【ディスクロード】シマノからカンパニョーロのローターに交換
さて早速シマノのディスクローターからカンパニョーロのディスクローターに交換してみます。他社製のローターに交換する場合の注意点も確認したいと思います。
カンパのローターのラインナップ、重量などの概要はこちらの記事から確認出来ます。
■取り付け
まずはフロントから
今回はフロント:160mm、リア:140mmのローターを装着します。これまでは前後ともシマノのSM-RT800の160mmを使用していました。まずは径の変わらないフロントから交換します。
交換の手順はスプロケを外す時に必要な工具(TL-LR15とモンキーレンチ)を使ってローターを取り外し、装着するだけです。
ただしDTswissのフロントホイールに限ってはTL-LR15が入らないので、TL-HG15というディスコンの工具を使用しています。
カンパのローターはAFSという名称のセンターロック方式です。シマノと規格は同じなので、特に注意点も無く普通に装着可能です。内セレーションのロックリングでも固定可能ですし、
※『AFS』というのはカンパ/フルクラム独自のローター固定方式で、カンパ/フルクラムのホイールに採用されています。ホイール側の固定方式の話なので、ローターには直接は関係ありません。AFS方式のホイールにローターを固定する際は、AFS専用のロックリングを使う必要があります(ホイールに付属しています)。
外セレーションのロックリングでも大丈夫です。シマノのローターと何ら変わりません。この外セレーションのロックリングは『SM-HB20』ですね。
装着完了です。カンパのローターはエッジが面取りされています。実際に見てみると非常に滑らかです。面取りされていようがいまいが、回転中のローターに触ったら大怪我するので触ってはいけません。ちなみに素材はアーム部分がアルミ、ローター部分はスチールとのこと。
ついでに厚みを測定します。走っているとローターは徐々に削れて薄くなってきますが(薄くなると言ってもコンマ数ミリの世界)、その分パッドが押し出されて引き代は常に一定に保たれます。ということは、新品のローターはまだ厚みがありますからそのまま入れると引き代が無くなってしまう可能性があります。
まず現在のシマノを測定。1.75mmです。厚みが1.5mmまで使用できますよ、とローターに記載がありますのでまだ大丈夫です。
次にカンパのローターです。1.76mmとほぼ一緒。これならピストンの調整をしないでそのまま交換すれば済みそうです。
ということで無事に交換完了です。シマノのアームは4本でしたが、カンパは7本。より安定したブレーキングが出来そうです。シマノで不安定さを感じたことはもちろん無かったですけれど、ハードブレーキング時に加熱されて一時的に歪む事象も少しは軽減されそうです。でも肉抜きが多い点については剛性低下する訳ですから、その点が不安要素。しばらく使って様子を見たいと思います。
⇒2020/04/27追記:約1年間使用しましたが、不満は全くありません。剛性の心配なんて素人には不要でした。むしろシマノで不満だった『ハードブレーキング時に音鳴りがする現象』が無くなったので、カンパをお勧めします。
次はリアを交換
次はリアです。リアはローター径が160mm⇒140mmに変更となりますので、キャリパーの位置も動かす必要があります。キャリパーの位置変更に関する記事はこちら。
装着する前に重量を測定しておきましょう。140mmは99gでカタログ通り。同じイタリアンですが、ヴィットリアと違って意外にしっかりしております。良く見ると、140mmは6アームになっていますね。
作業開始。4mmのレンチでキャリパーと160mm用のマウントを外します。外すだけなので特に難しい点はありません。
キャリパーを外したら、キャリパーの位置を移動させてやります。直径が20mm小さくなりますから、半径分の10mm移動させる必要があります。キャリパーを引っ張って、オイルホースを出してあげればOKです。通常は、ホースに10mm程度の余裕はあると思います。10mmと書きましたが、要は台座の位置まで引っ張ってきます。マウント無しで直接フレームに固定します。
フレーム側の穴はキャリパーの位置調整が出来るよう、この様に楕円になっています。ホイールを付けてからキャリパーの位置を微調整するので、この段階ではキャリパーは仮固定です。
キャリパー位置の微調整
ローター交換は先ほどの通り。ホイールにローターを付けたら、ホイールを装着します。
前後ホイールを装着したらキャリパー位置の微調整です。ローターとパッドの隙間はコンマ数ミリしかありませんので、グランジのセンタリングツールを使ってそのわずかな隙間の中央にローターが収まるようにします。具体的な作業方法はこちら。
無事に前後とも、パッドに擦れることなく中央に収めることが出来ました。何度かブレーキレバーをニギニギしてピストン位置を調整し、ホイールを回転させて接触が無い事を確認します。ローターとパッドの隙間がたったのコンマ数ミリしか無いのですから、少しでも熱で歪んだりしたらすぐにパッドと接触してしまうのも納得です。
■完成です
無事に前後ともローターの交換が終わりました。バルブエクステンダーを調達したので、ついでにフロントのタイヤも交換しました。
見た目はカンパのローターの方がかっこいい!値段も高い訳ではないし、重量もデュラのSM-RT900と一緒。これなら最初からカンパにするのも選択肢としてはありではないでしょうか。
今回はシマノからカンパへの交換ということで、一番気になっていたのはローターの厚みが異なるのでは?ということでした。薄い分には良いのですが、シマノより厚かったらピストンを押し戻す作業が発生します。この厚みについては規格がある訳ではないそうですが、実際はスムーズに交換できるように厚さはほぼ一緒に作られているそうです。それを聞けばそりゃそうだよね、と思いますが、そうはなっていないパーツが色々あるのも自転車が沼なところ(タイヤの『はまらなさ』については特に)。
しばらく使ってみて、ハードブレーキングしたらどうなのか?を検証してみたいと思います。
カンパのローターはAFSという名称のセンターロック方式です。と記載がありますが、これは誤り。
カンパホイールのディスクローターのロック方式がAFSです。
匿名さん
ご指摘ありがとうございました。独自の固定方式になっているとは、知りませんでした。
ローター側はAFS(カンパ/フルクラム)にもセンターロック(シマノ)にも対応しているので、ローターを買うときには気にする必要は無く、ホイールを選択する時に確認しておく必要があるということですね。