【レビュー】プラグ系のチューブレス用パンク修理キット『ダイナプラグ(Dynaplug)』

プラグ系のチューブレスタイヤ修理キット『ダイナプラグ(Dynaplug)』のレビューです。ロードのタイヤ幅で使用可能で、今まで試した中では最も簡単かつ確実に修理可能です。

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Dynaplug
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■総合評価

4.5
  • 簡単かつ確実に傷を塞げる
  • ロードのタイヤ幅に対応している
  • メジャーな代理店で扱いが無いため価格が高い

■購入動機

ロードのチューブレスで使えるパンク修理キットを求めて購入。これまでにレザインやスタンズの製品を試しましたが、いずれもMTBのタイヤ幅を前提とする製品で、ロードのタイヤには不適でした。

これらの製品は『穴を塞ぐ』目的のものがほとんどでした。私は今までチューブレスで3回ほどパンクしていますが、いずれも『パンク』という用語が適切ではないほどの『ひっかき傷』でした。タイヤを貫通する穴が開いたことは一度もなく、傷によって気密層が損傷した結果エアが漏れるのですよね。

そもそも穴が開いていないのにニードルで無理やり大きな穴を開けて、プラグを付けると太さが5mm以上になるニードルを押し込むのは現実的ではありませんでした。

この製品は複数の知人から『これならロードで使える』と勧められたため、実績ありということで購入してみました。

■製品概要

ダイナプラグ(Dynaplug)とは

1991年にアメリカで創業したパンク修理用品のメーカーで、商品名にもなっています。本国のサイトを見ると、自転車を始め、車やバイク、トラクターなど様々な乗り物向けの製品が掲載されています。いずれも今回と同様のプラグ系の製品となっています。

プラグ系という呼称は私が勝手に呼んでいるだけですが、粘着力のあるプラグを穴に刺して塞ぐという方式の製品です。プラグ系はシーラントで塞げない穴や、ぎりぎり塞げていてもやや大きめの穴の場合に使用します。シーラントよりはしっかり塞げるので、修理が成功すれば(シーラントで塞いだ場合との比較で)空気圧を高めにすることが可能です。

製品ラインナップ

私が購入したのは約1年前でしたが、その時に購入した業者が付けていた商品名は『ダイナプラグ』。しかし調べてみるとダイナプラグには『PILL』と『Micro Pro』の2種があることが分かったのですが、商品説明やパーツ構成を見ても違いがありません。

しかし私の手元にあるシルバーのケースは『Micro Pro』にしかないカラーなので、私が購入したのは『Micro Pro』の方だと思われます。

他にレース時に携行することを目的として、構成を簡素化した『Race』という商品もあります。

内容物

ピルケースを彷彿とさせるアルミ製のケースの中に、プラグ系の修理キット定番のプラグ、ニードル、エアストッパーが収まっています。その他、余ったプラグをカットするマイクロナイフも装備。非常に良く出来ています。

ニードル部分はこのように分離可能です。

実測重量は42gでした(公称43g)。アルミ製のケースながら、気にならない重量です。

日本での扱い

日本での取り扱いですが、主要な代理店では扱いがありません。入手経路としてはまずAmazon。私もAmazonで買いましたが、良く分からないショップが販売しているため少々価格が高い。

他にはキャニオンのサイトでも購入可能です。チューブレスタイヤ用グッズのカテゴリーの中に、パンク修理キットとして並んでいます。こちらの方が少し安く購入出来ます。私はプラグの予備のみをキャニオンのサイトから購入しました(2022年5月に購入したのですが、いつの間にか『予備のみ』は消えています)。

その他、USのAmazonから直接購入するという方法もあります。USでの定価は約60ドルなので、単純な本体価格ではこの方法が最も安いです。

■レビュー

それでは実際に使用した時の様子を紹介します。

テスト対象は、マキシスのハイロード28Cです。2022年のGWに走った日本橋1000の700km地点で、ダウンヒル中に穴に突っ込んでタイヤが損傷してエア漏れ。ぎりぎりシーラントで塞げるレベルだったのでそのまま残り300kmを完走しましたが、途中で傷口が開いてシーラントが噴出するということがありました。まさしく『シーラントでぎりぎり塞げるレベル』の傷でした。

そこにダイナプラグによる修理を試みます。ダイナプラグは日本橋1000の走行中も携行していたのですが、ダイナプラグのテストをしていなかったので失敗するリスクを考慮すると使えなかったのです。

