チューブレス

ヴィットリアコルサのチューブレス導入 チューブレス化にあたり準備編(ロードバイク・チューブレス)

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ついにチューブレス化を行いました。使用したタイヤは、今までと同じくヴィットリアのコルサ(チューブレスレディ)の28C。使っているホイールは今まで通りDTswissのERC1400SPLINE47です。GP5000も使ってみたかったのですが、まずは同じ銘柄でチューブレス化しないと比較が出来ないですよね。

それでは今回のエントリでは、まずロードバイクのチューブレス化のやり方…の前に準備したものについて中心に紹介していきます。

チューブレス化したのはフロントだけなのですが、理由はチューブレスが初めてだったため、作業時間が読めなかったからです。何かトラブルがあった場合、フロントだけでも半日とかかかる可能性がありますので。

チューブレスの感想を先に書いておきますと、乗り味はクリンチャーのコルサそのままで更にしなやかになったという印象です。これでリム打ちパンクもしないのですから、性能だけならクリンチャーに戻る理由はないです。しかし、ちゃんとシーラントを入れているにも関わらず空気圧が1.0bar/日も低下するという状態が解消出来ません。リアホイールも同様の事象が起こるようなら、クリンチャーに戻さざるを得ない状況なので、ちと悩んでいます。シーラントの量が足りないのかな?

■ヴィットリア コルサ チューブレスレディ

タイヤの概要

今回使用したのは、ヴィットリアのコルサ チューブレスレディの28C。

重量測定

まず重量を計測します。コルサのチューブレスレディタイヤには、25Cと28Cがあります。カタログ上の25Cの重量は290g、28Cは310gです。クリンチャーの場合はそれぞれ255gと270gなので、40g程度重くなります。

どちらも公称値を下回っていますので、喜んでおきましょう。ちなみにチューブレスにするとチューブが無くなりますので80g程度軽くなりますが、タイヤシーラントが必須なので特に軽くなるわけではありません。一応、下記にそれぞれの重量を載せておきます。

  • チューブレス:タイヤ(28C)310g+シーラント40g+チューブレスバルブ10g=360g
  • クリンチャー:タイヤ(28C)270g+チューブ80g=350g

チューブはパナレーサーのR’AIR(23~28C、バルブ長60mm)で78gなので、システムの重量としてはほとんど変わらないということですね。ちなみにGP5000のチューブレス(レディではない)は、28Cだと345g。その上シーラントの使用も推奨されていますので、更に重くなります。

ちなみにヴィットリアにはトレッドを薄くしてとてもしなやか、転がり抵抗減、重量減、その代わりにパンクしやすいという決戦用タイヤ『コルサスピード』があります。これはクリンチャーの設定は無いのですが、チューブラーと何故かチューブレスレディもあるのです。トレッドが薄いのでクリンチャーだと貫通パンクしやすい、だったらチューブレスにしてしまえ!という発想なのでしょう。

パンクしやすいというデメリットを消し去ってしまったコルサスピードチューブレスですが、一部では最強チートタイヤとして有名です。重量も、チューブレスなのにたったの240gしかない。ありえません(笑) チューブレスに慣れたら使ってみよう。

外観

ちなみにタイヤはこのような外見。タイヤサイドもブラックの『フルブラック』にしましたが、黒光りする分厚いゴムで覆われている感じです。クリンチャーのフルブラックは単に見た目のためにゴムを貼り付けていたのですが、こちらはいかにも気密性がありそうな質感です。

裏側です。こちらも何かでしっかりとコーティングされており、クリンチャーとは明らかに構造が異なります。このコーティングは、チューブレスタイヤであれば『インナーライナー』という高気密性のゴムシートでコートされるはずなのですが、レディの場合は果たしてどうなんでしょうか?

『チューブレスレディ』は『チューブレス』と比べると気密層が無いのでシーラントが必須というロジックになっていますが、このコーティングには多少の気密向上の役割がありそうに見えます。

完全なチューブレスだとこの気密層が厚くなり、タイヤ全体も重くなります。GP5000がそうですね。一方でチューブレスレディも気密層がゼロというわけではなく、若干の気密性を持たせているのでは?と思うのですが、実際のところどうなんでしょう。それとも、シーラントの『なじみ』や『保持性』を良くするためのコートなのでしょうか。いずれにしてもタイヤの内側が単なるクリンチャーと一緒というわけは無いでしょうから、気密向上に関するコーティングなのでしょうね。

■なぜチューブレス化するのか?

