【レビュー】軽量さと固定力の高さを両立。KCNC ブルべマウント
KCNCの『ブルべマウント』を購入しましたので、レビューします。KCNCらしい加工精度の高さで、軽さと安定した固定力を両立しています。
■総合評価
- 精度の高さにより、薄いアームを実現しつつ固定力が高い
- アームの径が31.8/25.4mmであり、汎用性が高い
- 高い固定力のおかげで、バーが長い
KCNCはこの手の製品の品質の高さに定評がありますが、加工精度の高さという強みを活かせている良い製品です。単に軽いというだけでなく、固定力の高さも実現しています。
■購入経緯
PBPでは走行中の補給食を携行する必要があるため、フロントバッグを導入することに。フロントバッグはハンドルにベルクロ(幅は25mm程度ある)で固定する必要があるため、ライトを装着する場所が無くなりました。私はDi2のサテライトスイッチも使っているので、ハンドルのスペースが非常に限られているのです。
このブルべマウントはアームが約6.4mmと非常に細く、わずかに残ったスペースに装着が可能なため採用しました。バーの長さは190mmもあるためライト2つ程度であれば余裕で装着が可能。またアームの長さが100mmあるため、取り回しの自由度も高いです。
■製品概要
製品概要です。
パッケージ
製品パッケージです。
必要な情報は、ほぼ全てパッケージに書いてあります。シンプルで優秀なパッケージです。
製品構成
パッケージの中に入っている物です。まずはメインのパーツであるバーとアーム。バーの長さは190mm、直径は25.4mm。アームの長さは100mm(芯ー芯)、幅は6.4mm。それぞれ31.8mm、25.4mmの径に対応しています。アームの固定用ネジは2.5mmのヘックスとなっており、ヒンジで開く方式のため固定用ネジは1つとなっています。
他にはシムが同梱されています。25.4mm径のハンドルに対応するためです。
重量
重量は86g。公称重量の記載は見当たりませんが、バーの長さが190mmもありますので十分軽量です。余計な重量増が100g未満に抑えられるのは有難いですね。
この手の製品ですと、例えばミスターコントロールのマウントはバーの長さが70mmにも関わらず重量は59gあります。
耐荷重
パッケージに記載の通り、800gの耐荷重があるとされています。例えばキャットアイのライト『VOLT800NEO』であれば、重量は190g前後です(ブラケット含む)。2本装着しても十分な余裕があります。
また荒れた路面やオフロードなど衝撃がかかる場面では、耐荷重は500gとされています。オンロードでも、500g以上の装備をマウントしている場合は衝撃がかかるとズレる可能性があると思っておいた方が良いでしょう。
■レビュー
取り付け
取り付けは2.5mmのヘックスレンチで行います。
ヒンジは片開きのため、ネジは1本づつで固定する仕様となっています。そのためネジを締める前の仮止めがやりやすい。また精度が高いのでアームを固定するだけならネジを締めずとも固定されてしまいます。ただし、その代償としてハンドルの塗装は削られると思ってください。
安定性
私は画像のようにライトを2本固定しています。
実際にこの状態で600kmブルべを走りましたが、段差や荒れた舗装でもアームは微動だにせず、安定して路面を照らしてくれました。
ライトが2本で約400gの重量があり、しかもバーの上に載っているという重量バランスの悪さですが、全く問題ありませんでした。
取り回し
アームの長さが100mmあるため、配置の自由度は高いです。私のように上に出すのも可能ですし、下側に出すこともできます。
空力のことを考慮すると、下側に出す人が多いように感じます。ただしフロントバッグの大きさによりますので、大型のバッグを使っている場合は上に出すしかない、ということになると思います。
またアームを水平に出す場合は、ケーブル類との干渉が発生する場合があります。その場合、アームには空間があるため、このスペースにケーブルを通すことで干渉を避けることも可能です。
ただしハンドルやケーブルの組付け時に行うか、そうでなければルーティングのやり直しになりますので相応の工数が発生する作業となります。ブルべマウントが不要になっても簡単には撤去できませんので、上級者向けといったところでしょうか。
■まとめ
拡張マウントとしては非常に高性能です。画像のように高密度なハンドル回りを実現してくれます。
190mmというバーの長さと、その長いバーにライトなどを満載しても問題の無い固定力、そして90g以下という軽量さを兼ね備えています。
またアームの長さが100mmあるにも関わらず、800gという高い耐荷重を実現していることも差別化されているポイントです。私のようにほぼ垂直に固定するならまだしも、水平に固定したとしても800gまで耐えられるという製品は中々ありません。
価格もこなれていますし、ハンドル周りの装備に悩んでいる人にとっては救世主のような製品です。競合となる製品はいまのところありませんので、気になっていれば試してみることをお勧めします。