装着しておけば固定力がかなりアップしますので、サングラスが落下する心配はほぼ無く、ペース維持に集中することが出来ます。
ただしIZANAGIでは高さ3mmと4mmの2種が付属していたのですが、FLEX-AIRでは軽量化のためか控えめな高さのものが1つのみとなっています。
■まとめ
FLAIRが廃盤になってから1年以上経過していましたが、ようやく出てきたOGKの軽量モデルです。
今回もシェルの肉抜きなど細かい軽量化の積み重ねで、期待に応える軽いヘルメットを出してくれました。FLAIRと比較するとフィット感の向上はもちろんのこと、冷却性能も向上しているとのこと。冷却性能については冬場では差を感じることが難しいので、夏場に期待したいところです。
性能の向上に伴い価格もそれなりの価格になっていますが『長く普段使い出来る軽量ヘルメット』として愛用していきたいと思います。
今のところ限られた店舗(破損交換登録店)のみで購入が可能です。破損交換登録店は、以下のOGKのサイトで確認することが出来ます。