新ホイールを検討中
2年ぶりに新しいホイールの購入を検討しています。
■きっかけ
きっかけは、現在使っているDTswissのERC1400とフレームとの相性が良くない可能性がある事。
昨年の12月にシミーが発生して以来、ダウンヒル中にホイールの挙動が不安定になる場面が何度かありました。もちろん平地を走っている分には全く問題がありません。
もちろん原因はホイールだけにあるのではなく、ホイールとフレームの相性の問題です。現在乗っているフレームも剛性重視のモデルではないですからね。シナプスはフレーム各部の形状も振動吸収を重視した造りになっていますし、フォークとシートステーにはフェンダー固定用のネジ穴まで開いています。
やはりそれなりに速度を出したいのであれば、少なくともフレームかホイールのどちらかは硬めのものにするのが良さそうです。
だからと言って簡単にフレームを交換する訳にもいきませんので、今回はホイールを交換してみようと思っています。
ちなみに今乗っているフレームはシナプスのノーマルグレードカーボンのフレームです。シナプスにはHi-MODという高剛性タイプのフレームもあるのですが(デュラエースクラスのシナプス完成車を買うとHi-MODになる)、このフレームだけ売っていたら買いたいくらい。メーカーとしては販売をしていないので、たまにヤフオクを見ていますがなかなか良いものがありません。
■求めるもの
今回のホイールに求めるものを整理してみます。
剛性が高いこと
今回一番重視したいポイントです。剛性が高いと言っても、要は今より高くなれば良いのです。予算にも限りがありますので、何でも買えるわけではありません…。
現在のDTswissのホイールはERCというエンデュランス用のシリーズです。それよりも剛性が高くなれば良いとなると、何でも対象になってしまう気がしますが、買える範囲でなるべく高そうなものを探してみます。しかし『剛性』なんて数値化されていないですから、聞きかじりの口コミを当てにするしか無いのが正直なところです。
そもそも『剛性』とは何か?と言うと、変形のしづらさのことを表します。リム自体の剛性もそうですし、組み上げた後のホイール全体としての剛性が重要です。
リム内幅が広い
次はリムの幅。技術の進歩で、一昔前では考えられなかった幅の広いリムが普通になってきました。現在のDTswissのリム内幅は19mm。購入した2年前はこれでも広かったのですが、今では21mmとか23mmなんてのもあります。
リムの幅が広がるメリットは、太いタイヤに最適化されていること、断面積が大きくなるので剛性が上がること。ロード用だと25Cもしくは28Cあたりのタイヤの装着が前提になっています。レースに出る訳ではないので、個人的には28Cにしたい。かなり荒れたアスファルトでもタイヤが衝撃を吸収してくれるので、安定してトルクをかけられます。
リムの幅が広がると、28Cでもサイドウォールがよれずにしっかりとトラクションがかかるようになります。内幅19mmだと25Cがジャストフィットなので、出来れば21mm以上のリムを使ってみたいですね。デメリットはタイヤが重くなることです。
デザイン、価格
最後にデザインと価格です。ホイールは見た目が重要なので、デザインが好みでなかったら買いません…。ここはもう個人の好みなので『ああ、このデザインが好きだったのね』と思って下さい。
予算も無制限ではないので、20万円を目安にしておきたいところ。
■候補
ということで、上記の基準を元にいくつか選んでみたのがこちらの3つ。
カンパ BORA WTO33
カンパのBORA WTO33です。スペックは以下の通り。
- リムハイト:33mm
- リム外幅:26.1mm、内幅19mm
- 重量:1,485g
- ハブ:アルミボディ、USBセラミックボールベアリング
カンパのホイールですから、これ買っておけば間違いないというやつです。WTOシリーズにはリムハイトの違いで33、45、60がありますが、サイスポのインプレによると何故か45の評価が良くない。
逆に33と60は非常に良いということなので、33を試してみたいところ。ブルべで使いますから、軽量でオールラウンドに使えるのはメリットが大きいです。カンパのホイールはニップルホールが無くチューブレステープが不要、バルブと反対側の位相に既にカーボンが厚く積層されておりカウンターウェイトが不要、ということがメリットです。
チューブレスで使った場合、リムテープ分の重量が削減されます(タイヤとの相性で必要になることもある)し、ウェイトを貼ってホイールバランスを取る必要性も低いです。これだけで、他社と比較して実質的に40~50gは軽くなります。
カンパのホイールは単純なスペックだけは図れない『乗り味』で買う部分がありますので、いつも候補に入ってきますね。ただしリムハイトが低めなので、単純な剛性の高さという点に関してはフレームとの相性に不安が残ります。
