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【レビュー】メリノウールか裏起毛フリースか。カステリのMERINO SEAMLESS BASELAYERとFLANDERS WARM、どちらが良い?

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カステリの2024年秋冬モデル新製品『MERINO SEAMLESS BASELAYER(メリノシームレスベースレイヤー)』のレビューです。

人気のド定番ベースレイヤー『FLANDERS WARM』との比較をしながら紹介していきます。

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MERINO SEAMLESS BASELAYER
MERINO SEAMLESS BASELAYER

■製品概要

製品スペック

まずは『MERINO SEAMLESS BASELAYER』の製品スペックを紹介します。

  • 価格:15,730円(税込)
  • サイズ展開:S/M、L/XL、XXL
  • フィット:レギュラーフィット
  • 対応温度帯:-4~10度
  • 公称重量:182g(恐らくLサイズの場合)

メリノウールを使った製品だけあり、価格は高額な部類です(ベースレイヤーの最高額はCOLD DAYS 2nd LAYERの20,900円)。しかし-4度に対応する機能性の高さが本製品の最大の特徴です。

実はメリノウールを使ったベースレイヤーは『BANDITO WOOL LS BASELAYER』シリーズ(長袖、半袖、ノースリーブがある)が数年前からラインナップされています。対応温度帯は同じなのですが、ウールの比率は本製品の方が高くなっています。

細部の紹介

詳細を紹介していきます。パッケージは紙製の箱。

全景です。

シームレスという商品名ですが、さすがに縫い目が全く無いというわけではありません。ですが胴と両腕の3つのパネルから構成されており、最低限に抑えられています。特に胴部分は前後の身頃を合わせて1つのパネルとなっており、筒状に織られています。

脇と背中にあるメッシュのような見た目の部分は、実際にメッシュになっています。通気性を向上させる目的でしょう。

光に透かすと違いが良く分かります。これは脇部分ですが、織り方が変わり縦スリットが入っていることが分かります。以前は別パネルを縫い合わせていたものが、技術の進歩で1枚で作れるようになった…というところでしょうか。

サイズと洗濯表示、製造国表記は肩の内側にタグがある他、裾に記載があります。ウール82%、ポリエステル18%の混紡で、ウールの割合が高いですね。

タンブル乾燥はNGです。

画像を撮り忘れましたが、製造国はなんとイタリア。ESPRESSO THERMAL JERSEYに続いてのイタリアです。東欧を中心に工場を持つカステリでは非常に珍しいです。

生地裏側はリブっぽい風合いになっており、フィット感とドライ感を適度に両立させる肌触り。

■MERINO SEAMLESSと、FLANDERSはどちらが良いの?

さて本題です。何と2014年から発売されている、ドの付く定番ベースレイヤーである『FLANDERS WARM』。もちろん私も愛用しています。コロナに罹患した時は、これを着て寝込んでいたほど暖かいです。

『MERINO SEAMLESS』はこれを上回る定番商品になるのか?

どちらも1万円以上する高額なベースレイヤーですが、1つ買うならどちらが良いのか?

各項目ごとに比較しながら紹介していきます。

MERINO SEAMLESSは新製品ですが、発売直後に購入し、ヒルクライムなども含めてしっかりと150km以上を走ったうえでのレビューです(FLANDERSは言わずもがな、ブルべで何回も使っています)。

外観

まずは外観。MERINO SEAMLESSはシームレスなのでシンプルです。首周りはUネック。フィット感は普通ですが、縫い目の少なさとメリノウールの質感で、着心地が良い。

FLANDERSはパネル数の多さが特徴。逆にステッチがデザイン上のアクセントになっています(グレーの場合)。首周りはハイネックです。更にハイネックになったタイプもあります。

比較的厚手の生地ですが伸縮性は高く、かつ複雑なパネリングによりフィット感は高いです。

素材

MERINO SEAMLESSは、前述の通りウール82%、ポリエステル18%の混紡です。メリノウールの保温性と吸湿性、ポリエステルの速乾性、耐久性をプラスする目的と思われます。