シーラントではどうしようも無くなったら使用するつもりでいましたが、穴が貫通していないタイヤに故意に穴を開けるのは勇気が要りますよ、やっぱり。シーラントでの修復を諦めるということですから。

さて作業手順です。

穴を開ける

まずは傷口の個所を特定し、エアストッパーでケーシングに穴を開けます。後戻りは出来ません。ストッパーという名称の道具ですが、傷口が貫通していないタイヤに穴を貫通させて整形するリーマーだと思っています。

ストッパーを抜いた後の穴。

ちなみにレザインのキットはこんなに太くなっています。かなりの大穴が開いた時でないと使えません。

ダイナプラグを刺す

ここにダイナプラグを刺します。

刺しました。ニードルの先端は色のとおりの真鍮製です。先ほどのレザインと異なり、このニードルとプラグが一体化しているという構造のおかげで非常にスムーズにプラグを穴に刺すことが出来ます。ロードのタイヤ幅でも全く問題ありません。刺したら引き抜くだけ。

このプラグには粘性の液体が含まれており、挿入後は穴周辺の小さな亀裂や隙間を埋めてしまうそうです。また1つのプラグでは塞げない大きさの穴の場合は、追加でプラグを刺すことで対応しろと説明されています(『Megaplug』という太いプラグも販売されている)。

余りをカットする

無事にプラグを刺すことが出来ました。他の製品ではそもそも刺すこと自体が困難で、どうにか刺すことが出来ても今度は抜けないということが多発しました。ダイナプラグは非常にスムーズ。しかしこのままでは余りのプラグがありますので、マイクロナイフでカットします。

綺麗になりました。日本橋1000ではマッドガードを装着していたのですが、そのままではマッドガードと干渉するためカットが必須です。ただし余りにギリギリをカットしてしまうと、内側に落ちてしまう可能性があるので注意しましょう。プラグは、この時点ではしっかりと穴に固着しているように見えます。

空気を入れる

それでは空気を入れてみます。シーラントで塞いで走っていた時、空気圧は1.5bar程度が限界で、2.0barでシーラントが出てきました(手でタイヤを押した主観的な感触に基づく…)。最後は恐らく1.0barという、無きに等しい空気圧で走っていました。ちなみに私の体重は58kgです。

2.0barまで入れました。現時点では全く問題ありません。日本橋1000の時よりも、明らかに空気が入っています。

どの程度まで耐えられるのか確認するため追加でポンピングします。

3.0barまで上げるとシーラントと共にエアが出てきました。

このことから、シーラントのみで塞げるような『傷』の場合でも、『穴』を開けてダイナプラグを突っ込んだ方がトラブル時でも確実に空気圧を上げることが出来そうです。私は通常時に3.8barで運用している(前述の通り体重は58kg)のですが、2.0~2.5barあれば多くの人がそれなりに走れるようになるのではないか?と思います。

実際にこの修理の後に、50km程度のライドを行いました。空気圧は2.5barで、テストですから速度は30km/hに抑えつつも段差にもそれなりに突っ込みました。結果はエア漏れが再発することなく無事に自宅に帰還することが出来ました。

タイヤの裏側

今回はテストでしたので、テストライドの後はタイヤを外して裏側を観察。裏側には真鍮製の先端が残っていました。先端の真鍮部分はプラグよりも太いので、先端がプラグと共に容易に残る仕組みになっています。

■まとめ

気密層が損傷した場合や2~3mmまでの小さな穴のパンク修理に有効な製品です。シーラントよりも確実に穴を塞いでくれるため、空気圧をより高めることが出来るようになります。

また作業性も考えられており、プラグを『刺す』『抜く』が非常にスムーズです。その分だけ高価なのですが、費用対効果は非常に高いと思います。

どんなパンクにも使えるというわけではなく、状況に応じたツールの使い分けは必要です。しかし多くのパンクは今回のダイナプラグで修理可能なものと思いますので、まずはツールボトルやバッグに入れておくのが良いのではないでしょうか。

唯一の懸念材料としては、国内の主要な代理店が使っていないということ。彼らが知らないはずはないと思うのですが、知っていながら輸入していない理由が気になります。考えられる理由としては『生産能力が低く安定供給出来ない』『販売拡大を求めらおらず、国外企業との代理店契約をしない』などが考えられます。いずれにしてもユーザーには知る由もありませんが、他に良い製品の選択肢が無い状況ですので、1万円なら見合う性能と考えています。

created by Rinker
Dynaplug
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