【サイクルモード】ブルベを狙い撃ちにしてくる キャットアイの新型サイコン・アベントゥーラ(AVVENTURA:cc-gps200)
サイクルモードに出品されていたキャットアイの新型サイコン『アベントゥーラ(AVVENTURA:CC-GPS200)』が完全にブルベにターゲットを絞った製品でした(サムネイルが切れてますが、下記ツイートの3枚目の画像)。
キャットアイブースではSYNCシリーズの展示やアベントゥーラ(CC-GPS200)の参考出品も展示しております!
SYNCシリーズの展示ブースでは製品とアプリをお触り頂けます。 pic.twitter.com/EIuEveTeOQ— 株式会社キャットアイ (@cateye_jp) November 10, 2018
キャットアイから久々に出てきたGPSサイコンですが、最後発だけにさすが分かってらっしゃる。これは発売されたらそれなりに売れる(もちろん価格によりますが…)と思いましたので、紹介します。
■アベントゥーラのここが凄い
最長のバッテリー持続時間
なんと80時間も持続します。ぱっと見た第一印象は『デカい』『ごつい』『重そう』でしたが、同時に『これは中身のほとんどはバッテリーだ』とも思いました。形状は正に四角でキャットアイらしく無骨。大容量の角セルバッテリーに液晶をくっつけましたという形です(展示品はモックだったので、もしかすると18650かもしれません)。
割り切った機能
機能も至って普通です。従来のキャットアイのサイコンにGPS機能(久々ですね)を載せたものという感じです。実は80時間という持続時間はランドヌール的には非常に微妙でして、ちょうど来年開催されるPBP(パリ・ブレスト・パリ)の制限時間が90時間なのです。10時間足りません。PBPには他にも80・84時間のカテゴリもあるのですが、それでもカタログスペックの80時間ちょうどです。
キャットアイの説明員の方は、サイクルモードの会場で『うーん残念、10時間足りないけど?』と何度も言われたと思います。しかしそこはキャットアイもちゃんと分かっているようでして、『PBPって4年に1回しかありませんよね?』とのお返事。
またこのサイコンは走りながら(稼働させながら)の充電が出来ないそうです。そこも指摘を受けていましたが、『SR600(山岳ブルベの方)でも制限時間は60時間なんですよ?』との事。はい、おっしゃる通りです。
ターゲットをブルベを走る人に絞り、SR600の制限時間である60時間に対応していれば十分という判断で、PBPの90時間には対応せず、稼働中に充電する機能も採用しない。『とにかくこの製品は稼働時間重視で、機能の取捨選択をしっかり行っています』との事でした。機能を増やすと重量も消費電力も増えます。しっかりターゲットを絞った上で必要な機能だけ搭載するという『分かった製品づくり』には非常に納得出来ました。
■完全にランドヌールがターゲット
普通は80時間も必要ない
80時間という持続時間ですが、これはもうブルベ(分かりやすくするために、あえてブルベとしておきます)を走らない人には完全に過剰スペックです。こないだ私が買ったガーミンのEdge1030ですら、拡張バッテリー付けて44時間。それでも一体誰がこんな持続時間を必要としているんだ?という長さです。アベントゥーラに至っては更にその倍近い80時間。久々にキャットアイがGPSサイコンを出してきたと思ったら、このスペックです。
SR600が充電無しで走り切れる
そしてランドヌールですら、SR600を走らない限りここまで必要ありません(笑) 600kmの制限時間ですら40時間ですので、600kmを走った後に更に300kmとかを走れてしまいます。ちなみに他のブランドはどうなっているのかというと、
- レザイン:MEGA XL GPS…48h
- ガーミン:Edge1030…44h(拡張バッテリー込み)
- ブライトン:Rider410…35h
という感じです。ブライトンだと600kmの途中で充電が必要ですが、600kmの40時間あたりにターゲットを合わせて来ているのが分かります。普通はこれだけ持続すれば十分過ぎる訳です。逆に他社の40時間持続する商品が市場に出回っているので、今更ここに同じような商品を出しても差別化出来ないでしょう。
そこで次なるターゲットに設定したのが、SR600の60時間。これを充電無しで走り切れるのはかなり楽になります。キャットアイブースの説明員の方と会話した時は、SR600の60時間という数字も当然把握していましたし、SR600を何度も走っている三船さんの名前も出てきました。この辺を意識しているのは明らかです。
とにかくライトやらスマホやら、充電が必要な機材は沢山あります。仮に途中で宿に泊まるとしても、サイコンが充電の必要が無いというのはオペレーションが非常に楽になります。SR600以外にも、最近開催が増えている1,000kmであれば制限時間は75時間なので、それも充電無しでいけるようになります。これはすごい。2年くらい使い続けてバッテリーが劣化したら65時間くらいになってしまいそうですが、キャットアイならバッテリーだけ安価に交換してくれたりするかも…。
トラッキングの間隔が変更出来るらしい
更に便利なのが、この持続時間が設定により伸ばせる可能性があるということ。カタログスペックの80時間という数値ですが、これはGPSのトラッキング間隔を1秒に設定した場合の時間とのこと。ということは、この間隔を2秒や3秒に変更すれば、更に持続時間が伸びるということです。この設定機能が実装されるか分かりませんが、上記の会話をキャットアイブースでしましたので、それなりに期待しても良いのではないでしょうか(くどいですが、80時間も持てば十分ですけど)。
ということで、大容量バッテリーにおまけで液晶画面と基盤がくっついてきたようなアベントゥーラですが、発売されたら特定の人たちに大人気になるのは間違いなさそうです。機能もかなり割り切っていますので、そんなに高価になるとは思えません。出荷が待ちどおしですね。