そもそもですが、登場から10年以上経っているのに全く普及しないロードバイクのチューブレス。それを今更なぜ導入するのかというと、

『チューブレスはブルべで使えるのか?』

を検証するためです。性能が良いのは分かっているが、信頼性や冗長性が重視されるブルべで実際のところどうなのか…というのは、確認しておかないとダメでしょう。

先日記事にした通り、私はインピーダンス損失を減らした方がブルべでは早く走れるという考えの持ち主です。

https://morou2.com/2019/12/06/impedance/

段差だろうがひび割れだろうが、ガツガツ踏みまくってとにかく速く走るという走り方もあります。しかしそれはタイヤが宙に浮いている時間も多く、効率としては良くない。自転車が段差に突っ込んだ時、リアホイールが宙に浮くためのエネルギーの出どころは、自分がペダルを踏んだエネルギーですしね。

チューブレスはヒステリシスロスが低いため抵抗が少ないことが特徴ですが、運用が面倒くさいのがデメリット。しかし運用の面倒さって、克服出来るんじゃないの?とも思います。特に最近は、タイヤもホイールも徐々に改善されてきて以前よりは楽になっていそうです。山の中でトラブって『二度と使うか!』となったらゴメンナサイ。というか既にシミー現象が出てトラブっていますが。

パンクした時にどうするの?というのが最大の懸念点なのですが、8年ブルべをやってブルべ中のパンクが0回の私なら大丈夫なのでは?という根拠のない自信があります。運用さえ克服出来れば、間違いなく性能は良いはずですから。何しろチューブが無いですからね。

■導入にあたり用意したもの

次は、チューブレス導入にあたり用意したものを紹介します。

チューブレス用インフレーター(コンプレッサー/エアタンク)

色々な名称で呼ばれているインフレーターです。私はAmazonでこれを買いましたが、タキザワサイクルから送られてきました。このブランドにした理由は、単に一番安かったからです。フロアポンプでこのインフレーター内に7~8bar程度エアを事前に充填しておき、レバーを下げてタイヤ内に一気にエアを送り込みビードを上げるという製品です。

他にもシマノPROを始めいくつものブランドから出ていますが、構造は一緒です。見た目も非常に似てるし…。ちなみに高圧のエアを溜めておくため、本体・土台は金属製で重いです。

このインフレーター内にエアを充填するために、本体にはバルブが付いています。このバルブですが、どの製品も米式バルブになっているのでご注意を。私は少し前に家族のママチャリに空気を入れるために、ファブリックのポンプをたまたま買っていたので対応出来ました。

このインフレーターは必須…というわけではないのですが、確実にあった方が良いものだと思います。さすがに1日のうちで作業を終わらせたかったので、作業してから『ビードが上がらない』『インフレーターが無いと無理だった』というのは避けたかったからです。それと『使ってみないと可否が判断出来ない』からですね。何でも使って試してみる。このブログの基本方針です。

中には普通のポンプでビードが上がるタイヤとホイールの組み合わせもあるのですが、割合としてはどうなんでしょう?今回の場合、やって分かりましたがポンピングするそばからエアが抜けていきました(スキルの問題もありそう)。やはり一気にエアを入れないとダメですね。

一方で、チューブレス対応ではないクリンチャーリムにチューブレスレディタイヤをはめて、インフレーター無しでビードが上がったという事例もあります。『普通のリムをチューブレス化してみた(あさひブログ)』ですが、ショップ店員さんですからスキルが高かったからでは?とも思います。

一般論では、

  • レディではないチューブレスのタイヤはシーラントが不要なので、ノーマルポンプでもビードが上がる(その代わりタイヤは非常にはめ辛い)
  • レディのタイヤははめ易いが(今回のコルサは手で装着出来た)その代わり気密性は低いためシーラントは必須、インフレーターも必要になる確率が高い

ということになると考えています。歯切れが悪いですが、タイヤとホイールの組み合わせだけは実際に試すしかないですからね…。とにかく5,000円くらいのインフレーターが無いせいで、後日に作業やり直しになるのは避けたかったのです。

シーラント

チューブレスレディの場合はシーラントが必須になります。これがチューブレスが面倒な理由の筆頭だと思うのですが、これが無いと気密が保てません。ただしhideさんのように、チューブレスレディでも例外的にシーラント不要というケースもあるようです。hideさんはタイヤ・ホイールともGINATの組み合わせだそうです。しかしGINATからもしっかりとシーラントは発売されていますので、シーラントを使わずにビードが上がったらラッキーと思った方が良さそうです。

ただしGINATのチューブレスレディタイヤは若干の気密性を備えているそうで、純正同士の組み合わせならシーラント無しでも運用出来てしまうのかもしれません。

⇒『チューブレスレディについて(GINATストア 京都紫明通店)

シーラントは天然ゴム繊維のラテックス系と、ラテックスを使わない非ラテックス系があります。これだけで1本の記事が書けるくらい奥が深そうですが、非ラテックス系のフィニッシュラインの評判が非常に悪いため、一般的にはラテックス系を使えば大丈夫です。普通にどこのショップでも買えますし。私はド定番のスタンズをまずは買いました。60mlのボトルだと400円程度なので気軽に買えます。

通販で買うと、400円の商品なのに200円OFFクーポンとか出てきて良く分かりませんね。 当初はヴィットリアのシーラントを買ったのですが、こちらの記事にあるようにラテックス成分が巨大なダマになっている残念な状態でした。ちなみにこれと一緒に国内に入ってきたロットが全部同様の症状だったそうです。

