体重に応じたローターの小径化を試してみる。フロントローターを140mmへ。
ロードバイクのローターをフロント/リアとも140mmにしました。リアは1年ほど前から140mmでしたが、思い切ってフロントも140mmに。前後ローターの組み合わせで一般的なのは、フロント:160mm、リア:140mmと思います。あえて交換した目的と交換後の制動力についてレビューします。
※今回はブレーキの性能を落とすお話なのであまりお勧めしません。もし実施される場合は、十分にテストをしたうえで実走して下さい。
■交換の目的
目的は軽量化
ずばり目的は軽量化です。その手段として、今回は体重に合わせた安全マージンをとるという方法を選択しました。私はカンパのローターを使っていますが、160mm⇒140mmに変更することで約20g軽くなります。
常々感じていたのですが、体重が58kgしかない私には、フロントの160mmローターの性能は過剰なのではないかと…。軽量化もしたいですが、もし160mmローターの性能が私にとって過剰なのであれば適正サイズにしたいというのが正直なところです。
機材と体重制限
ロードバイクの機材には、重量制限が明記されているものがあります。例えばフルクラムの『SPEED 40T DB』は109kgまでとなっています。体重ではなく重量なので、ライダーの体重と自転車及び積載物の合計でしょう。
市販される機材は誰がどのような使い方をするか分からないため、メーカー側としては安全マージンを多く見積もっておく必要があります。
ローターに関しても、以前はシマノのマニュアルに『140mmのローターを使用する場合、160mmのローターより制動力が低下します。140mmのローターはリアのみにお勧めします』という注意書きがあったりしました。この注意書きも、誰がどんな状況で使用するか分からないがために必要になるものです。
よって、私のような体重が60kgもなく、体重に比例してパワーも無い一般人であればブレーキローターの容量も小さくすることが出来るのでは?という目論見です。
■現在の仕様
現在は、ローターについてフロント:160mm、リア:140mmという組み合わせで使っています。
ディスクロードが一般的になった現在では、オーソドックスな組み合わせですね。例えばCannondaleの『SuperSix EVO』のローターは、この組み合わせです。R8100アルテグラ一式を購入した時も、付属したローターは160mmと140mmでした。
ちなみに私がシナプスを購入したのは2018年ですが、シナプスのローターの組み合わせは当時も新型が出た今も前後とも160mmになっています。
私の場合は、リアについては140mmにサイズダウンしても良いと感じたため、カンパのローターに交換する際にリアのみ140mmに交換しています。
■フロントローターを140mmにする
カンパの140mmローターを購入
そうと決まればまずはローターを調達します。カンパの03ローター、140mmです。03ローターはレコード以上のグレードに採用されています。シマノと異なりカンパの消耗品(メジャーなものに限る)ならすぐに入手出来るのが良いですね。ちなみに03では無い方のローター(無印と呼ぶことにする)と03の違いは、カンパ本国のサイトを見ても代理店に確認しても分からなかったのですが、どうやら無印の方が重いらしいです。
シマノが良い人は、こちらですね。
交換作業
早速交換作業に移ります。まずはキャリパーを外し、マウントも外します。
外したマウントは逆向きにして装着することで、140mmに対応します。
フロントホイールのローターも交換します。装着前に重量の測定。140mmは99g。公称重量とぴったり。
続いて、外した160mmのローターは113gでした。新品時は119gだったので、削れて6g軽くなっています。厚みを測定すると新品時の1.76mm⇒1.72mmと0.04mmの減りです。まだまだ使えます。
ブレーキ性能を犠牲にして、20gの軽さを手に入れます。
交換完了
交換作業自体は簡単なのであっさりと終了です。パッドが新品なので、むしろキャリパーのクリアランス調整に手間取りました。明らかに一回り小さいですね。
■実際に走ってみる
まずは家の周りを恐る恐る低速で周回します。子供たちが自転車の補助輪を取る練習をした場所です。彼らは補助輪が取れるや否や全開で走っていましたが、今回はそうもいきません。体重58kg+バイク8kg(パッドはシマノのレジン)の条件で、どの程度止まれるのでしょうか。
20km/h程度でブレーキをかけてみると、意外と今までよりも少し強い程度の引きで停まれます。ローターに『あたり』が出ていないので立ち上がりが遅れ気味ですが、それを差し引くと慣れたら問題無いレベルです。
むしろ今までは、フロントがロックしてしまうので抑え気味にレバーを握っていたことに気づきました。
その後は少しうろうろして終了。特に問題はなさそうなので翌日には50km程度走ったところ、すっかり慣れてしまいました。意識して全力でレバーを握ったり、早めにブレーキングするということはありません。これまでよりもフロント/リアをちょいと強く握る程度です。個人的には慣れの範囲。
後は、ブルベで過酷な状況になったときにどうか?という点だけ心配です。熱容量が小さくなりますから、20kmひたすら下りみたいな場面でどうなるかを試してみる必要があります。限定的すぎる状況ですけど、、、
■まとめ
交換から一ヶ月が経ち、毎週のように走りましたが今のところ不都合はありません。私の体重(58kg)であれば問題無く止まれています。
むしろ今までは、無意識の内にフロントがロックしないように加減してレバーを握っていることが分かりました。ブレーキの容量に余裕があるのは良い事ですが、活用しきれていなかったと思われます。
交通の状況によって急制動が必要になる場面もありますので、ブレーキの余裕を削ってしまうこの方法は一概にお勧めできるものではありません。そしてメリットはたった20g程度の軽量化。十分にテストをしたうえで、色々な状況に対応出来そうであれば選択肢の1つとして考えても良いのではないでしょうか。