来年はPBP(Paris–Brest–Paris)なので、チューブレスからクリンチャーにしようかと考えている話
2年間以上使ったチューブレスですが、ここらで一度、クリンチャーに変更しようかと考えています。
■来年はPBP
PBPを完走したい
この2年の間でチューブレスのメリットもデメリットも大いに実感しました。個人的には、チューブレスはメリットの方が上回るタイヤシステムと感じていますが、それでもあえてクリンチャーに戻そうかな?と考えています。理由は来年開催されるPBPを完走する確率を上げるためです。
PBPの開催は4年に一度。前回は2019年でした。費用もかかります(諸々含み、概ね30万円前後らしい)から、子供がいる家庭としては何回も行けません。2023年のPBPについては何とか家族の了承を得ましたが、次回の参加はなさそうです。例えDNFになっても、2027年の参加はしないつもりです。
PBPとは
話が前後してしまいましたが、PBPとは『Paris–Brest–Paris Randonneur』の略称です。その名の通り、フランスのパリを出発し、600km先のブレストで折り返してパリまで戻ってくる1,200kmのブルベです。ACP主催のため、BRMの最高峰としての位置づけになっています。詳しくはAudax Japanのサイトにて。
クリンチャーに変更する理由
さてメリットが多いと言いつつもチューブレスからクリンチャーに変更する理由ですが、クリンチャーは『パンクしてもチューブを替えれば元の性能に戻る』ことが可能なためです。
残念ながら、チューブレスだとそうはいきません。パンクのしづらさで言えばチューブレスに軍配が上がりますが、フランスで1,200kmも走ることを考えるとチューブレスであっても色々アクシデントがあると思います。
1回それなりに走れば路面の状況など色々分かりますから『楽したいし、チューブレスでもいけそうやな!』という判断が出来るようになると思うのですが、何しろ初参加ですから保守的にせざるを得ません。私の友人には既にPBPに3回参加している超ベテラン様がいるのですが、残念ながらその域には到達できそうにありません(笑)
恐らくですが、舗装の状態は日本の方が良いと思います。そうなると舗装の状態の悪い海外の方がチューブレスの特性(路面追従性に優れる)に合っているのですが、1,200kmを完走することが優先順位の第一位となると話は変わります。
チューブレスにした理由
そもそも私がチューブレスにした理由ですが、『チューブレスはどんなもんだろ?』という興味からです。結果的に走行性能が非常に優れていたので気に入って使っており、人柱としての使命感からENVEのフックレスホイールまで買ってしまいました。
しかしクリンチャーにはクリンチャーのメリットがありますから、適材適所で使い分けていきたいと思う次第です。
■チューブレスのメリット/デメリット
以前も記事にしたのですが、ここで改めてチューブレスのメリット、デメリットを整理してみたいと思います。
メリット
チューブレスのメリットは、チューブが無いことによる振動吸収性の良さ。その結果、荒れた路面でもタイヤがうまく変形して路面追従性が上がります。タイヤが跳ねずにずっと接地しており、トルクを伝え続けられるということです。楽ですし、速くなります。
またチューブが無いという事はリム打ちパンクが発生しないので、低圧に出来ます。これも振動吸収性を向上させる要因の1つとなっています。ちょっとした段差なら真っ直ぐ突っ込んで大丈夫ですし、タイヤが変形して段差を乗り越える感覚はクリンチャーには無いですね。
パンクについては、穴が小さい場合はシーラントが勝手に塞いでくれます。気付かないことすらありますが、穴の程度によっては空気が抜けてすぐに分かることもあります。シーラントが固まって穴を塞ぐまでに15分程度は必要だからです。またシーラントが塞いでくれると言っても走行が継続出来るというだけで、40km/hでガンガン走れるわけではありません。
デメリット
一方のデメリットですが、先ほど書いた通りパンクしたら元に戻らないということに尽きます。シーラントが穴を塞いだ後も、空気圧を上げすぎるとシーラントの膜が破れて噴き出してきます。そうなると、シーラントが膜を作るまでにまたしばらく待つことになります(慣れるとその加減が分かるので、大丈夫ですが)。
これはパンク穴の大きさによるので何とも言えませんが、元の空気圧まで上げられないことの方が多いです。それでも3bar程度は入りますから(チューブレスは3barも入れたら十分走れる)、ブルベで要求されるペースには問題が無い事も多いです。もちろんタイムマネジメントはその分だけ難しくなりますが…。