チューブレス移行の準備中。ビットリアのシーラントが到着するも…

このスタンズの小ボトルの良いところは、注射器が無くともボトルの口をバルブに直接差し込んでシーラントを注入出来る点です。非常に便利でした。ただし正確な計量は出来ないので、注入量は目分量となってしまいます。そもそも60mlしか入っていないですし、一般的には30mlが注入量の目安です。なのでとりあえず半分入れておけば良いということになります。私は28Cなのでやや多めに2/3の40mlほど使用しました。

他にもマヴィックやスペシャライズドからも純正のシーラントが出ています。スペシャは非ラテックス系の『革新的な成分』で作られています!とアピールしており、地雷感が漂います。スペシャのチューブレスタイヤユーザーの方は、どなたか使ってみてください。MTBだと普及しているのでしょうか?

チューブレスバルブ

これもチューブレス化に必要なパーツです。DTswsissの場合は、リムハイト(47mm)に合わせた63mmのバルブが最初から付いてきました。

根元にゴムのブッシュが付いています。本当にこんなもので気密性を保てるのか不安になりますが、構造はどのバルブでも同じなので大丈夫なのでしょう。チューブレスレディの場合はバルブ周辺にもシーラントをなじませるので気密性が向上しますが、チューブレスの場合はシーラントすら使用しないわけですからね。

ちなみにこのバルブは単体でも普通に売っているので、バルブ長を変えたいとかバルブが付属していなかった、失くしたという場合は買いましょう。だいたい1,500円前後ですね。

番外編

最後に用意したのは、これです。除光液。アセトン系の有機溶剤ですね。近所のドラッグストアで買いました、200円。

これはホイールに付いてしまったシーラントを除去するのに使います。シーラントはゴムなのでかなりネバネバしています。シーラント注入時だったりタイヤを脱着する時に少なからず飛び散ってしまうのですが、ウェットティッシュで拭いても落ちません。綺麗に落とすにはこの除光液が必須です。

ということで、今回はチューブレス導入の準備編でした。次回は実際に装着してみます。

チューブレス化するなら信頼と性能のGP5000。こちらも使ってみたい。

コルサチューブレスも良いです。もっと広まって欲しい。

 

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  1. impactdisc

    はじめまして。ブログを拝読している者です。

    チューブレスで減圧が止まらない場合の理由は、さまざま考えられます。
    ・気温の低下によるシーラント固化力の低下
    ・リムテープの隙間からのシーラントおよびエア漏れ
    ・リムのつなぎ目からのエア漏れ(カーボンリムをお使いのようなのでこれはパス)
    ・バルブのエア漏れ

    シーラントは、タイヤそのものの穴をふさぐのと、リムとの隙間をふさぐのとの2つがありますが、いずれにしろシーラントは注入前によく振らないと、中の固体成分(STAN’Sの場合は粒状のものと、既に固まったゴム成分)が注入されないので、止まりにくくなります。

    私はグラベルバイクでの運用なので、32C以上限定の話になってしまいますが、過去にチューブレス(レディ)取り付けについてまとめたことがありますので、ご参考になればと思います。

    長々と失礼いたしました。
    http://arakawagravel.blog.fc2.com/blog-entry-94.html

  2. morou2

    impactdiscさん
    コメントありがとうございます。早速ブログも読まさせて頂きました。私にとって救世主のようなブログです。非常に参考になりました。私のブログは要らないレベルですね。
    思い返しますと、私の場合は怪しいのがリムテープとシェイク不足ですね。一つ分からないのは、仮に今の状態からリムテープを巻き直したいとなると、シーラントは綺麗に除去出来るものなんでしょうか…?

  3. impactdisc

    拙ブログをご覧いただきましてありがとうございます。
    リムテープの再利用は、おすすめしません。シーラントを入れた時点でテープ粘着面とくっつきづらくなり、増し巻きは難しいと思います。
    経験上、チューブレスレディの施工はやり直した方がスムーズです。
    ですので私は同等品で量が多く安いTESAの仮固定テープを使っています。

    私が参考にしたヤンハイネ氏が、ビード上げに石鹸水を使わないと聞いたときには「そんなアホな」と思いましたが、今では理に適っていると思っています。ハンドポンプで上がらなかったことはありません。

    • morou2

      ありがとうございました。テープは安いですし、買ってみます。コツを身につけるまで何度か練習が必要ですが、正解が分かったので気持ちは軽いです。頑張ってみます。

ABOUT ME
@morou2
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当サイトは自転車関連のパーツレビュー、ブルべの走行記録を中心としたブログです。
管理人は40代のロードバイク乗り。20年前にCannondaleのCAAD3を買って以来、Cannoncdaleばかり乗り継いでいます。 昔はメッセンジャーやレース、今はロングライドとブルベ中心。2022年エベレスティング達成、2023年PBP認定、2024年キャノボ達成。ブルべの主担当もやります。
年間走行距離は約10,000km。身長170cm、体重57kg。
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