ちなみに価格ですが、国内で買うと完全に予算オーバーなのでもし買うなら海外通販になる予定。国内だと295,000円(税別)という価格なのですが、PBKだと184,000円前後(これに2万円くらいの税金がかかる)と非常に手頃になります。
カンパのディスク対応ホイールで、他のモデルはこちらです。
[card url=”https://morou2.com/2020/02/15/campagnololo_1/”]
ENVE45 (Foundation Collection)
次は剛性が高いということで有名なENVEです。ENVEはどのリムハイトでも価格が一律なうえに、その一律価格が30万~40万円するという高級ブランドです。ところが最近になり『Foundation Collection』という新たな製品ラインを出してきました。
価格は179,800円(税別)。ENVEがこんな廉価版を出してくるとは驚きです。Foundtionシリーズにはリムハイトの違いで45と65がありますが、45のスペックは以下の通り。
- リムハイト:45mm(フックレス)
- リム外幅:28mm、内幅21mm
- 重量:1,541g
- ハブ:ENVE Foundation Road ID360 40t ラチェット
ENVEのセールスポイントである高品質なカーボンリムはそのままで、スポーク、ハブなどをコストダウンしたミドルレンジのホイールです。
決して単なる廉価版という訳では無く、リムの内幅は21mmとかなりのワイドリム。そして最大の特徴は、リムのビードが無いフックレスリムということ。フックレスリムにするとリムの成型工程がかなりシンプル化されるので、強度も上がりますし価格も安くなります。もちろんチューブレスのみ。
フックレスのメリットは、構造がシンプルになるため軽量になる、その分強度が上がる。またリムの内幅が広がるため25C以上のタイヤでもツライチになり空力が向上するなどが挙げられています。
重量はこれまでの上位モデルであるSESシリーズと比較するとやや重いですが、コストを下げるためにカーボンのグレードを落としているからでしょう。しかしリムの成型にあたっては、スポークホールを作るために通常は後から穴を開けるところを最初から穴の空いた形状に成型するなど、上位モデルと同じです。非常に手の込んだ工程です。
フックレスのリムは自動車では当たり前ですし、MTBでも実は何年も前からあります。しかし私もどんなものなのか良く分かっていないので、その点でも興味があります。ENVEのホイールラインナップはこちらで確認出来ます。
[card url=”https://morou2.com/2020/10/03/envematome/”]
ZIPP 303S
最後に候補となったのは、ZIPPの303Sです。こちらもフックレスリム、そしてENVEよりも更にワイドリムとなっています。スペックは以下の通り。
- リムハイト:45mm(フックレス)
- リム外幅:27mm、内幅23mm
- 重量:1,530g
- ハブ:76 / 176ハブ
ENVEよりも更にワイドリムの23mmで28Cに最適化されています。25Cでも太いと思っている人は、このホイールは買えません。その上で重量はENVEよりも11g軽い1,530g。ワイド化することで空気圧を下げる事が可能になり、空気圧が下がるとタイヤの変形が減って転がり抵抗も削減されます。
そして価格は驚愕の141,800円(税別)。ここまで安いと、むしろ怪しく見えてしまいます。今までのホイールは一体何だったのかと。しかし303Sの上位モデルである303 Firecrestはリム内幅が更に広くなって25mm。なのに重量は1,352gとディスク用ホイールとは思えない軽さですが、価格も303Sから一気に約10万円アップして234,100円(税別)。怪しくなくなりましたね。それでもスペックからすると十分安いですが。。。
303Sもフックレスなので、フックレスのメリットについてはENVEとは同じキャッチコピーが並びます。そして更なるワイドリムで剛性も向上している上に軽量、価格も安い。
ちなみに国内で買ってもこの価格ですが、海外通販でも売っています。前後で約11万円となかなか魅力的なプライスです。国内でもYahooショッピングだとpaypayボーナスとか色々付くのでそこそこ安いです。これだけ安いと、とりあえず303Sを買っておけば良いのではないかと思ってしまう…。
[card url=”https://morou2.com/2020/10/17/zipp2020/”]
ということで、調べてみると色々ありました。チューブレスが使えるなら、フックレスホイールの人柱になる覚悟とセットで、高性能なホイールが安く買える時代になりました。非常に悩みどころです。
後はデザインで決まることになりそうです。