またチューブを入れてチューブドにするという選択肢もあります。ちなみに私も試してみたのですが、タイヤが固すぎてチューブを入れる事が出来ませんでした。チューブくらいすぐに入れられると思っていたのですが、自分でもびっくりです。
そもそも気密性が重視されるチューブレスは、タイヤを装着するだけで非常に大変です。ましてやブルべ中にそこらの道端でチューブを入れるなど無理…という感じ。
ただしこれは、ヴィットリアのようなガバガバのタイヤを使っていたら余裕でチューブを入れる事が出来ると思いますので、リムとタイヤの相性によります。
■クリンチャーのメリット/デメリット
メリット
チューブレスを使うと良く分かりますが、とにかくパンクしてもチューブを交換すれば短時間で元の性能に戻るということ。このしぶとさがクリンチャーの最大のメリットです。
この安心感とお手軽さは、ブルベをメインで走っていると何物にも代え難いですね。
装着も簡単です。チューブレスのように、『チューブレステープを貼る』『チューブレスバルブを付ける』『タイヤを装着する』『ビードを上げる』という工程を意識せずとも装着出来ます。
デメリット
デメリットについてですが、やはり走行性能です。ここは構造の違いからどうしてもチューブレスには敵わないと思います。また重量面もチューボリートのような高価な超軽量チューブを使わない限り、若干ではありますがチューブレスよりも重くなります。
■ホイール変更が必要
ということで、PBPでパンクした場合のことを考えるとやはりクリンチャーにせざるを得ないというのが現時点の結論。路面の状態が想像出来る日本だったら1,200kmでもチューブレスで走りますけど、フランスでも『俺はパンクしない』なんて仮定を置くのはチャレンジング過ぎます。
ただし私はENVE45というフックレスホイールを使っているので、クリンチャーを使うにはホイールから変える必要があります。
今時のホイールは、どれもクリンチャーとチューブレスに対応した2way的なものばかりです。2022年中はチューブレスで運用して、2023年からクリンチャーにするということも可能だと思っています。
次に買うなら、出来ればカンパやフルクラムのようなニップルホールの無いリムにしたい。チューブレステープを貼るのって非常に面倒なので、あの工程が無くなるだけでトラブル発生の確率が下がります。そうなると選択肢はカンパのWTO33あたりかな…と思ってます。
海外通販だとWTO33もとてもお安いんですよね。約210,000円です。
WTO33を買ってもPBPまではチューブレスで走るという考えなら、ZONDAあたりの安いのをクリンチャー専用として買ってPBPの時だけ使うという考えもありますよね。当然ですがWTO33とは価格が全く違うので、ちょっと悩んでいます。PBKですと、シマノハブは約57,000円です。
こんばんは。
チューブレスは不安になりますよね。
私は2018年のALPI4000はチューブレスでした。このときは少々リム打ちしたのですがパンクはしませんでした。
クリンチャーだとこれはパンクしてたと思いました。
飛行機のときは0気圧にするとシーラントが漏れるので2気圧ぐらい空気ぬいてから預けました。
2015年のPBPはチューブラーにしていました。このときもパンクはなし。
飛行機のときは帰りにゼロ気圧にしたのですが、リム打ちしていました。
完全にゼロにするべきではないと思いました。
NAOさん
貴重な体験談、ありがとうございます。チューブレスの方がパンクしづらいことは確かですよね。
しかし私の場合、PBPは一発勝負なのでチューブレスだと不安なのです…。
チューブレスが速いのは間違いないですし、リム幅も広くて(ENVE45なら内寸21mm)空力も優れているので、出来ればチューブレスを使いたいです。でもまぁ、あと1年半くらいありますので、色々悩んでみたいと思っています。
MAVICのCOSMIC SLR32(orSLR45)は候補から外れますか?
海外通販だと20万円切るようですが。。。
読者さん
マヴィックもリムテープ不要なので、良いですよね。
あまり海外で買うイメージが無かったので忘れていましたが、普通にPBKに売ってましたね。ありがとうございます。候補にさせていただきます。
本国フランスなのでサポートも手厚いのかなw?と
思った次第です。
購入、実走のレポート楽しみにしています。
日本に来た外国人サイクリストが、シマノのホイールを使っているようなものですからね。
私も同じことを思いました。