FLANDERSは薄手の起毛フリースで出来ていますので、素材はポリエステル100%。カステリは『SottoZero』と呼んでいます(イタリア語で『氷点下』の意)。ポリエステルは耐久性と速乾性が特徴ですが、裏起毛にすることで保温性も実現しています。

ここからは、各商品ページにある性能項目ごとに比較します。5項目あるうち防水性と防風性はベースレイヤーには不要であり、どちらの製品も評点『1』なので省略します。

断熱性

MERINO SEAMLESSはメリノウール、FLANDERSは裏起毛により高い断熱性を実現しています。断熱性はどちらも『4』の評点ですが、個人的には裏起毛のFLANDERSの方が断熱性は高いと感じます。裏起毛フリースは安定の暖かさです。

通気性

MERINO SEAMLESSは薄手の生地と天然素材であるメリノウールの吸湿性により、高い通気性を実現し評点は『4』。

FLANDERSはポリエステルの吸湿しないという特性を生かし、汗を生地の外側に移動させて速乾性を高めるという一般的な手法です。こちらの評点は『3』。

FLANDERSは断熱性が高いため生地がやや厚めです。そのため通気性に関してはMERINO SEAMLESSに分があると感じます。ポリエステルの生地って、汗を外側に移動させる特性は優れているのですが、高強度で汗の蒸散が追い付かないと一気に蒸れるんですよね。

その点メリノウールは繊維自体が吸湿しますので、蒸れにくさではMERINO SEAMLESSが優れています。首周りもUネックなので、強度を上げるライドではMERINO SEAMLESSが適しています。

軽量度

最後に軽量さです。どちらの評点も『3』ですが、MERINO SEAMLESSは公称重量193g。FLANDERSは公称重量247g。約50gの違いですが、MERINO SEAMLESSの方が軽量です。

一見してMERINO SEAMLESSの方が生地が薄いですし、ステッチも最小限なので、軽く仕上がるのでしょう。

まとめ

両製品の特長を紹介してきましたが、それぞれのキャラクターの違いをまとめると以下の通り。

MERINO SEAMLESSのポイント
  • 薄手の生地で軽量
  • 薄く通気性に優れるため高強度に向く
  • 着心地、肌触りが良い
FLANDERS WARMのポイント
  • 裏起毛フリースによる優れた断熱性
  • 複雑なパネリングによる高いフィット感
  • 着た瞬間から暖かく、低強度~中強度に向く

まとめると、コンビニ休憩多めやカフェに立ち寄るような低強度ライド、心拍数そこそこの平坦中心であればFLANDERS WARMの断熱性が大変ありがたい。一方、強度の高いヒルクライムでは吸湿しない特性がデメリット。

MERINO SEAMLESSは低強度でももちろん暖かいですが、さすがに裏起毛フリースには敵いません。しかし心拍を上げるヒルクライムでは優れた吸湿性と通気性を発揮し、ダウンヒルでの汗冷えを最小限にしてくれます。

結論としては『使い分けができるのでどちらも買う!』と言いたいのですが、個人的には『ヒルクラ=MERINO SEAMLESS』なので、坂好きとしては今後はMERINO SEAMLESSの出番が増えることになるかな、と感じています。着心地も良いですし。合言葉は『寒かったら強度を上げれば良いじゃない』ですね。

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MERINO SEAMLESS BASELAYER
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FLANDERS WARM LONG SLEEVE
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当サイトは自転車関連のパーツレビュー、ブルべの走行記録を中心としたブログです。
管理人は40代のロードバイク乗り。20年前にCannondaleのCAAD3を買って以来、Cannoncdaleばかり乗り継いでいます。 昔はメッセンジャーやレース、今はロングライドとブルベ中心。2022年エベレスティング達成、2023年PBP認定、2024年キャノボ達成。ブルべの主担当もやります。
年間走行距離は約10,000km。身長170cm、体重57kg。
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